結論テキスト
本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 2020670057 |
|---|---|
| 審判種別 | 記載はありません。 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由
本件国際登録第1053041号商標(以下「本件商標」という。)は、「KREBS」の欧文字を横書きしてなり、2011年(平成23年)12月15日に国際商標登録出願(事後指定)、第7類「Air compressors; angle grinders; band saws; grinding and polishing machines; polishers for motor cars; circular saws; battery-operated screw drivers and drills; drill presses; electric hand drills ; jack hammers; vacuum cleaners and dust extractors; lifting apparatus; electric planers and routers; surface grinding machines; power staplers for building; glue guns, electric; hot adhesive guns; jig saws; mitre cutting saws [machines]; machine for sawing and sanding; nail guns; sanding machines; jig-saws; welding guns; soldering irons, gas operated; table saws; tile cutters; welders; spray guns for paint; chain saws; grinders; cultivators; high-pressure cleaning machines; clippers (machines); leaf blowers; wood splitters; reciprocating saws [machines]; lawn rakes and lawn scarifiers; grinding machines; water pumps; generators; electric tools for applying and removing paint and varnish; machines for textile industry, namely electric apparatus for removing stains on textiles with solvents, especially spray guns.」及び第8類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、2013年(平成25年)7月26日に設定登録されたものである。
そして、本件審判請求の登録は、2020年(令和2年)12月24日にされたものであり、この登録前3年以内の期間(2017年(平成29年)12月24日~2020年(令和2年)12月23日)を、以下「要証期間」という場合がある。
請求人は、本件商標の指定商品中、第7類「全指定商品」(以下「請求に係る指定商品」という。)を取り消す、審判費用は、被請求人の負担とするとの審決を求め、その理由を審判請求書及び2021年(令和3年)4月14日付け審判事件答弁書(以下「答弁書」という。)に対する同年8月26日付け審判事件弁駁書(以下「弁駁書」という。)にて、要旨以下のとおり述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第10号証を提出した。
本件商標は、その指定商品中、請求に係る指定商品について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、その登録は商標法第50条第1項の規定により取消されるべきものである。
(1)乙第2号証ないし乙第4号証に示される電動ドリルに付された商標について
本件商標は、「KREBS」という英文字の文字商標であり、「クレブス」という称呼が生ずる。被請求人の提出した乙第2号証ないし乙第4号証には電動ドリルの商品が記載されているが、この商品には、黒色の背景に、主として緑文字で、+KREBS(審決注:「+」の記号は□で囲まれている。)という文字が付されている。なお、「+」部分については緑背景に黒色で強調されている。
かかる商標の外観は、「+KREBS」(審決注:「+」の記号は□で囲まれている。)であるのに対し、本件商標は、「KREBS」という文字であるから、明らかに商標の外観が相違する。
また、この商標に接した需要者は、「プラスクレブス」や「プラスケーアールイービーエス」のように、先頭の「+」部分も含めた商標だと認識する。請求人は、「+」が先頭に付された登録商標のリストを甲第3号証として提出する。
甲第3号証に示される「+」が先頭に付された数々の商標では、称呼には全て「プラス」が最初に付されている。例えば、国際登録1460525号は、指定商品が第7類の「塗装用・のり付け用・溶接用・穴あけ用・金属切断用及びプラスチック切断用・金属機械加工用及びプラスチック機械加工用の工作機械」である「+OMNIUM」という商標であるが、その第一の称呼は、「プラスオムニウム」である。
また、例えば、登録第5892898号(指定商品:第9類の眼鏡ケース等)は「+glass」という登録商標であるが、その称呼は、「プラスガラス」又は「プラスグラス」である。このように、当該電動ドリルに付された商標と本件商標は、明らかに商標の称呼も相違する。
さらに、「+」部分からは、「何かを追加する」という意味が生じるから、両商標は、明らかに商標の観念も相違する。
また、当該電動ドリルに付された商標が、本件商標と社会通念上同一と認めることもできない。
したがって、被請求人の提出した乙第2号証ないし乙第4号証に示される、電動ドリルに付された商標の態様では、商標法第50条の登録商標の使用に該当しない。
なお、被請求人は、第7類「電動ドリル」以外の証拠については提出しておらず、その他の指定商品についての使用も立証していない。
(2)乙第3号証の「KREBS 電動ドリル」という商品の紹介について
乙第3号証には「KREBS 電動ドリル」という商品の紹介が記載されているが、「KREBS」というブランドの使用には該当しない。
被請求人の主張しているアマゾン公式サイト「https://www.amazon.co.jp」(以下「アマゾン」という場合がある。)で、乙第3号証に示される「ブランド:KREBS」という部分をクリックすると、検索結果は甲第4号証に示すように40,000以上である。そして、その40,000以上の検索結果のページをめくっていくと、145ないし192件のページで、やっと、甲第5号証に示すように、被請求人の提出した乙第2号証ないし乙第4号証に示される電動ドリルが表示される。
また、被請求人の主張しているアマゾンの検索窓で、カテゴリーを「DIY・工具・ガーデン」とし、「KREBS」と入力して検索すると、カテゴリーは「すべて」に自動的にジャンプして、甲第4号証に示す40,000以上検索結果に戻る結果となる。
そして、カテゴリーを「すべて」とし、検索窓に「ドリル KREBS」と入力してみると、検索結果は103件となり、その検索結果1頁目には、乙2号証ないし乙4号証の電動ドリルは表示されない(甲6)。
さらに、甲第6号証の検索結果でページをめくっても、乙第2号証ないし乙第4号証の電動ドリルは表示されなかった(甲7、甲8)。
つまり、この検索結果からは、「KREBS」というドリルを検索しようとして、検索窓に「ドリル KREBS」と文字を入力しても、商品がドリルに紐づいていないので、検索されないのである。
商標法第50条の立法趣旨は、使用により蓄積された業務上の信用に保護が与えられるのが商標法の本来的な姿であることころ、一定期間使用していない商標にはそのような業務上の信用が蓄積されていないことから、請求を待って登録を取り消すことにある。
上記のように、「KREBS」(あるいはKrebs)という商標の付された電動ドリルを検索しようにも容易には到達できないのであり、被請求人の提出した証拠をもって「KREBS」という商標が電動ドリルに使用された事実があるということはできない。そして、検索された電動ドリルに付されている商標は、「+KREBS」(審決注:「+」の記号は□で囲まれている。)であり、当該電動ドリルに付された商標の態様では、商標法第50条の登録商標の使用に該当しないことは上述のとおりである。
(3)乙第4号証の「出荷元 Krebs Tools/販売元 Krebs Tools」について
乙第4号証には、「出荷元 Krebs Tools/販売元 Krebs Tools」と記載されており、出荷元や販売元の表示は、商標の使用とはいえないが、もし、これを商標の使用という場合、「Krebs」という商標の使用ではなく「Krebs Tools」という商標の使用である。
(4)乙第3号証に示されるアマゾンでの取り扱い開始日について
乙第3号証に示されるアマゾンでの取り扱い開始日は編集可能である。
甲第9号証に示すAmazonセラーフォーラムにおいて、アマゾンの出品者の一人が、「出品開始日を編集する事も可能となっている」ことを指摘している(甲9の2頁目)。
なお、Amazonセラーフォーラムとは、甲第10号証に示すように、アマゾンでの出品やアマゾンのサービスについて、出品者がアイデアや情報、意見などを交換する場であり、アマゾンに出品用アカウントを持っている出品者のみが参加することができる、アマゾンが運営している掲示板である。
したがって、乙第3号証に示されるアマゾンでの取り扱い開始日は編集可能であり、乙第2号証ないし乙第6号証をもって、要証期間にその請求に係る指定商品について使用をしたことを立証しているとはいえない。
(5)乙第4号証には「新規出品者」と記載されていることについて
乙第4号証には、「出荷元 Krebs Tools/販売元 Krebs Tools」という文字の下に、「新規出品者」と記載されている。
乙第4号証の閲覧日は答弁書からは判然としないが、被請求人の答弁書の3頁の第二段落によれば、乙第4号証は2021年4月14日に閲覧されたものと推察されるところ、乙第3号証に示されるアマゾンでの取り扱い開始日が2020年8月31日であるにも関わらず、2021年4月14日の時点においても、「新規出品者」という扱いであったことになる。
なお、被請求人の答弁書の3頁の第二段落によれば、「2020年4月14日現在」との記載があるが、正しくは「2021年4月14日現在」と考えられる。
したがって、乙第3号証に示されるアマゾンでの取り扱い開始日が本当に2020年8月31日であったのかについて、合理的な疑いが残る。
(6)以上のとおり、本件商標は、請求に係る指定商品について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、その登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
被請求人は、結論同旨の審決を求め、答弁書及び令和3年11月12日付け審尋に対する同4年1月24日差出の審判事件回答書(以下「回答書」という。)において、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第14号証を提出した。
(1)本件商標について
本件商標は、乙第1号証に記載されているように、英文字「KREBS」を横一列に並べたものであり、その字体は特殊なものではなく、一般的な書体である。
そして、第7類の指定商品には「electric hand drills(電気式ハンドドリル)」が含まれている。
(2)本件商標の使用の事実
乙第2号証は、アマゾンのウェブページであり、本件商標を構成する英文字「KREBS」を入力して、検索した結果を示す。
乙第2号証の上から2段目右端には、電動ドリルの画像とともに、本件商標を含む「KREBS 電動ドリル」との文言が確認される。本サイトは、日本の消費者が日本国内において、閲覧でき簡単にアクセスできるものである。
乙第3号証は、上記検索の結果抽出された「KREBS 電動ドリル」の商品画像をクリックしたときに表示される画像である。乙第3号証より、本件商標「KREBS」が電動ドリルに付されて販売、又は販売のため展示されていることは明らかである。
なお、本ページに記載されている商品説明より、当該電動ドリルが本件商標の第7類の指定商品である「electric hand drills(電気式ハンドドリル)」に該当することは明白である。
また、乙第3号証に示されているアマゾンでの取り扱い開始日は、2020年8月31日である。そして、本画像は2020年4月14日現在においても閲覧可能な状態である。
したがって、本件商標が、2020年8月31日ないし同年12月14日の間継続して使用されたことは明らかである。
次に、乙第3号証に示される画面の右側「すべての出品を見る」をクリックすると、乙第4号証に示される画像が表示される。ここでは、「出荷元」及び「販売元」のいずれにも「Krebs Tools」と記載されている。
さらに、「販売元」の「Krebs Tools」をクリックすると、乙第5号証に示される画像が表示される。ここでは、特定商取引法に基づく表記欄に運営責任者名shiboと記載されている。中国人氏名「shibo」は、漢字表記で「史波」と同一である。
乙第6号証は、本件商標の商標権者(以下「本件商標権者」という。)である「Krebs Trading(Ningbo)Co.Ltd.」の中国法人登録情報である。
ここで、本法人代表者の氏名は「史波」と記載されている。すなわち、乙第5号証に示されるアマゾンのウェブサイトで本件商標を使用して「電気式ハンドドリル」を販売しているのは、本件商標者「Krebs Trading(Ningbo)Co.Ltd.」の法人代表者と同一人である。すなわち、乙第5号証及び乙第6号証より、本件商標権者が、アマゾンのウェブサイトにおいて、本件商標を使用して「電気式ハンドドリル」を販売したことが認められる。
(3)まとめ
以上のとおり、被請求人は、要証期間内に日本国内において商標権者がその請求に係る指定商品について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標の使用をしたことを証明した。
したがって、本件商標の登録は、その請求に係る指定商品について、商標法第50条の規定により取り消すことはできない。
以上より、本件商標の登録を維持すべきである。
(1)被請求人は、2022年1月19日に、乙第3号証として提出したウェブサイトの画面を再度印刷し、乙第7号証として提出した。
乙第3号証と同様、乙第7号証の「登録情報」にも、本件商標を使用した本電動ドリルのアマゾンでの取り扱い開始日は、2020年8月31日であることが記載されており、アマゾンに認定された販売開始日が確認できる。
また、乙第8号証は、販売元の在庫管理ページの写しであり、2020年9月1日時点で、乙第7号証に示される本件商標を使用した本電動ドリルの在庫は20個であったことが認められる。
乙第9号証は、本件商標を使用した他の商品であるハンマードリル(第7類に属する)の販売サイトの写しである。
本ハンマードリルのアマゾンでの取り扱い開始日は、2020年9月18日であることが認められる。
また、乙第8号証の販売元の在庫管理ページから、2020年9月18日時点で、本件商標を使用した本ハンマードリルの在庫が20個あったことが確認できる。
(2)本件商標権者は、「販売元 Krebs Tools」に対し、本件商標の商標権について使用を許諾している。
アマゾンにおける「販売元 Krebs Tools」は、販売業者であるNingbo Evan Global E-Commerce Co.,Ltd(以下「Ningbo Evan Global E‐Commerce社」という。)(中国語表記 寧波艾文電子商務有限公司、乙第10号証 中国法人登録情報)である。
Ningbo Evan Global E-Commerce社の代表者(代表取締役)「史波」は、本件商標権者である「Krebs Trading(Ningbo)Co.Ltd.」の法人代表者である(乙6)。
乙第11号証は、Krebs Trading(Ningbo)Co.Ltdが、Ningbo Evan Global EーCommerce社に対して、「Krebsブランド」の使用を承諾したことを示す使用許諾契約書(授権証明書)であり、本件商標権者が「販売元 Krebs Tools」に対し、本件商標の商標権について使用を許諾したことが確認できる。
なお、販売業者の英文表記「Ningbo Evan Global E-commerceCo.,Ltd」は、乙第5号証では、中国語ピンイン表記で、「ningboaiwendianzishangwuyouxiangongsi」と表示されている。
上記英文表記と中国語ピンイン表記は、実質的に同一である。
(3)新たな証拠についての説明
乙第12号証は、2018年12月5日ないし2020年7月17日にSUN-MOON Industrial Co.,Ltd.(中国語表記 寧波森木進出口有限公司)とKENOH TRADING CO.,LTD.(日本語表記 県央貿易株式会社 日本新潟県)との間で、締結された売買契約書9通の写しである。
乙第13号証は、2019年4月5日ないし2020年9月28日にSUNーMOON Industrial Co.,Ltd.(中国語表記 寧波森木進出口有限公司)からKENOH TRADING CO.,LTD.(日本語表記 県央貿易株式会社 日本新潟県)に発行された請求書9通の写しである。
上記契約書及び請求書のいずれにも商標「KREBS」が記載されており、商品としては、「ELECTRIC DRILL」が記載されている。
乙第14号証は、SUN-MOON Industrial Co.,Ltd.(中国語表記 寧波森木進出口有限公司)の中国法人登録情報である。
中国法人情報は、https://www.qcc.com/firm/fbe3907d763df8cc05b9387a2cde8fb5.htmlよりアクセス可能である。
ここで、法人SUN-MOON Industrial Co.,Ltd.の代表者の氏名は「史波」と記載されている。すなわち、乙第11号証及び乙第12号証に示されている、輸出者「SUN-MOON Industrial Co.,Ltd.」の法人代表者は、本件商標権者である「Krebs Trading(Ningbo)Co.Ltd.」の法人代表者と同一である。「Krebs Trading(Ningbo)Co.Ltd.」は、「SUN-MOON Industrial Co.,Ltd.」に対し、本件商標の使用の許諾をしていた。
被請求人の主張及び同人が提出した乙各号証によれば、以下のことが認められる。
(1)乙第5号証のアマゾンのKrebs Toolsと称するオンラインショップ(以下「Krebs Tools」という。)に関する記載の写しによると、Krebs Toolsの運営責任者として、「史波(shibo)」氏(以下「史波氏」という。)の記載がある。
(2)乙第11号証の授権証明書によると、Krebs Toolsの運営者であるNingbo Evan Global E‐Commerce社は、本件商標権者より、2020年4月7日ないし同年12月31日の期間において、「Krebs Tools」店において、「Krebsブランド」を使用する権限を付与されている。
また、乙第10号証のNingbo Evan Global E‐Commerce社の中国登録情報によると、同社の法定代表人として史波氏の記載がある。
(3)乙第6号証の本件商標権者の中国法人登録情報によると、本件商標権者の法定代表人として、「史波」氏の記載がある。
(4)乙第7号証のKrebs Toolsにおける「KREBS 電動ドリル」に関する掲載記事の1葉目において、「KREBS/3S電動ドリル」(「/」は二段で書していることを表している。)(以下「使用商品1」という。)の記載の左側に使用商品1の画像が掲載され、当該使用商品1のグリップのやや上部に、「KREBS」(「K」の欧文字は他の文字に比べてやや大きく書されている。以下同じ。)の欧文字が記載されており、また、2葉目に「Amazon.co.jpでの取り扱い開始日 2020/8/31」の記載がある。
また、乙第8号証は、2020年9月1日現在の使用商品1の在庫状況であり、在庫が20個あったことの記載があることからしても、使用商品1は上記取り扱い開始日において、Krebs Toolsに掲載されていたと推認できる。
(5)乙第9号証のKrebs Toolsの「KREBS ハンマードリル」に関する掲載記事の1葉目において、「ブランド:Krebs/KREBSハンマードリル」(「/」は二段で書していることを表している。)(以下「使用商品2」という。)の記載の左側に使用商品2の画像が掲載されており、掲載記事の上部の見出しに「電動工具」の記載及び使用商品2の右側の商品の説明に「電圧:100V」、「周波数:50/60Hz」及び「消費電力:620W」の記載があることからすれば、使用商品2は電動工具の一種である「電動ハンマードリル」であると認められる。
そして、当該使用商品2は、2つのグリップがあるところ、前方のグリップ及び後方のグリップのやや上部に、「KREBS」(「K」の欧文字は他の文字に比べてやや大きく書されている。以下同じ。)の欧文字が記載されており、また、「Amazon.co.jpでの取り扱い開始日 2020/9/18」の記載がある。
また、乙第8号証は、2020年9月18日現在の使用商品2の在庫状況であり、在庫が20個あったことの記載があることからしても、使用商品2は上記取り扱い開始日において、Krebs Toolsに掲載されていたと推認できる。
(1)本件商標の使用者
上記1(1)のとおり、Krebs Toolsの運営責任者は史波氏である。
また、上記1(2)のとおり、Krebs Toolsを運営し、商品を販売しているのはNingbo Evan Global E‐Commerce社であり、同社の法定代表人は史波氏である。
さらに、上記1(2)のとおり、史波氏が法定代表人であるNingbo Evan Global E‐Commerce社は、本件商標権者より「Krebsブランド」を使用する権限を付与されている。
そして、上記1(3)のとおり、本件商標権者の法定代表人は史波氏である。
そうすると、Krebs Toolsの運営責任者であり、かつ、商品の販売者であるNingbo Evan Global E‐Commerce社の法定代表人及び本件商標権者の法定代表人は、いずれも史波氏であることから、Krebs Toolsを運営するNingbo Evan Global E‐Commerce社は、本件商標の使用に関し、本件商標権者から黙示の許諾を受けていた通常使用権者と認められる。
(2)使用商品
上記1(4)及び(5)のとおり、使用商品1は「電動ドリル」及び使用商品2は「電動ハンマードリル」であり、ともに「電気式ハンドドリル」の一種といえる商品であり、請求に係る指定商品中「electric hand drills」の範ちゅうに属する商品と認められる(以下、「電動ドリル」と「電動ハンマードリル」を合わせて「使用商品」という。)。
(3)使用商標
本件商標「KREBS」と使用商品1のグリップのやや上部に使用されている「KREBS」の欧文字は、「K」の文字の大きさが相違するものの、これらのつづりを共通にし、いずれも「クレブス」の称呼が生じるものであるから、これらの商標は社会通念上同一の商標であると認められる。
また、本件商標「KREBS」と使用商品2の2か所のグリップに使用されている「KREBS」の欧文字は、「K」の文字の大きさが相違するものの、これらのつづりを共通にし、いすれも「クレブス」の称呼が生じるものであるから、これらの商標は社会通念上同一の商標であると認められる。
そうすると、使用商品に使用されている使用商標と本件商標は、社会通念上同一の商標と認められる。
(4)使用期間
上記1(4)及び(5)のとおり、アマゾンのウェブサイトに使用商品を掲載しているKrebs Toolsによると、使用商品1の取り扱い開始日は2020年(令和2年)8月31日であり、使用商品2の取り扱い開始日は同年9月18日であり、ともに要証期間であることが認められる。
そうすると、Krebs Toolsは、2020年(令和2年)8月31日に「KREBS」の商標を使用した使用商品1及び同年9月18日に「KREBS」の商標を使用した使用商品2を販売することを目的としてアマゾンのウェブサイトに掲載されたことが認められる。
加えて、2020年(令和2年)8月31日及び同年9月18日は、要証期間である。
(5)上記(1)ないし(4)によると、本件商標権者から本件商標の使用について黙示の許諾を受けた通常使用権者と認められるNingbo Evan Global E‐Commerce社は、同社が運営するアマゾンのKrebs Toolsにおいて、要証期間に、日本国内において、本件商標と社会通念上同一の商標を使用し、請求に係る指定商品中の「electric hand drills」の範疇に属する「電動ドリル」(使用商品1)及び「電動ハンマードリル」(使用商品2)の販売を目的として、電子商取引を行うウェブサイトに掲載したことが認められる。
そして、この使用行為は、商標法第2条第3項第8号(商品に関する広告に標章を付して展示し、若しくは頒布し、又はこれらを内容とする情報に標章を付して電磁的方法により提供する行為)に該当すると認められる。
以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において通常使用権者がその請求に係る指定商品について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標の使用をしていたことを証明したということができる。
したがって、本件商標の登録は、その請求に係る指定商品について、商標法第50条の規定により、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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