結論テキスト
本件審判の請求は、成り立たない。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 2023010969 |
|---|---|
| 審判種別 | 記載はありません。 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理 由
本願は、令和4年8月19日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和4年12月19日付け:拒絶理由通知書
令和5年3月13日 :意見書及び手続補正書の提出
令和5年3月28日付け :拒絶査定
令和5年6月30日 :審判請求書の提出
令和7年5月21日付け :審尋
本願商標は、「パルス分光」の文字を標準文字で表してなり、第9類及び第42類に属する願書に記載の商品及び役務を指定商品及び指定商品として登録出願されたものであり、その後、指定商品及び指定役務については、上記1の手続補正により、第9類「錠剤、液剤、食品の含有する化学成分分析装置,近赤外分光を用いた化学成分分析装置」及び第42類「錠剤、液剤、食品の含有する化学成分の分析,近赤外分光を用いた化学成分分析」と補正されたものである
原査定は、「本願商標は、「パルス分光」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「パルス」の文字は、本願の指定商品及び指定役務との関係において、「極めて短い時間だけ継続する変化。電流や電波などで信号としての機能を果たすものを指すことが多い。」の意味を有し、「分光」の文字は「光をスペクトルに分けること。」の意味を有するから、全体として「パルスによって光をスペクトルに分けること」ほどの意味合いを認識させる。そして、本願の指定商品及び指定役務を取り扱う業界において、分光法の一つとして、「パルス分光」や「○○パルス分光」(○○は任意の語。)の文字が一般に使用されており、パルス分光を利用した装置が取引されている実情が認められる。そうすると、本願商標をその指定商品及び指定役務中、「パルス分光を利用した装置又はそれに関連する役務」に使用しても、これに接する取引者、需要者は、商品の品質・役務の質を表したものと認識するにすぎないから、本願商標は、単に商品の品質・役務の質を普通に用いられる方法で表示するものと判断するのが相当である。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品・役務以外の商品・役務に使用するときは、商品の品質・役務の質の誤認を生ずるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、拒絶したものである。
当審において、上記1の審尋により、請求人に対し、別掲1及び別掲2のとおりの証拠を示した上で、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当する旨の暫定的見解を示し、相当の期間を指定して、これに対する意見を求めたが、これに対して、請求人は、何ら回答していない。
(1)商標法第3条第1項第3号の該当性について
本願商標は、「パルス分光」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中「パルス」の文字は「極めて短い時間だけ継続する変化。」の意味を、「分光」の文字は「〔理〕光をスペクトルに分けること。」の意味を、それぞれ有する語である(出典:広辞苑第七版(岩波書店))。
ところで、別掲1及び別掲2(1)ないし(6)のウェブサイトの記載によれば、本願の指定商品及び指定役務に関連する、物質等の分析に関する分野において、極めて短い時間間隔で放出される光(パルス光(パルスレーザー))を測定対象に照射し、その反射光や透過光を分光し分析する手法を用いている実情が認められる。
そして、別掲2のウェブサイトの記載によれば、「パルス分光」の文字(語)が、上記のパルス光(パルスレーザー)を用いた分光分析や、当該分析のための装置に使用されている実情も認められる。
そうすると、「パルス分光」の文字からなる本願商標を、その指定商品及び指定役務に使用しても、これに接する取引者、需要者は、その商品又は役務が「パルス光(パルスレーザー)を用いた分光分析に関する商品及び役務」であること、すなわち、商品の品質又は役務の質を表したものとして認識されるものであると判断するのが相当である。
また、本願商標は、標準文字で表されているから、普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものである。
したがって、本願商標は、商品の品質及び役務の質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であるから、商標法第3条第1項第3号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、「パルス」は、複数の意味を有する多義語であり、「パルス分光」の意味合いは多義的かつ曖昧である旨や、「パルス分光」の文字は使用例が少なく一種の造語である旨主張する。
しかしながら、たとえ「パルス」が多義的な語であり、「パルス分光」の語の使用例が多くないとしても、上記(1)で認定した取引の実情を踏まえれば、本願の指定商品及び指定役務の分野において、「パルス分光」の文字に接する取引者、需要者は、「パルス光(パルスレーザー)を用いた分光分析」といった意味合いを容易に認識するというべきである。
イ 請求人は、「分光」等の文字を含む過去の登録例を挙げ、それらの登録例が商品又は役務の特徴等を表示するものと判断されていない旨主張するが、具体的事案の判断においては、過去の登録例等に拘束されることなく、商標登録出願の査定時又は審決時において、当該商標の構成態様と取引の実情に応じて個別的に判断されるべきであるところ、請求人の挙げる過去の登録例は、本願商標とは、構成文字が異なるものであり、本願とは事案を異にするものであるから、これらの事例の存在によって、上記(1)の認定判断が左右されるものではない。
ウ 以上により、請求人の主張はいずれも採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであるから、これを登録することはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
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