Trademark Appeal Case
著名商標の要部と混同
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2020−650006(T2020−650006/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「GOOGLE EYE」の欧文字を書してなり、第28類「Fishing lures.」を指定商品として、2017(平成29)年7月20日に米国においてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、2018(平成30)年1月20日に国際商標登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、その構成中に、Google LLC(米国カリフォルニア州)が、本願商標出願前からインターネットビジネス関連の商品及び役務について使用して著名となっている『GOOGLE』の文字を含んでなるから、これを出願人がその指定商品に使用すると、あたかも上記会社又は同社と経済的、組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生ずるおそれがある。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審における審尋及び請求人の回答
審判長は、請求人に対し、令和2年7月29日付け審尋において、別掲1ないし3に係る証拠を示して、本願商標が商標法第4条第1項第15号に該当する旨の見解を示し、相当の期間を指定して意見を求めたが、請求人からは、何ら応答がなかった。
4 当審の判断
(1)本願商標について
本願商標は、「GOOGLE EYE」の欧文字をセリフ体の書体で横書きしてなるところ、スペースを介して表されていることから、「GOOGLE」と「EYE」の文字からなるものと容易に看取されるものである。そして、その構成中「GOOGLE」の文字は、「[クリケット]<ボールが>グーグリ[緩曲球]になる。」などを意味する英語(「ランダムハウス英和大辞典第2版」小学館)ではあるものの、その意味合いをもって我が国において一般に親しまれた語とはいえず、これに「目」(「広辞苑第七版」岩波書店)の意味を有する平易な英語である「EYE」の文字を組み合わせた熟語もなく、本願商標全体から、特定の意味合いを有すると認められる事情も見いだせない。
そうすると、本願商標は、全体として一体的な観念を認識させるものとはいえない。
(2)商標法第4条第1項第15号について
ア 「Google」の周知著名性及び独創性の程度について
原審における拒絶理由に引用する商標は、「Google」の文字(以下「引用商標」という。)よりなるものであり、「Google」の語は、別掲1のとおり、世界的規模のコンピュータソフトウェア会社の名称(以下、当該社名を指していうときは「グーグル社」という。)及びインターネットの検索エンジンを指す語として、一般の国語辞書・英和辞書に掲載されている語である。
そして、グーグル社は、引用商標と同名の検索エンジンのほか、別掲2のとおり、「Google Earth」、「Google Books」、「Google Maps」等のように、引用商標を冠した商標を使用し、世界的規模で各種サービスや商品(コンピュータソフトウェア等)を提供しており、さらに、AIスピーカー「Googleホーム」のように、日本国内においても、スマートホーム機器を販売するなど、多角的に事業を展開していることも広く知られている。
そうすると、引用商標は、グーグル社の商標として、我が国の取引者、需要者の間において、本願商標の登録出願日には、広く認識され、その周知著名性の程度は高く、これは現在においても継続しているものということができる。
また、「Google」の文字は、前記(1)のとおり英語の成語ではあるが、我が国において一般に使用される親しまれた語とはいえないから、相当程度の独創性を有する。
イ 本願商標と引用商標の類似性の程度について
本願商標は、前記(1)のとおり、「GOOGLE EYE」の欧文字を横書きしてなり、「GOOGLE」と「EYE」の文字からなるものと容易に看取されるものであって、全体として一体的な観念を認識させるものでもないところ、その構成中の「GOOGLE」の文字は、前記アのとおり周知著名な商標である「Google」と、そのつづりを共通にするものであって、商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるといえ、これに対して、構成中の「EYE」の文字は、親しまれた成語であって、商品の出所識別標識として特徴的な部分とはいえないものである。そして、グーグル社が引用商標を冠した商標を使用していることも広く知られているところである。
そうすると、本願商標の要部といえる「GOOGLE」の文字は、グーグル社及び同社のブランドとしての「Google」を想起させ、「グーグル」の称呼並びに「グーグル社」及び「(グーグル社のブランドとしての)グーグル」の観念を生じるものというのが相当であるから、本願商標の要部と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれも共通にし、両商標は、類似性の程度が極めて高いというべきである。
ウ 本願商標の指定商品と引用商標の商品及び役務との関連性の程度並びに需要者の共通性その他取引の実情
本願商標の指定商品は、「Fishing lures(釣り用ルアー)」であって、娯楽を目的とする釣りも広く行われているものであるから、当該商品の需要者は、一般の消費者といえる。一方、グーグル社が提供するサーチエンジン(各種サービスを含む。)は、我が国において広く一般に使用されているものであるから、引用商標の需要者も、一般の消費者といえ、両者の需要者は共通であるということができる。
そして、近年、IoT(モノのインターネット)のように、様々なものがインターネットに連結され、スマートフォンなどで操作ができるところ、別掲3のとおり、本願指定商品との関係においても、情報技術が導入されている実情があり、魚や釣り場の情報をみることができる釣り用のアプリが提供され、さらに、情報技術を利用するためのセンサーを内蔵したルアーが販売された事実があることも認められる。
そうすると、釣り具及びこれに関連する釣りの分野においても情報技術(スマートフォンで表示するものを含む。)が利用されているというのが相当であり、グーグル社が情報サービスを提供し(「Google Maps」等)、情報技術を利用した商品も取り扱っている(「Google Earth」、「Googleホーム」等)ことからすれば、本願商標の指定商品とグーグル社の取扱いに係る商品及び役務とは、一定程度の関連性を有するものといえる。
エ 出所の混同のおそれについて
前記アのとおり、引用商標は、本願商標の登録出願時において、グーグル社の商標として我が国において広く知られ、周知著名性の程度が高く、相当程度の独創性も有すること、前記イのとおり、本願商標と引用商標との類似性の程度は極めて高いこと、前記ウのとおり、本願商標と引用商標の需要者は、共に一般の消費者として共通するものであって、本願商標の指定商品とグーグル社の取扱いに係る商品及び役務とが一定程度の関連性を有することからすると、本願商標を請求人がその指定商品について使用するときは、これに接する取引者、需要者が、周知著名性を有する引用商標を想起、連想し、その商品が、あたかもグーグル社又はグーグル社と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれがあるというべきである。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。
(3)請求人の主張について
請求人は、本願商標が、グーグル社が本拠地を置いている米国を含む複数の国において登録が認められていることを挙げて、本願商標をその指定商品に使用しても、その商品が、グーグル社の商品と混同を生じるおそれはない旨、主張している。
しかしながら、諸外国と我が国の商標保護に関する法制は、細部においては自ずと異なるものであるところ、本願商標の登録の適否は、我が国の商標法の下で判断されるべきものであって、また、取引の実情や需要者の認識等も各国毎に異なるものであるから、諸外国における登録状況等の事情は、前記(2)の判断を左右しない。
(4)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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