結論テキスト
本件審判の請求は、成り立たない。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 2024007953 |
|---|---|
| 審判種別 | 記載はありません。 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理 由
本願は、2020年(令和2年)8月6日(優先権主張 令和元年8月8日)を国際出願日とする日本語出願であって、その後の手続の概要は、以下のとおりである。
令和4年 1月27日(受付日): 手続補正書
令和5年11月14日付け: 拒絶理由通知
令和6年 1月22日(受付日): 意見書及び手続補正書
同年 2月 1日付け: 拒絶査定
同年 5月13日(受付日): 審判請求書
令和7年 2月27日付け: 拒絶理由通知
同年 4月28日(受付日): 意見書及び手続補正書
本願の請求項1~16に係る発明は、令和7年4月28日受付の手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1~16に記載された事項により特定されるものと認められるところ、そのうち請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、以下のとおりのものである。
<本願発明>
「ショベルの安全性及びセキュリティ性の少なくとも一方が相対的に低下する複数の所定のイベントの何れか1つが発生したときの、前記所定のイベントが発生する前、発生した時点、及び発生した後のそれぞれにおけるショベルの周辺状況に関する情報、及びショベルの状況に関する情報のうちの少なくとも一方を含むログ情報を記憶部に記録する記録部を備え、
複数の前記所定のイベントは、ゲートロックが解除されることである第1のイベント、旋回操作がされていない状態から旋回操作が開始されることである第2のイベント、走行操作がされていない状態から走行操作が開始されることである第3のイベント、ブームの下げ操作がされることである第4のイベント、ショベルの物体検出機能によりショベルの周辺で所定の物体が検出されることを含む第5のイベント、ショベルが不安定状態にある、若しくは、ショベルに不安定状態の兆候があることである第6のイベント、ショベルの盗難判定機能によりショベルの盗難が判定されることである第7のイベント、ショベルの安全機能が作動することである第8のイベント、ショベルのセキュリティ機能が作動することである第9のイベント、及びショベルの安全性及びセキュリティ性の少なくとも一方の低下を通知するユーザからの所定の操作入力が受け付けられることである第10のイベントを含む、
ショベル。
当審が令和7年2月27日付け拒絶理由通知(以下、「当審拒絶理由通知」という。)において通知した拒絶の理由の概要は、次のとおりである。
1(明確性)
本件出願は、本願の請求項1~16に係る発明を特定する特許請求の範囲の請求項1~16の記載が、特許法36条6項2号に規定する要件を満たしていない。
2(進歩性)
本願の請求項1~16に係る発明は、本件出願前に日本国内又は外国において頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。
<引用文献等一覧>
・引用文献1 米国特許出願公開第2010/0138094号明細書
・引用文献2 特許第4246039号公報
・引用文献3 特開2018-36937号公報(周知技術として引用)
・引用文献4 特開2017-144843号公報(周知技術として引用)
(1)引用文献1
ア 記載事項
本件特許の優先権主張日より前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献1には、次の記載及び図示がある(当審において、日本語訳を付した。)(下線は、当審において付した。以下、同様。)。
(ア)「BACKGROUND
[0002] Industrial machines, such as
dozers, motor graders, wheel loaders, and other types of heavy equipment
are used to perform a variety of tasks. In the performance of these tasks, the machine may be involved in an accident event. For example, the machine may collide with an object, rollover, become stuck, or be rendered inoperable. When under the direct control of a human operator, accident events may be anticipated by the operator with sufficient time to implement appropriate avoidance measures. However, in some situations the risk of an accident may be difficult for the operator to identify, anticipate, and/or avoid. The potential for an accident may be even greater when the machine is controlled remotely or autonomously without a human operator located on-board the machine, as computer systems may not be as equipped to adapt to their surroundings as a human operator.」
(背景
[0002]
ブルドーザー、モーターグレーダー、ホイールローダ、その他の種類の重機など
の産業機械は、さまざまなタスクを実行するために使用される。これらのタスクの実行中に、機械が事故に巻き込まれる可能性がある。例えば、機械がオブジェクトに衝突したり、横転したり、動かなくなったり、動作不能になったりする可能性がある。人間のオペレーターの直接の管理下にある場合、オペレーターは事故の発生を予測し、適切な回避措置を実施するのに十分な時間を確保することができる。ただし、状況によっては、事故のリスクをオペレーターが特定、予測、及び/または回避するのが難しい場合がある。機械が遠隔操作または自律的に制御され、人間のオペレーターが機械に乗らない場合、コンピューターシステムは人間のオペレーターほど周囲に適応する準備ができていない可能性があるため、事故の可能性はさらに高くなる可能性がある。)
(イ)「SUMMARY
[0007] In one aspect, the present disclosure is directed to
a system for logging
visual data and sensor data associated with a triggering event. The system may include a camera disposed on an autonomous machine to provide a visual data output and a sensor disposed on the autonomous machine to provide an operational parameter output. The system may also include
a memory buffer to store the visual data output and the operational parameter output
of the autonomous machine and a permanent memory device to selectively store the contents of the memory buffer. The system may further include a controller configured to detect a condition indicative of the triggering event on the autonomous machine. The controller may also be configured to
store the contents of the memory buffer in the permanent memory
at a predetermined time after the triggering event, said contents corresponding to the visual data output and the operational parameter output
occurring before, during, and after the triggering event
.」
(概要
[0007] 一態様では、本開示は、トリガイベントに関連付けられた視覚データ及びセンサデータを
記録するためのシステム
(
ロギングシステム
)に向けられている。システムは、視覚データ出力を提供するために自律機械上に配置されるカメラと、動作パラメータ出力を提供するために自律機械上に配置されるセンサを含んでもよい。システムはまた、自律機械の
視覚データ出力及び動作パラメータ出力を格納するメモリバッファ
と、メモリバッファの内容を選択的に格納する永久メモリデバイスを含んでもよい。システムは、さらに、自律機械上のトリガイベントを示す条件を検出するように構成されたコントローラを含んでもよい。また、コントローラは、トリガイベント後の所定の時間に
メモリバッファの内容を永久メモリに格納する
ように構成されていてもよく、前記その内容は、
トリガイベントの前、最中、及び後
に発生する視覚データ出力及び動作パラメータ出力に対応する。)
(ウ)「[0013] FIG. 1 illustrates a worksite 100 with an exemplary
machine 102
performing a task. Worksite 100 may include, for example, a mine site, a landfill, a quarry, a construction site, or any other type of worksite known in the art. The task may be associated with any activity appropriate at worksite 100, and may require machine 102 to traverse worksite 100. In one exemplary embodiment, the task may be associated with
altering the current geography at worksite 100
. For example, the task may include a grading operation, a leveling operation, a bulk material removal operation, or any other type of operation that results in alteration of the current geography at worksite 100. As machine 102 moves about worksite 100, a satellite 104 or other communications system
may communicate with a control system 106
.」
([0013] 図1は、タスクを実行する例示的な
機械102
を備えた作業現場100を示す。作業現場100は、例えば、鉱山現場、埋め立て地、採石場、建設現場、または当技術分野において公知の他の任意のタイプの作業現場を含んでもよい。タスクは、作業現場100で適切な任意の活動に関連付けることができ、作業現場100を横断するために機械102を必要とすることができる。一例示的な実施形態では、タスクは、
作業現場100の現在の地形を変更する
ことと関連づけられてもよい。例えば、タスクは、グレーディング操作、平準化操作、バルク材料除去操作、または作業現場100の現在の地形の変更をもたらす任意の他のタイプの操作を含むことができる。機械102が作業現場100の周りを移動すると、衛星104または他の通信システムが
制御システム106と通信し得る
。)
(エ)「[0016] As
machine 102
traverses worksite 100, it may encounter any number of obstacles that make movement of machine 102 difficult, hazardous, or even impossible.
The obstacles at worksite 100
may include, for example,
a natural obstacle such as a cliff, a body of water, a tree
, or a high grade; and
a road condition such as
a pothole,
loose gravel
, or a dynamic
weather related-condition
such as, for example, ice or mud. The obstacles at worksite 100 may further include a hazardous area such as a fuel site, a waste site, or the site of an explosive operation;
a stationary inanimate object
such as a fire hydrant, a parking lot, a gas/electric line, a tank, or a generator; a facility such as a storage facility or a trailer/portable building;
and/or other vehicles
.」
([0016]
機械102
が作業現場100を横切るとき、機械102の動きを困難、危険、または不可能にする障害に遭遇するかもしれない。
作業現場100での障害
は、
例えば、崖、水域、樹木
、または急勾配
などの自然障害
、甌穴、
緩い砂利などの道路状況
、または氷や泥などの動的な
気象関連の状態
を含み得る。作業現場100での障害は、さらに、燃料サイト、廃棄物サイト、または爆発作業のサイトなどの危険領域、消火栓、駐車場、ガス/電線、タンク、発電機などの
静止物体
、保管施設やトレーラー/可動建築物などの施設、
及び/またはその他の車両
を含んでもよい。)
(オ)「[0017] Machine 102, and components and subsystems associated therewith, may be configured to
detect certain triggering events, which may be indicative of a potential occurrence of an accident event
. In some cases, triggering events may coincide with certain events that immediately precede an accident. Alternatively, triggering events may detect behavior that appears to be indicative of an accident event, but that ultimately results in a “near miss” (i.e., an event that, in the time period leading up to the “near miss,” had the potential for resulting in an accident event). By
analyzing machine parameters before, during, and after a triggering event
, collision avoidance systems may be adapted to more appropriately react to triggering events to take measures to
avoid or reduce the severity of accident events
. It may also be beneficial to
examine operational parameter outputs and any visual data outputs to improve operations of such systems
.」
([0017] 機械102、及びそれに関連するコンポーネントとサブシステムは、
事故イベントの潜在的な発生を示す可能性のある
特定の
トリガーイベントを検出する
ように構成されてもよい。場合によっては、トリガーとなるイベントが事故の直前の特定のイベントと一致することがある。あるいは、トリガーイベントは、事故イベントを示しているように見える動作であるが、最終的には “ニア ミス “ で済んだイベント(つまり、”ニア ミスに至るまでの期間に、” 事故イベントにつながる可能性があったイベント) を検出してよい。
トリガーイベントの前、最中、及び後にマシンパラメータを分析する
ことにより、衝突回避システムは、トリガーイベントにより適切に反応するように適応し、
事故イベントの重大度を回避または軽減するための措置を講じる
ことができる。また、そのような
システムの運用を改善する
ために、
運用パラメータ
出力及び任意の
視覚データ出力を調べる
ことも有益である可能性がある。)
(カ)「[0019] As illustrated in FIG. 2,
machine 102 may include
a power source 202, a driver 204 for driving traction devices 112 (only one shown), a brake 206 for braking traction devices 112, and
a controller 208
, which includes various components that interact to affect operation of machine 102 in response to commands received from control system 106. Controller 208 may be coupled to antenna 114 to communicate with the handheld device controlled by control system 106 and/or a remote computing system, via satellite 104. Alternatively, controller 208 may include antenna 114. Controller 208 may also include or be communicatively coupled to a data module 210. Controller 208 may be communicatively coupled to power source 202, driver 204, brake 206, data module 210, and antenna 114 via communication links 212a,212b,212c,212d,and 212e,respectively.」
([0019] 図2に例示されるように、
機械102は
、動力源202と、牽引装置112を駆動するための運転者204(図示されているもののみ)、制動牽引装置112のためのブレーキ206と、制御装置106から受信したコマンドに応答して機械102の動作に影響を与えるために相互作用する種々の構成要素を含む
コントローラ208を含んでもよい
。コントローラ208は、アンテナ114に結合されて、制御システム106及び/またはリモートコンピューティングシステムによって制御されるハンドヘルドデバイスと、衛星104を介して通信することができる。あるいは、コントローラ208は、アンテナ114を含んでもよい。コントローラ208は、データモジュール210を含んでもよく、またはデータモジュール210に通信可能に結合されてもよい。コントローラ208は、それぞれ通信リンク212a、212b、212c、212d、及び212eを介して、電源202、駆動系204、ブレーキ206、データモジュール210、及びアンテナ114に通信可能に結合され得る。)
(キ)「[0023] Data module 210
may include a plurality of sensing devices 214
a-h
distributed throughout machine 102
to gather real-time operational parameter outputs from various components and systems of the machine, and communicate corresponding signals to controller 208. For example, sensing devices 214a-h may be used to gather information associated with operation of power source 202 (e.g., speed, torque, etc.), driver 204 (e.g., gear ratio, etc.), brake 206 (e.g., actuation, temperature, etc.), and/or traction devices 112 (e.g., rotational speed, etc.). Sensing devices 214a-h may also
be used to gather real-time operational parameter outputs regarding machine positioning, heading, speed, acceleration, and/or loading
. Sensing devices 214a-h may also be used to gather real-time data associated with worksite 100, such as, for example, still images or video feed from one or more cameras 116 mounted on machine 102. It is contemplated that data module 210 may include additional sensors to gather real-time operational parameter outputs associated with any other machine and/or worksite operational parameters known in the art.」
([0023] データモジュール210は、
機械102全体に分散された複数のセンシングデバイス214
a-hを含んでもよく、機械の様々なコンポーネント及びシステムからのリアルタイム動作パラメータ出力を収集し、対応する信号をコントローラ208に通信する。例えば、センシングデバイス214a~hは、電源202(例えば、速度、トルクなど)、駆動系204(例えば、ギア比など)、ブレーキ206(例えば、作動、温度など)、及び/または牽引装置112(例えば、回転速度など)の動作に関連する情報を収集するために使用され得る。センシングデバイス214a-hは、
機械の位置決め、方位、速度、加速度、及び/または負荷に関するリアルタイムの動作パラメータ出力を収集
するためにも使用されてもよい。センシングデバイス214a-hはまた、作業現場100に関連するリアルタイムデータ、例えば、機械102に取り付けられた1つ以上のカメラ116からの静止画像またはビデオフィードを収集するために使用されてもよい。データモジュール210は、当該技術分野において公知の他の機械及び/または作業現場の動作パラメータに関連するリアルタイムの動作パラメータ出力を収集するための追加のセンサを含んでもよいことが想定される。)
(ク)「[0025] In another embodiment, machine 102 may have one or more object sensors 214b.Object sensor 214b may be a system that
detects objects and/or obstacles that are in close proximity to machine 102
, and may present a risk of collision to machine 102. Object sensor 214b may detect objects and/or obstacles behind machine 102 and in obstructed directions, or may detect objects and/or obstacles in all directions. Object sensor 214b
may use radar, lidar or other laser systems, radio, a visual object recognition system
, or other systems known in the art. Object sensor 214b
may provide a warning to operator of machine 102, to control system 106, and/or controller 208. The warning may be audio, visual, and/or activate automatic control and avoidance responses by machine 102
.」
([0025] 別の実施形態では、機械102は、1つ以上の物体センサ214bを有してもよい。物体センサ214bは、
機械102に近接している物体及び/または障害物を検出する
システムであってもよく、機械102に衝突の危険性を提示し得る。物体センサ214bは、機械102の後方及び障害物方向にある物体及び/または障害物を検出し得る、または、全方向の物体及び/または障害物を検出してもよい。物体センサ214bは、
レーダー、ライダーまたは他のレーザーシステム、無線、視覚物体認識システム
、または当技術分野において公知の他のシステム
を使用し得る
。物体センサ214bは、
機械102のオペレータ、制御システム106、及び/またはコントローラ208に警告を発してもよい。警告は、音声、視覚、及び/または機械102による自動制御及び回避応答のアクティブ化であってもよい
。)
(ケ)「[0026] In other embodiments, sensing devices 214a-h may gather real-time operational parameters associated with machine 102. Such operational parameters may include ground speed, track speed for each of the traction devices 112,
inclination of machine 102 on the surface of worksite 100, loading information about machine 102, and one or more operating conditions of a transmission associated with machine 102
, for example, driver 204 is “in-gear” or “out-of-gear”, and/or an actual gear condition of machine 102. Sensing devices 214a-h may also gather real-time operational parameters associated with the engine speed of power source 202 (such as “idling”), an engine block temperature, an oil temperature, an oil pressure, or any other parameter
indicative of an operating condition
of power source 202. Sensing devices 214a-h may further gather real-time operational parameters indicative of operation of service brake 206a and
parking brake
206b(e.g., when, and to what extent, service brake 206a and parking brake 206b are actuated). For example, one or more of sensing device 214a-h may be configured to detect when an operator has depressed
switches, levers, and/or pedals
corresponding to desired actuation of service brake 206a and parking brake 206b.Similarly, one or more of sensing devices 214a-h may be configured to detect the force with which the operator has depressed switches, levers, and/or pedals for actuating one or more of service brake 206a and parking brake 206b.」
([0026] 他の実施形態では、センシングデバイス214a~hは、機械102に関連するリアルタイムの動作パラメータを収集してもよい。このような動作パラメータは、対地速度、各牽引装置112の軌道速度、
作業現場100の表面における機械102の傾斜、機械102に関する負荷情報、及び機械102に関連するトランスミッションの1つ以上の動作条件
、例えば、駆動系204が “ギア-入”または “ギア-切”、及び/または機械102の実際のギア状態を含んでもよい。センシングデバイス214a~hは、電源202のエンジン速度(“アイドリング”など)、エンジンブロック温度、油温、油圧、または電源202の
動作状態を示す
任意の他の
パラメータ
に関連するリアルタイムの動作パラメータも収集してもよい。センシングデバイス214a~hは、サービスブレーキ206a及び
パーキングブレーキ
206bの動作を示すリアルタイムの動作パラメータをさらに収集してもよい(例えば、サービスブレーキ206a及びパーキングブレーキ206bがいつ、どの程度作動したか)。例えば、センシングデバイス214a-hのうちの1つ以上は、オペレータがサービスブレーキ206a及びパーキングブレーキ206bの所望の作動に対応する
スイッチ、レバー、及び/またはペダル
を踏み込んだときに検出するように構成されてもよい。同様に、1つ以上のセンシングデバイス214a~hは、オペレータがサービスブレーキ206a及びパーキングブレーキ206bの1つ以上を作動させるためのスイッチ、レバー、及び/またはペダルを踏み込んだ力を検出するように構成されてもよい。)
(コ)「[0028]
Controller 208 may include devices for monitoring, recording, storing, indexing, processing, and/or communicating machine operational parameter outputs to facilitate remote and/or autonomous control of the machine 102
. Controller 208 may embody a single microprocessor or multiple microprocessors for monitoring characteristics of machine 102. For example,
controller 208 may include
a memory, a secondary storage device and/or
permanent memory device 218
, a clock, and a processor, such as a central processing unit or any other device for accomplishing a task consistent with the present disclosure. Numerous commercially available microprocessors can be configured to perform the functions of controller 208. It is contemplated that
controller 208 could readily embody a computer system capable of controlling numerous other functions
.」
([0028]
コントローラ208は、機械102の遠隔及び/または自律制御を容易にするために、機械の動作パラメータ出力を監視、記録、保存、インデックス作成、処理、及び/または通信するための装置を含んでもよい
。コントローラ208は、機械102の特性を監視するための単一のマイクロプロセッサまたは複数のマイクロプロセッサを具現化してもよい。例えば、
コントローラ208は
、メモリ、二次記憶装置及び/または
永久メモリデバイス218
、クロック、及びプロセッサ、例えば中央処理装置または本開示と一致するタスクを達成するための任意の他の装置
を含んでもよい
。多数の市販のマイクロプロセッサは、コントローラ208の機能を実行するように構成することができる。コントローラ208は、
多数の
他の
機能を制御することができるコンピュータシステムを容易に具体化することができ
ることが想定される。)
(サ)「[0030] Controller 208 may be configured to communicate with one or more of control systems 106 and/or satellite 104 via antenna 114, and/or other hardware and/or software that enables transmitting and receiving data through a direct data link (not shown) or a wireless communication link. The wireless communication link may include satellite, cellular, infrared, radio, microwave, or any other type of wireless electromagnetic communications that enable controller 208 to exchange information. Controller 208 may additionally receive signals such as command signals indicative of a desired direction, velocity, acceleration, and/or braking of machine 102, and may remotely control machine 102 to respond to such command signals. To that end, controller 208 may be communicatively coupled with power source 202 of machine 102, the braking element of machine 102, and the direction control of machine 102. Further,
controller 208 may be communicatively coupled with a user interface in the operator cabin of machine 102 to deliver information to an operator of machine 102
. Additionally, controller 208 may be part of an integrated display unit in the cabin of machine 102.」
([0030] コントローラ208は、アンテナ114、及び/または直接データリンク (図示せず) または無線通信リンクを介してデータを送受信することを可能にする他のハードウェア及び/またはソフトウェアを介して、制御システム106及び/または衛星104の1つ以上と通信するように構成されてもよい。無線通信リンクは、衛星、セルラー、赤外線、無線、マイクロ波、またはコントローラ208が情報を交換することを可能にする任意の他のタイプの無線電磁通信を含んでもよい。コントローラ208は、機械102の所望の方向、速度、加速度、及び/または制動を示す指令信号などの信号をさらに受信することができ、そのような指令信号に応答するように機械102を遠隔制御してもよい。そのために、コントローラ208は、機械102の電源202、機械102の制動要素、及び機械102の方向制御と通信可能に結合されてもよい。さらに、
コントローラ208は、機械102のオペレータキャビン内のユーザインタフェースと通信可能に結合されて、機械102のオペレータに情報を配信することができ
る。さらに、コントローラ208は、機械102のキャビン内の統合ディスプレイユニットの一部であってもよい。)
(シ)「[0036] When controller 208 has saved the received operational parameter outputs and visual data output in memory buffer 216, controller 208 may determine if all objects have been properly detected and identified (step 310). Specifically, object sensor 214b may use radar, lidar or other laser systems, radio, a visual object recognition system, or other systems known in the art to detect and identify objects. In one embodiment, if there are inconsistencies between the various means to determine the location and velocity of any objects, not all objects have been properly detected and identified. Additionally, if there are unexpected differences between the terrain and objects identified by object sensor 214b and any previously loaded terrain and/or object map, not all objects have been properly detected and identified. In an alternate embodiment, if an operator is using a machine 102 capable of remote or autonomous operation, and does not utilize the object sensor 214b or any visual camera displays, step 316 may be executed. Controller 208 may monitor the use or adherence to the warnings of object sensor 214, cameras 116, and other provided process for awareness of
objects and terrain conditions
in worksite 100. Controller 208 may determine the operator has not properly detected and identified all objects. In all embodiments, if controller 208 determines that
not all objects have been properly detected and identified
, a collision and/or a near miss may occur, and step 316 may be executed. In contrast, if controller 208 determines that all objects have been properly detected and identified, step 312 may be executed.」
([0036] コントローラ208が受信した操作パラメータ出力と視覚データ出力をメモリバッファ216に保存した場合、コントローラ208は、全ての物体が適切に検出され、識別されたかどうかを判断してもよい (ステップ310)。具体的には、物体センサ214bは、レーダ、ライダーまたは他のレーザシステム、無線、視覚物体認識システム、または当技術分野で公知の他のシステムを使用して物体を検出し、識別することができる。一実施形態では、任意の物体の位置及び速度を決定するための種々の手段との間に矛盾がある場合、全ての物体が適切に検出及び識別されているわけではない。さらに、物体センサ214バンドによって識別された地形と物体との間に予期せぬ違いがある場合、以前にロードされた地形及び/または物体地図は、全ての物体が適切に検出及び識別されているわけではない。別の実施形態では、オペレータが遠隔操作または自律操作が可能な機械102を使用しており、物体センサ214bまたは視覚カメラディスプレイを利用しない場合、ステップ316を実行することができる。コントローラ208は、物体センサ214、カメラ116、及び作業現場100内の
物体及び地形条件
を認識するために提供される他のプロセスの使用または警告の遵守を監視することができる。コントローラ208は、オペレータが全ての物体を適切に検出し、識別していなかったと判断することができる。すべての実施形態において、コントローラ208が、
全ての物体が適切に検出及び識別されていない
と判断した場合、衝突及び/またはニアミスが発生する可能性があり、ステップ316が実行されることができる。対照的に、コントローラ208が、全てのオブジェクトが適切に検出され識別されたと判断した場合、ステップ312が実行されてもよい。)
(ス)「[0037] After controller 208 has determined that all objects have been properly detected and identified, controller 208 may determine if machine 102 has suddenly decelerated (step 312). Specifically, controller 208 may monitor the acceleration of machine 102, the velocity of machine 102, and/or the position of machine 102. A sudden deceleration may indicate a collision and/or a near miss has occurred. A sudden decrease or change in velocity may also indicate a collision and/or a near miss has occurred. Controller 208 may monitor
machine 102
to determine if there was a sudden deceleration, or
a sudden change in velocity
. If controller 208 has determined a collision and/or a near miss occurred, step 316 may be executed. In contrast, if there is no indication at this step a collision and/or a near miss occurred, step 314 may be executed.」
([0037] コントローラ208が全ての物体が適切に検出され識別されたと決定した後、コントローラ208は、機械102が突然減速したかどうかを判定してもよい(ステップ312)。具体的には、コントローラ208は、機械102の加速度、機械102の速度、及び/または機械102の位置を監視してもよい。突然の減速は、衝突やニアミスが発生したことを示している可能性がある。速度の急激な低下または変化は、衝突及び/またはニアミスが発生したことを示している場合もある。コントローラ208は、
機械102
を監視して、急激な減速、または
速度の急激な変化があった
かどうかを判断してもよい。コントローラ208が衝突及び/またはニアミスが発生したと判断した場合、ステップ316を実行してもよい。対照的に、このステップで衝突及び/またはニアミスが発生した兆候がない場合、ステップ314が実行されてもよい。)
(セ)「[0039] After controller 208 has determined that no sudden deceleration occurred, controller 208 may determine if the object sensor detects a possible collision (step 314). Specifically, controller 208 may monitor
if the object sensor detects an object
collided with machine 102,
or came within a predetermined distance of machine 102
. An object occupying the same space as machine 102 may indicate a collision. If an object comes within a predetermined distance of machine 102, machine 102 may have experienced a near miss. If controller 208 has determined a collision and/or a near miss has occurred, step 316 may be executed. In contrast, if there is no indication at this step a collision and/or a near miss has occurred, the process may revert to step 306.」
([0039] コントローラ208が突然の減速は発生しなかったと判断した後、コントローラ208は、物体センサが衝突の可能性を検出したかどうかを判断してもよい (ステップ314)。具体的には、コントローラ208は、物体センサが機械102と衝突した
物体
を検出したか、または
機械102の所定の距離内に来た
かを監視してもよい。機械102と同じ空間を占める物体は、衝突を示し得る。物体が機械102の所定の距離内に接近した場合、機械102はニアミスを経験した可能性がある。コントローラ208が衝突及び/またはニアミスが発生したと判断した場合、ステップ316を実行することができる。対照的に、このステップで衝突及び/またはニアミスが発生した兆候がない場合、プロセスはステップ306に戻ることができる。)
(ソ)「[0040] When controller 208 has determined a collision and/or a near miss has occurred, controller 208 may next store memory buffer 216 data to a log file (step 316). Specifically,
controller 208 may
store or
save the contents of memory buffer 216 to a permanent memory device 218
. Because a copy of memory buffer 216 was stored to a permanent memory device 218 at the time of the triggering event, if, after the predetermined time period has passed, controller 208 is unable to store off a copy of memory buffer 216, a record of events prior to the triggering event nonetheless exists. When controller 208 has stored memory buffer 216 data to a log file, controller 208 may next continue to record data after the triggering event has occurred for a predetermined time period subsequent to the triggering event (step 318). The predetermined time period may be as short as a few seconds, and may be as long as 30 or more minutes. There may be value in examining the operational parameter outputs from machine 102 and visual data output after a collision and/or a near miss.」
([0040] コントローラ208が衝突及び/またはニアミスが発生したと判断した場合、コントローラ208は次にメモリバッファ216のデータをログファイルに格納してもよい (ステップ316)。具体的には、
コントローラ208は、メモリバッファ216の内容を永久メモリデバイス218に
記憶または
保存
してもよい。メモリバッファ216のコピーは、トリガイベントの時点で永久メモリデバイス218に格納されていたため、所定の期間が経過した後でも、コントローラ208がメモリバッファ216のコピーを格納できない場合でも、トリガイベントに先立つイベントの記録が存在する。コントローラ208がメモリバッファ216のデータをログファイルに格納している場合、コントローラ208は、トリガイベントが発生した後、トリガイベントに続いて所定の時間データを記録し続けることができる(ステップ318)。所定の時間は、数秒という短いものであってもよく、30分以上長いものであってもよい。機械102からの運用パラメータ出力と、衝突及び/またはニアミス後の視覚データ出力を調べることには価値があるかもしれない。)
(タ)「
50
73
0001429575000001.jpg
」
(チ)「
89
73
0001429575000002.jpg
」
イ 記載された発明
上記アより、引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明1」という。)が記載されている。なお、認定の根拠とした段落番号を括弧書きで付した。
<引用発明1>
ブルドーザー、モーターグレーダー、ホイールローダ、その他の種類の重機などの、作業現場100の地形を変更する機械102であって、制御システム106と通信し得る機械102において、([0002]、[0013])
事故イベントの潜在的な発生を示す可能性のあるトリガーイベントを検出し、トリガーイベントの前、最中、及び後のマシンパラメータ、運用パラメータ及び視覚データ出力を調べて、事故イベントの重大度を回避するための措置を講じたり、システムの運用を改善するために、([0017])
視覚データ出力及び動作パラメータを記憶するメモリバッファの内容を、トリガーイベントの前、最中、及び後の内容について、永久メモリに格納するものであり、([0007])
機械102は、コントローラ208を含み、コントローラ208は、永久メモリデバイス218を含み、([0019]、[0028])
作業現場100での機械102への障害は、例えば、崖、水域、樹木などの自然障害、緩い砂利などの道路状況、気象関連の状態、静止物体及び/またはその他の車両であってよく、([0016])
機械102の全体に分散された複数の検知デバイス214が、機械102の位置決め、方位、速度、加速度、及び/または負荷に関するリアルタイムの動作パラメータ出力や、機械102に取り付けられたカメラ116からの画像を収集したり、機械102に近接している物体及び/または障害物を検出するレーダー、ライダーまたは他のレーザーシステム、無線、視覚物体認識システムを使用したり、作業現場100の表面における機械102の傾斜、機械102に関する負荷情報、及び機械102に関連するトランスミッション、パーキングブレーキ、スイッチ、レバー、及び/またはペダルの動作状態を示すパラメータを収集してよく、([0023]、[0025]、[0026])
物体センサは、機械102のオペレータ、制御システム106、及び/またはコントローラ208に警告を発してもよく、警告は、音声、視覚、及び/または機械102による自動制御及び回避応答のアクティブ化であってもよく、([0025])
コントローラ208は、機械102の遠隔及び/または自律制御を容易にするために、機械102の動作パラメータ出力を監視、記録、保存、インデックス作成、処理、及び/または通信するための装置を含んでもよく、多数の機能を制御することができるコンピュータシステムを容易に具体化することができ、機械102のオペレータキャビン内のユーザインタフェースと通信可能に結合されて、機械102のオペレータに情報を配信することができ、([0028]、[0030])
コントローラ208が、メモリバッファ216の内容を永久メモリデバイス218に保存する場合として、地形条件を含む全ての物体が適切に検出及び識別されていない場合、機械102の速度の急激な変化があった場合、物体が機械102の所定の距離内に来た場合が含まれる、([0036]、[0037]、[0039]、[0040])
機械102。([0013])
(2)引用文献2
ア 記載事項
本件特許の優先権主張日より前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献2には、次の記載がある。
(ア)「【0033】
本発明によれば、建設機械の複数の稼働情報を稼働データとして記憶手段に取り込み、その記憶手段に記憶された複数の稼働データから最優先の稼働データを制御手段で抽出して管理側に送信する。これにより、休止期間低減の観点から稼働状態に係わる詳細な稼働データを管理側に送信していた従来方式に比べ、管理側が真に必要としている建設機械を休止に至らしめる最優先の稼働データを提供することができる。その結果、
膨大な稼働データの診断に多大な処理時間を有
し、この間に作業中の
油圧ショベル
が休止に至るといった従来方式の場合に生じうる
事態を防止する
ことができ、建設機械の休止による生産性の低下を抑制することができる。さらに、診断のための管理設備、費用も縮減することが可能となる。」
(イ)「【0035】
図1は、本発明の建設機械の稼働情報管理装置及びこれを備えた建設機械の稼働情報管理システムの一実施の形態を備えた
油圧ショベル
から衛星通信を介して管理側に稼働データを提供する情報提供システムの全体概要図である。この図1において、1は市場で稼動している複数の油圧ショベル(図1では代表として1つのみを図示)、2はこの油圧ショベル1に搭載されたコントローラネットワーク(稼働情報管理システム)、3はこのコントローラネットワーク2に接続された衛星通信端末、4は通信衛星、5は基地局、6は油圧ショベル1の製造メーカ(各ユーザ(顧客)に対し直接メンテナンス等のサービス業務を行っている販売会社(ディーラ)、支社、代理店等を含む。以下、メーカ等と記載する。)に設置されるサーバ、7はユーザ(顧客)側パソコンであり、上記基地局5、メーカ等のサーバ6及びユーザ側パソコン7は、互いに通信回線(例えば公衆回線を用いたインターネット等)8を用いた情報通信により接続されている。」
(ウ)「【0077】
また他方、選択肢5が選択された状態で稼働データを送信する場合には、CPU65はROM66からプログラム160を読み出し、このプログラム160に従ってRAM67に格納された稼働データ中のイベント・警報等データから警報データを抽出して取り出す共に、スナップショットデータを取り出す。そして、抽出した警報データ及びスナップショットデータを通信インターフェース68を介して衛星通信端末3に出力する。なお、この選択肢5の稼働データは、同じ警報が同日に頻繁に発生する場合も考慮し、警報1種類に対して1日に1回のみ出力されるようになっている。また、データ記録ユニット60は
自動スナップショットが行われる際には例えば6分(警報発生前5分及び発生後1分)のスナップショットデータをRAM
67
に保存する
が、データ容量が大きいため、ここではそのスナップショットデータのうち例えば警報発生後の10秒間のスナップショットデータを抽出して出力するようになっている。
【0078】
この選択肢5が選択される状況としては、例えば管理側が
油圧ショベル
1
に警報が発生した場合に
、その警報の発生をできるだけリアルタイムに知りたいといった場合である。本実施の形態によれば、選択肢5が選択されている場合には、警報発生後の次の送信時にその警報データ及びその
警報に係わるスナップショットデータが管理側に送信される
。これにより、管理側に警報の発生をリアルタイムに近い状態で知らせることができる上に、管理側はそのスナップショットデータを診断することにより警報発生の原因を究明することが可能である。」
(エ)「【0096】
一方、手動スナップショット機能とは、
オペレータが例えば運転中に感覚的に違和感を覚えたとき等に、例えばキーパッド
56
を操作して手動でスナップショットを開始し
、その後メモリが許容する最大時間(例えば30分)の範囲内でキーパッド56から終了指示入力がされるまでスナップショットを行う機能である。このときの収集するデータ項目については、例えばオペレータがディスプレイを見ながらキーバッド56の操作で選択できるようになっている。」
(オ)「【0104】
これに対し、本実施の形態においては、油圧ショベル1の稼働状態に係わる稼働データ(エンジン関連データ及び車体関連データ)のうち、管理側が選択肢1~5のうちから選択した稼働データを衛星通信を介して送信する。これにより、管理側が真に
必要とする
油圧ショベル1を休止に至らしめる最優先の
稼働データを提供することができる
。その結果、稼働データの診断の間に作業中の油圧ショベルが休止に至るといった上記従来方式の場合に生じうる事態を防止することができ、油圧ショベルの休止による生産性の低下を抑制することができる。さらに、診断のための管理設備、費用についても縮減することが可能となる。」
イ 記載された発明
上記アより、引用文献2には、次の発明(以下、「引用発明2」という。)が記載されている。なお、認定の根拠とした段落番号を括弧書きで付した。
<引用発明2>
膨大な稼働データの診断に多大な処理時間を要するという事態を防止し得る油圧ショベルであって、(【0033】)
自動スナップショットが行われる際には例えば6分(警報発生前5分及び発生後1分)のスナップショットデータをRAMに保存し、油圧ショベルに警報が発生した場合に、警報に係わるスナップショットデータを管理側に送信し、(【0077】-【0078】)
オペレータが例えば運転中に感覚的に違和感を覚えたとき等に、例えばキーパッドを操作すると、手動でスナップショットを開始し、(【0096】)
必要とする稼働データを提供することができる、(【0104】)
油圧ショベル。(【0035】)
(3)引用文献3
ア 記載事項
本件特許の優先権主張日より前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献3には、次の記載がある。
(ア)「【背景技術】
【0002】
従来、倉庫、工場または空港などの施設での荷役作業にフォークリフトが用いられる。フォークリフトはオーバーハングに荷物を載せる構造上、車体重量は見た目以上に重たい。このため、フォークリフトが低速走行していたとしても、人物と接触することにより重大な事故につながる可能性が高い。このような問題は、
フォークリフト
に代表される
産業車両
のみならず、
油圧ショベルなどの車両系建設機械
においても生じる。」
(イ)「【0054】
端末装置50は、例えば、フォークリフト25を管理する管理室などフォークリフト25と離れた場所に設置されるコンピュータである。端末装置50は、画像処理装置10に接続され、画像処理装置10が
人物
71または人物72
を検出したことを知らせる画像または音を出力したり、
人物71または人物72を検出したことを
時刻情報とともにログ情報として記録したりする
。なお、端末装置50と画像処理装置10との間は、4Gなどの通信規格に従った携帯電話回線や、Wi-Fi(登録商標)などの無線LAN(Local Area Network)により接続されていてもよい。」
イ 周知技術1
たとえば引用文献3の上記アの記載に示されるように、油圧ショベルやフォークリフト等の産業車両または車両系建設機械において、人物を検知したことを知らせる画像または音を出力したり、時刻情報とともにログ情報として記録することは、周知技術(以下、「周知技術1」という。)である。
(4)引用文献4
ア 記載事項
本件特許の優先権主張日より前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献4には、次の記載がある。
「【背景技術】
【0002】
油圧ショベル
を代表とする産業車両は、作業現場で連日使用される場合には作業終了後に作業現場に放置されることが多い。そのため、
盗難や不正使用
の被害にあう危険性が高く、十分なセキュリティ機能が求められている。
セキュリティ機能として、盗難を検知するとスタータモータの通電回路をカットするなど、産業車両を作動させない機能が知られている。盗難は、所有者の意図しない産業車両の移動を伴う行為であり、産業車両に内蔵した機器から自己位置を管理サーバに送信させることにより、産業車両の移動の把握、すなわち
盗難の検知
及び盗難された産業車両の追跡が可能である。しかし、盗難を行う者がこの仕組みを把握していると、通信装置を破壊するなどして、産業車両から管理サーバへの自己位置の送信を停止させることが想定される。そのため、産業車両から管理サーバへの通信が途絶えた場合にも、
盗難状態にあると判断
し、産業車両を作動させない対策が取られている。
しかし、通信装置が故障した場合や、産業車両が電波の届かない通信圏外エリアに移動した場合にも盗難状態にあると判断され、産業車両を作動させられない問題がある。この問題に対して、産業車両の作動停止状態を解除する解除コードを正規のユーザに通知し、管理サーバと産業車両の通信が不可能な場合でも車両を使用可能にする技術が知られている。たとえば特許文献1には、車両が無線通信圏外であっても、エンジンの始動が禁止された状態を解除するためのコードである解除コードを通信センタから携帯電話で受信し、携帯電話が車両に解除コードを送信することにより車両のエンジン始動禁止状態を解除する発明が開示されている。
・・・・
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されている発明では、車両の制限を解除するための情報の変更が考慮されておらず、車両の制限を解除するための情報の漏えいに対して脆弱である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明にかかる産業車両の認証システムは、サーバ、産業車両、及び携帯端末から構成される。産業車両とネットワークにより接続可能なサーバは、産業車両との接続が切断されたことを検出する第1切断検出部と、第1切断検出部が産業車両との接続が切断されたことを検出すると接続が切断された時刻を記録する第1切断時刻記録部と、第1切断時刻記録部が記録した接続が切断された時刻を携帯端末に送信する送信部とを備える。携帯端末は、サーバから接続が切断された時刻を受信する受信部と、サーバから受信した接続が切断された時刻を用いて産業車両に認証を要求する認証要求部とを備える。産業車両は、当該産業車両のアクチュエータの動作を制限する動作制限部と、サーバとの接続が切断されたことを検出する第2切断検出部と、第2切断検出部がサーバとの接続が切断されたことを検出すると、接続が切断された時刻を記録する第2切断時刻記録部と、携帯端末からの認証の要求に応じて、第2切断時刻記録部が記録した接続が切断された時刻に基づき認証を行う認証実行部と、第2切断検出部がサーバとの接続の切断を検出すると動作制限部による制限を開始させ、認証実行部が認証に成功すると動作制限部による制限を終了させる制御部とを備える。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、油圧ショベルと管理サーバとの接続が切断された時刻が、油圧ショベルの制限状態を解除する認証のための情報となる。すなわち、油圧ショベルと管理サーバとの通信が行われることにより、認証のための情報である、接続が切断された時刻が実質的に更新される。そのため、認証のための情報の漏えいに対して堅牢である。」
イ 周知技術2
たとえば引用文献4の上記アの記載に示されるように、油圧ショベルにおいて盗難や不正使用、認証等に対処することは、周知技術(以下、「周知技術2」という。)である。
(1)対比
本願発明と引用発明1とを対比する。
本願発明における「ショベル」と、引用発明1における「ブルドーザー、モーターグレーダー、ホイールローダ、その他の種類の重機などの、作業現場100の地形を変更する機械102」とは、「ショベル」が「重機」である「機械」の一種であることを踏まえると、「重機である機械」という点で、共通する。
引用発明1における「事故イベントの潜在的な発生を示す可能性のあるトリガーイベント」は、本願発明における「安全性及びセキュリティ性の少なくとも一方が相対的に低下する」「所定のイベント」に、相当する。
本願発明における、「前記所定のイベントが発生する前、発生した時点、及び発生した後のそれぞれにおけるショベルの周辺状況に関する情報、及びショベルの状況に関する情報のうちの少なくとも一方を含むログ情報」と、引用発明1における、「トリガーイベントの前、最中、及び後のマシンパラメータ、運用パラメータ及び視覚データ出力」であり、「視覚データ出力及び動作パラメータを記憶するメモリバッファの内容」として「トリガーイベントの前、最中、及び後の内容について、永久メモリに格納」される内容、具体的には「メモリバッファ216の内容」のうち「永久メモリデバイス218に保存」される内容とは、「前記所定のイベントが発生する前、発生した時点、及び発生した後のそれぞれにおける重機である機械の周辺状況に関する情報、及び重機である機械の状況に関する情報のうちの少なくとも一方を含むログ情報」という点で、共通する。
引用発明1において、「視覚データ出力及び動作パラメータを記憶するメモリバッファの内容」のうち「トリガーイベントの前、最中、及び後の内容」を、「永久メモリ」である「永久メモリデバイス218」に「保存する」ことは、本願発明において、「ログ情報を記憶部に記録する」ことに、相当する。
引用発明1において、「コントローラ208が、メモリバッファ216の内容を永久メモリデバイス218に保存する」ことは、本願発明において、「記録部」が「ログ情報を記憶部に記録する」ことに、相当する。
本願発明において、「ショベル」が「記録部を備え」ることと、引用発明1において、「重機」である「機械102」が「コントローラ208を含」むこととは、「重機である機械」が「記録部を備え」る点で、共通する。
引用発明1において、「事故イベントの潜在的な発生を示す可能性のあるトリガーイベントを検出」して「コントローラ208が、メモリバッファ216の内容を永久メモリデバイス218に保存する場合」として、「地形条件を含む全ての物体が適切に検出及び識別されていない場合、機械102の速度の急激な変化があった場合、物体が機械102の所定の距離内に来た場合」等の複数の場合があり、その各々の場合について「メモリバッファ216の内容を永久メモリデバイス218に保存する」ことが明らかであることは、本願発明において、「安全性及びセキュリティ性の少なくとも一方が相対的に低下する」「所定のイベント」が「複数」あり、その「何れか1つが発生したとき」に「ログ情報を記憶部に記録する」ことに、相当する。
本願発明において、「複数の前記所定のイベント」が「ショベルの物体検出機能によりショベルの周辺で所定の物体が検出されることを含む第5のイベント」を含むことと、引用発明1において、「重機」である「機械102」が「機械102の全体に分散された複数の検知デバイス214」として「機械102に近接している物体及び/または障害物を検出するレーダー、ライダーまたは他のレーザーシステム、無線、視覚物体認識システムを使用」したうえで、「トリガーイベント」により「メモリバッファ216の内容を永久メモリデバイス218に保存する場合」として、「物体が機械102の所定の距離内に来た場合」を含むこととは、「複数の前記所定のイベント」が「重機である機械の物体検出機能により重機である機械の周辺で所定の物体が検出されることを含む第5のイベント」を含むという点で、共通する。
以上を整理すると、本願発明と引用発明1とは、次の一致点において一致する。
<一致点>
重機である機械の安全性及びセキュリティ性の少なくとも一方が相対的に低下する複数の所定のイベントの何れか1つが発生したときの、前記所定のイベントが発生する前、発生した時点、及び発生した後のそれぞれにおける重機である機械の周辺状況に関する情報、及び重機である機械の状況に関する情報のうちの少なくとも一方を含むログ情報を記憶部に記録する記録部を備え、
複数の前記所定のイベントは、重機である機械の物体検出機能により重機である機械の周辺で所定の物体が検出されることを含む第5のイベントを含む、
重機である機械。
そして両者は、以下の点で相違する。
<相違点1>
重機である機械に関し、
本願発明においては、「ショベル」と特定されているのに対し、
引用発明1においては、「ショベル」とは特定されていない点。
<相違点2>
「複数の所定のイベント」に関し、
本願発明においては、「ゲートロックが解除されることである第1のイベント」、「旋回操作がされていない状態から旋回操作が開始されることである第2のイベント」、「走行操作がされていない状態から走行操作が開始されることである第3のイベント」、「ブームの下げ操作がされることである第4のイベント」、「ショベルが不安定状態にある、若しくは、ショベルに不安定状態の兆候があることである第6のイベント」、「ショベルの盗難判定機能によりショベルの盗難が判定されることである第7のイベント」、「ショベルの安全機能が作動することである第8のイベント」、「ショベルのセキュリティ機能が作動することである第9のイベント」、及び「ショベルの安全性及びセキュリティ性の少なくとも一方の低下を通知するユーザからの所定の操作入力が受け付けられることである第10のイベント」を含むことが特定されているのに対し、
引用発明1においては、そのように特定されていない点。
(2)相違点についての判断
ア 相違点1について
上記相違点1について判断する。
引用発明1において、「機械102」は「ブルドーザー、モーターグレーダー、ホイールローダ、その他の種類の重機などの、作業現場100の地形を変更する」ものであるところ、そのような重機の代表例の一つがショベルであることは技術常識である。
また、引用発明2は、診断のための稼働データを提供する機械として「油圧ショベル」である構成を有している。
引用発明1において、「作業現場100の地形を変更する」機能を有することが明らかである「重機」である「機械102」を、「ショベル」とすることは、ショベルがそのような重機の代表例であるという技術常識を踏まえると、実質的な相違点ではないか、単なる設計事項である。すなわち、上記相違点1は実質的な相違点ではないか、単なる設計事項である。
また、引用発明1において、「事故イベントの重大度を回避するための措置を講じたり、システムの運用を改善するため」に「視覚データ出力及び動作パラメータを記憶するメモリバッファの内容」を「永久メモリに格納」している「機械102」について、引用発明2において、診断のための稼働データを提供する機械を「油圧ショベル」とする構成を適用し、もって上記相違点1に係る本願発明の構成とすることは、当業者であれば想到容易である。
したがって、上記相違点1は、実質的な相違点ではないか、引用発明1において当業者が適宜に選択したであろう単なる設計事項であり、また、機械を「油圧ショベル」とする引用発明2の構成を適用して当業者が容易に想到し得た事項である。
また、引用発明1において「重機」である「機械102」を「ショベル」としたことの効果は、引用発明1、ショベルが重機である機械の代表例であるという技術常識、及び引用発明2において機械として「油圧ショベル」を用いている構成より、予測し得た範囲を超えるものではない。
イ 相違点2について
上記相違点2について判断する。
(ア)動機付けについて
引用発明1において、「機械102」が「トリガーイベントの前、最中、及び後のマシンパラメータ、運用パラメータ及び視覚データ出力」を「永久メモリデバイス218に保存」して分析の対象とする目的は、「事故イベントの重大度を回避するための措置を講じたり、システムの運用を改善する」ことにある。
また引用発明1において、「トリガーイベント」は、実際に発生した「事故イベント」そのものではなく、「事故イベントの潜在的な発生を示す可能性のある」イベントであって、「検出」できるものであれば足りる。
そして、引用発明1は、「機械102の遠隔及び/または自律制御を容易にするために、機械102の動作パラメータ出力を監視、記録、保存、インデックス作成、処理、及び/または通信するための装置を含んでもよく、多数の機能を制御することができるコンピュータシステムを容易に具体化する」ことを意図しているから、事故が起こる可能性があると整理できる検出可能な事象については、事故イベントや事故の際の重大度を低減する観点、システムを改善する観点、及び自律制御を容易にする観点から、役立つ情報を「永久メモリデバイス218に保存」して、分析の対象とする動機付けがある。
また、引用発明1は、「例えば、崖、水域、樹木などの自然障害、緩い砂利などの道路状況、気象関連の状態、静止物体及び/またはその他の車両」といった情報を考慮し、また「機械102の全体に分散された複数の検知デバイス214」によって、「機械102の位置決め、方位、速度、加速度、及び/または負荷に関するリアルタイムの動作パラメータ出力や、機械102に取り付けられたカメラ116からの画像を収集したり、機械102に近接している物体及び/または障害物を検出するレーダー、ライダーまたは他のレーザーシステム、無線、視覚物体認識システムを使用」したり、「作業現場100の表面における機械102の傾斜、機械102に関する負荷情報、及び機械102に関連するトランスミッション、パーキングブレーキ、スイッチ、レバー、及び/またはペダルの動作状態を示すパラメータを収集」している。
このように、「機械102」の周辺及び内部について、幅広く種々の情報を収集している引用発明1においては、収集するこれらの種々の情報に基づいて、「地形条件を含む全ての物体が適切に検出及び識別されていない場合、機械102の速度の急激な変化があった場合、物体が機械102の所定の距離内に来た場合」であるか否かを区別するのと同様に、収集した情報を「永久メモリデバイス218に保存」することが役に立つか否かを区別して「トリガーイベント」に含める動機付けがある。
(イ)第1~第4のイベントについて
引用発明1において、上記(ア)に説示したとおり、事故が起こる可能性があると整理できる検出可能な事象について、役立つ情報を「永久メモリデバイス218に保存」する「トリガーイベント」に含める動機付けがあるところ、ショベルのような重機においては、動作の開始時や切り換え時、ブームの下げ操作時等に、事故が生じやすく、操作に際して注意が必要であることは、証拠を示すまでもなく技術常識である。
そうすると、引用発明1において、「機械102」がショベルである場合について、ショベルの操作に注意が必要となるゲートロックの解除時、旋回操作の開始時、走行操作の開始時、及びブームの下げ操作時を、情報を「永久メモリデバイス218に保存」する「トリガーイベント」に含め、もって上記相違点2に係る本願発明の構成のうち、「複数の所定のイベント」に「ゲートロックが解除されることである第1のイベント」、「旋回操作がされていない状態から旋回操作が開始されることである第2のイベント」、「走行操作がされていない状態から走行操作が開始されることである第3のイベント」、及び「ブームの下げ操作がされることである第4のイベント」を含む構成に相当する構成とすることは、当業者であれば適宜になし得た設計事項程度である。
(ウ)第6、第8及び第9のイベントについて
引用発明1においては、「障害」として「例えば、崖、水域、樹木などの自然障害、緩い砂利などの道路状況、気象関連の状態」を考慮したり、「作業現場100の表面における機械102の傾斜、機械102に関する負荷情報」を検知したうえで、「地形条件を含む全ての物体が適切に検出及び識別されていない場合、機械102の速度の急激な変化があった場合」には「メモリバッファ216の内容を永久メモリデバイス218に保存」しているところ、「機械102」がショベルである際に、「永久メモリデバイス218」への情報保存を行う「トリガーイベント」として、「機械102」が検知して考慮する各種の障害の情報や傾斜の情報、負荷の情報や速度の急激な変化の情報に基づいて、「機械102」であるショベルが不安定状態と判断される場合、不安定状態の兆候を示すと判断される場合、ショベルに備えた安全機能やセキュリティ機能が作動する場合を含めることとし、もって上記相違点2に係る本願発明の構成のうち、「複数の所定のイベント」に「ショベルが不安定状態にある、若しくは、ショベルに不安定状態の兆候があることである第6のイベント」、「ショベルの安全機能が作動することである第8のイベント」、及び「ショベルのセキュリティ機能が作動することである第9のイベント」を含む構成に相当する構成とすることは、当業者であれば適宜になし得た設計事項程度である。
(エ)第7のイベントについて
ショベル等において盗難に対応することは、周知技術(上記周知技術2)である。
引用発明1において、事故イベントや事故の際の重大度を低減する観点、システムを改善する観点、及び自律制御を容易にする観点から、役立つ情報を「永久メモリデバイス218に保存」する「トリガーイベント」として、盗難が判定された場合を含めることとし、もって上記相違点2に係る本願発明の構成のうち、「複数の所定のイベント」に「ショベルの盗難判定機能によりショベルの盗難が判定されることである第7のイベント」を含む構成に相当する構成とすることは、当業者であれば容易に想到し得た事項である。
(オ)第10のイベントについて
引用発明2は、「油圧ショベル」において「診断」のための「稼働データを提供」する契機として、「オペレータが例えば運転中に感覚的に違和感を覚えたとき等に、例えばキーパッドを操作する」場合を含む構成を有している。
引用発明2が有する上記の構成は、本願発明において、「ログ情報を記憶部に記録する」「所定のイベント」として、「ショベルの安全性及びセキュリティ性の少なくとも一方の低下を通知するユーザからの所定の操作入力が受け付けられることである第10のイベント」を含む構成に、相当する。
引用発明1において、上記(ア)に説示したとおり、事故が起こる可能性があると整理できる事象については、情報を「永久メモリデバイス218に保存」する「トリガーイベント」に含める動機付けがあるところ、上記引用発明2の構成を適用して、情報を「永久メモリデバイス218に保存」する「トリガーイベント」として、オペレータが運転中に違和感を覚えて例えばキーパッドを操作した場合を含め、もって上記相違点2に係る本願発明の構成のうち、「複数の所定のイベント」に「ショベルの安全性及びセキュリティ性の少なくとも一方の低下を通知するユーザからの所定の操作入力が受け付けられることである第10のイベント」を含む構成に相当する構成とすることは、当業者であれば容易に想到し得た事項である。
ウ 付記
本願発明における「ログ情報」、及び「第5のイベント」として検出する「所定の物体」に関し、具体例として、時刻を付した情報、及び検出対象としての人を考慮した場合について、付加的に検討しても、上記周知技術1のとおり、ログ情報として時刻情報とともに記録をすること、及び検出対象を人物とすることは、当業者が適宜になし得た設計事項程度である。
エ 小括
上記ア~ウのとおり、引用発明1において、本願発明の構成に至ることは、引用発明2、周知技術1、周知技術2及び技術常識に基づいて、当業者であれば想到容易である。
また、そうしたことによる効果は、引用発明1、引用発明2、周知技術1、周知技術2及び技術常識から予測される範囲を超える、格別顕著なものとは認められない。
(3)請求人の主張について
請求人は、令和7年4月28日受付の意見書において、相違点2に係る本願発明の構成のうち、「所定のイベント」に「第1のイベント」~「第4のイベント」を含める構成については、「第1のイベント」~「第4のイベント」はショベルの安全性の低下を表しているものの、安全性の低下の程度が小さい正常状態の範疇であるから、引用発明1における「トリガーイベント」としてそのような安全性の低下の程度が低いものを含めることは、引用文献1には記載も示唆もされていない旨を主張している。
また、記録対象とするデータを増やすと記憶領域がすぐに逼迫することが技術常識であるから、引用発明1において、本願発明の「第1のイベント」~「第4のイベント」のように安全性の低下の程度が低い場合までデータの記録対象とすることは、動機付けがない旨を主張している。
しかしながら、上記(2)イ(ア)及び(イ)に説示したとおり、引用発明1において「トリガーイベント」は、実際に発生した「事故イベント」そのものではなく、「事故イベントの潜在的な発生を示す可能性のある」イベントであって、「検出」できるものであれば足り、また引用発明1においては、事故が起こる可能性があると整理できる検出可能な事象について、役立つ情報を「永久メモリデバイス218に保存」する「トリガーイベント」に含める動機付けがあったものである。また、ショベルのような重機においては、動作の開始時や切り換え時、ブームの下げ操作時等に、事故が生じやすく、操作に際して注意が必要であることは、証拠を示すまでもなく技術常識であるから、引用発明1において、安全性の低下の程度が格別重大ではなくとも、事故が生じやすく操作に際して注意を要する場合について、「トリガーイベント」に含めてデータの記録を行うことは、当業者であれば適宜になし得た設計事項程度である。
なお、引用発明1は、「永久メモリデバイス218」への情報の保存を「トリガーイベント」に対応して行っており、全ての情報を区別なく保存する場合に比較して、保存対象とする情報量は低減されているから、「永久メモリデバイス218」に保存する情報を引用文献1に直接明記されたもの以外に拡張すれば、記憶領域が必ず逼迫するという特段の制約があるものではない。また、本願発明において、記憶領域の逼迫の問題を解消する、引用発明1にはない特別な構成を有することが特定されているわけではなく、そのような構成が本願の明細書に開示されているわけでもない。
したがって、記憶領域の逼迫に関する上記請求人の主張は、引用発明1における動機付けまたは阻害要因の観点、及び本願発明と引用発明1との構成または効果の相違の観点の、いずれの観点で検討しても、妥当なものとはいえない。
(4)進歩性のまとめ
よって、本願発明は、特許法29条2項の規定により特許を受けることができず、本願は、当審拒絶理由通知で通知した理由2(進歩性欠如)により、拒絶されるべきものである。
以上のとおり、本願発明は、引用発明1、引用発明2、引用文献3~4に示される周知技術、及び技術常識に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により、特許を受けることができない。
したがって、その余の請求項に係る発明について判断するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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