結論テキスト
本件審判の請求は、成り立たない。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 2023016200 |
|---|---|
| 審判種別 | 記載はありません。 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理 由
本願は、令和4年4月12日に登録出願されたものであって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和4年12月13日付け:拒絶理由通知書
令和5年1月26日受付:意見書
令和5年6月20日付け:拒絶査定
令和5年9月26日受付:審判請求書
本願商標は、「健康経営EXPO」の文字を標準文字で表してなり、第35類及び第41類に属する別掲1のとおりの役務を指定役務として登録出願されたものである。
原査定は、「本願商標は「健康経営EXPO」の文字を標準文字で表してなるところ、その指定役務の分野において、健康経営に関する展示会が行われている実情を踏まえると、本願商標は全体として「企業で働く人たちの健康の維持、増進と組織の健全性を高める経営に関する展示会・万国博覧会・国際博覧会・国際見本市」ほどの意味合いを理解させるから、本願商標をその指定役務中、第35類「商品見本市・商品博覧会・商品展示会の企画及び運営,オンラインによる商品見本市・商品博覧会・商品展示会の企画及び運営,販売促進のためのイベント及びマーケティングイベントの手配及び運営,オンラインによる販売促進のためのイベント及びマーケティングイベントの手配及び運営,商業又は広告のための商品見本市の企画・運営,オンラインによる商業又は広告のための商品見本市の企画・運営,商業又は広告のための展示会の企画・運営,オンラインによる商業又は広告のための展示会の企画・運営」、第41類「オンラインによる展示会・展覧会・セミナー・会議・ビジネス会議及び協議会の企画・運営又は開催並びにこれらに関する情報の提供及び助言」等に使用しても、これに接する需要者は、「企業で働く人たちの健康の維持、増進と組織の健全性を高める経営に関する展示会・万国博覧会・国際博覧会・国際見本市に係る役務」及びそれに関連する役務であること、すなわち、単に役務の質を普通に用いられる方法で表示したものとして認識するにすぎないといえる。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
商標法第3条第1項第3号が、「その役務の提供の場所、質、提供の用に供する物、効能、用途、態様、提供の方法若しくは時期その他の特徴、数量若しくは価格を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標」について商標登録の要件を欠くと規定しているのは、このような商標は、指定役務との関係で、その役務の提供の場所、質、提供の用に供する物、効能、用途その他の特性を表示記述する標章であって、取引に際し必要適切な表示として何人もその使用を欲するものであるから、特定人によるその独占使用を認めるのは公益上適当でないとともに、一般的に使用される標章であって、多くの場合自他役務の識別力を欠くものであることによるものと解される。
そうすると、商標が、指定役務について役務の質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であるというためには、商標が指定役務との関係で役務の質を表示記述するものとして取引に際し必要適切な表示であり、当該商標が当該指定役務に使用された場合に、取引者、需要者によって、将来を含め、役務の質を表示したものとして一般に認識されるものであれば足りるものであって、必ずしも当該商標が現実に当該指定役務に使用されていることを要しないと解される(令和3年(行ケ)第10100号判決)。
そして、当該商標の取引者、需要者によって当該指定役務に使用された場合に役務の質を表示したものと一般に認識されるかどうかは、当該商標の構成やその指定役務に関する取引の事情を考慮して判断すべきである(令和3年(行ケ)第10113号判決)。
本願商標は、上記第2のとおり、「健康経営EXPO」の文字を標準文字で表してなるものであり、その構成文字及び後述する意味合いから、「健康経営」及び「EXPO」の文字を結合させたものと容易に理解されるものである。
そして、本願商標の構成中、「健康経営」の文字は「企業で働く人たちの健康の維持、増進と組織の健全性を高める経営の手法」(別掲2の1参照)の意味を有し、「企業で働く人たちの健康の維持、増進と組織の健全性を高める経営」程度の意味合いで使用されている実情が把握できるものであり、また、「健康経営」をテーマ(内容)とする又は「健康経営」に関係するサービス等を紹介する展示会、見本市、展覧会、博覧会やセミナー等が開かれている実情が認められる(別掲3参照)。
他方、「EXPO」の文字は、「万国博覧会。展覧会。展示会。」(出典:現代用語の基礎知識2019 自由国民社)の意味を有するものであり、本願指定役務の対象である「展示会、博覧会、見本市」(以下「展示会等」という。)そのものを表す語である。
そして、「金融EXPO」、「ITソリューションEXPO」、「DX×健康経営EXPO」及び「東京ビジネスチャンスEXPO」等、展示会等のテーマ(内容)、対象とする商品、技術、分野等の名称を語頭に配した「○○EXPO(○○は、展示会等のテーマ(内容)、対象とする商品、技術、分野等の名称)」の文字が、展示会等の名称として広く使用されている実情が認められる(別掲3の3ないし8参照)。
そうすると、当該「○○EXPO」の構成からなる文字は、全体として「○○をそのテーマ(内容)又は○○に関係するサービス等を展示の対象とする展示会等」を表されたものであると容易に認識、理解されるとみるのが相当である。
してみれば、上記本願商標の構成及び取引の実情を考慮すると、「健康経営EXPO」の文字からなる本願商標は、これに接する取引者、需要者に、「企業で働く人たちの健康の維持、増進と組織の健全性を高める経営に関する展示会・万国博覧会・国際博覧会・国際見本市」程度の意味合いを認識、理解させるものであるから、これを、その指定役務中、展示会等に係る役務(例えば、第35類「商品見本市・商品博覧会・商品展示会の企画及び運営,オンラインによる商品見本市・商品博覧会・商品展示会の企画及び運営,販売促進のためのイベント及びマーケティングイベントの手配及び運営,オンラインによる販売促進のためのイベント及びマーケティングイベントの手配及び運営,商業又は広告のための商品見本市の企画・運営,オンラインによる商業又は広告のための商品見本市の企画・運営,商業又は広告のための展示会の企画・運営,オンラインによる商業又は広告のための展示会の企画・運営」等、第41類「オンラインによる展示会・展覧会・セミナー・会議・ビジネス会議及び協議会の企画・運営又は開催並びにこれらに関する情報の提供及び助言」等)に使用しても、これに接する取引者、需要者は、その役務が、例えば、「健康経営を展示のテーマ(内容)とする展示会等に係る役務」、「健康経営に関係するサービス等を展示の対象とする展示会等に係る役務」など、「企業で働く人たちの健康の維持、増進と組織の健全性を高める経営に関する展示会・万国博覧会・国際博覧会・国際見本市に係る役務」及びそれに関連する役務であること、すなわち役務の質(内容)を表示したものと一般に認識させるにとどまるというべきである。
したがって、本願商標は、これをその指定役務中、展示会等に係る役務に使用するときは、役務の質(内容)を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であるから、商標法第3条第1項第3号に該当する。
(1)請求人は、(ア)「健康経営EXPO」の文字全体から、「健康な経営のEXPO」という曖昧かつ漠然とした意味しか生じないものであり、「健康な経営の一環として開催される展示会」、「健康な経営を推進するための展示会」、「健康な経営を実践する企業により運営されている展示会」など、構成中の「健康経営」の文字部分から「展示対象物」に限らない様々な意味を看取し得る、(イ)仮に、「健康経営EXPO」を「企業で働く人たちの健康の維持、増進と組織の健全性を高める経営に関する万国博覧会・国際博覧会・国際見本市」と表現し直したとしても、その展示会の趣旨、目的、展示物、プログラム、催し物、出展社の業種、来場者などの内容は千差万別であり、実際上、取引者・需要者は、「健康経営EXPO」の意味から、主催者が誰であっても一般に共通するような展示会の内容を特定することはできない、(ウ)「○○EXPO」の文字が、展示会の「商標」として採択・使用され、現実に、自他役務識別標識として機能している等を述べ、本願商標は、「役務の質その他の特徴の表示」には当たらず、十分に自他役務識別力を有するものであるから、商標法第3条第1項第3号には該当しない旨主張する。
しかしながら、別掲2及び別掲3のとおり、「健康経営」の文字は「企業で働く人たちの健康の維持、増進と組織の健全性を高める経営の手法」の意味を有し、「企業で働く人たちの健康の維持、増進と組織の健全性を高める経営」程度の意味合いで使用され、「健康経営」をテーマ(内容)とする又は「健康経営」に関係するサービス等を紹介する展示会、見本市、展覧会、博覧会やセミナー等が開かれ、また、「○○EXPO(○○は、展示会等のテーマ(内容)、対象とする商品、技術、分野等の名称)」の文字が、展示会等の名称として広く使用されている実情が認められる。
そうすると、本願商標は、これを、その指定役務中、展示会等に係る役務に使用した場合においては、取引者、需要者に、例えば、「健康経営を展示のテーマ(内容)とする展示会等に係る役務」、「健康経営に関係するサービス等を展示の対象とする展示会等に係る役務」など、「企業で働く人たちの健康の維持、増進と組織の健全性を高める経営に関する展示会・万国博覧会・国際博覧会・国際見本市に係る役務」及びそれに関連する役務であるという役務の質(内容)を直接的に表示したものと一般に認識されるというべきであり、構成中の「健康経営」の文字部分から「展示対象物」以外をも看取し、構成文字全体から曖昧かつ漠然とした意味しか生じないとみることはできない。
また、「健康経営EXPO」を「企業で働く人たちの健康の維持、増進と組織の健全性を高める経営に関する万国博覧会・国際博覧会・国際見本市」と表現し直した場合において、仮に、それから看取され得る子細な内容が千差万別であるとしても、上記2のとおり、本願商標を展示会等に係る役務に使用した場合に、「企業で働く人たちの健康の維持、増進と組織の健全性を高める経営に関する展示会・万国博覧会・国際博覧会・国際見本市に係る役務」及びそれに関連する役務であるという共通する役務の内容が認識されることに変わりはなく、当該主張によって、本件判断が左右されるものではない。
さらに、「〇〇EXPO」の文字が、展示会等に係る商標として採択、使用されている場合があるとしても、現に、別掲3の3ないし8にも例があるとおり、「○○EXPO」の構成からなる文字の「○○」部分に、展示会等のテーマ(内容)、対象とする商品、技術、分野等の名称の文字を配する使用例があり、それらはいずれも展示会等の内容や対象を表しているものであるから、「○○EXPO」の構成からなる文字が、常に商標に当たるとみることはできず、また、「○○」の部分が展示会等の内容や対象を示すものであることが否定されるものではなく、当該主張によって、本件判断が左右されるものではない。
(2)請求人は、「○○EXPO」(○○は展示対象物に関係する文字)の文字からなる商標に係る過去の登録例を挙げて、本願商標もそれらと同様に、自他役務識別力を有することが認められてしかるべきである旨主張する。
しかしながら、本願商標が、役務の質(内容)を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標というのが相当であることは、上記2のとおりであって、過去の登録例の存在をもって、本願商標がその指定役務に使用された場合も、自他役務の識別機能を有するとすることはできない。
(3)したがって、請求人の上記主張は、いずれも採用することができない。
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであるから、商標登録を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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