結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 平成11年審判第35639号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第4215018号商標(以下、「本件商標」という。)は、後掲したとおりの構成よりなり、第11類「磁気を応用した浄水用錆び・汚濁除去装置,その他の浄水用水質改善機械器具,磁気を応用した廃水用錆び・汚濁除去装置,その他の廃水用水質改善機械器具」を指定商品として、平成8年7月1日登録出願、同10年11月27日に設定登録がされたものである。
請求人の引用する登録第2288951号商標(以下、「引用商標」という。)は、後掲したとおりの構成よりなり、平成3年政令第299号による改正前の商品区分(以下、「旧分類」という。)第9類「産業機械器具、動力機械器具(電動機を除く)風水力機械器具、事務用機械器具(電子応用機械器具に属するものを除く)その他の機械器具で他の類に属しないもの、これらの部品および附属品(他の類に属するものを除く)機械要素 」を指定商品として、昭和63年11月16日登録出願、平成2年12月26日に設定登録がされたものである。
請求人は、本件商標の登録はこれを無効とする、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由及び被請求人の答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第20号証(枝番を含む。)を提出している。
(1)本件商標は、後掲に示す構成態様であるから、英文字「PANOX」は、その読み方を表す片仮名文字「パノックス」を含めて、独立して自他商品識別機能を果たすことは明らかである。
したがって、本件商標から、「パノックス」の称呼が生じ、この称呼をもって商品が取引されることは明らかである。
一方、引用商標は、後掲に示すとおり「PANACS」と「パナックス」の各文字からなり、引用商標からは、「パナックス」の称呼が生ずる。
そこで、本件商標の「パノックス」の称呼と引用商標の「パナックス」の称呼とを比較すると、両者は、第2音において、「ノ」、「ナ」の差異があるのみで、その他の構成音は全て共通する。しかしながら、差異音の「ノ」と「ナ」は、舌の先を前硬口蓋に接して発する鼻子音「n」を共通にし、しかも、母音の「o」と「a」とは近似音である。また、差異音は商標の構成上、明確に聴取し難い中間に位置するため、両商標を一連に称呼するときは、語韻、語調が酷似したものとなり、称呼上、互いに相紛れて聴取されるおそれがある。
つぎに、本件商標の指定商品と引用商標の指定商品とを比較すると、本件商標は、旧分類でいえば、第9類の一部の商品を指定商品とするのに対し、引用商標は、旧分類の第9類に属する全ての商品を指定商品としている。したがって、本件商標と引用商標とは、その指定商品が同一又は類似のものである。
上記したとおり、本件商標は、引用商標と称呼において類似し、引用商標の指定商品と同一または類似する商品に使用するものであるから、外観や観念について検討するまでもなく、引用商標と類似する。
(2)答弁に対する弁駁
本件商標と引用商標とは、第2音に「ノッ」と「ナッ」の差異があり、その差異音は共に促音を含んでいることは認めるが、促音の前の音が比較的明瞭に聴取されることがあるとしても、差異音が近似し、かつ語の中間に位置する場合であって、特に、比較する両商標が造語で、特定の語義を有しないような場合は、両商標を聴別することは困難であり、両商標は称呼上類似するものである。そして、本件商標の「PANOX/パノックス」も、引用商標の「PANACS/パナックス」も、ともに造語であって、特定の観念を生じさせるものでないから、両商標は、差異音が促音を伴うとしても、取引者、需要者をして明確に聴別することができず、称呼上類似する。
(3)したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、商標法第46条第1項第1号の規定により無効にすべきものである。
被請求人は、結論同旨の審決を求めると弁駁し、その理由を要旨次のように述べている。
(1)本件商標は、その構成から「パノックス」の称呼が生じ、引用商標からは「パナックス」の称呼が生じる。
そこで、両称呼を対比すると、両者には第2音に「ノッ」と「ナッ」の相違がある。そして、この相違音は共に促音である。促音はその前の音が比較的強い音として聴取されることが経験則上明らかであるから、両者を一連に称呼したときは、取引者、需要者は、両者を明確に聴別することができるものである。したがって、両者は称呼上類似しない。
次に、両者の外観を対比すると、本件商標は「PANOX」の欧文字の下に「パノックス」とカタカナで表示したものであるのに対して、引用商標は「PANACS」の欧文字の下に「パナックス」とカタカナで表示したものであり、両者の外観は明らかに相違するので、両商標に接した取引者、需要者は両者を外観上明確に識別することができるものである。したがって、両者は外観上類似しない。
次に、観念について見ると、両者は造語であって、特定の観念が生じないから両者の観念の比較のしようがない。したがって、両者は観念上類似しない。
以上のとおり、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念上のいずれの点から見ても類似しないので、本件商標は商標法第4条第1項第11号の規定に違反して登録されたものではない。したがって、本件商標は同法第46条第1項第1号の規定によりその登録を無効とすることはできない。
本件商標は、後掲に示したとおり、色彩を施した幾何図形内の中心部に、やや図案化された「PANOX」及び「パノックス」の各文字を二段に横書きし、その上段に「地球にやさしい水(磁気波動水)」の文字をアーチ状に表してなるものであるところ、「PANOX」、「パノックス」の文字部分は、独立して自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものとみるのが相当である。してみれば、本件商標は「PANOX」、「パノックス」の文字に相応し「パノックス」の称呼が生ずるものである。
一方、引用商標は、「PANACS」及び「パナックス」の各文字を二段に横書きしてなるものであるから、「パナックス」の称呼が生ずること明かである。
そこで、本件商標から生じる「パノックス」の称呼と引用商標から生じる「パナックス」の称呼とを比較すると、その構成中第2音目において、「ノ(no)」、「ナ(na)」の差異が認められるところ、両者の構成は、促音「ッ」が介在することにより、「パノ」と「クス」又は「パナ」と「クス」のように分けられて息の段落を生じ易く、かかる場合、第2音目における該差異音の母音自体の違いが明瞭に聴取されるものとなり、比較的短い4音構成からなる両者の差異音「ノ(no)」と「ナ(na)」は明瞭に聞き分けられるものと判断するのが相当である。
そうすると、両者それぞれ一連に称呼したとしても、全体の語感を異にし、彼此聞き誤るおそれはないものというのが相当である。
次に、観念、外観についてみるに、引用商標は、特定の意味を有しない造語よりなるものであるから、観念においては比較することができない。また、外観上も明らかに区別し得る差異を有するものである。
そして、本件商標と引用商標の指定商品についてみるに、本件商標の指定商品は、現行第11類「磁気を応用した浄水用錆び・汚濁除去装置,その他の浄水用水質改善機械器具,磁気を応用した廃水用錆び・汚濁除去装置,その他の廃水用水質改善機械器具」を指定商品とするものであるところ、これは引用商標の登録出願時の商標法施行規則(旧)別表(改正昭和50年通産令第85号)には例示されていないものであって、該前段の商品は、現行の商標法施行規則別表に例示の「浄水装置」に属する商品といって差し支えないものであり、また、同後段の商品は、旧類別第9類に属する商品として取り扱っていた「水質汚濁防止装置」に類するものと認められるものである。
してみると、旧分類第9類の「その他の機械器具で他の類に属しないもの」の概念が旧分類第9類のその他の大概念にも、他の類の大概念にも属しない機械器具を集めたものであって、引用商標の指定商品中には、本件商標の指定商品である「磁気を応用した浄水装置及び水質汚濁防止装置」は積極的に指定されていないところであり、かつ、引用商標の登録出願日に当該商品が存在したものかは必ずしも明らかでないが、少なくとも引用商標の登録出願日には物理的処理或いは化学的処理等の「浄水装置」或いは「水質汚濁防止装置」は存していたものであるから、引用商標の指定商品中「その他の機械器具で他の類に属しないもの」には、本件商標の当該商品と概念を同じくする商品を含むものといわざるを得ない。
そうとすれば、本件商標と引用商標とは、その指定商品においては抵触するところがあるとしても、両商標は、その称呼、観念及び外観のいずれにおいても相紛れることのない非類似の商標であるから、本件商標を商標法第4条第1項第11号に該当するものとすることはできない。
したがって、本件商標は、商標法第46条第1項の規定により登録を無効とすることはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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