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Trademark Appeal Case

略語の観念と識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2020−13007(T2020−13007/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「BBL」の文字を標準文字で表してなり、第10類に属する願書に記載のとおりの商品を指定商品として、2019年1月18日に米国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、平成31年3月20日に登録出願、その後、指定商品については、原審における令和2年2月5日付けの手続補正書により、第10類「多様な皮膚の状態を治療するための医療用光送達装置」に補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由(要旨)

原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第1298099号商標(以下「引用商標」という。)は、「BBL」の文字を肉太のゴシック体で横書きにしてなり、昭和50年3月10日に登録出願、第10類「理化学機械器具,光学機械器具,写真機械器具,映画機械器具,測定機械器具,医療機械器具,これらの部品及び附属品,写真材料」を指定商品として、同52年9月5日に設定登録され、その後、平成20年12月17日に指定商品を第9類「理化学機械器具,光学機械器具,写真機械器具,映画機械器具,測定機械器具」及び第10類「医療用機械器具」とする指定商品の書換登録がされ、現に有効に存続しているものである。

3 当審の判断

(1)本願商標について

本願商標は、上記1のとおり、「BBL」の文字を標準文字で表してなるところ、当該文字は、単位を表す「barrel」(バレル)を意味する英語として辞書に掲載されているものの(「ランダムハウス英和大辞典第2版」株式会社小学館発行)、我が国において親しまれた英語とはいえないことから、一種の造語として理解されると判断するのが相当である。

したがって、本願商標は、その構成文字に相応して「ビービーエル」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。

(2)引用商標について

引用商標は、上記2のとおり、「BBL」の欧文字を肉太のゴシック体で横書きにしてなるところ、当該文字は上記(1)と同様に、一種の造語として理解されると判断するのが相当である。

したがって、引用商標は、その構成文字に相応して「ビービーエル」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。

(3)本願商標と引用商標の類否について

ア 商標の類否について

本願商標と引用商標の類否について検討するに、外観においては、両者は、書体が相違するものの、「BBL」のつづりを共通にするものであるから、外観上、類似する。

次に、称呼においては、両者は、いずれも「ビービーエル」の称呼を生じるため、称呼は、同一である。

さらに、観念においては、両者は、いずれも特定の観念を生じるものではないから、観念上、比較することができない。

以上によれば、本願商標と引用商標とは、観念上、比較することができないとしても、外観上、類似し、称呼上、同一のものであるから、互いに紛れるおそれのある類似の商標である。

イ 商品の類否について

本願商標の指定商品は、第10類「多様な皮膚の状態を治療するための医療用光送達装置」であるところ、これは、「人の治療をするための商品」であって、医療機器メーカーが製造及び販売をし、専ら、医療機関で使用される機器であるものと認められる。

一方、引用商標の指定商品中、第10類「医療用機械器具」も、「人の治療をするための商品」であって、医療機器メーカーが製造及び販売をし、専ら、医療機関で使用される機器であるものと認められる。

そうすると、本願商標の指定商品と引用商標の指定商品中、第10類「医療用機械器具」とは、その用途、使用場所、生産者及び需要者の範囲等を共通にする類似の商品と判断するのが相当である。

(4)小括

以上によれば、本願商標は、引用商標と類似する商標であって、かつ、本願の指定商品と引用商標の指定商品とが類似の商品であるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。

(5)請求人の主張

請求人は、本願商標と引用商標とは、外観及び称呼が類似するものであるが、本願商標の「BBL」は「BroadBand Light(ブロードバンドライト)」の略語であり、ブロードバンドライトを用いて皮膚を治療する装置に使用するものであり、引用商標の「BBL」は「Baltimore Biological Laboratories(ボルティモア生物学研究所)」の略語であり、ベクトン・ディッキンソン・アンド・カンパニーの一事業部門であったボルティモア生物学研究所関連の医療器具に使用するものであり、全く別の用途及び観念を有するものであること、本願商標は、本願の指定商品「多様な皮膚の状態を治療するための医療用光送達装置」を識別するものとして我が国の需要者に知られていること、請求人及び引用商標の権利者は、米国において類似する標章「BBL」をそれぞれの指定商品に同時に使用しているが、両者に出所の混同が生じていないことにより、本願商標は商標法第4条第1項第11号に該当しない旨主張する。

しかしながら、商標の類否判断に当たり考慮すべき取引の実情は、当該商標が現に、当該指定商品に使用されている特殊的、限定的な実情に限定して理解されるべきではなく、当該指定商品についてのより一般的、恒常的な実情、例えば、取引方法、流通経路、需要者層、商標の使用状況等を総合した取引の実情を含めて理解されるべきであるところ(最高裁昭和47年(行ツ)第33号 同49年4月25日判決言渡、及び知財高裁平成20年(行ケ)10285号 同年12月25日判決言渡参照。)、上記主張に係る取引の実情は、いずれも、現在の取引の実情の一側面を今後も変化する余地のないものとして挙げているにとどまるものであって、本願商標と引用商標の類否判断に当たり考慮すべき一般的、恒常的な取引の実情とはいい難いものであり、本願商標は、引用商標と類似する商標であって、かつ、本願の指定商品と引用商標の指定商品とが類似の商品であることは上記のとおりであるから、本願商標をその指定商品に使用した場合には、引用商標との間で出所の混同を生ずるおそれがあるというべきであり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するというのが相当である。

したがって、請求人の上記の主張は採用できない。

(6)まとめ

以上のとおり、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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