結論テキスト
審判費用は被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 無効2020−680002(T2020−680002/J3) |
|---|---|
| 審判種別 | 無効 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件国際登録第1401452号商標(以下「本件商標」という。)は,別掲1のとおり,「QUENCH CLEANSE」の欧文字を横書きしてなり,2018年3月1日に国際商標登録出願,別掲2のとおりの商品を指定商品として,平成30年12月26日に登録査定,同31年2月8日に設定登録されたものである。
請求人は,結論同旨の審決を求め,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし甲第15号証を提出した。
本件商標の登録は,商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に違反してされたものであるから,同法第46条第1項第1号の規定により,無効にすべきものである。
(1)商標法第4条第1項第11号違反について
引用商標は,「1.(火・明かりなどを)消す,2.(熱を)冷ます,急冷する,3.(渇きなどを)癒やす,和らげる,4.(欲望などを)抑える,5.(鋼を)焼き入れする」等の意味を持つ英単語であり,「クエンチ」の称呼が生じる(甲3)。
一方,本件商標からは「クエンチクレンズ」の称呼の他,「クエンチ」及び「クレンズ」の称呼をも生じるといえる。
本件商標中「CLEANSE」は,「1.〜を洗浄する,清潔にする,(ウイルスを)駆除する,2.(罪などを)清める,浄化する」の意味を持つ英単語であり,本件商標の指定商品との関係においては,識別力のない語である(甲4)。
現に,インターネット上では,「CLEANSE」及びその表音である「クレンズ」が第3類に含まれる商品について一般的に使用されている事実が多数存在する(甲5)。これにより,「CLEANSE」及びその表音である「クレンズ」の語は,本件商標の登録査定時においては,「汚れを落とす」等の意味を有する語として普通に使用されていたことがわかる。
さらに,特許庁の審査においても,「CLEANSE」及びその表音である「クレンズ」の語は,「浄化する,(汚れを)取り除く」を意味する語であると判断されている(甲6)。
また,「CLEANSE」の派生語である「CLEANSING」は「清潔にする,洗う」を意味し,「CLEANSING」及びその表音である「クレンジング」は化粧を落とすこと,またはそれに用いる化粧品を指す語として一般的に使用されている(甲7)。「CLEANSING」が「CLEANSE」の派生語であることにより,一般需要者は「CLEANSE(クレンズ)」を「CLEANSING(クレンジング)」とほぼ同義語として理解し,第3類に含まれる商品については,「洗浄するための商品,清潔にするための商品,洗うための商品」等を意味する語であると認識することは想像に難くないといえるため,「QUENCH CLEANSE」をみた需要者は「CLEANSE」部分を捨象し,本件商標の要部は「QUENCH」であると認識するといえる。
加えて,「CLEANSE」と近い意味を持つ「CLEAN」(クリーン)は,商品「せっけん,化粧品(香水を除く。)」については,「『洗浄作用を目的とする商品』,あるいは『身体を清潔にし,美化当を目的とした商品』」を意味し,「きれい・清潔にする(商品)」であると理解するため識別力がないとしている(甲8)。また,商標「○○CLEAN」と商標「○○」あるいは商標「○○CLEANER」と商標「○○」について,要部は「○○」であり,両商標は互いに類似すると判断されている(甲9)。
したがって,本件商標中の要部は「QUENCH」であり,そこから「クエンチ」の称呼のみを生じるから,同じく「クエンチ」の称呼を生じる引用商標と類似する。
そして,本件商標は,引用商標に係る指定商品と類似の商品について使用するものであるから,商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)商標法第4条第1項第15号違反について
請求人は,1960年(昭和35年)に設立され,主な事業として,ヘアカラー剤,ヘアスタイリング剤,パーマ剤,シャンプー,ヘアトリートメント,薬用発毛促進剤,スキンケア・メイクアップ化粧品の製造及び販売(国内・輸出)などを主な事業内容としている(甲11)。
請求人は,使用商標をシャンプーやトリートメントに使用している(甲12)。使用開始日は2009年(平成21年)であり,その後現在に至るまで継続的に使用しており,2009年(平成21年)から2019年(平成31年)2月までの売上は,89億326万5230円,出荷数量は517万1042個である(甲15)。
ネットショッピングサイトにおいても,「クエンチ」と検索すれば,請求人に係る商品が多数検出される(甲13)。また,請求人との販売契約を有するサロンでは,当該商品を販売し,ホームページ上においては,「クエンチ」に関する記事を定期的に掲載している(甲14)。
以上のことから,使用商標は取引者,需要者の間で請求人の出所を表示する著名な商標と認識されているため,本件商標は,その指定商品について使用するとき,使用商標を有する請求人の商品と混同を生じるおそれがある商標であるといえる。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に該当する。
被請求人は,請求人の主張に対して何ら答弁していない。
請求人が本件審判を請求することの利害関係の有無については当事者間に争いがなく,また,当審は請求人が本件審判を請求する利害関係を有するものと認める。
(1)本件商標
本件商標は,別掲1のとおり,「QUENCH CLEANSE」の欧文字を横書きしてなるところ,「QUENCH」の文字と「CLEANSE」の文字の間に空白を介してなるものであり,二つの語を組み合わせたものと容易に看取,把握されるといえるものである。
そして,その構成中「QUENCH」の文字は,英語で「(火・明かりなどを)消す」程の意味を有する(甲3)ものの,我が国の取引者,需要者には,一般に知られているとはいい難い語であるから,該文字部分は,特定の意味合いを理解させない造語として認識されるものである。一方,「CLEANSE」の文字は,「〜を洗浄する」程の意味を有する(甲4)ものであり,かつ,本件指定商品を扱う分野において,「CLEANSE」の文字及びその表音である「クレンズ」の文字が,「汚れを落とす」等の意味を有する語として一般的に使用されている(甲5)ことに鑑みれば,本件商標の構成中の「CLEANSE」の文字部分は,これをその指定商品に使用する場合,「汚れを落とす」程の意味合いを理解,認識されるにすぎず,自他商品の識別標識としての機能を有しないか又は極めて弱いものとみるのが相当である。
そうすると,本件商標は,その構成中の「QUENCH」の文字が自他商品の識別標識としての機能を果たし得る要部として認識されるから,当該文字部分を抽出し,引用商標と比較して商標そのものの類否を判断することが許されるというべきである。
してみれば,本件商標は,構成全体から生じる「クエンチクレンズ」の称呼のほか,要部である「QUENCH」の文字部分に相応して「クエンチ」の称呼を生じ,これより特定の観念を生じないものである。
(2)引用商標
引用商標は,「QUENCH」の文字を標準文字で表してなるところ,上記(1)のとおり,その構成文字に相応して「クエンチ」の称呼を生じ,特定の観念を生じないものである。
(3)本件商標と引用商標の類否
本件商標と引用商標とは,上記(1)及び(2)のとおり,その構成全体をもって比較するときは,外観上,相違するものの,本件商標の構成中にあって出所識別標識としての要部たる「QUENCH」の文字部分と引用商標を比較するときは,文字構成が同一であることに加え,一般的な書体で横書きに表されている点を共通にするため,外観上,類似し,また,「クエンチ」の称呼を共通にするものである。
そうすると,本件商標と引用商標とは,観念において比較することができないとしても,称呼において共通するものであり,かつ,外観においても類似するものであるから,これらを総合勘案すれば,互いに紛れるおそれのある類似の商標というべきである。
(4)商品の類否について
本件商標の指定商品は,引用商標の指定商品と同一又は類似の商品である。
(5)小括
以上より,本件商標は,引用商標に類似する商標であり,その指定商品と同一又は類似の商品に使用するものであるから,商標法第4条第1項第11号に該当する。
以上のとおり,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当するものである。なお,請求人は,本件商標が商標法第4条第1項第15号に該当するとも主張しているが,本件商標は,同項第11号に該当するものである以上,同項第15号に該当するものとはいえない。
したがって,本件商標は,商標法第46条第1項の規定により,その登録は無効とされるべきである。
よって,結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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