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Trademark Appeal Case

タイル商標の類否

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2021−900095(T2021−900095/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第6331085号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第6331085号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1に示すとおりの構成からなり、第19類に属する願書に記載のとおりの商品を指定商品として、令和2年1月22日に登録出願され、その後、指定商品については、同年12月8日付けの手続補正書により、第19類「建築材料(金属製・陶磁製及びれんが製のものを除く。),建築用壁用被覆材(金属製・陶磁製及びれんが製のものを除く。),建築用タイル(金属製・陶磁製及びれんが製のものを除く。),建築用パネル(金属製・陶磁製及びれんが製のものを除く。),天井板(金属製・陶磁製及びれんが製のものを除く。),フェンス(金属製・陶磁製及びれんが製のものを除く。),床材(金属製・陶磁製及びれんが製のものを除く。),間仕切り壁(金属製のものを除く。),建築用又は構築用の非金属鉱物,リノリューム製建築専用材料,プラスチック製建築専用材料,合成建築専用材料,アスファルト及びアスファルト製の建築用又は構築用の専用材料,ゴム製の建築用又は構築用の専用材料,しっくい,石灰製の建築用又は構築用の専用材料,石こう製の建築用又は構築用の専用材料,繊維製の落石防止網,旗掲揚柱(金属製のものを除く。),足場(金属製のものを除く。),建築用枠組材料(金属製のものを除く。),格子(金属製のものを除く。),シャッター(金属製のものを除く。),扉枠(金属製のものを除く。),開き窓(金属製のものを除く。),窓(金属製のものを除く。),窓枠(金属製のものを除く。),山形鋼(金属製のものを除く。),ラス(金属製のものを除く。),建造物組立てセット(金属製のものを除く。),窓口風防通話板,セメント及びその製品,木材,石材,建築用ガラス,人工魚礁(金属製のものを除く。),吹付け塗装用ブース(金属製のものを除く。),セメント製品製造用型枠(金属製のものを除く。),送水管用バルブ(金属製又はプラスチック製のものを除く。),道路標識(金属製又は発光式若しくは機械式のものを除く。),航路標識(金属製又は発光式のものを除く。),貯蔵槽類(金属製又はプラスチック製のものを除く。),建具(金属製のものを除く。),虫除け用網戸(金属製のものを除く。),屋外用ブラインド(金属製又は織物製のものを除く。),人工池(金属製のものを除く。),可搬式家庭用温室(金属製のものを除く。),墓標及び墓碑用銘板(金属製のものを除く。),石こうの板」と補正され、同月9日に登録査定、同月17日に設定登録されたものである。

第2 引用商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、登録異議の申立ての理由に該当するとして引用する商標は、以下の3件の登録商標(以下、これらの商標をまとめて「引用商標」という。)であり、いずれも現に有効に存続しているものである。

1 国際登録第393165号商標(以下「引用商標1」という。)

商標:別掲2のとおり

指定商品:第19類「Ceramic tiles, especially of sandstone, for wooden floors and in general for paving and other elements relating to ceramic materials.」

国際商標登録出願日(事後指定):2012年(平成24年)12月14日

設定登録日:2014年(平成26年)5月23日

2 国際登録第792912号商標(以下「引用商標2」という。)

商標:別掲3のとおり

指定商品:第19類「Ceramic tiles for flooring and facing.」

国際商標登録出願日(事後指定):2016年(平成28年)6月22日

設定登録日:2017年(平成29年)6月23日

3 国際登録第1424576号商標(以下「引用商標3」という。)

商標:別掲4のとおり

指定商品:第19類「Tiles and slabs of ceramic or stoneware for covering of walls, floors and ceilings. 」

国際商標登録出願日:2018年(平成30年)5月11日

設定登録日:2020年(令和2年)7月3日

第3 登録異議の申立ての理由

申立人は、本件商標は第19類「建築材料(金属製・陶磁製及びれんが製のものを除く。),建築用壁用被覆材(金属製・陶磁製及びれんが製のものを除く。),建築用タイル(金属製・陶磁製及びれんが製のものを除く。),建築用パネル(金属製・陶磁製及びれんが製のものを除く。),天井板(金属製・陶磁製及びれんが製のものを除く。),フェンス(金属製・陶磁製及びれんが製のものを除く。),床材(金属製・陶磁製及びれんが製のものを除く。),間仕切り壁(金属製のものを除く。)」について、商標法第4条第1項第11号に該当し、前記商品を含む第19類「全指定商品」について、商標法第4条第1項第15号に該当するため、商標法第43条の2第1号の規定により取り消されるべきであると申し立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第4号証(枝番号を含む。)を提出した。

1 商標法第4条第1項第11号について

本件商標は、その「IRIS」の文字部分から「アイリス」の称呼が生じ、引用商標も、その「IRIS」の文字部分から「アイリス」の称呼が生じる。

したがって、外観及び観念を比較するまでもなく、本件商標と引用商標とは、同一の称呼が生じる類似商標である。

本件商標の指定商品中、「建築材料(金属製・陶磁製及びれんが製のものを除く。),建築用壁用被覆材(金属製・陶磁製及びれんが製のものを除く。),建築用タイル(金属製・陶磁製及びれんが製のものを除く。),建築用バネル(金属製・陶磁製及びれんが製のものを除く。),天井板(金属製・陶磁製及びれんが製のものを除く。),フェンス(金属製・陶磁製及びれんが製のものを除く。),床材(金属製・陶磁製及びれんが製のものを除く。)」は、いずれも、共通の類似群コード(07A02)が付されている商品であり、したがって、引用商標の指定商品に類似する。

したがって、本件商標は、上記指定商品(以下、これらを「11号申立て商品」という場合がある。)について商標法第4条第1項第11号に違反して登録されてものである。

2 商標法第4条第1項第15号について

引用商標は、住宅用、商業用、工業用プロジェクト向けの高級セラミック製品のデザイン、製造、販売において世界的に著名なIRISCERAMICA―SOCIETA PER AZIONI及びそのグループ会社であるGRANITIFIANDRE SOCIETA PER AZIONIの商標として、世界的に広く一般に知られている商標であり、引用商標からは「アイリス」の称呼が生じる。

一方で、本件商標からも同一の称呼「アイリス」が生じ、両商標は同一の称呼が生じる類似商標である。

そうすると、本件商標が、その指定商品に使用された場合、商品の出所について混同を生じるおそれがある。

したがって、本件商標は、上記指定商品について商標法第4条第1項第15号に違反して登録されてものである。

3 むすび

本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号の規定に違反して登録されたものである。

第4 当審の判断

1 本件商標について

本件商標は、別掲1のとおり、「IRIS」の文字と、欧文字「R」の一部を共有しながら描かれたハート状の輪郭(以下「本件ハート図形」という。)とを組み合わせて、全体を赤い色彩で表してなるものである。

そして、構成中の欧文字と本件ハート図形は一部つながっているとしても、構成中の欧文字は「IRIS」の文字を表したものと無理なく判読できるものであり、「IRIS」の文字は「虹彩、アヤメ」等(小学館 プログレッシブ英和中辞典)の意味を有する英語として知られていることから、本件商標からは「IRIS」の文字部分に相応して「アイリス」の称呼及び「虹彩、アヤメ」の観念を生じるものである。

2 引用商標について

引用商標1は、別掲2のとおり、「IRIS」の文字を書してなるものであるから、その構成文字に相応して、「アイリス」の称呼及び「虹彩、アヤメ」の観念を生じるものである。

引用商標2は、別掲3のとおり、一部白抜きの花柄を有する矩形状の図形を有するものの、一部デザイン化された「iris」の欧文字を表してなるものと視認できるものであるから、「アイリス」の称呼及び「虹彩、アヤメ」の観念を生じるものである。

引用商標3は、別掲4のとおり、黒塗りの花の図形の右に空間をあけて、「IRIS」「CERAMICA」「GROUP」の欧文字を3段に書してなるものであるところ、黒塗りの花の図形と欧文字部分は視覚的に分離されて看取されることから、構成中の欧文字部分も独立して自他商品識別標識としての機能を有するものと認められる。

そして、その欧文字部分は語頭の文字を左側に揃え同じ書体をもってまとまりよく一体的に表されており、構成全体をもって一体不可分の商標を表したものと把握、認識されるものであって、その構成中の「IRIS」の文字部分のみが独立して把握、認識されるものとはいえないから、その構成文字全体に相応して「アイリスセラミカグループ」の称呼を生じる。

また、当該語が特定の意味合いを持って親しまれている実情がないことから、その観念は生じない。

3 本件商標と引用商標との類否について

(1)本件商標と引用商標1及び引用商標2との類否

本件商標と引用商標1及び引用商標2とは、「アイリス」の称呼及び「虹彩、アヤメ」の観念を共通にする。

そうすると、本件商標と引用商標1及び引用商標2とは、外観において相違するところがあるとしても、称呼と観念が共通するから、両者は類似する商標といえる。

(2)本件商標と引用商標3との類否について

両者は、それらの上記のとおりの外観及び称呼は、構成態様及び語調語感が明らかに異なり、また観念においても相紛れるおそれはない。

そうすると、本件商標と引用商標3とは、両者の外観、観念、称呼等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両者は相紛れるおそれのない非類似の商標であって、別異の商標というべきものである。

4 本件商標の指定商品(11号申立て商品)と引用商標の指定商品との類否について

(1)本件商標の指定商品と引用商標1及び引用商標2の指定商品との類否

本件商標の指定商品中の11号申立て商品は、上記第1のとおり、令和2年12月8日付けの手続補正書により補正された結果、その指定商品中、第19類「建築材料,建築用壁用被覆材,建築用タイル,建築用パネル,天井板,フェンス,床材」について、「金属製・陶磁製及びれんが製のもの」を除いた商品に縮減されたものである。

これに対し、引用商標1の指定商品は、第2のとおり、「Ceramic tiles, especially of sandstone, for wooden floors and in general for paving and other elements relating to ceramic materials.」と表示されるところ、その商品は「Ceramic tiles」の範ちゅうの商品と捉えられるものであり、引用商標2の指定商品は、「Ceramic tiles for flooring and facing.」と表示されるところ、その商品は「Ceramic tiles」の範ちゅうの商品と捉えられる。

そして、「Ceramic」は「陶磁器、窯業製品」の意味を、「tiles」は、「陶磁器製などの薄板。」の意味を有することに鑑みれば、上記引用商標1及び引用商標2の指定商品は、いずれも「陶磁器製のタイル」とみるのが相当である。

よって、本件商標の11号申立て商品は、陶磁製のものが除かれた商品であって、「陶磁器製のタイル」である引用商標1及び引用商標2の指定商品とは、非類似の商品である。

(2)本件商標の指定商品と引用商標3の指定商品との類否

引用商標3の指定商品は、「Tiles and slabs of ceramic or stoneware for covering of walls, floors and ceilings.」と表示されるところ、その商品は「Tiles and slabs of ceramic or stoneware」の範ちゅうの商品と捉えられるものであるから、「陶磁器製又は石製のタイル及びスラブ」とみるのが相当である。

してみれば、引用商標3の指定商品中の「石製のタイル及びスラブ」に係る商品、すなわち「Tiles and slabs of stoneware for covering of walls, floors and ceilings.」については、石製の商品が明確に除かれているとは認められない本件商標の11号申立て商品と類似することを否定できない。

5 商標法第4条第1項第11号について

上記3(1)及び4(1)のとおり、本件商標と引用商標1及び引用商標2とは、類似する商標であるとしても、本件商標の指定商品中の11号申立て商品と引用商標1及び引用商標2の指定商品とは、非類似の商品であるから、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当しない。

また、上記3(2)及び4(2)のとおり、本件商標は引用商標3とは、非類似の商標であって、別異の商標であるから、前者の11号申立て商品と後者の指定商品が同一又は類似するとしても、商標法第4条第1項第11号に該当しない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。

6 商標法第4条第1項第15号について

上記5のとおり、本件商標は、その指定商品中の11号申立て商品について商標法第4条第1項第11号に該当するものではないから、本件商標の全ての指定商品について、以下、検討する。

(1)引用商標の周知性について

申立人は、「引用商標に係る商標は、住宅用、商業用、工業用プロジェクト向けの高級セラミック製品のデザイン、製造、販売において世界的に著名なIRISCERAMICA―SOCIETA PER AZIONI及びそのグループ会社であるGRANITIFIANDRE SOCIETA PER AZIONIの商標として、世界的に広く一般に知られている。」と主張する。

しかしながら、それら主張に係る内容が事実であることを裏付ける客観的な資料、たとえば、我が国における引用商標の周知性の度合いを客観的に判断するための資料の提出はなく、申立人の業務に係る商品の販売時期(期間)、売上高等の販売実績、市場シェア、広告期間・地域・規模等の広告実績などの事業規模等は不明であり、我が国における引用商標の周知性について、客観的な証拠に基づいて推し量ることはできない。

その他、職権調査によっても、引用商標が、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、我が国の取引者、需要者の間で、申立人の業務に係る商品を表示するものとして広く認識されていたと認めるに足る事実は見いだせない。

したがって、引用商標が、我が国において、申立人の業務に係る商品を表示するものとして我が国の需要者の間に広く認識され、本件商標の登録出願時及び登録査定時に周知性を獲得していたとは認めることはできない。

(2)商標法第4条第1項第15号該当性について

引用商標は、上記(1)のとおり、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る商品を表示するものとして我が国の需要者の間に広く認識されているものと認めることができないものであるから、本件商標と引用商標との類似性の程度などについて判断するまでもなく、本件商標は、これに接する取引者、需要者が、引用商標又は申立人を連想又は想起するものということはできない。

してみれば、本件商標は、商標権者がこれをその指定商品について使用しても、取引者、需要者をして引用商標又は申立人を連想、想起させることはなく、その商品が他人(申立人)又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれはないものというべきである。

その他、本件商標が出所の混同を生じさせるおそれがあるというべき事情も見いだせない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。

7 むすび

以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に該当せず、同項の規定に違反して登録されたものではなく、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

別掲1 本件商標(色彩は原本参照。)

別掲2 引用商標1

別掲3 引用商標2

別掲4 引用商標3

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