結論テキスト
本件審判の請求は、成り立たない。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 2024004875 |
|---|---|
| 審判種別 | 記載はありません。 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理 由
本願は、令和4年8月22日(パリ条約による優先権主張 2021年9月3日、大韓民国)の出願であって、その手続の経緯は次のとおりである。
令和 5年 7月13日付け:拒絶理由通知書
令和 5年10月25日 :意見書、手続補正書の提出
令和 5年11月13日付け:拒絶査定
令和 6年 3月21日 :審判請求書、手続補正書の提出
本願の請求項1~16に係る発明(以下、その請求項11に係る発明を「本願発明」という。)は、令和6年3月21日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1~16に記載された事項によって特定されるものと認められるところ、その請求項11の記載は次のとおりである。
<本願発明>
「部品の内部で流動する液に含まれたバブルを測定するユニットであって、
前記部品に設置され、検査領域を提供する透光性材質のカバーと、
前記検査領域に提供された前記部品の内部を流動する前記液に含まれるバブルを検査する検査ユニットと、を含み、
前記検査ユニットは、 前記カバーの外側から前記検査領域に向かって光を照射する光源と、
前記カバーの外側に位置され、前記検査領域を通過した前記光を受光する受光部と、
前記受光部で受光した前記光から前記バブルを検査する検査部と、を含み、
前記光源と対向する前記カバーの第1面は、平面で提供され、
前記第1面と対向する前記カバーの第2面は、前記第1面と平行に提供され、
前記光源は、前記第1面に垂直になる方向に前記光を照射し、
前記カバーと前記部品との間に空間が提供されるように前記カバーは、前記部品を囲むように提供され、
前記空間には、
前記検査領域に提供された前記部品の材質と同一な屈折率を有する物質で満たされるバブル測定ユニット。」
原査定の拒絶の理由は、本願発明は、本願の優先権主張の日(以下「優先日」という。)前に頒布された刊行物である、又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった次の引用文献1に記載された発明及び周知技術に基づいて、その優先日前に当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、という内容を含むものである。
引用文献1.国際公開第2016/084927号
引用文献2.特表2006-509197号公報(周知技術を示す文献)
引用文献3.特表2011-503516号公報(周知技術を示す文献)
引用文献4.特開2008-83061号公報(周知技術を示す文献)
原査定が引用した引用文献1(国際公開第2016/084927号)には、次の事項が記載されている(下線は当審が付した。)。
「[0013] 図1は、基板処理装置の一実施形態としてのレジスト膜形成装置の構成を概略的に示す図である。
[0014] 図1において、レジスト膜形成装置10は、薬液としてのレジスト(レジスト液)を貯蔵するボトル11(貯蔵部)と、ステージ12に載置されたウエハWにレジストを吐出するノズル13と、ボトル11に貯蔵されたレジストをノズル13へ圧送するポンプ14と、ボトル11及びポンプ14の間に配されてレジストを一時的に貯蔵するリザーバータンク15と、ポンプ14及びノズル13の間に配されてレジストに含まれる所定のサイズよりも大きいパーティクルを除去するフィルタ16と、レジスト膜形成装置10の各構成要素の動作を制御するコントローラ(制御部)17と、を備える。
[0015] また、レジスト膜形成装置10は、ボトル11からレジストを排出するドレンパイプ18と、ボトル11からリザーバータンク15へレジストを供給する供給パイプ19と、リザーバータンク15からポンプ14へレジストを供給する供給パイプ20と、ポンプ14からフィルタ16を経由してノズル13へレジストを供給する供給パイプ21とを備える。
[0016] さらに、レジスト膜形成装置10は、供給パイプ19に設けられて該供給パイプ19内を流れるレジスト中のパーティクル(異物)や気泡を分別して検出するセンサ22(検出器)と、供給パイプ21においてフィルタ16の下流(フィルタ16及びノズル13の間)に配されて供給パイプ21内を流れるレジスト中のパーティクルや気泡を分別して検出するセンサ23(検出器)とを備える。
[0017]
センサ22は、光を透過させる材料、例えば、ガラス又は透明な樹脂からなる透過部22aと、該透過部22aへレーザ光を照射する光学系22bと、透過部22aを透過したレーザ光を受光する検出部22cとを有する
。透過部22aにおいてパーティクル又は気泡を含むレジストが流れると、当該パーティクル又は気泡によってレーザ光が遮断され、検出部22cが受光するレーザ光の受光量が変化する。センサ22は、レーザ光の受光量の時間的変化等に基づいて、レジスト中に含まれるパーティクルと気泡とを区別して検出する。レジスト中のパーティクルと気泡とを区別して検出する具体的な手法として、PML(Particle Monitoring Technologies Ltd.)社のIPSA(登録商標)法を用いることができる。本実施形態では、
センサ23もセンサ22と同様の構成を有し、供給パイプ21内を流れるレジスト中のパーティクルと気泡とを区別して検出することができる
。」
「[図1]
89
131
0001429518000001.jpg
」
「[0027] 図3(A)及び図3(B)に示すように、
透過部23aにおいて各供給パイプ21は互いに平行に略等間隔で配置され、各供給パイプ21にはレーザ光Lがレジストの流れ方向と垂直に入射す
る。
[0028]
光学系23bは、透過部23aに対向するように配置され、各供給パイプ21の配列方向と平行に移動す
る。
センサ23がウエハWへ向けて吐出されるレジスト中のパーティクル及び気泡を測定する際、光学系23bは、レジストを吐出するノズル13に対応する供給パイプ21に、すなわち、レジストが流れる供給パイプ21に対向する位置まで移動し、当該供給パイプ21へ向けてレーザ光Lを照射す
る。なお、
検出部23cは常に透過部23aを挟んで光学系23bと対向し、光学系23bの移動に合わせて移動する
。」(当審注:「当該給パイプ21」は、「当該供給パイプ21」の誤記であることが明らかであるので、誤記を正して摘記した。)
「[図3]
200
118
0001429518000002.jpg
」
(1)引用文献1の[0017]には、「センサ23もセンサ22と同様の構成を有[する]」及び「センサ22は、光を透過させる材料、例えば、ガラス又は透明な樹脂からなる透過部22aと、該透過部22aへレーザ光を照射する光学系22bと、透過部22aを透過したレーザ光を受光する検出部22cとを有する」と記載され、図1には、透過部23aと光学系23bと検出部23cとを有するセンサ23が見て取れ、また、[0028]には、「光学系23bは、」「当該供給パイプ21へ向けてレーザ光Lを照射する。」と記載されていることから、センサ23は、光を透過させる材料、例えば、ガラス又は透明な樹脂からなる透過部23aと、該透過部23aへレーザ光Lを照射する光学系23bと、透過部23aを透過したレーザ光Lを受光する検出部23cとを有することが、把握できる。
(2)図3(A)及び(B)によれば、光学系23bと対向する透過部23aの第1の面は、平面であり、透過部23aの第1の面と対向する第2の面は平面であることが、見て取れる。
上記1及び2によれば、引用文献1には、センサ23について、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されているものと認められる。なお、参考までに、引用発明の認定に用いた引用文献の記載に係る段落番号等を括弧内に付してある。
<引用発明>
「光を透過させる材料、例えば、ガラス又は透明な樹脂からなる透過部23aと、該透過部23aへレーザ光Lを照射する光学系23bと、透過部23aを透過したレーザ光Lを受光する検出部23cとを有し、(前記2(1))
透過部23aにおいて各供給パイプ21は互いに平行に略等間隔で配置され、各供給パイプ21にはレーザ光Lがレジストの流れ方向と垂直に入射し、([0027])
光学系23bは、透過部23aに対向するように配置され、各供給パイプ21の配列方向と平行に移動し、センサ23がウエハWへ向けて吐出されるレジスト中のパーティクル及び気泡を測定する際、光学系23bは、レジストを吐出するノズル13に対応する供給パイプ21に、すなわち、レジストが流れる供給パイプ21に対向する位置まで移動し、当該供給パイプ21へ向けてレーザ光Lを照射し、検出部23cは常に透過部23aを挟んで光学系23bと対向し、光学系23bの移動に合わせて移動し、([0028])
光学系23bと対向する透過部23aの第1の面は、平面であり、透過部23aの第1の面と対向する第2の面は平面である(前記2(2))
センサ23。([0028])」
(1)本願発明と引用発明を対比すると、以下のとおりである。
ア 本願発明の「部品の内部で流動する液に含まれたバブルを測定するユニットであって、」及び「バブル測定ユニット」との特定事項について
引用発明の「供給パイプ21」は、本願発明の「部品」に、
引用発明の「レジスト」は、本願発明の「液」に、
引用発明の「センサ23」は、本願発明の「測定するユニット」に、
それぞれ相当する。
そして、引用発明の「供給パイプ21」は、「レジストを吐出するノズル13に対応する」ものであり、「センサ23」は、「ウエハWへ向けて吐出されるレジスト中のパーティクル及び気泡を測定する」ものであるから、引用発明の「センサ23」は、「供給パイプ21」の内部を流れる「レジスト中の」「気泡を測定する」ものである。また、引用発明の「パーティクル及び気泡を測定する」「センサ23」は、本願発明の「バブル測定ユニット」に相当する。
したがって、引用発明は、上記特定事項を備えている。
イ 本願発明の「前記部品に設置され、検査領域を提供する透光性材質のカバーと、」との特定事項について
引用発明は、「透過部23aにおいて各供給パイプ21は互いに平行に略等間隔で配置され[る]」ことから、「透過部23a」は、「各供給パイプ21」に設置されているといえる。また、引用発明は、「検出部23cは常に透過部23aを挟んで光学系23bと対向[する]」ものであるから、引用発明の「透過部23a」は、「供給パイプ21」の検出領域を含むものである。
また、引用発明の「光を透過させる材料、例えば、ガラス又は透明な樹脂からなる透過部23a」は、「各供給パイプ21」が「互いに平行に略等間隔で配置され」るものであるから、本願発明の「透光性材質のカバー」に相当する。
したがって、引用発明は、上記特定事項を備える。
ウ 本願発明の「前記検査領域に提供された前記部品の内部を流動する前記液に含まれるバブルを検査する検査ユニットと、を含み、」との特定事項について
前記ア及びイで説示したとおり、引用発明の「センサ23」は、検出領域を含む「供給パイプ21」の内部を流れる「レジスト中の」「気泡を測定する」ものである。
そして、引用発明は、「パーティクル及び気泡を測定する際、光学系23bは、」「当該供給パイプ21へ向けてレーザ光Lを照射し、」「検出部23c」で「パーティクル及び気泡を測定」しているといえるから、引用発明の「光学系23b」及び「検出部23c」は、本願発明の「検査ユニット」に相当する。
したがって、引用発明は、上記特定事項を備える。
エ 本願発明の「前記検査ユニットは、前記カバーの外側から前記検査領域に向かって光を照射する光源と、前記カバーの外側に位置され、前記検査領域を通過した前記光を受光する受光部と、前記受光部で受光した前記光から前記バブルを検査する検査部と、を含み、」との特定事項について
引用発明の「光学系23b」は、「透過部23aに対向するように配置され、」「当該供給パイプ21へ向けてレーザ光Lを照射[する]」ものであるから、引用発明は、実質的にレーザ光を照射する光源を含むものと理解でき、本願発明と引用発明は、「前記カバーの外側から前記検査領域に向かって光を照射する光源」を含む点で共通する。
また、引用発明の「検出部23c」は、「常に透過部23aを挟んで光学系23bと対向[する]」ものであり、引用発明の「センサ23」は、「レジスト中のパーティクル及び気泡を測定する」ものといえるから、引用発明は、実質的に、レジスト中を通過したレーザ光Lを受光し、受光したレーザ光Lからパーティクル及び気泡を測定する構成を含むものと理解できる。そうすると、本願発明と引用発明は、「前記カバーの外側に位置され、前記検査領域を通過した前記光を受光する受光部と、前記受光部で受光した前記光から前記バブルを検査する検査部」を含む点で共通する。
したがって、引用発明は、上記特定事項を備える。
オ 本願発明の「前記光源と対向する前記カバーの第1面は、平面で提供され、前記第1面と対向する前記カバーの第2面は、前記第1面と平行に提供され、」との特定事項について
引用発明は、「光学系23bと対向する透過部23aの第1の面は、平面であり、透過部23aの第1の面と対向する第2の面は平面である」ものであるから、本願発明と引用発明は、「前記光源と対向する前記カバーの第1面は、平面で提供され、前記第1面と対向する前記カバーの第2面は、」「提供され[る]」点で共通するが、透光性材質の部材の第2面が、本願発明は、「第1面と平行に」提供されているのに対し、引用発明は、「第1の面と対向する」「平面である」点で相違する。
カ 本願発明の「前記光源は、前記第1面に垂直になる方向に前記光を照射し、」との特定事項について
引用発明の「光学系23b」は、「当該供給パイプ21へ向けてレーザ光Lを照射し」、「透過部23aの第1の面は、」「光学系23bと対向する」ものであるから、本願発明と引用発明は、「前記光源は、前記第1面に」「前記光を照射[する]」点で共通するが、光源が、本願発明は、「第1面に垂直になる方向に」光を照射しているのに対し、引用発明は、「透過部23aの第1の面に対向する」点で相違する。
キ 本願発明の「前記カバーと前記部品との間に空間が提供されるように前記カバーは、前記部品を囲むように提供され、」との特定事項について
引用発明は、前記特定事項を備えているのか明らかでない点で相違する。
ク 本願発明の「前記空間には、前記検査領域に提供された前記部品の材質と同一な屈折率を有する物質で満たされる」との特定事項について
引用発明は、前記特定事項を備えているのか明らかでない点で相違する。
(2)以上によれば、本願発明と引用発明とは、次の点で一致し、次の点で一応相違するか、相違する。
【一致点】
「部品の内部で流動する液に含まれたバブルを測定するユニットであって、
前記部品に設置され、検査領域を提供する透光性材質のカバーと、
前記検査領域に提供された前記部品の内部を流動する前記液に含まれるバブルを検査する検査ユニットと、を含み、
前記検査ユニットは、
前記カバーの外側から前記検査領域に向かって光を照射する光源と、
前記カバーの外側に位置され、前記検査領域を通過した前記光を受光する受光部と、
前記受光部で受光した前記光から前記バブルを検査する検査部と、を含み、
前記光源と対向する前記カバーの第1面は、平面で提供され、
前記第1面と対向する前記カバーの第2面は、提供され、
前記光源は、前記第1面に前記光を照射するバブル測定ユニット。」
【相違点1】
透光性材質のカバーについて、本願発明は、「第2面」が、「第1面と平行に」提供されているのに対し、引用発明は、「第2の面」が「第1の面と対向する」「平面である」点
【相違点2】
光源が、本願発明は、第1面に「垂直になる方向に」光を照射しているのに対し、引用発明は、「透過部23aの第1の面」に「対向する」点。
【相違点3】
本願発明は、「前記カバーと前記部品との間に空間が提供されるように前記カバーは、前記部品を囲むように提供され、前記空間には、前記検査領域に提供された前記部品の材質と同一な屈折率を有する物質で満たされる」のに対し、引用発明は、「透過部23a」である点。
(1)相違点1~3について
ア(ア)流路の周囲を流路の屈折率と整合する屈折率を有する材料で充填することで、流路の表面における光の反射や屈曲を低減する技術は、周知技術(必要ならば、原査定が引用した引用文献2(特表2006-509197号公報、特に、【0049】「物体包含管2の湾曲表面は、投影システムにおいて望ましくない可能性がある集束効果を生成する円筒レンズとして作用する。本開示の利益を有する当業者なら、物体包含管2による光子の屈曲は、源と外部管32との間の空間37および管32と検出器表面39との間の空間33が、物体包含管2の屈折率と整合する屈折率を有する材料で充填される場合、大きく低減されることができることを理解するであろう。」)、原査定が引用した引用文献3(特表2011-503516号公報、特に、【0023】「対象収容管2の湾曲した表面は、投影システムでは望ましくない可能性がある合焦効果を生成する円筒レンズとして働く。もし光源と外管32との間および管32と検出器表面39との間の空間37および33が、対象収容管2のそれに適合する屈折率を有する材料で充填されるならば、対象収容管2による光子の曲がりは、実質的に低減することができることが、この開示の利益を有する当業者なら理解するであろう。」)、及び原査定が引用した引用文献4(特開2008-83061号公報、特に、【0132】「符号122は、前記測定流路121の透光性材と同一またはその屈折率が同一の材料で、測定流路121と一体に形成された薄膜状の保護モールド部である。」)を参照されたい。)である。
(イ)そして、引用発明の「センサ23」は、「光を透過させる材料、例えば、ガラス又は透明な樹脂からなる透過部23aと、該透過部23aへレーザ光Lを照射する光学系23bと、透過部23aを透過したレーザ光Lを受光する検出部23cとを有し」て、「レジスト中のパーティクル及び気泡を測定する」ものであるところ、当業者は、パーティクル及び気泡を測定するときに、屈折率差を有する境界面において、レーザ光Lが反射したり屈折したりすることにより、測定誤差が発生しないようにするという周知の課題を認識できるといえる。
しかるに、上記の周知の課題を認識している当業者は、前記周知技術に接することができるところ、流路の周囲を流路の屈折率と整合する屈折率を有する材料で充填することで、流路の表面における光の反射や屈曲を低減すると測定誤差が低減できることは明らかであるから、上記当業者は、当該構造が上記周知の課題の解決に役立つことを認識できるといえる。
(ウ)このように、引用発明から出発した当業者は、前記周知の課題を認識できるところ、前記周知技術が、前記周知の課題を解決するために役立つことも認識できることから、当該周知の課題を解決するために前記周知技術を容易に採用するといえ、採用するときに、流路の周囲を流路の屈折率と整合する屈折率を有する材料で充填できるようにカバーを設けることは、当業者が通常考慮することであるから、透過部23aに代えて、供給パイプ21における光の反射や屈曲を低減させるために、供給パイプ21の周囲を供給パイプ21の屈折率と整合する屈折率を有する材料で充填し、当該充填のために周囲にカバーを設けるものとすることは、容易に想到し得たこと(以下「容易想到発明」という。)である。
イ そして、前記ア(ウ)の容易想到発明は、以下のとおり、相違点1~3に係る本願発明の構成を自然に満たすことになるといえる。
(ア)引用発明では、引用発明の「透過部23a」が、本願発明の「カバー」に相当していたが、容易想到発明では、容易想到発明のカバーが、本願発明の「カバー」に、相当することとなる。
そうすると、前記(1)イ、エ及びオの本願発明と引用発明との一致点が、本願発明と容易想到発明の一致点となるのかも合わせて検討する必要がある。
a 本願発明の「前記部品に設置され、検査領域を提供する透光性材質のカバーと、」との特定事項について
容易想到発明は、供給パイプ21における光の反射や屈曲を低減させるために、供給パイプ21の周囲を供給パイプ21の屈折率と整合する屈折率を有する材料で充填し、当該充填のために周囲にカバーを設けるものであるから、容易想到発明のカバーは、「各供給パイプ21」に設置されているといえる。また、容易想到発明のカバーは、「検出部23c」と「レーザ光Lを照射する光学系23b」に挟まれるものとなるから、検出領域を含むといえ、また、レーザ光Lを前記検出領域に照射してパーティクル及び気泡を測定することとなるから、透光性材質であるといえる。
したがって、容易想到発明は、上記特定事項を備える。
b 本願発明の「前記検査ユニットは、前記カバーの外側から前記検査領域に向かって光を照射する光源と、前記カバーの外側に位置され、前記検査領域を通過した前記光を受光する受光部と、前記受光部で受光した前記光から前記バブルを検査する検査部と、を含み、」との特定事項について
容易想到発明の「光学系23b」は、前記カバー及び前記屈折率を有する材料「に対向するように配置され、」「当該供給パイプ21へ向けてレーザ光Lを照射[する]」ものであるから、容易想到発明は、実質的にレーザ光を照射する光源を含むものと理解でき、本願発明と容易想到発明は、「前記カバーの外側から前記検査領域に向かって光を照射する光源」を含む点で共通する。
また、容易想到発明の「検出部23c」は、「常に」前記カバー及び前記屈折率を有する材料「を挟んで光学系23bと対向[する]」ものであり、容易想到発明の「センサ23」は、「レジスト中のパーティクル及び気泡を測定する」ものといえるから、容易想到発明は、実質的に、レジスト中を通過したレーザ光Lを受光し、受光したレーザ光Lからパーティクル及び気泡を測定する構成を含むものと理解できる。そうすると、本願発明と容易想到発明は、「前記カバーの外側に位置され、前記検査領域を通過した前記光を受光する受光部と、前記受光部で受光した前記光から前記バブルを検査する検査部」を含む点で共通する。
したがって、容易想到発明は、上記特定事項を備える。
c 本願発明の「前記光源と対向する前記カバーの第1面は、平面で提供され、前記第1面と対向する前記カバーの第2面は、前記第1面と平行に提供され、前記光源は、前記第1面に垂直になる方向に前記光を照射し、」との特定事項について
引用発明の「透過部23a」の外周面の構造と、容易想到発明のカバーの外周面の構造は、同様になるといえ、そうすると、容易想到発明は、「光学系23bと対向する」カバー「の第1の面は、平面であり、」カバー「の第1の面と対向する第2の面は平面である」ものとなり、本願発明と容易想到発明は、「前記光源と対向する前記カバーの第1面は、平面で提供され、前記第1面と対向する前記カバーの第2面は、」「提供され[る]」点で共通することとなる。
そして、容易想到発明は、「光学系23bと対向する」カバー「の第1の面は、平面であり、」カバー「の第1の面と対向する第2の面は平面であ[り]」、前記第1の面及び前記第2の面もレーザ光Lが屈折し、測定誤差が発生しないようにするものであるから、光学系23bは、前記第1の面に垂直になる方向に、レーザ光Lが照射されるように、前記第1の面を配置することは自然であるといえ(相違点2に係る本願発明の構成)、前記第2の面が、前記第1の面と平行に提供されているものとなることも自然であるといえる(相違点1に係る本願発明の構成)。
(イ)容易想到発明の供給パイプ21の屈折率と整合する屈折率を有する材料は、本願発明の「前記部品の材質と同一な屈折率を有する物質」に、相当することとなる。
そして、容易想到発明では、カバーと各供給パイプ21との間に、供給パイプ21の屈折率と整合する屈折率を有する材料が充填されることになり、カバーは、供給パイプ21の屈折率と整合する屈折率を有する材料を介して供給パイプ21を囲むようになる(相違点3に係る本願発明の構成)。
ウ 以上のとおりであるから、当業者は、引用発明及び上記周知技術に基づいて相違点1~3に係る本願発明の構成に容易に至るといえる。
(3)本願発明の効果について
上記相違点を総合的に勘案しても、本願発明の作用効果は、本願発明の構成が奏するものとして、引用発明及び上記周知技術の奏する作用効果に基づいて予測される範囲内のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。
(4)請求人の主張について
請求人は、引用文献2及び3では、光源35からの照射は、外部管32の凹形外表面29又は凸形外表面28を通った後に、検出器アレイ39に向かうように構成されており、本願発明の「前記第1面と対向する前記カバーの第2面は、前記第1面と平行に提供される」ことと相違し、したがって、本願発明は、引用文献1~4からは、容易に導かれない旨主張する。
しかしながら、引用文献2及び3に記載されている外部管32の凹形外表面29及び凸形外表面28が、それぞれ凹形及び凸形とされていることは、検出器アレイ39の大きさに合わせて光路を形成するためであることは明らかであり、上記周知技術が凹形又は凸形の外表面のみならず平面においても検出器に適合する光路が形成されるのであれば許容されることは明らかである。そして、引用発明に上記周知技術を適用した際には、容易想到発明のカバーの外周面の第2の面は、引用発明と同様に平面となり、第1の面と平行になるといえる。そうすると、上記(1)ウのとおり、相違点1に係る構成は、引用文献に記載された引用発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に至ることができるものである。
したがって、請求人の主張は、失当である。
(5)小括
以上によれば、本願発明は、引用発明及び上記周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
上記のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。