結論テキスト
審判費用は、被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2018−670035(T2018−670035/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件国際登録第1210107号商標(以下「本件商標」という。)は、「QURATE」の欧文字を横書きしてなり,2013年(平成25年)1月23日にEUIPOにおいてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、同年7月18日に国際商標登録出願、第38類「Telecommunication and communication services;electronic transmission of data,messages and information between and among computers,mobile and handheld devices and wired and wireless communication devices;telecommunication services enabling users to transmit messages,multimedia content and other user−generated content via a global computer network and other computer and communications networks;providing online communications links which transfer users to other websites;providing online forums,chat rooms and electronic bulletin boards;providing access to computer,electronic and online databases;audio,text,video and multimedia broadcasting services over computer and electronic communications networks;providing access to computer databases in the fields of entertainment,social networking,advertising,marketing and promotion;providing access to telecommunication facilities that enable the creation and updating of personal electronic web pages featuring user−provided content;distribution of electronic information over computer networks,global information networks and wireless networks;providing access to webpages and databases for searching and navigating within information from databases;broadcasting services;provision of access to blogs and forums for transmission of messages;including,but not limited to,all the aforesaid provided by electronic means including the Internet;information,advisory and consultancy services and the preparation of reports,all relating to the aforesaid services.」(以下「本件取消請求に係る指定役務」という。)、第9類、第41類及び第42類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載の商品及び役務を指定商品及び指定役務として、2015年(平成27年)9月11日に設定登録されたものである。
なお、本件審判の請求の登録は、2018年(平成30年)9月21日にされたものであり、この登録前3年以内の期間を、以下「要証期間」という。
請求人は、結論同旨の審決を求め、審判請求書、平成31年1月7日付け審判事件答弁書(以下「答弁書」という。)に対する同年3月8日付け審判事件弁駁書(以下「弁駁書」という。)にて、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、審判請求書で甲第1号証及び甲第2号証を、弁駁書で甲第3号証ないし甲第9号証を提出した。
本件商標は、本件取消請求に係る指定役務について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者(以下「商標権者又は使用権者」という場合がある。)のいずれによっても使用された事実がないから、その登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
被請求人は、答弁書にて、本件商標を、本件取消請求に係る指定役務中「Telecommunication and communication services;electronic transmission of data,messages and information between and among computers,mobile and handheld devices and wired and wireless communication devices;providing online communications links which transfer users to other websites;providing online forums,chat rooms and electronic bulletin boards;audio,text,video and multimedia broadcasting services over computer and electronic communications networks;providing access to webpages and databases for searching and navigating within information from databases」(以下「本件使用役務」という。)に使用しているとして、乙第1号証ないし乙第11号証を提出しているが、被請求人の提出した証拠には、通常使用権者であると主張するところの「株式会社Qurate」(以下「Qurate社」という。)の商号及びその要部が表示されているものの、本件商標が使用されていることは示されていないし、本件取消請求に係る指定役務のいずれかについて、日本国内で要証期間に使用されていたことも証明されていない。
(1)各争点についての総論
ア 本件商標の商標権者とQurate社の関係について
被請求人は、本件商標の商標権者(以下「本件商標権者」という。)が代表取締役を務めるQurate社に黙示の通常使用権を許諾している旨主張するが、その真偽は確認できない。
イ 被請求人が商標の使用であると主張する表示について
被請求人は、乙第3号証ないし乙第6号証及び乙第9号証に本件商標が表示されていると主張するが、被請求人が指摘する表示はいずれもQurate社の商号の要部を記載したものであって、自他の役務を識別するための商標の使用には該当しない。
具体的な商品、役務に関して用いられているのは「Que」などであって、「Qurate」が何らかの具体的な商品、役務に関して使用されている事実は示されておらず、専ら商号の要部として表示されているにとどまる。
ウ 使用に係る役務及び提供主体について
被請求人によれば、平成29年(2017年)3月29日から30日にかけて東京で開催された、新興企業と投資家向けのイベントである「Slush Tokyo」の模様を生中継するとともに、開催前後において当該イベントに関する動画や音声などをインターネット上で送信したことが、第38類の本件指定役務に該当し、中継や送信に用いたウェブサイトに本件商標が記載されている、と主張している。
しかしながら、被請求人が指摘するウェブサイト(乙6)は、イベントの主催者が管理、運営するものであって、Qurate社等は当該ウェブサイトの作成を支援したにすぎないと考えられる。
したがって、仮に当該ウェブサイトで何らかの役務が提供されているとしても、それはイベントの主催者が提供しているのであって、Qurate社等が提供しているのではない。
仮に、イベント主催者からの委託に基づき、Qurate社等が当該ウェブサイトの管理、運営を行ったとしても、そこにアクセスした者は、左肩に表示された題号(LIVE #SLUSH TOKYO017 WATCH LIVE)やドメイン名から、当該ウェブサイトがイベント主催者により提供されていると理解するのであって、Qurate社等が提供するものと認識することは考えられない。
乙第6号証のウェブサイトは、被請求人の説明によれば、動画等の投稿サイトである。主催者がイベントを盛り上げるために、その管理するサーバの記憶領域の一部を投稿者に提供(貸与)しているのである。すなわち、自らのイベントの広告宣伝又は提供促進策であって、そもそも役務ではない。
エ 使用時期について
乙第3号証の1枚目には「最終更新日:2016年8月10日」と記載されているが、本号証の2枚目と3枚目には日付が見当たらない。これらの頁が要証期間に存在していたことは証明されていない。
乙第4号証は、各頁の右下端に「2018/12/28」と表示されていることから、2018年12月28日にコンピュータから印刷されたものであると考えられるところ、これは要証期間外であるから、要証期間に本号証と同じ画面を有するウェブサイトが存在していたことは証明されていない。
乙第5号証は、被請求人によれば印刷物による広告であり、平成30年12月14日に印刷されたとされているから、要証期間に頒布されていないことは明らかである。
乙第6号証は、右下端に「2019/01/04」とあることからして、2019年1月4に印刷したものと考えられるが、これは要証期間外であるから、要証期間に本号証と同じ画面を有するウェブサイトが存在していたことは証明されていない。
乙第7号証は、右下端に「2018/12/10」とあることからして、2018年12月10日に印刷されたものと考えられるところ、その当時の当該ウェブサイトは2019年に閲催されるイベントを掲載していたはずであるから、この証拠から2017年のイベントがどのようなものであったかを確認することはできない。
乙第9号証は、その2枚目以下の右下端に「2018/12/26」とあることからして、2018年12月26日に印刷されたものと考えられるが、これは要証期間外であるから、要証期間に本号証と同じ画面を有するウェブサイトが存在していたことは証明されていない。
乙第10号証は、その2枚目以下の右下端に「2019/01/04」とあることからして、2019年1月4日に印刷されたものと考えられるが、これは要証期間外であるから、要証期間に乙第11号証と同じ画面を有するウェブサイトが存在していたことは証明されていない。
したがって、上記の各証拠が要証期間に存在していた事実、頒布された事実は証明されておらず、これらの証拠をもって本件商標が要証期間に使用されたとすることはできない。
(2)各証拠についての詳論
ア 乙第3号証について
乙第3号証は、経済産業省九州経済産業局のウェブサイトであって,官庁がその所管地域の状況について告知するためのものである。
そこでQurate社等が取り上げられているとしても、事実の紹介にとどまるものであって、同社等の事業について需要者に訴求するためではないから、「広告」には該当しない。官公庁が、一民間企業のためにその商品や役務について広告を行うことはない。よって、本号証の2葉目と3葉目の右上端に「Qurate」の文字が表示されているとしても、商標法第2条第3項に列挙するいずれの行為にも該当せず、本件取消請求に係る指定役務との関係を論ずるまでもなく、本件商標の使用を証するものではない。
なお、乙第3号証に表示されている「Qurate」は、具体的な商品、役務との関係で表示されているものではなく、本文中に登場する「Qurate」と同様に、「株式会社Qurate」の商号の略称を表示したにとどまると見るべきである。
イ 乙第4号証について
被請求人が本件商標の使用であると主張しているのは、「Company」と題する項目で赤線が付された表示と思われるところ、乙第4号証の3頁目に表示された「Qurate Inc.」は、Qurate社の商号を英文で表記したものであることが明らかであって、商標ではない。本号証の1頁目には「Qurate」がやや大きく表されているが、具体的な商品や役務との関係で用いられているものではないから、商号の略称と認識されることが自然である。このことは、米国で一般的な登録表示が付されていることで変わるものではない。
そもそも、乙第4号証(訳文を含む)を読んでも、Qurate社等がどのような商品や役務を提供しているのかが定かでない。本号証のウェブサイトは、国内ではなく英語圏の需要者をターゲットにしていることを示唆している。
加えて、乙第4号証には本件取消請求に係る指定役務との関連性をうかがわせる記載は皆無である。
ウ 乙第5号証について
乙第5号証は、本件要証期間後に作成された広告物であるから、使用を示す証拠となり得ないものであり、本号証を平均的な日本人が読んでもQurate社がどのような商品や役務を提供しているのかが理解できない。
乙第5号証に、乙第4号証のウェブサイトのアドレスを記載するだけで、当該ウェブサイトの内容を乙第5号証の一部とすることはできない。
エ 乙第6号証について
(ア)Slush Tokyo Liveのウェブサイト(乙6)は、イベントの主催者が開設しているものである。
したがって、当該ウェブサイトはイベント主催者が管理、運営しているものであって、Qurate社等ではないと考えられる。
そうすると、仮に当該ウェブサイトで何らかの役務が提供されたとしても、それはイベント主催者が提供しているのであって、Qurate社等が提供しているものでははない。
(イ)仮に、Qurate社等がイベント主催者からの委託に基づき、当該ウェブサイトの管理、運営を受託していたとしても、左肩に大きく表示された「LIVE#SLUSH TOKYO17 WATCH LIVE」の記載や、ドメイン名から、当該ウェブサイトにアクセスした者は、それがイベント主催者によって提供されているものと理解することが通常であって、Qurate社等が提供していると認識することはない。
したがって、乙第6号証のウェブサイトで生中継や動画送信等の役務が提供されており、当該ウェブサイトに本件商標が記載されているという被請求人の主張を前提にしたとしても、本件商標がそれら役務の出所を表すものと認識されることはない。換言すれば、被請求人の主張を前提にしたとしてもなお、本件商標がそれら役務について使用されたとはいえない。
(ウ)被請求人は、乙第6号証のどこに本件商標が表示されているのか説明していないが、被請求人が付したと思われる矢印からして、各頁の下端に小さく記載された「Powered by Qurate」が本件商標であるとの主張と考えられる。
「Powered by ◯◯」は比較的最近になって目にするようになった用法であるが、「その会社のテクノロジーを使っている、その会社がサービスのインフラを支えている」との意味合いのようである(甲4)。
したがって、乙第6号証のウェブサイトにおいて「Powered by Qurate」に気付いた者は、当該ウェブサイトにQurate社の技術が用いられているといった意味合いを理解するのであって、「Qurate」を商号の略称と認識するに止まる。
(エ)付言すれば、「Powered by Qurate」が本件商標と社会通念上同一の商標と見る余地はない。
加えて、本件請求人の代理人が、乙第6号証のウェブサイトを閲覧したところ、各頁の下端の表示は乙第6号証と相違しており、「Powered by」は読み取れるものの、「Qurate」は判読できない(甲5)。
実際のウェブサイトにおける表示は、乙第6号証の末尾に示されたものと同じであるが、本号証の2枚目などに表示された「Qurate」は、「by」との間に不自然に広いスペースがある。
(オ)乙第6号証のウェブサイトに関して、Qurate社等が行ったことは、イベント主催者による当該ウェブサイトの制作を支援することであったと考えられる。Slush Tokyoで検索してヒットする現在のウェブサイトには、その末尾に「WEBSITE BY EVERMADE」なる記載がある(甲6)。なお、甲第6号証を印刷すると「EVERMADE」が消え、代わりにドメイン名が表示され、このドメイン名をクリックすると甲第7号証のウェブサイトが表示され、EVERMADEがフィンランドに所在するウェブサイト制作会社であることが分かる。
これとの対比からしても、Qurate社等が行ったことは、乙第6号証のウェブサイト制作支援であったと考えることが自然である。
(カ)被請求人によれば、「乙第6号証のウェブサイトを介した動画、音声、写真の送信は、Slush Tokyoに関心のある者が、コンピューターやスマートフォンでインターネットを通じて乙第6号証のウェブサイトにアクセスし、ビデオカメラ、デジタルカメラ、スマートフォン等で撮影した動画、音声、写真をアップロードすることにより、乙第6号証のウェブサイトにアクセスした者に対して行われます。」、「一方、乙第6号証のウェブサイトにアップロードされた動画、音声、写真、文章の受信及び閲覧を希望する者は、乙第6号証のウェブサイトにアクセスし、乙第6号証のウェブサイトに掲載された写真又は文章をクリックすることにより、動画、音声、写真、文章を自己のコンピュータで受信して閲覧ができます。」とされている。すなわち、当該ウェブサイトは、動画や写真などのアップロードを受け付け、他人がダウンロードして閲覧することを可能とするものであって、いわゆる投稿サイトに他ならない。これは、技術的に見れば、放送や通信ではなく、サーバの記憾領域の一部を提供(貸与)していることである。
この点からしても、Qurate社等が第38類の役務を提供していたと見ることはできない。
(キ)ちなみに、Qurate社等が提供したと主張する役務「Providing online communications links which transfer users to other websites」は、「ウェブサイト利用者を他のウェブサイトに移動させるオンライン通信リンクへの接続の提供である(甲8)。単にリンクを設けるだけではなく、リンク先への接続を提供することがこの役務である。サーバとインターネット回線の接続を担う事業者が提供する役務と考えられる。
(ク)イベント主催者が、動画等の投稿を可能としていたのは、当該イベントを盛り上げるとともに、来場者以外にも認知を広げるためであると考えられる。これは、自らのイベントの広告宣伝であり、販促活動に他ならず、他人のために提供する役務でははい。つまり、乙第6号証では放送や通信はおろか、何らの役務も提供されていない。
(ケ)したがって、乙第6号証から、本件商標が第38類の上記指定役務に使用されたことが証明されるとの被請求人の主張は、失当である。
オ 乙第7号証について
乙第7号証は、「Slush Tokyo」がどのようなイベントであるのかを記載したにとどまり、本件商標の使用とは無関係である。
カ 乙第8号証について
乙第8号証は、「Slush」がどのようなイベントであるかを紹介したウィキペディアの記事にすぎず、本件商標の使用とは無関係である。
なお、被請求人が提出した証拠説明書によれば、乙第8号証の作成日は平成29年11月7日とされているが、本号証にこの日付は記載されておらず、出典も不明である。
さらに、乙第8号証の2枚目と3枚目は、内容が不明である。
印刷日(2019年1月4日)当時に、乙第8号証の1枚目に記載されたドメインをクリックすると、2019年のイベントの広告が表示されたはずであって、2017年のイベントを記載したと思しき本号証の2枚目、3枚目のような情報が表示されることはない。
キ 乙第9号証について
(ア)乙第9号証の1枚目に表示された「Qurate Blog」や「@Qurate」、「Various news clipping from the world of Qurate」の記載における「Qurate」は、商品や役務と無関係に表示されており、Qurate社の商号の略称を表したものと認識されることはあっても、商標と理解されることはない。
(イ)被請求人によれば、乙第9号証に、Qurate社等がSlushTokyo2017に出典したこと、ブースや出展者一覧に本件商標が表示されたこと、Qurate社の代表取締役が講演した際に背後の画面に本件商標が映されていたこと、が示されているとのことである。
しかし、乙第9号証は、Qurate社等らのブログであって、自らアップロードした写真であるから、真偽の程は確認ができず、証拠として認めることはできない。
仮に、乙第9号証の写真が真正なものであり、ブース等に「Qurate」が表示されていたとしても、基本的にはQurate社の商号の略称としての使用に止まる。加えて、本件取消請求に係る指定役務のいずれかについての使用であることをうかがわせるような記載は皆無である。
Slushは新興企業と投資家を結び付けることを目的とするイベントであり(乙7及び乙8)、投資家は、商品や役務の需要者ではない。
したがって、Qurate社等がSlush Tokyo2017に出展し、ブース等に「Qurate」を表示したとしても、それはQurate社への投資を勧誘する目的であって、会社名を覚えてもらうことを目的としてなされたことであるから、役務を提供するための勧誘である広告とは異なる。
(ウ)乙第9号証の末尾から2枚目の下方には、「Powered by (図形) Qurate」なる記載が小さく表示されている。
画面は乙第6号証の1枚目と同じではないかと思われるが、表示が相違していることから、乙第6号証に「Powered by Qurate」が記載されていたとは考え難い。
なお、乙第9号証の上記頁の下端に「Made on and by (図形) Qurate,Inc.」とあり、矢印が付されているが、「Qurate,Inc.」は英文商号そのものであり商標でない。
ク 乙第10号証について
乙第10号証は、Slush Tokyo2017への出展申込書とのことであるが、本件商標の使用とはおよそ関係がない。
被請求人は、第38類の指定役務を提供したことがあると主張しながら、当該役務の提供に際して顧客との間で交わす帳票類を一切提出していない。
ケ 乙第11号証について
乙第11号証は、ツィッターの画面を印刷したものとのことであるが、本件商標はどこにも見当たらない。本号証は、乙第6号証のウェブサイトにおいて、「Providing access to webpages and databases for searching and navigating within information from databases」なる役務が提供されていることを示すものとして提出されているが、ハッシュタグ(#)で検索を可能にする機能を提供しているのはツィッターであって、Qurate社等ではないから、乙第6号証のウェブサイトでそのような役務が提供されているものでもない。
(3)結び
以上のとおり、被請求人が提出した証拠によっては、本件商標が本件取消請求に係る指定役務のいずれかににつき、日本国内で、要証期間に、使用された事実が何ら証明されていない。
被請求人は,本審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とするとの審決を求め、答弁書において、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙11号証を提出した。
本件商標の通常使用権者であるQrate社は、要証期間に、我が国において、本件取消請求に係る指定役務中の本件使用役務について、本件商標を使用している。
(1)本件商標の使用事実
ア 商標の使用者
乙第1号証は、本件商標の商標登録原簿であり、本件商標権者「ThomasBrooke」は、自己が代表取締役を務めるQrate社に対して、本件商標の通常使用権を黙示的に許諾している。
乙第2号証は、Qurate社の履歴事項全部証明書であり、本件商標権者は居所を「福岡市中央区黒門3番22−201号」として、平成26年(2014年)2月4日付けで同住所にQurate社を設立し、同社の代表取締役を務めている。Qurate社の履歴事項全部証明書(乙2)の目的の欄には、同社の目的として、「1.メディアコンテンツの企画、デザイン、開発、導入支援、販売、マーケティング及びメンテナンス」、「2.コンピュータアプリケーションの企画、デザイン、開発、導入支援、販売、マーケティング及びメンテナンス」、「3.ウェブアプリケーションの企画、デザイン、開発、導入支援、販売、マーケティング及びメンテナンス」、「4.企業イメージの構築支援及び企業ブランディング」、「5.ハードウェアと統合するアプリケーション、ウェブサイト及びシステム(IoT)の企画、デザイン、開発、導入支援、販売、マーケティング及びメンテナンス」、「6.前号に付帯関連する一切の事業」と記載されており、同社は当該目的に沿った事業を日本国内で行っている。
乙第3号証は、Qurate社を紹介する記事であり、経済産業省九州経済産業局のウェブサイトにおける「九州の主な外資系企業・外国人による創業の事例に掲載されている。Qurate社を紹介する記事(乙3)には、本件商標が記載されるとともに、同社の代表取締役を本件商標権者が務めている旨、同社の事業内容、同社が本件商標を使用したシステムを開発した旨、本件商標を使用したシステムのメリット等が記載されていることから、乙第3号証は、同社の広告に相当する。Qurate社を紹介する記事(乙3)に記載した住所は、履歴事項全部証明書(乙2)の本店の欄に記載された同社の旧住所「福岡県福岡市中央区大名1丁目14番28第一松村ビル402号室」と同一であるから、同社は本件商標を使用している。
乙第4号証は、Qurate社のウェブサイトによる広告であり、同社が自己の業務を紹介するために制作して開設し、維持及び管理するものである。
Qurate社のウェブサイトによる広告(乙4)中の「Company」の項目には、本件商標を記載しており、同社の住所は、履歴事項全部証明書(乙2)の本店の欄に記載された住所と同一である。
したがって、Qurate社は本件商標を使用している。
また、Qurate社は、同社のウェブサイトによる広告(乙4)中の「OurTeam」の項目において、同社のCEO(最高経営責任者)として、本件商標権者を記載して紹介している。
乙第5号証は、Qurate社の印刷物による広告であり、同社が自己の業務を紹介するために制作して配布したものである。
Qurate社は、当該資料に本件商標を記載するとともに、自己の事業を紹介するウェブサイトのアドレス「qurate.com」を記載することにより、当該資料の閲覧者を同社のウェブサイトによる広告(乙4)へ誘導して、同社の事業の内容及び連絡先を紹介している。
したがって、Qurate社は本件商標を使用している。
乙第6号証は、Slush Tokyo Liveのウェブサイトであり、Slushは、世界各国で開催されるスタートアップ企業のアピール及び投資家との交流を目的としたイベントである(乙7)。我が国においてSlushは、Slush Tokyoと題して、平成29年(2017年)3月29日から30日に東京ビッグサイトで開催された(乙8)。Qurate社は、Slush Tokyoの模様を、乙第6号証のウェブサイトを介して、開催日当日は生中継による動画、音声、写真、文章をインターネット上で送信した。
また、Qurate社は、乙第6号証のウェブサイトを介して、生中継だけでなく開催前後においても、Slush Tokyoに関する動画、音声、写真、文章をインターネット上で送信した。乙第6号証のウェブサイトには本件商標が記載されている。
したがって、Qurate社は本件商標を使用している。
乙第9号証は、平成29年(2017年)4月3日付けのQurate社のブログ記事であり、また、乙第10号証は、Slush Tokyoパートナーシップ申込書であり、これらは、Qurate社が、平成29年(2017年)3月29日からから30日に開催されたSlush Tokyoの模様を、乙第6号所のウェブサイトを介して、生中継による動画、音声、写真、文章をインターネット上で送信したとともに、Qurate社がSlush Tokyoへ出展して、乙第6号証のウェブサイトを介した役務の提供を展示したことを表すものである。
また、乙第9号証は、Qurate社の展示ブースに本件商標が記載され、出展者一覧の表示板に本件商標が記載され、壇上で講演するQurate社の代表取締役を務める本件商標権者の背後には本件商標が記載され、乙第6号証のウェブサイトには本件商標が記載されている。
したがって、Qurate社は本件商標を使用している。
イ 使用に係る役務
(ア)乙第6号証のウェブサイトは、Qurate社が開発及び提供するウェブサイトを表すものであり、Qurate社は、乙第6号証のウェブサイトを介して、本件取消請求に係る指定役務中の本件使用役務を提供した。
詳しくは、Qurate社は、乙第6号証のウェプサイトを介して、平成29年(2017年)3月29日から30日に開催されたSlush Tokyoの模様について、開催日当日は生中継による動画、音声、写真、文章をインターネット上で送信した。
また、Qurate社は、乙第6号証のウェブサイトを介して、生中継だけでなく開催前後においても、Slush Tokyoに関する動画、音声、写真、文章をインターネット上で送信した。
乙第6号証のウェブサイトを介した動画、音声、写真の送信は、Slush Tokyoに関心のある者が、コンピューターやスマートフォンでインターネット通じて乙第6号証のウェブサイトにアクセスし、ビデオカメラ、デジタルカメラ、スマートフォン等で撮影した動画、音声、写真をアップロードすることにより、乙第6号証のウェブサイトにアクセスした者に対して行われる。
乙第6号証のウェブサイトを介した文章の送信は、デスクトップ型コンピューター、ノートブック型コンピューター、タブレット型コンピューター、スマートフォン等で入力したテキストデータをアップロードすることにより、乙第6号証のウェブサイトにアクセスした者に対して行われる。
また、乙第6号証のウェブサイトには、ツィッターのウェブサイトへ転送するオンライン通信リンクを設け、オンライン通信リンクを介して、動画、音声、写真、文章を送信できる(乙11)。
なお、現在、乙第6号証のウェブサイトでは、動画、音声、写真、文章をアップロードする機能は停止されている。
一方、乙第6号証のウェブサイトにアップロードされた動画、音声、写真、文章の受信及び閲覧を希望する者は、乙第6号証のウェブサイトにアクセスし、乙第6号証のウェブサイトに掲載された写真又は文章をクリックすることにより、動画、音声、写真、文章を自己のコンピューターで受信して閲覧ができる。
また、ツィッターのウェブサイトへ転送するオンライン通信リンクをクリックすることにより、オンライン通信リンクを介して、動画、音声、写真、文章の受信及び閲覧ができる(乙11)。
乙第6号証のウェブサイトは、Qurate社が開発したコンピュータソフトウェアを用いることにより、デスクトップ型コンピューター、ノートブック型コンピューター、タブレット型コンピューター、スマートフォンといった端末の形式を問わず、動画、音声、写真、文章の送受信及び閲覧が可能である。
乙第6号証のウェブサイトは、需要者が用いる端末の形式を問わず、需要者は有線または無線によるインターネット通信を介して、動画、音声、写真(データ)及び文章(メッセージ)の送受信を可能とするものである。
したがって、Qurate社は、乙第6号証のウェブサイトを介して、本件商標の第38類の指定役務中の「Electronic transmission of data,messages and information between and among computers,mobile and handheld devices and wired and wireless communication devices.」の役務を提供した。
(イ)乙第6号証のウェブサイト中、黒色のアンダーラインが引かれた文章は、ツィッターのウェブサイトへ転送するためのオンライン通信リンクである。
したがって、Qurate社は、乙第6号証のウェブサイトを介して、本件商標の第38類の指定役務中の「Providing online communications links which transfer users to other websites.」の役務を提供した。
(ウ)乙第6号証のウェブサイトは、平成29年(2017年)3月29日から30日に開催されたSlush Tokyoに関心がある者が、インターネットを通じて適時Slush Tokyoに関する動画、音声、写真、文章をアップロードできたことから、Slush Tokyoに関するオンラインフォーラム又は電子掲示板通信と解することができる。
したがって、Qurate社は、乙第6号証のウェブサイトを介して、本願商標の第38類の指定役務中の「Providing online forums,chat rooms and electronic bulletin boards.」の役務を提供した。
(エ)乙第6号証のウェブサイトは、ウェブサイトにアップロードされた動画、音声、写真、文章をインターネットを用いたコンピューターネットワーク及び電子ネットワークによって、閲覧を希望する者の求めに応じて、動画、音声、写真、文章を同時に配信することも可能である。
したがって、Qurate社は、乙第6号証のウェブサイトを介して、本願商標の第38類の指定役務中の「Audio,text,video and multimedia broadcasting services over computer and electronic communications networks.」の役務を提供した。
(オ)乙第6号証のウェブサイトに記載された「#slush tokyo17」をクリックすることにより、ツィッターのウェブサイト中の「#slush tokyo17」が記載された投稿を検索して収取できることから(乙11)、乙第6号証のウェブサイトは、データベース内の情報を検索するウェブサイトと解することができる。
また、このウェブサイトには、縦書きの赤色の文字で「SLUSH TOKYO」と記載され、この記載をクリックすることで、Slush Tokyoのウェブサイトに転送されることから、乙第6号証のウェブサイトは、誘導用のウェブサイトと解することもできる。
したがって、Qurate社は、乙第6号証のウェブサイトを介して、本願商標の第38類の指定役務中の「Providing access to webpages and databases for searching and navigating within information from databases.」の役務を提供した。
(カ)そして、本件商標の第38類の指定役務中の「Telecommunication and communication services」は、上述した指定役務を包含する役務であることから、Qurate社は、乙第6号証のウェブサイト介して、「Telecommunication and communication services」の役務を提供した。
(キ)乙第3号証のQurate社を紹介する記事、乙第4号証のQurate社のウェブサイトによる広告、乙第5号証のQurate社の印刷物による広告は、何れも、本件商標の第38類の指定役務「Telecommunication and communication services;electronic transmission of data,messages and information between and among computers mobile and handheld devices and wired and wireless communication devices;providing online communications links which transfer users to other websites;providing online forums,chat rooms and electronic bulletin boards;audio,text,video and multimedia broadcasting services over computer and electronic communications networks;providing access to webpages and databases for searching and navigating within information from databases.」に関する広告である。
ウ 使用に係る商標
乙第3号証のQurate社を紹介する記事には、本件商標が記載されている。
乙第4号証のQurate社のウェブサイトによる広告には、本件商標が記載されている。
乙第5号証のQurate社の印刷物による広告には、本件商標が記載されている。
乙第6号証のウェブサイトには、本件商標が記載されている。
乙第9号証のQurate社のブログ記事には、本件商標が記載されている。
乙第3号証ないし乙第6号証及び乙第9号証に記載された商標は、いずれも本件商標の書体のみに変更を加えた同一の文字からなる商標であることから、本件商標の使用と認められるべきである。
エ 使用時期
乙第1号証の国際登録第1210107号の商標登録原簿によると、本件審判請求登録の日は、平成30年(2018年)9月21日である。
したがって、要証期間は、同27年(2015年)9月21日から同30年(2018年)9月20日である。
乙第3号証のQurate社を紹介する記事には、最終更新日付として、2016年(平成28年)8月10日と記載されている。
したがって、乙第3号証は、要証期間である平成28年(2016年)8月10日に、本件商標が使用されたことを明らかにするものである。
乙第8号証のSlush Tokyoの開催時期に関する資料によると、Slush Tokyoは、平成29年(2017年)年3月29日から30日まで開催されたことが明らかである。
乙第6号証のウェブサイト中の「DAY」のボタンをクリックすると、Slush Tokyoの開催第一日目である平成29年(2017年)3月29日に、乙第6号証のウェブサイトにアップロードされた動画、音声、写真、文章が表示される。
したがって、乙第6号証は、要証期間である平成29年(2017年)3月29日において、本件商標が使用されたことを明らかにするものである。
乙第6号証のウェブサイト中の「DAY2」のボタンをクリックすると、Slush Tokyoの開催第二日目である平成29年(2017年)3月30日に、乙第6号証のウェブサイトにアップロードされた動画、音声、写真、文章が表示されている。
したがって、乙第6号証は、要証期間である平成29年(2017年)3月30日において、本件商標が使用されたことを明らかにするものである。
乙第6号証のウェブサイト中の「POSTSHOW」のボタンをクリックすると、平成29年(2017年)4月3日から4日までに編集された動画、音声、写真、文章が表示される。
したがって、乙第6号証は、要証期間である平成29年(2017年)4月3日から4日において、本件商標が使用されたことを明らかにするものである。
乙第9号証のQurate社のブログ記事、及び乙第10号証のパートナーシップ申込書は、平成29年(2017年)3月29日から30日に開催されたSlush Tokyoの模様を、Qurate社が生中継による動画、音声、写真、文章をインターネット上で送信したとともに、Slush Tokyoへ出展して、このウェブサイトを介した役務を展示したことを表すものである。
したがって、乙第9号証及び乙第10号証は、要証期間である平成29年(2017年)3月29日から30日において、本件商標が使用されたことを明らかにするものである。
(2)結び
以上のとおり、Qurate社は、要証期間に日本国内において、本件商標の第38類の指定役務中の「Telecommunication and communication services;electronic transmission of data,messages and information between and among computers,mobile and handheld devices and wired and wireless communication devices;providing online communications links which transfer users to other websites;providing online forums,chat rooms and electronic bulletin boards;audio,text,video and multimedia broadcasting services over computer and electronic communications networks;providing access to webpages and databases for searching and navigating within information from databases.」について、本件商標を使用している。
合議体は、令和2年9月17日付け審尋において、被請求人に対し、被請求人が提出した証拠によっては、被請求人は、商標権者又は使用権者のいずれかが、本件商標又は本件商標と社会通念上同一の商標を、本件取消請求に係る指定役務のいずれかについて、要証期間に日本国内において、商標法第2条第3項各号のいずれかに該当する使用行為を行ったことを証明していない旨の合議体の暫定的見解及び弁駁書に対する回答を求めた。
被請求人は、上記内容の審尋に対し何らの応答もしていない。
商標法第50条による商標登録の取消審判の請求があったときは、同条第2項の規定により、被請求人において、その請求に係る指定商品又は指定役務のいずれかについての登録商標の使用をしていることを証明し、又は使用をしていないことについて正当な理由があることを明らかにしない限り、その登録の取消しを免れない。
すなわち、本件商標の使用をしていることを証明するには、商標法第50条第2項に規定されているとおり、被請求人は、ア 要証期間に、イ 日本国内において、ウ 商標権者又は使用権者のいずれかが、エ 本件取消請求に係る指定役務のいずれかについての、オ 本件商標又は本件商標と社会通念上同一の商標の使用(商標法第2条第3項各号のいずれかに該当する使用行為)をしていることをすべて証明する必要がある。
被請求人は、本件商標権者から本件商標の通常使用権を黙示的に許諾されたQurate社が、要証期間に日本国内において、本件取消請求に係る指定役務中の本件使用役務について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を使用している旨を主張し、乙第1号証ないし乙第11号証を提出した。
そこで、被請求人の提出に係る答弁の全趣旨及び上記乙各号証について、以下検討する。
(1)本件商標の使用者について
被請求人は、本件商標権者は、自己が代表取締役を務めるQurate社に対して、本件商標の通常使用権を黙示的に許諾している旨を主張するが、本件商標の国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿(乙1)によると、本件商標権者は、United Kingdam在であり、Qurate社の履歴事項全部証明書(乙2)の「役員に関する事項」の欄に記載された「代表取締役」の住所は、「福岡市中央区」であることから、本件商標権者とQurate社の代表取締役が同一人であることが確認できない。
その他、被請求人は、Qurate社が、本件商標の通常使用権者であることを立証する証拠を提出していない。
したがって、被請求人の提出に係る乙各号証によっては、Qurate社が、本件商標の通常使用権者とは認めることができない。
(2)本件商標の使用に係る役務について
被請求人は、Qurate社が、Slush Tokyo Liveのウェブサイト(乙6)を介して、本件使用役務を提供した旨を主張する。
しかしながら、本件取消請求に係る指定役務である第38類の役務は、主に電気通信の手段(方法)等電気通信に関する役務を提供するものであるところ、Qurate社がSlushTokyoLiveのウェブサイト(乙6)を介して、動画、音声、写真、文章をインターネット上で送信した役務は、国際分類の第41類に属する「providing online videos,not downloadable」に類推される役務と考えられ、本件取消請求に係る指定役務中の「Telecommunication and communication services;electronic transmission of data,messages and information between and among computers,mobile and handheld devices and wired and wireless communication devices;providing online communications links which transfer users to other websites;providing online forums,chat rooms and electronic bulletin boards;audio,text,video and multimedia broadcasting services over computer and electronic communications networks;providing access to webpages and databases for searching and navigating within information from databases;」に該当する役務と認めることができない。
その他、被請求人は、商標権者又は使用権者のいずれかが、本件取消請求に係る指定役務のいずれかについて、本件商標又は本件商標と社会通念上同一の商標を使用していることを証明していない。
したがって、被請求人の提出に係る乙各号証によっては、被請求人は、商標権者又は使用権者のいずれかが、本件取消請求に係る指定役務のいずれかについて、本件商標又は本件商標と社会通念上同一の商標を使用していることを証明していない。
(1)本件商標の使用者について
本件商標権者とQurate社との関係が明らかではなく、また、本件商標権者とQurate社との間で、本件商標の通常使用権を許諾する契約が締結されていたことも確認できない。
そうすると、Qurate社が、本件商標の通常使用権者であるとは認められない。
また、被請求人は、本件商標権者が、本件商標又は本件商標と社会通念上同一の商標を、本件取消請求に係る指定役務のいずれかについて、日本国内で要証期間に、本件取消請求に係る使用役務のいずれかについて使用していることを証明していない。
したがって、本件商標の使用者は、本件商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかであることが特定することができない。
(2)本件商標の使用に係る役務について
本件使用役務は、本件取消請求に係る指定役務には含まれない。
その他、被請求人は、商標権者又は使用権者のいずれかが、本件商標又は本件商標と社会通念上同一の商標を、本件取消請求に係る指定役務のいずれかについて、日本国内で要証期間に、使用したことを立証していない。
(3)まとめ
以上のとおり、本件商標の使用者が、商標権者又は使用権者のいずれかについて特定することができず、本件使用役務は、本件取消請求に係る指定役務の範ちゅうに含まれない。
また、被請求人が提出した全証拠によっても、商標権者又は使用権者のいずれかが、本件商標又は本件商標と社会通念上同一の商標を、本件取消請求に係る指定役務のいずれかについて、日本国内で要証期間に、使用したとは認められない。
被請求人は、本件商標権者から本件商標の通常使用権の黙示の許諾を受けたQurate社が、本件商標を要証期間に日本国内において、本件使用役務について使用している旨を主張する。
しかしながら、Qurate社が、本件商標の通常使用権者であるとは認められないものであり、かつ、被請求人が、本件取消請求に係る指定役務に含まれると主張する本件使用役務は、いずれも、本件取消請求に係る指定役務の範ちゅうに含まれない。
また、被請求人が提出した全証拠を総合してみても、商標権者又は使用権者のいずれかが、要証期間に本件商標又は本件商標と社会通念上同一の商標を本件取消請求に係る指定役務に、使用していることを証明するものは見いだすことができない。
したがって、被請求人の上記主張は、採用できない。
以上のとおり、被請求人が提出した全証拠によっては、被請求人は、要証期間に、日本国内において、商標権者又は使用権者のいずれかが、本件商標又は本件商標と社会通念上同一と認められる商標を、本件取消請求に係る指定役務のいずれかについて、商標法第2条第3号各号に規定する使用行為を行ったことを証明していない。
また、被請求人は、本件商標を使用していないことについて正当な理由があることも明らかにしていない。
したがって、本件商標は、商標法第50条の規定により、その指定商品及び指定役務中の「結論同旨の指定役務」についての登録を取り消すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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