結論テキスト
本件審判の請求は、成り立たない。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 2022019533 |
|---|---|
| 審判種別 | 記載はありません。 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理 由
本願は、2017年(平成29年)11月22日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2016年11月22日 (US)アメリカ合衆国)を国際出願日とする出願であって、その後の手続の経緯は、概略、以下のとおりである。
令和 3年10月 5日付け:拒絶理由通知書
令和 4年 3月11日提出:手続補正書、意見書
令和 4年 7月26日付け:拒絶査定
令和 4年12月 2日提出:審判請求書、手続補正書
令和 6年 3月 7日付け:拒絶理由通知書
令和 6年 9月12日提出:手続補正書、意見書
本願の請求項1~19に係る発明は、令和 6年 9月12日提出の手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1~19に記載された事項により特定されるとおりのものであるところ、そのうち、請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、次のとおりである。
「ロボット手術デバイスとともに用いるための全体的位置決めシステムであって、
(a)ベースと、
(b)第1回転ジョイントにて前記ベースに対し動作可能に結合されている第1アームリンクと、
(c)第2回転ジョイントにて前記第1アームリンクに対し動作可能に結合されている第2アームリンクと、
(d)前記第2アームリンクに対し動作可能に結合されている第3アームリンクであって、前記第3アームリンクは第3回転ジョイントに関して回転可能であり、患者における切開部を通じて位置決め可能であるように構成されている、第3アームリンクと、
(e)前記第3アームリンクの長さに沿って伸長位置と収縮位置との間において可動であるように前記第3アームリンクの外部に対し摺動可能に結合されている摺動可能な結合部品であって、前記ロボット手術デバイスに対し結合可能であるように構成されており、前記ロボット手術デバイスは患者における切開部を通じて位置決め可能である、摺動可能な結合部品と、
(f)前記摺動可能な結合部品に対し動作可能に結合されているハンドルであって、固定位置と非固定位置との間において可動であり、前記ハンドルが前記非固定位置にあるとき、前記摺動可能な結合部品は、前記第3アームリンクの前記長さに沿って前記伸長位置と前記収縮位置との間において可動であり、前記ハンドルが前記固定位置にあるとき、前記摺動可能な結合部品は、前記伸長位置、前記収縮位置、または前記伸長位置と前記収縮位置との間の地点のいずれかにおける位置に固定される、ハンドルと、を備える全体的位置決めシステム。」
当審において令和 6年 3月 7日付けで通知した拒絶理由は以下の理由を含むものである。
(進歩性)本願発明は、その優先日前日本国内または外国において頒布された下記の引用文献1に記載された発明に基いて、その優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
引用文献1.国際公開第2014/160086号
(1)上記引用文献1には、以下の事項が記載されている。(和訳は当審による。下線は、理解の一助として当審が付した。)
ア「Brief Description of the Drawings
・・・
[045] FIG. 10 is a perspective view of robotic surgical device with a contact detection system, according to one embodiment.
[046] FIG. 11 is a schematic view of a contact detection system, according to one embodiment.
・・・
[049] FIG. 14A is a perspective view of an external gross positioning system, according to one embodiment.
[050] FIG. 14B is a further perspective view of the external gross positioning system of FIG. 14A.
(和訳:図面の簡単な説明
・・・
[045] 図10は、一実施形態による、接触検出システムを備えたロボット外科装置の透視図である。
[046] 図11は、一実施形態による、接触検出システムの概略図である。
・・・
[049] 図14Aは、一実施形態による、外部総位置決めシステムの透視図である。
[050] 図14Bは、図14Aの外部総位置決めシステムの更なる透視図である。)
イ「[0104] FIGS. 14A and 14B depicts an external gross positioning device and system 180 that can be used to automatically grossly position a surgical device 182 inside a cavity of a patient (as best shown in FIG. 14B, according to one embodiment. "Gross positioning," as used herein, is intended to mean general positioning of an entire moveable surgical device (in contrast to precise placement of the specific components of such a device, such as an arm or end effector). In known robotic surgical systems, the positioning of those devices during a surgical procedure can be a challenging task. Further, minimally invasive surgical procedures (using either robotic or non-robotic systems) frequently require a surgical technician to reposition the surgical equipment, such as a laparoscope. Such repositioning takes time and additional effort. In addition, in some cases, the surgical technician is a junior medical student who is not fully trained in laparoscopy. As a result, the repositioning instructions from the surgeon often result in an obstructed and/or fogged view of the surgical site, requiring additional cognitive resources from the surgeon. Hence, the Da Vinci(○にR)system and known single incision surgical devices often require timely repositioning of the patient, the robotic system, or both while performing complicated procedures.」
(和訳:[0104] 図14Aおよび図14Bは、(一実施形態に従って、図14Bに最もよく示されるように、)患者の腔内の外科装置182を自動的に全体的に位置決めするために使用され得る外部全体位置決め装置およびシステム180を示す。本明細書で使用される「全体的位置決め」は、(アームまたはエンドエフェクタのような、そのような装置の特定の構成要素の正確な配置とは対照的に)移動可能な手術装置全体の全体的位置決めを意味することが意図される。公知のロボット手術システムにおいて、外科処置中のそれらの装置の位置決めは、困難な作業であり得る。さらに、(ロボットシステムまたは非ロボットシステムのいずれかを使用する)低侵襲性外科処置は、腹腔鏡などの外科用機器を再位置決めするために外科技師を頻繁に必要とする。このような再配置には時間と労力がかかる。加えて、場合によっては、腹腔鏡手術の訓練を十分に受けていない医学生が手術技師を務めることもある。その結果、外科医からの再ポジショニングの指示は、しばしば、手術部位の視界を遮る、および/または、曇らせる結果となり、外科医からの追加の認識リソースを必要とする。従って、Da Vinchi(登録商標)システムや既知の単切開手術装置では、複雑な手技を行う際に、患者、ロボットシステム、またはその両方をタイムリーに再配置する必要があることが多い。)
ウ「 [0105] The various gross positioning devices contemplated herein aid in the repositioning of surgical devices (including, for example, any surgical devices that have a device body or rod configured to be positioned through an incision and at least one robotic arm coupled to the device body that is positioned entirely within the cavity of the patient) throughout the procedure without additional intervention from the surgical staff. The gross positioning system embodiments are capable of controlling the degrees of freedom, azimuth and elevation angle, and roll and translation about the axis of insertion of laparascopic surgical tools, including robotic laparoscopic surgical tools. As a result, the gross positioning device embodiments disclosed and contemplated herein can grossly position a surgical device through an incision into a patient cavity such as the abdominal cavity with high manipulability, reducing the operative time and stress induced upon the surgical staff. The combination of the external gross positioning system with the internal surgical device system will allow the degrees of freedom of the internal system to effectively increase without increasing the size of the surgical robot/device.」
(和訳:[0105] ここで企図される様々な全体
的置決め装置は、手術器具(例えば、切開部を通して位置決めされるように構成された器具本体またはロッドと、患者の腔内に完全に位置決めされる器具本体に結合された少なくとも1つのロボットアームとを有するあらゆる手術器具を含む)の
、処置全体を通して外科スタッフの追加の介入なしに、
再位置決めの支援を行う
。全体的位置決めシステムの実施形態は、ロボット腹腔鏡手術器具を含む腹腔鏡手術器具の挿入軸に関する自由度、方位角および仰角、ならびにロールおよび並進を制御することが可能である。その結果、ここで開示され、企図される全体的位置決め装置の実施形態は、高い操作性で、腹腔のような患者の腔への切開を通して外科器具を全体的位置決めすることができ、手術時間および外科スタッフに誘発されるストレスを低減する。外部全体的位置決めシステムと内部手術装置システムとの組み合わせにより、手術ロボット/装置のサイズを増大させることなく、内部システムの自由度を効果的に増大させることができる。)
エ「[0107] This system embodiment 180 has a base 184 and a body 186 coupled to the base. An upper arm or first arm link 188 is rotatably coupled to the body 186 at a rotational coupling or joint 190 such that the upper arm 188 can rotate in relation to the body 186 around the axis 190A as best shown in FIG. 14B. A forearm or second arm link 192 is rotatably coupled to the upper arm 188 at a rotational coupling or joint 194 such that the forearm 192 can rotate in relation to the upper arm 188 around the axis 194A as best shown in FIG. 14B. The device 180 also has a third link or extender 198 (best shown in FIG. 14B) coupled to the forearm 192. The extender 198, according to one embodiment, has two degrees of freedom : it can both rotate and extend laterally. That is, the extender 198 is configured to move between an extended position and a retracted position and any position in between. In one embodiment, the amount of extension and retraction is depicted by the arrow 204 in FIG. 14B. As shown in FIG. 14B, the extender 198 can have two components: a stationary body 198B and an extendable rod 198C. In this embodiment, the extendable rod 198C extends from and retracts into the stationary body 198B as shown. Further, the extender 198 can also rotate around axis 198A. More specifically, in the depicted embodiment, the body 198B and the extendable rod 198C are rotationally coupled to each other such that they both rotate around axis 198A together. Alternatively, the extendable rod 198C can rotate in relation to the stationary body 198B around axis 198A while the stationary body 198B does not rotate. Alternatively, the extender 198 can be any known component or device that provides both extension and rotation as contemplated herein.」
(和訳:[0107]
このシステム実施形態180は、ベース184と、ベースに結合されたボディ186とを有する
。
上腕すなわち第1のアームリンク188は、図14Bに最もよく示されているように、上腕188が軸190Aを中心にボディ186に対して回転できるように、回転結合すなわち関節190においてボディ186に回転可能に結合されている
。
前腕すなわち第2のアームリンク192は、図14Bに最もよく示されるように、前腕192が軸194Aを中心に上腕188に対して回転できるように、回転結合すなわち関節194において上腕188に回転可能に結合される
。
装置180はまた、前腕192に結合された第3のリンクすなわち伸長器198(図14Bに最もよく示す)を有する
。
伸長器198は、一実施形態によれば、回転と横方向への伸長の2つの自由度を有する
。すなわち、
伸長器198は、伸長位置と収縮位置およびその間の任意の位置の間を移動できるように構成されている
。一
実施形態では、伸長と収縮の量は、図14Bの矢印204によって描かれている
。図14Bに示すように、
伸長器198は、定常ボディ198Bと伸長可能なロッド198Cとの2つの構成要素を有する
ことができる。
この実施形態では、伸長可能なロッド198Cは、図示のように、定常ボディ198Bから伸長し、定常ボディ198B内に引っ込む
。さらに、
伸長器198は、軸198Aを中心に回転することもできる
。
より具体的には、描かれている実施形態では、該ボディ198Bおよび伸長可能なロッド198Cは、それらが共に軸198Aの周りを回転するように互いに回転可能に結合されている
。あるいは、伸長可能なロッド198Cは、定常ボディ198Bが回転しない間に、軸198Aの周りで定常ボディ198Bに対して回転することができる。あるいは、伸長器198は、本明細書で企図されるような伸長と回転の両方を提供する任意の既知の構成要素または装置とすることができる。)
オ「[0109] In one embodiment, the rotational axis 190A at rotational joint 190 (between the body 186 and the upper arm 188) is perpendicular to both the rotational axis 194A at rotational joint 194 (between the upper arm 188 and the forearm 192) and the rotational axis 198A. In other words, each axis 190A, 194A, 198A can be perpendicular in relation to the other two. The three axes 190A, 194A, 198A being perpendicular can, in some implementations, simplify the control of the system 180 by causing each axis 190A, 194A, 198A to contribute solely to a single degree of freedom. For example, if the extender 198 is rotated around axis 198A, the tilt of the surgical device 182 does not change when all three axes 190A, 194A, 198A are perpendicular. Similarly, if the upper arm 188 is rotated around axis 190A, only the tilt of the surgical device 182 from side to side is affected. Alternatively, two of the three axes 190A, 194A, 198A are perpendicular to each other. In a further alternative, none of the axes 190A, 194A, 198A are perpendicular to each other.」
(和訳:[0109] 一実施形態では、(胴体186と上腕188との間の)回転関節190における回転軸190Aは、(上腕188と前腕192との間の)回転関節194における回転軸194Aおよび回転軸198Aの両方に対して垂直である。言い換えれば、各軸190A、194A、198Aは、他の2つに対して垂直であり得る。3つの軸190A、194A、198Aが垂直であることは、いくつかの実施態様において、各軸190A、194A、198Aが単一の自由度のみに寄与するようにすることによって、システム180の制御を単純化することができる。例えば、伸長器198が軸198Aを中心に回転する場合、3つの軸190A、194A、198Aすべてが垂直であれば、手術装置182の傾きは変化しない。同様に、上腕188が軸190Aを中心に回転した場合、手術装置182の左右への傾きのみが影響を受ける。あるいは、3つの軸190A、194A、198Aのうちの2つは互いに垂直である。さらなる代替案では、軸190A、194A、198Aのいずれも互いに垂直ではない。)
カ「[0110] In one embodiment, the three axes 190A, 194A, 198A (as best shown in FIG. 14A) intersect at the intersection 200 (as best shown in FIG. 14B), also known as a "spherical joint" 200. The intersection 200 remains fixed at the same location, regardless of the positioning of the arm links 188, 192, 198, and can be used as the insertion point during surgeries. In one implementation, the intersection 200 causes the system 180 to act similarly to a spherical mechanism. A "spherical mechanism" is a physical mechanism or software application that can cause all end effector motions to pass through a single point, thereby allowing a surgical system to use long rigid tools that perform procedures through incisions that serve as single pivot points. As an example, both COBRASurge and the Raven have mechanical spherical mechanisms, while Da Vinci has a software-based spherical mechanism. In the device 180 as shown in FIG. 14A, the configuration of the device 180 creates the spherical joint 200 such that the extender 198 must pass through the single point of the spherical joint 200. The spherical joint 200 created by the device 180 increases the size of the effective workspace (depicted by the cone 202) for the surgical device 182.'」
(和訳:[0110] 一実施形態では、
3つの軸190A、194A、198A(図14Aに最もよく示す)は、「球状ジョイント」200としても知られる交差点200(図14Bに最もよく示す)で交差する。交差点200は、アームリンク188、192、198の位置決めに関係なく、同じ位置に固定されたままであり、手術中に挿入点として使用することができる
。一つの実施態様において、
交差部200は、システム180を球状機構と同様に作用させる。「球状機構」とは、すべてのエンドエフェクタの運動を単一の点を通過させることができる物理的機構またはソフトウェアアプリケーションのことであり、それにより、外科手術システムは、単一のピボット点として機能する切開部を通して処置を行う長い剛体のツールを使用することができる
。一例として、COBRASurgeとRavenは共に機械的な球面機構を有し、Da Vinciはソフトウェアベースの球状機構を有する。
図14Aに示す装置180では、伸長器198が球状ジョイント200の該一点を通過しなければならないように、装置180の構成が球状ジョイント200を形成する
。装置180によって作られた球状ジョイント200は、手術装置182のための有効作業空間(円錐202によって描かれる)の大きさを増大させる。)
キ「[0112] In use of the embodiment shown in FIGS. 14A and 14B, the arm links 188, 192, 198 rotate about axes 190A, 194A, 198A to position the surgical device 182 within the surgical space defined by the cone 202. The cone 202 is a schematic representation of the outer boundaries of the space in which the device 182 can be positioned by the positioning device 180. More specifically, the extender 198 can be rotated around axis 198A to rotate the surgical device 182 about the axis 198A. Further, the arm links 188, 192 in combination with the extender 198 can be used to articulate the device 182 through two separate angular planes. That is, the two axes 190A and 194A can affect the angular position of the extender 198. In addition, the extender 198 can be extended or retracted to allow for the surgical device 182 to be advanced into and out of the patient's body cavity.」
(和訳:[0112] 図14Aおよび図14Bに示される実施形態の使用において、アームリンク188、192、198は、軸190A、194A、198Aを中心に回転して、円錐202によって画定される手術空間内に手術装置182を配置する。円錐202は、位置決め装置180によって装置182を位置決めすることができる空間の外側の境界を概略的に表したものである。より具体的には、伸長器198は、軸198Aを中心に回転して、軸198Aを中心に手術装置182を回転させることができる。さらに、アームリンク188、192と伸長器198と組み合わせは、2つの別個の角度平面を通して装置182を関節運動させるために使用することができる。すなわち、2つの軸190A、194Aは伸長器198の角度位置に影響を与えることができる。さらに、
伸長器198は、手術装置182を患者の腔内に前進したり腔外に出たりすることができるように、伸長または後退させることができる
。)
ク「[0113] In one implementation, the positioning system 180 and the surgical device 182 (as shown in FIG. 14B) can be used in combination, such that the surgical device 182 is treated as an extension of the positioning system 180 wherein both are used together to move and operate the surgical device 182. ・・・」
(和訳:[0113] 1つの実施態様では、
位置決めシステム180と手術装置182(図14Bに示すように)を組み合わせて使用することができ、この場合、手術装置182は位置決めシステム180の延長として扱われ、両者は手術装置182を移動させ操作するために一緒に使用される
。・・・)
ケ「Claims
What is claimed is:
(a) a base;
(b) a body operably coupled to the base;
(c) a first arm link operably coupled to the body at a first rotational joint;
(d) a second arm link operably coupled to the first arm link at a second rotational joint; and
(e) an extendable third arm link operably coupled to the second arm link, wherein at least a portion of the third arm link is rotatable about a third rotational joint, the third arm link comprising a connection component at a distal end of the third arm link, wherein the connection component is configured to be coupleable to the robotic surgical device.
・・・
5. The gross positioning system of claim 1 , wherein an axis of rotation of the first rotational joint, an axis of rotation of the second rotational joint, and an axis of rotation of the third rotational joint intersect at a spherical joint.
6. The gross positioning system of claim 1 , wherein the extendable third arm link comprises an extender body and an extendable rod slidably coupled to the extender body, wherein the extendable rod is configured to move between an extended position and a retracted position.
7. The gross positioning system of claim 1 , wherein the robotic surgical device comprises at least one arm, wherein the gross positioning system and robotic surgical device are configured to operate together to position the robotic surgical device within a body cavity of a patient.」
(和訳:特許請求の範囲
ロボット手術装置と共に使用するための総体的位置決めシステムであって
、該システムは、以下を含む:
(a)
ベース
;
(b)
該ベースに動作可能に結合されたボディ
;
(c)
第1の回転関節において該ボディに動作可能に結合された第1のアームリンク
;
(d)
第2の回転関節において該第1のアームリンクに動作可能に結合された第2のアームリンク
;および
(e)
該第2のアームリンクに動作可能に結合された伸長可能な第3のアームリンクであって、該第3のアームリンクの少なくとも一部は、第3の回転関節を中心に回転可能であり、該第3のアームリンクは、該第3のアームリンクの遠位端に接続部品を含み、該接続部品は、該ロボット外科装置に結合可能であるように構成されている、第3のアームリンク
。
・・・
5.
前記第1の回転ジョイントの回転軸と、前記第2の回転ジョイントの回転軸と、前記第3の回転ジョイントの回転軸とが、球面ジョイントで交差する
、請求項1に記載の総体的位置決めシステム。
6.
伸長可能な第3のアームリンクが、伸長器ボディと、該伸長器ボディに摺動可能に結合された伸長可能なロッドとを備え、該伸長可能なロッドが、伸長位置と収縮位置との間を移動するように構成されている
、請求項1に記載の総体的位置決めシステム。
7.
前記ロボット手術装置が、少なくとも1つのアームを備え、前記総体的位置決めシステムおよび前記ロボット手術装置が、前記ロボット手術装置を患者の腔内に位置決めするために一緒に作動するように構成されている
、請求項1に記載の総体的位置決めシステム。)
コ 図10
「
80
87
0001429220000001.jpg
」
サ 図11
「
45
74
0001429220000002.jpg
」
シ 図14A
「
87
71
0001429220000003.jpg
」
ス 図14B
「
99
75
0001429220000004.jpg
」
(2)上記(1)から、以下の事項が理解できる。
セ 請求項1の「(c)第1の回転関節において該ボディに作動可能に結合された第1のアームリンク」、[0107]の「上腕すなわち第1のアームリンク188は、図14Bに最もよく示されているように、上腕188が軸190Aを中心にボディ186に対して回転できるように、回転結合すなわち関節190においてボディ186に回転可能に結合されている。」より、
軸190Aを中心にボディ186に対して回転できるように、第1の回転関節190においてボディ186に回転可能に結合される第1のアームリンク188が把握できる。
ソ 請求項1の「(d)第2の回転関節において第1のアームリンクに動作可能に結合された第2のアームリンク」、[0107]の「前腕すなわち第2のアームリンク192は、図14Bに最もよく示されるように、前腕192が軸194Aを中心に上腕188に対して回転できるように、回転結合すなわち関節194において上腕188に回転可能に結合される。」より
軸194Aを中心に第1のアームリンク188に対して回転できるように、第2の回転関節194において第1のアームリンク188に回転可能に結合される第2のアームリンク192が把握できる。
タ 請求項1の「(e)該第2のアームリンクに動作可能に結合された伸長可能な第3のアームリンクであって、該第3のアームリンクの少なくとも一部は、第3の回転関節を中心に回転可能であり、該第3のアームリンクは、該第3のアームリンクの遠位端に接続部品を含み、該接続部品は、該ロボット手術装置に結合可能であるように構成されている、第3のアームリンク」、[0107]の「装置180はまた、前腕192に結合された第3のリンクすなわち伸長器198(図14Bに最もよく示す)を有する。・・・伸長器198は、定常ボディ198Bと伸長可能なロッド198Cとの2つの構成要素を有することができる。この実施形態では、伸長可能なロッド198Cは、図示のように、定常ボディ198Bから伸長し、定常ボディ198B内に引っ込む。さらに、伸長器198は、軸198Aを中心に回転することもできる。より具体的には、・・・、該ボディ198Bおよび伸長可能なロッド198Cは、それらが共に軸198Aの周りを回転するように互いに回転可能に結合されている。」より、
軸198Aを中心に第2のアームリンク192に対して回転でき、第2のアームリンクに動作可能に結合された第3のアームリンクすなわち伸長器198の定常ボディ198Bであって、第3の回転関節を中心に回転可能である、第3のアームリンクすなわち伸長器198の定常ボディ198Bが把握できる。
チ [0105] の「手術器具(例えば、
切開部を通して位置決めされるように構成された器具本体またはロッド
と、患者の腔内に完全に位置決めされる器具本体に結合された少なくとも1つのロボットアームと
を有する
あらゆる
手術器具を含む
)」、[0107]の「図14Bに示すように、
伸長器198は、定常ボディ198Bと伸長可能なロッド198Cとの2つの構成要素を有する
ことができる。」、[0110] の「
3つの軸190A、194A、198A(図14Aに最もよく示す)は、「球状ジョイント」200としても知られる交差点200(図14Bに最もよく示す)で交差する
。
交差点200は
、アームリンク188、192、198の位置決めに関係なく、同じ位置に固定されたままであり、
手術中に挿入点として使用することができる
。一つの実施態様において、交差部200は、システム180を球状機構と同様に作用させる。「球状機構」とは、
すべてのエンドエフェクタの運動を単一の点を通過させることができる物理的機構
またはソフトウェアアプリケーションであり、それにより、
外科手術システムは、単一のピボット点として機能する切開部を通して処置を行う長い剛体のツールを使用することができる
。・・・図14Aに示す装置180では、
伸長器198が球状ジョイント200の該一点を通過しなければならないように、装置180の構成が球状ジョイント200を形成する
。」、[0112]の「伸長器198は、手術装置182を患者の腔内に前進したり体腔外に出たりすることができるように、伸長または後退させることができる。」より、
3つの軸190A、194A、198Aが交差する交差点200すなわち球状ジョイント200は、手術中に挿入点として使用でき、伸長器198が、当該点200を通過するように構成され、手術装置182・伸長器198は切開部を通して位置決めされるように構成されるから、
第3のアームリンクすなわち伸長器198の定常ボディ198Bは、切開部を通じて位置決めされるように構成される。
ツ 請求項1の「(e)・・・該第3のアームリンクは、該第3のアームリンクの遠位端に接続部品を含み、該接続部品は、該ロボット手術装置に結合可能であるように構成されている、第3のアームリンク」、請求項6の「伸長可能な第3のアームリンクが、伸長器ボディと、該伸長器ボディに摺動可能に結合された伸長可能なロッドとを備え、該伸長可能なロッドが、伸長位置と収縮位置との間を移動するように構成されている」、[0105] の「手術器具(例えば、切開部を通して位置決めされるように構成された器具本体またはロッドと、患者の腔内に完全に位置決めされる器具本体に結合された少なくとも1つのロボットアームとを有するあらゆる手術器具を含む)」、[0107]の「伸長器198は、伸長位置と収縮位置およびその間の任意の位置の間を移動できるように構成されている。一実施形態では、伸長と収縮の量は、図14Bの矢印204によって描かれている。図14Bに示すように、伸長器198は、定常ボディ198Bと伸長可能なロッド198Cとの2つの構成要素を有することができる。この実施形態では、伸長可能なロッド198Cは、図示のように、定常ボディ198Bから伸長し、定常ボディ198B内に引っ込む。」、[0112]の「伸長器198は、手術装置182を患者の体腔内に前進したり体腔外に出たりすることができるように、伸長または後退させることができる。」より、
伸長器198の定常ボディ198Bに摺動可能に結合された伸長可能なロッド198Cであって、定常ボディ198Bから伸長し、定常ボディ198B内に引っ込むことができ、伸長位置と収縮位置およびその間の任意の位置の間を移動できるロッド198Cであって、遠位端に接続部品を含み、該接続部品は、ロボット手術装置に結合可能であるように構成されており、慨ロボット手術装置は、切開部を通して位置決めされるように構成された、接続部品を含むロッド198Cが把握される。
上記記載を総合すると、引用文献1には、以下の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている。
[引用発明]
「ロボット手術装置と共に使用するための総体的位置決めシステム180であって
ベース184及びベースに連結されたボディ186と、
軸190Aを中心にボディ186に対して回転できるように、第1の回転関節190においてボディ186に回転可能に結合される第1のアームリンク188と、
軸194Aを中心に第1のアームリンク188に対して回転できるように、第2の回転関節194において第1のアームリンク188に回転可能に結合される第2のアームリンク192と、
軸198Aを中心に第2のアームリンク192に対して回転でき、第2のアームリンクに動作可能に結合された第3のアームリンクすなわち伸長器198の定常ボディ198Bであって、第3の回転関節を中心に回転可能である、第3のアームリンクすなわち伸長器198の定常ボディ198Bであって、切開部を通じて位置決めされるように構成される定常ボディ198Bと、
伸長器198の定常ボディ198Bに摺動可能に結合された伸長可能なロッド198Cであって、定常ボディ198Bから伸長し、定常ボディ198B内に引っ込むことができ、伸長位置と収縮位置およびその間の任意の位置の間を移動できるロッド198Cであって、遠位端に接続部品を含み、該接続部品は、ロボット手術装置に結合可能であるように構成されており、該ロボット手術装置は、切開部を通して位置決めされるように構成された、接続部品を含むロッド198Cと、
を備える総体的位置決めシステム180。」
本願発明と引用発明とを対比する。
(1)引用発明の「ロボット手術装置と共に使用するための総体的位置決めシステム180」
は、本願発明の「ロボット手術デバイスとともに用いるための全体的位置決めシステム」に相当する。
(2)引用発明の「ベース184及びベースに連結されたボディ186」は、その機能から、本願発明の「ベース」に相当する。
(3)引用発明の「軸190Aを中心にボディ186に対して回転できるように、第1の回転関節190においてボディ186に回転可能に結合される第1のアームリンク188」は、本願発明の「第1回転ジョイントにて前記ベースに対し動作可能に結合されている第1アームリンク」に相当する。
(4)引用発明の「軸194Aを中心に第1のアームリンク188に対して回転できるように、第2の回転関節194において第1のアームリンク188に回転可能に結合される第2のアームリンク192」は、本願発明の「第2回転ジョイントにて前記第1アームリンクに対し動作可能に結合されている第2アームリンク」に相当する。
(5)引用発明の「軸198Aを中心に第2のアームリンク192に対して回転でき、第2のアームリンクに動作可能に結合された第3のアームリンクすなわち伸長器198の定常ボディ198Bであって、第3の回転関節を中心に回転可能である、第3のアームリンクすなわち伸長器198の定常ボディ198B」は、切開部を通じて位置決めされるように構成されるので、本願発明の「前記第2アームリンクに対し動作可能に結合されている第3アームリンクであって、前記第3アームリンクは第3回転ジョイントに関して回転可能であり、患者における切開部を通じて位置決め可能であるように構成されている、第3アームリンク」に相当する。
(6)引用発明の「伸長器198の定常ボディ198Bに摺動可能に結合された伸長可能なロッド198Cであって、定常ボディ198Bから伸長し、定常ボディ198B内に引っ込むことができ、伸長位置と収縮位置およびその間の任意の位置の間を移動できるロッド198Cであって、遠位端に接続部品を含み、該接続部品は、ロボット手術装置に結合可能であるように構成されており、該ロボット手術装置は、切開部を通して位置決めされるように構成された、接続部品を含むロッド198C」と、本願発明の「前記第3アームリンクの長さに沿って伸長位置と収縮位置との間において可動であるように前記第3アームリンクの外部に対し摺動可能に結合されている摺動可能な結合部品であって、前記ロボット手術デバイスに対し結合可能であるように構成されており、前記ロボット手術デバイスは患者における切開部を通じて位置決め可能である、摺動可能な結合部品」とは、「前記第3アームリンクの長さに沿って伸長位置と収縮位置との間において可動であるように前記第3アームリンクに対し摺動可能に結合されている摺動可能な結合部品であって、前記ロボット手術デバイスに対し結合可能であるように構成されており、前記ロボット手術デバイスは患者における切開部を通じて位置決め可能である、摺動可能な結合部品」の限りにおいて一致する。
本願発明と引用発明は、下記の一致点で一致し、下記の相違点1-2で相違する。
(1)一致点
「ロボット手術デバイスとともに用いるための全体的位置決めシステムであって、
(a)ベースと、
(b)第1回転ジョイントにて前記ベースに対し動作可能に結合されている第1アームリンクと、
(c)第2回転ジョイントにて前記第1アームリンクに対し動作可能に結合されている第2アームリンクと、
(d)前記第2アームリンクに対し動作可能に結合されている第3アームリンクであって、前記第3アームリンクは第3回転ジョイントに関して回転可能であり、患者における切開部を通じて位置決め可能であるように構成されている、第3アームリンクと、
(e‘)前記第3アームリンクの長さに沿って伸長位置と収縮位置との間において可動であるように前記第3アームリンクに対し摺動可能に結合されている摺動可能な結合部品であって、前記ロボット手術デバイスに対し結合可能であるように構成されており、前記ロボット手術デバイスは患者における切開部を通じて位置決め可能である、摺動可能な結合部品と、
を備える全体的位置決めシステム。」
(2)相違点
<相違点1>
本願発明では、結合部品は、第3アームリンク「の外部」に対し摺動可能に結合されているのに対して、引用発明では、ロッド198Cは、定常ボディ198Bの内に引っ込むように移動可能に結合されている点。
<相違点2>
本願発明は、「前記摺動可能な結合部品に対し動作可能に結合されているハンドルであって、固定位置と非固定位置との間において可動であり、前記ハンドルが前記非固定位置にあるとき、前記摺動可能な結合部品は、前記第3アームリンクの前記長さに沿って前記伸長位置と前記収縮位置との間において可動であり、前記ハンドルが前記固定位置にあるとき、前記摺動可能な結合部品は、前記伸長位置、前記収縮位置、または前記伸長位置と前記収縮位置との間の地点のいずれかにおける位置に固定される、ハンドル」を備えるのに対し、引用発明は、「伸長器198の定常ボディ198Bに摺動可能に結合された伸長可能なロッド198Cであって、定常ボディ198Bから伸長し、定常ボディ198B内に引っ込むことができ、伸長位置と収縮位置およびその間の任意の位置の間を移動できるロッド198Cであって、遠位端に接続部品を含み、該接続部品は、ロボット手術装置に結合可能であるように構成されており、該ロボット手術装置は、切開部を通して位置決めされるように構成された、接続部品を含むロッド198C」を備える点。
外部に対し摺動可能なアクチュエータは例を挙げるまでもなく周知であるから、引用発明において、ロッド198Cを、定常ボディ198の内に引っ込むように移動可能に結合することに換えて、定常ボディ198の外部に対し摺動可能に結合して、相違点1に係る本願発明の構成とすることは、当業者が適宜になし得た単なる設計変更にすぎない。
柱状の部材どうしを伸長位置、収縮位置およびその間の任意の位置で位置固定するために、摺動可能な結合部品に対し動作可能に結合されているハンドルであって、固定位置と非固定位置との間において可動であり、前記ハンドルが前記非固定位置にあるとき、前記摺動可能な結合部品は、長さに沿って伸長位置と収縮位置との間において可動であり、前記ハンドルが前記固定位置にあるとき、前記摺動可能な結合部品は、前記伸長位置、前記収縮位置、または前記伸長位置と前記収縮位置との間の地点のいずれかにおける位置に固定される、ハンドルを設ける技術は、例えば、特開2008-25834号公報(図1、図7、【0034】-【0035】、【0054】、【0057】-【0059】参照)に示されるように周知技術であり、引用発明の伸長器の具体的構成に上記周知技術を採用して、相違点2に係る本願発明の構成とすることは、当業者が容易になし得たことである。
本願発明を全体として検討しても、本願発明の奏する作用効果は、引用発明及び周知技術から当業者が予測できる範囲内のものにすぎず、格別顕著ということはできない。
したがって、本願発明は、引用発明と周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。
以上のとおりであるから、請求項1に係る発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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