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Trademark Appeal Case

商標不使用取消と同一性判断

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号2022300417
審判種別記載はありません。
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

理 由

1 本件商標

本件登録第5435844号商標(以下「本件商標」という。)は、「YES」の文字を横書きしてなり、平成23年3月11日に登録出願、第33類「日本酒,洋酒,果実酒,中国酒,薬味酒」を指定商品として、同年9月2日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

そして、本件審判の請求の登録日は、令和4年5月25日であり、商標法第50条第2項に規定する「審判の請求の登録前3年以内」とは、同元年5月25日から同4年5月24日までの期間(以下「要証期間」という。)である。

2 請求人の主張

請求人は、商標法第50条第1項の規定により、本件商標について登録を取り消す、審判費用は、被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由として、本件商標は、その指定商品について、継続して3年以上日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである旨主張し、証拠方法として、甲第1号証及び甲第2号証を提出した。

なお、請求人は、被請求人の答弁に対し、何ら意見を述べていない。

3 被請求人の答弁

被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、答弁書において、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第9号証(枝番号を含む。なお、枝番号を有する証拠において、枝番号のすべてを引用する場合は、枝番号の記載を省略する。)を提出した。

(1)理由の要旨

被請求人は、清酒、焼酎などの日本酒、その他酒類の製造及び販売を主とする法人であり(乙1)、要証期間に、日本国内において、被請求人である本件商標の商標権者が、商品「日本酒」に、本件商標と同一又は社会通念上同一の標章を付したものを譲渡し、並びに商品「日本酒」に関する広告に本件商標と同一又は社会通念上同一の標章を表示していた(商標法第2条第3項第2号、同項第8号)。

(2)本件商標の使用の事実

ア 本件商品の販売の事実

(ア)被請求人は、日本酒「YAEGAKI EXTRASWEET SAKE」(通称:ヤヱガキ エクストラスイート)(以下「本件商品」という。)を、2011年頃より要証期間を含み現在に至るまで、継続して自社運営のサイトやAmazonなどのショッピングサイト、並びに自社運営の店舗にて小売し(乙3)、また酒の販売店などに卸売りしている(乙4、乙5)。

(イ)乙第2号証は、本件商品を示す写真である。乙第3号証は、自社サイトとAmazonの本件商品の販売ページであり、Amazonにおいて、2016年8月4日から現在に至るまで本件商品が販売されていることがわかる。乙第4号証は、販売店で本件商品が陳列して販売されている写真である。乙第5号証は、被請求人が、要証期間内に、本件商品を酒の販売店などに卸売りしたことを示す請求明細である。

(ウ)本件商品の正式名称は「YAEGAKI EXTRASWEET SAKE」であるが、オンラインサイトや陳列棚にはこれを省略した「ヤヱガキ エクストラスイート」の表示を用い、請求明細の商品欄には「エクストラスイート」の表示を便宜的に使用している。

(エ)本件商品は、その名のとおり甘い日本酒であり、飲みやすい日本酒として度々紹介されている。2021年11月17日公開の記事でも、「初心者でも飲みやすい日本酒17選!女性に人気のフルーティーな甘口も!」とのタイトルで、本件商品が紹介された(乙6)。

(オ)以上のとおり、被請求人が、本件商品を、要証期間内に販売等していたことは明白である。

イ 本件商標と使用標章の同一性

(ア)本件商品は、ラベルの左下や商品の吊り下げ札に表示されるように、正式名称を「YAEGAKI EXTRASWEET SAKE」といい(乙2)、これらの頭文字をとって「YES」とした商品である。

そして、本件商品のラベルには、デザイン化した縦書きの「YES」の標章(以下「使用標章1」という。)を表示している(乙7)。使用標章1は、青地のラベルに、「YES」の文字の空白部分を黄色で表して、縦書き「YES」の文字が浮かび上がるように、「YES」の文字をデザイン化した標章であり、需要者が「YES」と認識できることが容易に理解できるものである(乙7)。ブログや対談記事で、本件商品が「YES」と認識されており、また、スマホアプリの紹介ページにおける被請求人のページの銘柄一覧にも、本件商品「YES」の銘柄が掲載されている(乙8)。これらの記事等を見ても、需要者が本件商品のラベルから「YES」の文字を認識していることがわかる。

以上のように、本件商品に付したラベルに表示された使用標章1が、本件商標と同一又は社会通念上同一の標章であることは明らかである。

(イ)本件商品のチラシには、ラベルに表示された使用標章1とともに、商品写真の左下に、青地に黄色い文字の縦書き「YES」の標章(以下「使用標章2」という。)を表示している(乙9)。使用標章2が本件商標と同一又は社会通念上同一の標章であることは明らかである。

(3)結語

以上詳述したように、本件商標は、要証期間内に、日本国内において、被請求人によって、指定商品「日本酒」に使用されていたことは明白である。

4 当審の判断

(1)事実認定

被請求人の提出に係る証拠及び同人の主張によれば、以下の事実が認められる。

ア 被請求人(商標権者)は、清酒、その他酒類の製造及び販売を主とする法人である(乙1)。

イ(ア)被請求人は、品名を「ヤヱガキ エクストラスイート」とし、容量300mlの清酒(本件商品)について、ショッピングサイト「Amazon」を通じて2016年8月4日から販売している(乙3)。

(イ)被請求人は、いずれも要証期間内である2019年(令和元年)6月30日、2020年(同2年)1月31日、同年10月31日、2021年(令和3年)9月30日及び2022年(同4年)2月20日を締切日として、日本国内の各販売先に対し、商品名を「エクストラスイート 300ml ヤヱガキ」とする商品の卸売りを行った(乙5)。

ウ 2011年(平成23年)8月27日付けのブログに、本件商品が「YES」と称されている旨の記載があること(乙8の1)、2012年(平成24年)1月24日付けの記事に、本件商品に付されたラベルに「YES」の文字がデザインして書かれている旨の記載があること(乙8の2)、スマートフォン用アプリケーションソフトウェアの紹介記事に、被請求人の銘柄として「YES」が掲載されていること(乙8の3)が認められる。

エ(ア)乙第9号証は、本件商品のチラシ(写し)とされるものであり、中央に本件商品の写真が表示され、左下部に「Yaegaki Extrasweet Sake」の頭文字からとったものと看取される、青地の長方形内に黄色で縦書きした「YES」の文字の記載がある。

(イ)乙第2号証は、本件商品の写真(写し)とされるものであり、酒瓶の正面に青地のラベルが表示されている。そして、当該ラベルには、左下部に「Yaegaki Extrasweet Sake」の文字が左方向に90度回転させて小さく表示され、中央に大きく複数の黄色の長方形等の図形が表示されているところ、当該黄色の図形部分は、「YES」の文字の空白部分に相当し、縦書きした「YES」の文字が浮かび上がるようにデザイン化されたものである(乙7)。

オ 前記イによれば、本件商品は、商品名「エクストラスイート 300ml ヤヱガキ」として、少なくとも令和元年6月30日、同2年1月31日、同年10月31日、同3年9月30日及び同4年2月20日頃までに本件商標の商標権者から各取引先に卸売りされたことが認められる。また、前記ウ及びエによれば、本件商品は、「YES」とも称される商品として認識され、その具体的な使用実情において「YES」の文字(以下「使用商標」という。)が用いられ、表示されていたことが推認される。

(2)判断

前記(1)で認定した事実によれば、以下のとおり判断できる。

ア 使用商標

本件商標は、「YES」の文字を横書きしてなる商標であるのに対し、使用商標は、「YES」の文字を縦書きしてなる商標である。

両商標は、いずれも「YES」の文字からなるものであって、当該文字に相応して「イエス」の称呼及び「はい。そうです。」の観念を生じるものである。

そうすると、本件商標と使用商標とは、同一の文字からなり、同一の称呼及び観念を生じる商標であるから、使用商標は、本件商標と社会通念上同一と認められる商標というのが相当である。

イ 使用商品

使用商標が用いられた商品は、前記(1)イ(ア)の認定事実からすれば、「清酒」(以下「使用商品」という。)と認められ、これは、請求に係る商品中の「日本酒」に含まれるものである。

ウ 使用時期及び使用行為

前記(1)イ(イ)ないしエの認定事実からすれば、使用商標が用いられた使用商品が、本件商標の商標権者から各取引先に対して、いずれも要証期間内である令和元年6月30日、令和2年1月31日、同年10月31日、同3年9月30日及び同4年2月20日頃までに卸売り(譲渡)されたものとみるのが相当であり、これらの取引に伴い、本件商品に関する広告(本件商品のチラシ(乙9))に使用商標を付して展示又は頒布されたもの(商標法第2条第3項第8号)と推認される。

エ 使用者

前記(1)イ及びウの認定事実からすれば、本件商標の使用者は、商標権者であると認められる。

オ 小括

本件商標の商標権者は、要証期間内に日本国内において、本件商標と社会通念上同一と認められる使用商標を、請求に係る商品中の「日本酒」に含まれる使用商品について使用したと評価することができる。

(3)まとめ

以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者が、本件審判の請求に係る指定商品に含まれる商品について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標の使用をしていることを証明したということができる。

したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すべき限りでない。

よって、結論のとおり審決する。

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