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Trademark Appeal Case

称呼同一と役務類似性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2020−900173(T2020−900173/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第6260619号商標の指定商品中、第9類「マーケティングオートメーション用のコンピュータソフトウェア,ホームページ及びウェブサイトの設計・構築・保守用のコンピュータソフトウェア,インターネットプラットフォーム用のコンピュータソフトウェア,クラウドコンピューティング用のコンピュータソフトウェア,コンピュータソフトウェア,コンピュータソフトウェアプラットフォーム,電子計算機用プログラム」についての商標登録を取り消す。
本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品についての商標登録を維持する。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第6260619号商標(以下「本件商標」という。)は、「Web名刺」の文字を標準文字で表してなり、平成31年3月29日に登録出願、「マーケティングオートメーション用のコンピュータソフトウェア,ホームページ及びウェブサイトの設計・構築・保守用のコンピュータソフトウェア,インターネットプラットフォーム用のコンピュータソフトウェア,クラウドコンピューティング用のコンピュータソフトウェア,コンピュータソフトウェア,コンピュータソフトウェアプラットフォーム,電子応用機械器具及びその部品,電気通信機械器具」を含む第9類、第35類、第38類、第41類、第42類及び第45類に属する商標登録原簿に記載の商品及び役務を指定商品及び指定役務として、令和2年6月1日に登録査定され、同月17日に設定登録されたものである。

第2 引用商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)が本件登録異議の申立ての理由として引用する登録第5610663号商標(以下「引用商標」という。)は、「Web名刺」の文字を標準文字で表してなり、平成25年3月26日に登録出願、第42類「インターネットにおけるホームページ・ウェブサイト及びウェブページの設計・作成・保守及びこれらに関する情報の提供・助言並びにこれらに関するコンサルティング,インターネット・ウェブサイトを介してのコンピュータプログラムの提供,ウェブサイトにおけるデザインの考案及びその助言,ウェブサイトの開発及びこれに関する情報の提供,ソーシャルネットワーキングのためのコンピュータプログラムの設計・作成・保守及びソーシャルネットワーキングサービスを利用したウェブサイトの設計・作成又は保守並びにこれらに関する情報の提供・助言並びにこれらに関するコンサルティング,スマートフォン又は携帯電話に対応したアプリケーションプログラムの設計・作成・保守及びこれらに関する情報の提供・助言並びにこれらに関するコンサルティング」を指定役務として、同年8月30日に設定登録され、現にその商標権は有効に存続しているものである。

第3 登録異議の申立ての理由

申立人は、本件商標は、その指定商品及び指定役務中、第9類「マーケティングオートメーション用のコンピュータソフトウェア,ホームページ及びウェブサイトの設計・構築・保守用のコンピュータソフトウェア,インターネットプラットフォーム用のコンピュータソフトウェア,クラウドコンピューティング用のコンピュータソフトウェア,コンピュータソフトウェア,コンピュータソフトウェアプラットフォーム,電子応用機械器具及びその部品,電気通信機械器具」(以下「申立商品」という。)において、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号により、取り消されるべきものである、と申立て、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出した。

1 商標法第4条第1項第11号該当性について

本件商標と引用商標とは、ともに「Web名刺」の文字から生じる称呼、観念を共通にする、類似の商標であり、また展開を想定するサービスにおいても互いに抵触するものであるから、本件商標の指定商品と引用商標の指定役務とは、同一又は類似するものである。

よって、本件商標登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してなされたものであるから、取り消されるべきである。

2 商標法第4条第1項第15号該当性について

申立人の商標として広く一般に知られているWebサイトを、申立人は、2010年より運営(http://webmeishi.info/)しており、引用商標と類似する本件商標がその指定商品に指定された場合、商品の出所について混同を生ずるおそれがあると考えられる。

申立人は、2010年以来、「Web名刺」のサービスの提供及び上記ウェブサイトでの展開を行っており、また、商品「Web名刺」については、我が国における市場占有率もある。

そして、本件商標の第9類の類似群コードの内容は、引用商標と称呼及び概念を共通にする類似の商標である。

本件商標がその指定商品に使用された場合、その商品の需要者が申立人の業務に係る商品と出所について混同するおそれがある。

したがって、本件商標登録は、商標法第4条第1項第15号の規定に違反してなされたものであるから、取り消されるべきである。

第4 取消理由の通知

当審において、商標権者に対し、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する旨の取消理由を令和3年2月8日付けで通知し、相当の期間を指定して意見を求めた。

第5 商標権者の意見

上記第4の取消理由に対し、商標権者は、何ら意見を述べるところがない。

第6 当審の判断

1 商標法第4条第1項第11号該当性について

(1)商標の類否について

ア 本件商標

本件商標は、「Web名刺」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成文字より「ウェブメイシ」の称呼を生じ、当該文字は、辞書等に載録されている語でなく、本件商標の申立に係る商品を取り扱う分野において特定の意味合いをもって使用され広く親しまれている語ともいい得ないことから、一種の造語とみるのが相当である。

したがって、本件商標からは、「ウェブメイシ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。

イ 引用商標

引用商標は、「Web名刺」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成文字より「ウェブメイシ」の称呼を生じ、上記アと同様に一種の造語とみるのが相当である。

したがって、引用商標からは、「ウェブメイシ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。

ウ 本件商標と引用商標との類否について

上記ア及びイのとおり、本件商標及び引用商標は、いずれも「Web名刺」の文字を標準文字で表してなるものであるから、本件商標は引用商標と同一又は類似の商標である。

(2)本件商標の申立商品と引用商標の指定役務の類否について

ア 本件商標の申立商品と引用商標の指定役務との類否を検討するに、以下の理由から、申立商品中、「マーケティングオートメーション用のコンピュータソフトウェア,ホームページ及びウェブサイトの設計・構築・保守用のコンピュータソフトウェア,インターネットプラットフォーム用のコンピュータソフトウェア,クラウドコンピューティング用のコンピュータソフトウェア,コンピュータソフトウェア,コンピュータソフトウェアプラットフォーム,電子計算機用プログラム(決定注:「電子応用機械器具及びその部品」に含まれる商品。)」(以下「本件商品」という。)と引用商標の指定役務中、第42類「インターネット・ウェブサイトを介してのコンピュータプログラムの提供」(以下「引用役務」という。)とは、類似するものと認める。

(ア)役務の提供と商品の製造・販売が同一事業者によって行われている実情について

以下のaないしdのように、コンピュータソフトウェアの提供と、コンピュータソフトウェアないしコンピュータソフトウェアプラットフォームの製造・販売が同一事業者によって行われている事実がある。

a 「日本マイクロソフト」のウェブサイトにおいて、「Microsoft 365 で働き方を変革」の見出しの下、「生産性向上クラウドが、クラス最高のOfficeアプリ、インテリジェントなクラウドサービス、高度なセキュリティをひとつにまとめます。企業がより多くを達成するのに役立ちます。」の記載(クラウドの提供(コンピュータソフトウェアの提供)に関する記載)がある。

https://www.microsoft.com/ja-jp/microsoft-365/business/all-business?rtc=1

また、「Amazon」のウェブサイトにおいて、「Microsoft Word 2019(最新 永続版)|オンラインコード版|Windows10/mac対応|PC2台 ブランド:マイクロソフト・・・Windows・mac向け2019版のWordがダウンロード可能。 使用人数:1人/使用年数:永続/PC使用台数:2台まで使用可能。」の記載(コンピュータソフトウェアの販売に関する記載)がある。

https://www.amazon.co.jp/Microsoft-Word-%E3%82%AA%E3%83%B3%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%89%E7%89%88-Windows10-mac%E5%AF%BE%E5%BF%9C/dp/B07LBWWT8F

b 「富士通株式会社」のウェブサイトにおける、「ホーム>製品>ソフトウェア>製品ラインナップ」のカテゴリーのページに「ソフトウェア」に関する商品の記載(コンピュータソフトウェアの販売に関する記載)が、及び「ホーム>製品>コンピュータプラットフォーム」のカテゴリーのページに「コンピュータプラットフォーム」に関する商品の記載(コンピュータソフトウェアの販売に関する記載)があり、また、同社のウェブサイトにおいて、「ホーム>サービス>クラウド・コンピューティング」のカテゴリーのページにクラウドの提供(コンピュータソフトウェアの提供)に関する記載がある。

https://www.fujitsu.com/jp/products/software/productlineup/?soft-fm_productlineup

https://www.fujitsu.com/jp/products/computing/

https://jp.fujitsu.com/solutions/cloud/

c 「日本電気株式会社」のウェブサイトにおける、「ホーム>ソリューション・サービス>クラウド:NEC Cloud Solutions>ラインナップ・体系>プラットフォームサービス(PaaS)」のカテゴリーのページに、「NEC Cloud Solutions」の見出しの下、「NEC Cloud PaaS」、「NECはお客様のデジタルトランスフォーメーションを実現するための基盤として、統合IoT基盤、AI・アナリティクス、ビジネス共通機能、アプリ開発/実行環境をクラウドサービスとして提供します。」の記載(コンピュータソフトウェアの提供に関する記載)があり、また、同社のウェブサイトにおいて、「製品」の見出しの下、「ソフトウェア」の項に、各種ソフトウェアの記載(コンピュータソフトウェアの販売に関する記載)がある。

https://jpn.nec.com/cloud/service/platform_service/paas.html

https://jpn.nec.com/products/soft/index.html

d 「デジタルアーツ株式会社」のウェブサイトにおいて、「『i−フィルターforマルチデバイス』ラインナップ」の見出しの下に、「年額版」、「1台用・3年版」、「1台用・2年版」、「月額版」、「1台用・月額版」等の記載があり、それぞれに「ご利用期間」、「価格(税込)」の記載がある。また、「かんたん3つのステップでご購入 STEP1 ユーザー登録 お客さま情報の登録とシリアルIDの発行 STEP2 ダウンロード お客さま情報の登録完了後、ご利用になる端末に『i−フィルター』をダウンロード STEP3 インストール ダウンロードした『i−フィルター』をインストール後、フィルタリングを設定すれば、ご利用開始!」の記載(コンピュータソフトウェアの提供に関する記載)がある。

https://www.daj.jp/cs/lp/md/001/a/?gclid=EAIaIQobChMIq7fl3NTN5wIVVLaWCh1-_QGYEAAYASAAEgLpivD_BwE

また、「Amazon」のウェブサイトにおいて、「i−フィルター6.0」の見出しの下、「デジタルアーツ」、「ダウンロード版」、「パッケージ版」の記載、「動作環境」の項に「メディア:CD−ROM」、「商品の数量:1」の記載(コンピュータソフトウェアの販売に関する記載)がある。

https://www.amazon.co.jp/%E3%83%87%E3%82%B8%E3%82%BF%E3%83%AB%E3%82%A2%E3%83%BC%E3%83%84-i-%E3%83%95%E3%82%A3%E3%83%AB%E3%82%BF%E3%83%BC-6-0/dp/B0049684BI

(イ)役務と商品の用途について

本件商品は、「・・・用のコンピュータソフトウェア,コンピュータソフトウェア,コンピュータソフトウェアプラットフォーム,電子計算機用プログラム」であるところ、そのうちの「コンピュータソフトウェアプラットフォーム」は、「コンピュータソフトウェア」の範ちゅうの商品である。そして、引用役務は「・・・コンピュータプログラムの提供」であるところ、本件商品及び引用役務の用途は、いずれも、コンピュータソフトウェア(電子計算機用プログラム)の提供を受けるか購入することにより、コンピュータソフトウェア(電子計算機用プログラム)を使用して、コンピュータ処理をするものであるから、その用途は共通するものといえる。

(ウ)需要者の範囲について

本件商品に係る需要者と引用役務に係る需要者とは、ともに、コンピュータソフトウェア(電子計算機用プログラム)を使用するユーザーであって、需要者の範囲は共通するものといえる。

(エ)上記(ア)ないし(ウ)のとおり、「コンピュータソフトウェア(電子計算機用プログラム)」と「コンピュータソフトウェア(電子計算機用プログラム)の提供」は、事業者を共通にする事実があること、その用途が共通していること及び需要者の範囲を共通にするものであること等から、これらに同一又は類似する商標の使用をするときは、それぞれの商品と役務の間に出所の混同を生じるおそれがあるものであり、相互に類似するものといえる。

(オ)小括

以上を総合勘案すれば、本件商品と引用役務は、互いに類似するものと認められる。

イ 申立商品中、「電子計算機用プログラム以外の電子応用機械器具及びその部品,電気通信機械器具」と引用商標の指定役務とは、商品の製造・販売と役務の提供が同一事業者によって行われているのが一般的であるといえず、また、商品と役務の用途、需要者の範囲などが一致するとはいえないことなどから、類似しないものというのが相当である。

よって、申立商品中、「電子計算機用プログラム以外の電子応用機械器具及びその部品,電気通信機械器具」と引用商標の指定役務とは、非類似の商品及び役務であると認められる。

(3)まとめ

したがって、本件商標は、申立商品中の「マーケティングオートメーション用のコンピュータソフトウェア,ホームページ及びウェブサイトの設計・構築・保守用のコンピュータソフトウェア,インターネットプラットフォーム用のコンピュータソフトウェア,クラウドコンピューティング用のコンピュータソフトウェア,コンピュータソフトウェア,コンピュータソフトウェアプラットフォーム,電子計算機用プログラム」についての登録は、商標法第4条第1項第11号に該当し、当該商品以外の申立商品についての登録は、同号に該当しない。

2 商標法第4条第1項第15号該当性について

(1)引用商標の周知・著名性について

ア 申立人の主張及び当審における職権による調査によれば、次のとおりである。

(ア)申立人は、引用商標については、申立人の商標として広く一般に知られているウェブサイトを2010年より運営(http://webmeishi.info/)している旨主張しているが、当審における職権による調査によれば、上記ウェブサイトは、「Web名刺」の語及び「インターネットを利用した情報発信サービス」などの記載が認められるが、申立人以外の第三者を代表取締役社長とする株式会社により運営されているものである(職権調査 http://webmeishi.info/com/index.html)。

(イ)申立人は、「商品『Web名刺』については、我が国における市場占有率もある。」旨主張しているが、引用商標が使用された申立人の業務に係る役務の、我が国における取引の規模や実績を裏付ける証左は見いだせない。

イ 上記アのとおり、引用商標の我が国における使用開始時期、広告宣伝の方法・期間等は確認できず、何より引用商標が使用された申立人の業務に係る役務の、我が国における使用事実及び取引実績を裏付ける証左は何ら見いだせないことから、引用商標は、申立人の業務に係る役務を表示するものとして、我が国の需要者の間に広く認識されているものと認めることはできない。

(2)本件商標と引用商標の類似性について

本件商標と引用商標は、上記第1及び第2のとおり、ともに「Web名刺」の文字よりなるものであるから、同一又は類似である。

(3)本件商標の申立商品と引用商標の指定役務との関連性、需要者の共通性について

本件商標の申立商品は、引用商標の指定役務と類似のものを含むものであるから、本件商標の申立商品と引用商標の指定役務とは、関連性を有し、需要者を共通にする場合があるといえる。

(4)出所の混同のおそれについて

上記(1)ないし(3)によれば、本件商標と引用商標は同一又は類似であり、本件商標の申立商品と引用商標の指定役務とが関連性を有し、需要者を共通にする場合があるとしても、引用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る役務を表示するものとして広く認識されていたものと認めることができないから、本件商標は、商標権者がこれを申立商品について使用しても、その商品が他人(申立人)あるいは同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれはないものというべきである。

その他、本件商標が出所の混同を生じさせるおそれがあるというべき事情は見いだせない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。

3 むすび

上記1及び2のとおり、本件商標は、その商標登録出願の日前の商標登録出願に係る他人の登録商標(引用商標)と同一又は類似の商標であって、引用商標の指定役務に類似する商品に使用をするものであるから、本件商標の指定商品及び指定役務中、本件登録異議の申立てに係る指定商品のうち「マーケティングオートメーション用のコンピュータソフトウェア,ホームページ及びウェブサイトの設計・構築・保守用のコンピュータソフトウェア,インターネットプラットフォーム用のコンピュータソフトウェア,クラウドコンピューティング用のコンピュータソフトウェア,コンピュータソフトウェア,コンピュータソフトウェアプラットフォーム,電子計算機用プログラム」についての登録は、商標法第4条第1項第11号に該当するものであり、その登録は、同条第1項の規定に違反してされたものと認められるから、同法第43条の3第2項の規定により、その登録を取り消し、その余の商品については、同法第4条第1項第11号及び同項第15号に該当するものではないから、その登録を取り消すべきものではない。

よって、結論のとおり決定する。

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