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Trademark Appeal Case

著名商標と称呼の類似

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号2023890082
審判種別記載はありません。
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

結 論
登録第6099794号の登録を無効とする。
審判費用は被請求人の負担とする。

理由テキスト

理 由

第1 本件商標

本件登録第6099794号商標(以下「本件商標」という。)は、「EYE PHONE」の文字を標準文字により表してなり、平成30年2月26日に登録出願、第9類「眼鏡」を指定商品として、同年10月16日に登録査定、同年11月22日に設定登録されたものである。

第2 引用商標

請求人が、本件商標の登録の無効の理由において引用する商標は、「iPhone」の文字からなる商標(以下「引用商標」という。)である。

第3 請求人の主張

請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証から甲第29号証(枝番号を含む。)を提出した。

1 本件商標は、商標法第4条第1項第7号、同項第15号及び同項第19号に該当し、その登録は、同法第46条第1項第1号により、無効にすべきものである。

2 引用商標の周知著名性について

引用商標は、2文字目の「P」のみを大文字、残りを小文字とする欧文字からなり、請求人がスマートフォンについて、2007年以来継続して使用し、現在に至るまで需要者の間に広く認識されているものである。

引用商標は、本件商標の異議2019-900030において、「需要者の間に広く認識されている」と判断されており(甲2)、また、異議2017-900319及び異議2019-900200においても、同様に判断されている(甲3、甲4)。

外国の出願においても、マカオの出願「EYEPHONE」(出願No.N/078396)等が、請求人の著名な引用商標と類似することを理由に登録が拒絶されている(甲6、甲7)。

以上を鑑みると、請求人の引用商標が周知著名な商標であることに疑いの余地はない。

3 商標法第4条第1項第15号の該当性について

(1)本件商標と引用商標の類似性の程度

本件商標及び引用商標からは、共に「アイフォン」又は「アイフォーン」の称呼が生じるので称呼は同一である。「アイフォン」又は「アイフォーン」は4音又は5音という短い音数からなることから、需要者の印象に残りやすく覚えやすい。このような短い音数からなる商標において称呼が需要者に与える影響は大きい。

また、外観において本件商標と引用商標は語頭の文字は「EYE」と「i」で異なるが、両商標とも後半に「PHONE(Phone)」の語を有する点で共通する。そして、本件商標は8文字、引用商標は6文字という少ない文字数で構成されていることから、共に後半の5文字からなる「PHONE(Phone)」部分が商標全体において占める割合は高く、看者の注意を強くひきつける。

したがって、両商標とも「PHONE(Phone)」の文字が外観上、強く印象に残る。

引用商標は既存語ではなく請求人が創作した造語であり、一般に使用されておらず、特定の観念は生じない。一方、本件商標は既存語の「目」を意味する「EYE」と「電話」を意味する「PHONE」を結合させた商標であるが、商標全体からは特定の観念は生じない。

したがって、両商標は観念上明瞭な差異により区別されるとはいえない。

むしろ、引用商標が著名であることから、本件商標から生じる称呼「アイフォン」又は「アイフォーン」に接した需要者は、その称呼から請求人の商品を連想し、誤認し得るものである。

請求人の製品のうち「iPhone」は、請求人が製造販売する唯一のスマートフォンである。この「iPhone」は、2007年に発売されて以来、世界的なヒット商品であるが、特に日本のスマートフォン市場は当該製品の人気が突出し(甲10-1)、スマートフォンのメーカー別シェアをみると、2018年には請求人が2012年から7年連続の首位を獲得している(甲10-2)。「iPhone」のみを製造販売している請求人のシェア44.1%は、そのまま「iPhone」のシェアということができる。

また、Googleトレンドで2018年からの5年間で片仮名「アイフォン」という言葉を検索した日本の需要者の推移をみると、「関連トピック」や「関連キーワード」の欄において、「携帯電話」や「iPhone」の語が上位に挙がる。このことは、「携帯電話」や「iPhone」の語が片仮名「アイフォン」と関連付けて数多く検索されている事実を示している(甲11)。

したがって、たとえ構成文字が完全に同一ではなくとも、請求人の周知著名な引用商標と完全同一の称呼「アイフォン」又は「アイフォーン」が生じる本件商標が使用された場合に、その称呼から請求人の商品が想起され、商品の出所について誤認混同が生じるおそれがあることは明らかである。

本件商標と引用商標においては、とりわけ共通の称呼「アイフォン」又は「アイフォーン」の与える影響は大きく、その称呼の共通性は外観が与える印象を凌駕するものといえる。また、称呼から請求人の著名な商品「iPhone」が連想されるため、外観、称呼及び観念によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を全体的に考察すれば、両商標は混同を生じるおそれがある相紛らわしい商標であり、その類似性の程度は高い。

また、過去の裁判例においても、本件同様に語頭の「I」と「Eye」が異なるものの同一の称呼が生じる商標について類似すると判断されている(甲14)。

(2)引用商標の独創性の程度

引用商標は「i」の文字と「Phone」の文字を組み合わせて「アイフォン」又は「アイフォーン」と読ませた請求人が創作した造語である。

請求人の製品及びサービスの名称の特徴は小文字の「i」で始まり2文字目のみ大文字としているところにある。

(3)本件商標の指定商品と請求人の業務に係る商品との間の性質、用途又は目的における関連性の程度

引用商標が使用されている「スマートフォン」は、多量の「ブルーライト」を放出しており、このブルーライトから目を守る対策の一つとして、ブルーライトカット眼鏡が販売されている(甲18)。我が国においてスマートフォンやパソコンが普及し、一昔前に比べると、これらを使用する時間が大幅に増えてきており、需要者は眼鏡を購入する際、スマートフォン等の使用時間を考慮してブルーライトカット効果を有するものや目の負担を軽減するスマートフォン・パソコン用のものにするかを検討することが通常行われている(甲18、甲19)。

このように、ブルーライトカット眼鏡やスマートフォン・パソコン用眼鏡はスマートフォンやパソコンの使用による目の疲労軽減を考慮した眼鏡であり、スマートフォンやパソコンの使用者が購入することから、「スマートフォン」とその用途において関連性が高い。

また、「スマートフォン」の機能を備えたいわゆる「スマートグラス」と称される「眼鏡型のウェアラブル端末(眼鏡型携帯情報端末)」も我が国において数多く取り上げられている。

「眼鏡型のウェアラブル端末(眼鏡型携帯情報端末)」は、2014年にはレンズを度付きに交換できるものが販売されており(甲21-1、甲23)、度付きの「眼鏡型のウェアラブル端末(眼鏡型携帯情報端末)」は、いわば従来の視力を矯正する眼鏡に付加価値としてカメラや通信機能等を組み込んだ眼鏡といえ、これらIT機能を起動させていないときは通常の眼鏡として使用可能である(甲21-2、甲21-3)。また、「眼鏡型のウェアラブル端末(眼鏡型携帯情報端末)」の見た目は通常の眼鏡と変わりがないものも多く、レンズに度が入っていない場合はサングラスや伊達メガネとして使用することも可能である(甲21-1、甲21-4)。

度付きレンズを使用した「眼鏡型のウェアラブル端末(眼鏡型携帯情報端末)」は通常の「眼鏡」に付加価値を付けた眼鏡といえることから、視力の矯正という側面においてその性質、用途及び目的は通常の「眼鏡」と何ら変わりはない。よって、度付きの「眼鏡型のウェアラブル端末(眼鏡型携帯情報端末)」はそのIT機能をオフにした状態において、本件商標の商品「眼鏡」と使用する性質、用途及び目的が共通し関連性は非常に高い。「眼鏡型のウェアラブル端末(眼鏡型携帯情報端末)」は、基本的にはスマートフォンと連携して音楽や映像を楽しめる機器であることから、いわば、眼鏡型のスマートフォンといっても過言ではなく(甲22-1、甲22-2)、「眼鏡」と「スマートフォン」は、眼鏡としても機能する「眼鏡型のウェアラブル端末(眼鏡型携帯情報端末)」(眼鏡型スマートフォン)が存在することを考慮すると、関連性は非常に高いといえる。

(4)商品の取引者及び需要者の共通性その他の取引の実情など

「眼鏡型のウェアラブル端末(眼鏡型携帯情報端末)」が眼鏡と変わらぬ外観をしているものが多いことから、開発の段階で電子機器メーカーと眼鏡メーカーが提携することも多く取引者が共通する(甲23)。

また、「眼鏡型のウェアラブル端末(眼鏡型携帯情報端末)」は「眼鏡」に「スマートフォン」と同様にカメラや通信機能等の付加価値をつけた商品といえることから、これら機能をオフにしたときは通常の度付き眼鏡や伊達眼鏡、サングラスとして使用できるものもあり、「眼鏡」と需要者が共通する。度が入っていない「眼鏡型のウェアラブル端末(眼鏡型携帯情報端末)」購入後に度付きのレンズに変えることは可能であり(甲21-1、甲24-1、甲24-2、甲25)、最近では、度付きの「眼鏡型のウェアラブル端末(眼鏡型携帯情報端末)」も市場で販売されている(甲21-2、甲21-3)。

「眼鏡型のウェアラブル端末(眼鏡型携帯情報端末)」はスマートフォンと同様にカメラや通信機能等を眼鏡に付加したいわば眼鏡型スマートフォンともいえ、電子機器メーカーと眼鏡メーカーが提携して開発することが多いこと、度付きのレンズと交換可能な「眼鏡型のウェアラブル端末(眼鏡型携帯情報端末)」が市場に流通していること、「眼鏡型のウェアラブル端末(眼鏡型携帯情報端末)」が眼鏡店により販売されていること等の実情を鑑みると、本件商標の指定商品「眼鏡」と請求人の業務に係る商品「スマートフォン」の取引者及び需要者は共通するといえる。

(5)出所混同のおそれ

よって、本件商標と周知著名な引用商標の類似性の高さや引用商標の独創性の高さともあいまって、本件商標をその指定商品に使用するときには、これに接する需要者は引用商標を連想・想起し、「請求人に関係する何らかの眼鏡」、「請求人の新コンセプトによる眼鏡」、「請求人の子会社・関連会社の製造販売ないし提供する眼鏡」又は「請求人の新事業により生まれた眼鏡」等を想起することは必至であって、請求人又は請求人との間に密接な関係を有する者が提供する商品であると誤信させ、混同を生じさせるおそれが極めて高いものである。

(6)したがって、本件商標は商標法第4条第1項第15号に該当する。

4 商標法第4条第1項第19号の該当性

(1)「他人の業務に係る商品又は役務を表示するものとして日本国内又は外国における需要者の間に広く認識されている商標」について

引用商標は、請求人の商品「スマートフォン」を表示するものとして日本国内で需要者に広く認識されている商標である。

(2)「同一又は類似の商標」について

本件商標は、請求人の周知、著名な引用商標と混同を生じるおそれがあり、これと極めて類似する商標である。

(3)「不正の目的」について

本件商標は既存語である「EYE」と「PHONE」を結合してなる商標であり、商標全体から請求人の周知、著名商標である「iPhone」と同一の称呼が生じることは、商標を採択する際には容易に気付くはずである。請求人の多大な営業努力により「アイフォン」といえば、引用商標が想起されるほど、引用商標は周知著名性を獲得している(甲11)。

また、請求人の引用商標は既存語ではなく、請求人が創作した造語である。本件商標において、「目」を意味する「EYE」の語に指定商品「眼鏡」とは関連がない「電話」を意味する「PHONE」の語を何の意図もなく採択するのは非常に不自然であるといえ、引用商標に化体した信用、名声、顧客吸引力ヘただ乗りしようとする意図がうかがえる。

(4)したがって、本件商標は、他人の周知商標と同一又は類似で不正の目的をもって使用をする商標であり、商標法第4条第1項第19号に該当する。

5 商標法第4条第1項第7号の該当性

本件商標の採択は請求人の商標に化体した名声にただ乗りする意図があったといわざるを得ない。つまり、本件商標を称呼した場合、請求人の周知、著名な引用商標と同一の称呼が生じることは明らかであるので、本件商標の登録は著しく社会的妥当性を欠くものとして、公序良俗に反するといえる。また、一般的に取引において称呼が重要視されることが通例であることからすれば、本件商標の登録が一般需要者や取引者に対し、社会的混乱を与えることは容易に想像できる。

したがって、本件商標は、公序良俗に反する商標であり、商標法第4条第1項第7号に該当する。

第4 被請求人の答弁

被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証から乙第24号証を提出した。

1 本件商標

(1)本件商標の指定商品について

ア 指定商品「眼鏡」について

「眼鏡」とは、視力矯正や目の保護のために直接目にかけて使用する器具であり、人の視力に作用するので、レンズの調整や選択を要するものとして、眼鏡専門店で取り扱われるのが通常である。

また、取引者は眼鏡販売業者であり、需要者は、視力矯正又は目の防護等(遮光や花粉防止のほか、ファッションなど)を要する一般消費者である。

イ 被請求人及びその企業コンセプトについて

国産用眼鏡の90%以上(95%)は、福井県特に鯖江市において生産されている(乙7、乙8)。

被請求人もまた福井県鯖江市に所在する眼鏡フレームの企画・製作及び販売を手掛ける眼鏡メーカーであり、そのコンセプトは、「SABAEが、世界を動かしている。\アイウエアコミュニケーション」であり、その具体的な内容は、「眼鏡ユーザーにフレームをお届けするだけではなく、ひとりひとりの具体的な要求を聞き、デザインや価格でお応えすること。」「それがノベルティ・アイウエアのコミュニケーションビジネス\眼鏡づくりのグローバルスタンダード」であり、被請求人は「SABAEという土地であなただけの1本をプロデュースする」とされる(乙9)。

換言すると、被請求人は、眼鏡のメーカーとして、顧客の具体的なニーズを顧客とのコミュニケーションを通じて把握し、個別の眼鏡製品のデザインや価格を形成していくという企業理念を掲げており、そのコンセプトを「アイウエア コミュニケーション」と称し、被請求人「ノベルティアイウエアのコミュニケーションビジネス」であると宣明している。

(2)本件商標について

ア 外観

本件商標は、英大文字8文字「EYE PHONE」を同書同大に横一連にまとまりよく表してなる文字商標である。

イ 称呼

本件商標は、全体として「アイフォン」又は「アイホン」の称呼を生ずる。

ウ 観念

本件商標全体の意味としては、直訳すると「目の電話」であり、「目で(電話のように)伝える」のような観念やイメージが生じ得る。

また、「目は口ほどに物を言う」(乙3)の例えも連想され、「会話するようにコミュニケーションする眼鏡」の観念やイメージも想起される。

さらに、被請求人の眼鏡メーカーとしてのポリシー「アイウエア コミュニケーション」、換言すると「製品(眼鏡)を通じて顧客に最適の眼鏡をプロデュースすること」をも想起すると、本件商標は、「製品である眼鏡を通じて顧客とメーカーが(電話でコミュニケーションするように)会話する眼鏡」、すなわち「製品の眼鏡を通じてメーカーと顧客がコミュニケーションするような眼鏡」との観念やイメージも想起される。

また、「目は口ほどに物を言う」ことからすると、このような「あなただけの1本」の眼鏡を着用することにより、「顧客(着用者)が広く他者とコミュニケーションする眼鏡」との観念やイメージも展開される。

したがって、本件商標の観念イメージは、「(電話をかけるように)会話する(コミュニケーションする)眼鏡」である。

2 引用商標

(1)引用商標が使用される商品

ア 引用商標の使用に係る商品「スマートフォン」について

「スマートフォン」は、主として、コンピューター関連企業や電話通信事業者が取り扱う商品である。

また、需要者としては、携帯電話機能やインターネット情報検索機能等を求める一般消費者であるといえる。

イ 請求人の商標の使用状況について

(ア)「i-」を冠したもの

請求人は、「iPhone」のように、タブレット型コンピュータ「iPad」からの派生製品については、英小文字「i-」を冠する傾向があり、後続には英大文字「P」で始まる3~4文字の単語を連結する。

携帯情報端末たるコンピュータ製品について、「iP~」の命名をしているとも解される。

(イ)社名「Apple」を冠したもの

請求人が開発・販売しているコンピュータ製品には、請求人の名称である「Apple-」を冠するものもみられる。

(ウ)請求人の商標ネーミングの傾向

請求人は、タブレット型PCである「iPad」系列の情報端末製品については、英小文字「i」を冠するとともに、「iP-」のように、英小文字「i」に後続して英大文字「P」で始まる3~4文字程度の英文字列を連結する傾向があるといえる。

引用商標「iPhone」もその系列に属する商品名であるといえる。

(2)引用商標について

ア 外観

引用商標は、英文字5文字「iPhone」を同書、同大、等間隔に横一連に配置してなる文字商標である。

イ 称呼

引用商標全体としては、「イフォン」又は「アイフォン」等の3~4音を生じ得る。

ウ 観念

引用商標それ自体の観念としては、「i(アイ)電話」等の意味合いくらいしか解釈できず、特段の観念を生じない造語商標といえる。

また、引用商標は、「請求人が開発販売するスマートフォンのブランド」との観念を生ずる。

3 本件商標と引用商標との類否

(1)外観

本件商標と引用商標を比較するに、「PHONE」又は「Phone」の部分は、英文字構成が近い(アルファベットの大文字小文字の違い)ものの、冒頭の英文字が「EYE」と「i」であり、文字構成及び文字数ともに相違する。

語頭の文字構成は、見る者の目を引き付ける部分で注意深く観察されるものであるから、外観上の相違は顕著であるというべきである。

(2)称呼

本件商標の称呼は、「アイフォン」等の4音を生じ、引用商標の称呼は、「イフォン」や「アイフォン」等の3~4音を生じ、本件商標と引用商標とは、称呼を共通にする場合があり得るといえる。

(3)観念

本件商標と引用商標との観念は、「(電話をかけるように)会話する眼鏡」と「請求人が開発販売するスマートフォン」との比較において、全く相違するものというべきである。

(4)小括

本件商標と引用商標とでは、称呼を共通する場合があるとしても、外観において顕著に相違するものであり、観念においても全く相違するものであるから、外観及び観念の相違が称呼の共通性を大きく凌駕するものであって、相互に非類似の商標である。

4 商標法第4条第1項第15号該当性について

(1)本件商標と引用商標との類似性の程度

本件商標と引用商標とでは、称呼を共通にする場合があるとしても、外観における顕著な相違と観念における相違点に照らし、外観及び観念の相違が称呼の共通性を凌駕するので、非類似の商標というべきである。

(2)引用商標の周知著名性の程度

引用商標は、請求人が世界的なコンピューター企業であることに加えて、かかる請求人が商品「スマートフォン」に使用する限りにおいて周知であるといえる。

(3)引用商標の独創性の程度

引用商標は、請求人が開発販売するスマートフォンについて、請求人が情報端末系のコンピューター関連商品に通じて採用する頭文字「i」を、電話を意味する文字列「Phone」に冠したにすぎず、独創性の程度は低いというべきである。

(4)本件商標の指定商品「眼鏡」と引用商標の対象商品「スマートフォン」との関連性の程度

本件商標の指定商品は「眼鏡」であり、人の頭部(目)に装着して、視力の改善をしたり(視力矯正機能)、光線や花粉等の異物から目を防護したりする機能(目の防護機能)のほか、人の顔形中で最も注目される目の部分を装飾して顔形の外観の改善を図る装飾機能を発揮する道具である。

これに対し、請求人が引用商標を使用する「スマートフォン」は、携帯型の情報端末であって、電話通信機能に加えて、インターネットを介した情報検索機能及び情報管理機能を有する。

「眼鏡」と「スマートフォン」とでは、商品の性質・目的及び用途において大きく相違するので、商品としての関連性はほとんどない。

(5)本件商標の指定商品「眼鏡」と引用商標の対象商品「スマートフォン」との取引者及び需要者の共通性その他取引の実情

ア 本件商標の指定商品「眼鏡」の性質・用途及び取扱業者

本件商標の指定商品「眼鏡」は、視力矯正機能からレンズの調整が必要となることに加え、人の目に装着する関係からフレームの調整(フィッティング)を要することから、メガネメーカーが企画製造し、主として眼鏡専門店で販売される。

殊に、国内眼鏡フレームの製造に関しては、福井県(特に鯖江市)が90%以上のシェアを誇ることから(乙7、乙8)、地場産業として製造者は特定されているといえる。

イ 引用商標に係る商品「スマートフォン」の性質・用途及び取扱者

(ア)商品「スマートフォン」について

「スマートフォン」は、その製造には、コンピュータ関係事業者が関わるほか、携帯電話の通信機能があることから、携帯電話等の通信機器のメーカーも関与する。

また、その販売業者は、コンピュータ関連商品として、パソコン関係を取り扱う家電量販店のほか、電話通信関係商品として、携帯電話販売店も取り扱うといえる。

(イ)眼鏡型ウェアラブル端末(眼鏡型携帯情報端末)について

a 「ブルーライトカット眼鏡」について

請求人は、ブルーライトから目を守るための眼鏡「ブルーライトカット眼鏡」があることを指摘して、本件商標の指定商品「眼鏡」と商品「スマートフォン」との関連性を主張する。

この点、眼鏡には、光線や異物から目を防護する機能があり、遮光機能を備えた防護眼鏡としてはサングラスが広く知られている。

有害な光線から目を防護する機能は、主として眼鏡のレンズにより発揮されるものであって、「ブルーライト」を遮光するレンズを備えた眼鏡を「ブルーライトカット眼鏡」と称するにすぎない。

「ブルーライトカット眼鏡」は、老眼鏡やサングラス同様に、眼鏡メーカーが製造し、眼鏡の販売ルートで販売されている。

b 「スマートグラス」について

請求人は、「スマートグラス」と称される「眼鏡型のウェアラブル端末(眼鏡型携帯情報端末)」として、携帯型情報端末である「スマートフォン」と「眼鏡」との関連性を示そうとする。

そもそも、「スマートフォン」は携帯電話と一体化した「携帯型情報端末」であるのに対し、「眼鏡型のウェアラブル端末(眼鏡型携帯情報端末)」は、身体(目)に装着する情報端末であって、情報端末の使用形態が大きく異なる。

また、「スマートグラス」は、「ヘッドマウントディスプレイ(HMD)方式の拡張現実型のウェアラブル端末」であって、「一般的にはカメラと網膜投射型のディスプレイを搭載しており、・・・実際の景色に重ねて表示することができる」ものとされる(乙24)。

「眼鏡」は、視力を矯正したり、光線や異物から目を防護したりする商品であって、外界の現実(リアルな現実世界)をそのまま視覚により見ることが前提になった商品である。

これに対し、「スマートグラス」は、「拡張現実型ウェアラブル端末」であって、「拡張現実」を「実際の景色に重ねて表示することができる」ものなので、視覚矯正機能や目の防護機能を備えた「眼鏡」とは全く機能が異なる。

目に装着するという使用形態により、その商品形態が近似してくるかもしれないが、「眼鏡型のウェアラブル端末(眼鏡型携帯情報端末)」たる「スマートグラス」は、その商品の本質的性能が眼鏡とは全く異質の商品である。

c 「iPhoneと眼鏡が連携した「眼鏡型のウェアラブル端末(眼鏡型携帯情報端末)」について

請求人は、「iPhoneと眼鏡が連携した「「眼鏡型のウェアラブル端末(眼鏡型携帯情報端末)」を長年にわたり開発してきたことは周知の事実」であり、「需要者に請求人が眼鏡型のウェアラブル端末(眼鏡型携帯情報端末)」を取り扱っていることは十分認知されていた」とする。

この点、請求人のいう「眼鏡型のウェアラブル端末(眼鏡型携帯情報端末)」は、眼に装着するという使用形態の点で商品形態的に「眼鏡」と近似する場合があるとしても、情報端末の機能の有無で本質的に商品の性質が相違する。

眼鏡は人間が視覚で捉えた視覚情報を目の機能により脳で認識することを前提とするのに対し、「眼鏡型のウェアラブル端末(眼鏡型携帯情報端末)」は、人間が視界に捉えた視覚情報のみならず、情報端末の機能により投影される画像・動画データや仮想現実をも投影する点で、商品の目的や機能・用途及び性質が本質的に異なる。

ウ 両商品の需要者

(ア)眼鏡の需要者の傾向

本件商標の指定商品「眼鏡」の需要者は一般消費者であるが、眼鏡の需要者には、眼鏡のブランド以上に、眼鏡の視力矯正機能に着目して購入するものが多いといえる。

また、眼鏡の需要者は、眼鏡のブランド以上に、眼鏡フレームのデザイン(特に玉形)に着目して商品を選択する傾向にある。

(イ)スマートフォンの需要者の傾向

引用商標が使用される商品「スマートフォン」の需要者は一般消費者であるといえる。

この点、「スマートフォン」が携帯電話型の情報端末であることからすれば、需要者は「スマートフォン」の機能、特に搭載されているコンピュータの機能や性能を重視するといえる。

しかし、コンピュータの性能や機能は、商品の外見から判断しようがないので、製造販売するコンピュータ会社のブランドやその商品ブランドをより重視するといえる。

(6)小括

本件商標と引用商標とは相互に非類似の商標であり、引用商標が商品「スマートフォン」について周知であるとしても、引用商標は独創性に乏しく、本件商標の指定商品「眼鏡」と引用商標が使用される商品「スマートフォン」とは、商品の性質が本質的に相違する上に、商品の使用目的や機能及び用途においても異質であるので、商品相互の関連性が低く、「眼鏡」と「スマートフォン」とは、商品の製造販売のルートの相違に応じて取扱業者である取引者が異なり、需要者たる一般消費者の商品選択の際の関心傾向も異なるといえる。

したがって、本件商標は、請求人の業務に係る商品又は役務と混同を生ずるおそれがある商標ではなく、商標法第4条第1項第15号に該当しない。

5 商標法第4条第1項第19号該当性について

本件において、被請求人は、自己の企業理念「眼鏡ユーザーにフレームをお届けするだけではなく、ひとりひとりの具体的な要求を聞き、デザインや価格でお答えすること。それがノベルティ・アイウエアのコミュニケーションビジネス」(乙9)に基づき、「(電話をかけるように)会話する眼鏡」との商品コンセプトにより、本件商標「EYE PHONE」を採択している。

上述のとおり、本件商標は引用商標とは非類似の商標であることに加え、本件商標の指定商品「眼鏡」と引用商標に係る商品「スマートフォン」とが非類似の商品であって、「混同のおそれ」もない。

それゆえ、本件商標の使用により、引用商標の汚染(ポリューション)や希釈化(ダイリュージョン)は生じようがない。

また、本件商標の出願において、取引上の信義則に反するような事情もない。

したがって、本件商標について、商標法第4条第1項第19号に該当する事由はない。

6 商標法第4条第1項第7号該当性について

被請求人は「ノベルティ・アイウエアのコミュニケーションビジネス」の理念に基づき、顧客のニーズに真摯に耳を傾けて、デザインや価格の点でも顧客に最適の眼鏡を提供するとの理想をもって、「(電話をかけるように)会話する眼鏡」の意味で、本件商標「EYE PHONE」を採択したものである。

本件商標と引用商標とが併存しても、相互の商品及び役務に出所の混同を生ずるおそれはなく、「一般需要者や取引者に対し、社会的混乱を与える」ような事態は生じ得ない。

したがって、本件商標は、その採択の経緯に照らしても、公序良俗に反する(社会的相当性を欠く)ものではなく、商標法第4条第1項第7号に該当しない。

第5 当審の判断

1 商標法第4条第1項第15号該当性について

(1)引用商標の周知著名性の程度について

請求人の提出に係る証拠によれば、請求人は、遅くとも2018年(平成30年)1月には引用商標をスマートフォンに使用しており、その時点において、引用商標を使用したスマートフォンが日本のスマートフォン市場において人気が突出している旨報道されており(甲10-1)、スマートフォンのメーカー別出荷数シェアにおいて、請求人は、2012年(平成24年)から2018年(平成30年)まで7年連続1位であり(甲10-2、甲10-4)、2018年(平成30年)からの5年間に「Googleトレンド」において、「アイフォン」の語が「iPhone」の語と関連付けて数多く検索されており(甲11)、また、2018年(平成30年)1月19日に印刷された「iPhone Mania」及び「東洋経済 ONLINE」のウェブサイトにおいて、引用商標のネーミングについて紹介されていること(甲16、甲17)が認められる。

そして、本件商標の登録査定後ではあるが、2022年(令和4年)における引用商標を使用したスマートフォンの市場シェアが65.88%であること(甲10-5、甲10-6)が認められることからすると、メーカー別出荷数シェアにおいて7年連続1位であった請求人のスマートフォンのほとんどは、引用商標が使用されていたものと推認することができる。

そうすると、引用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、請求人の業務に係る「スマートフォン」を表示し、「アイフォン」と称呼されるものとして、需要者の間に広く認識されているものと判断するのが相当であり、その周知著名性の程度は極めて高いといえる。

(2)引用商標の独創性の程度について

引用商標は、「iPhone」の文字からなるものであり、その構成からして、ローマ字の1字である「i」の文字と「電話」を意味する「Phone」の文字(語)とを結合させたものと認められることから、その点からすると、独創的な構成ということはできない。

しかしながら、引用商標は、1文字目が小文字で2文字目のみが大文字で表されており、その構成において特徴を有するということができる。

そうすると、引用商標は、一定程度の独創性があるといえる。

(3)本件商標と引用商標との類似性の程度について

ア 本件商標について

(ア)本件商標は、「EYE PHONE」の文字を標準文字により表してなるものであり、その構成文字に相応して「アイフォン」の称呼を生じるものである。

(イ)ところで、一般に、商標の類否を定める基準の一つとして当該商標の観念の同一性が挙げられるが、比較の対象となった商標の観念が同一の場合に当該両商標が類似するとされる理由は、取引者、需要者がある商標を見又は称呼することにより念頭に浮ぶその商標のもつ意味が、他の商標のもつ意味と同一であることによって、ある商標から同じ意味をもつ他の商標を思い浮べ、そのため商標の指定商品の出所を誤認混同するに至るからである。そうすると、ここにいう商標の観念とは、商標自体が客観的に有する意味をいうのではなく、商標を見又は称呼することによりその商標を付した商品の需要者又は取引者が思い浮べるその商標の意味をいうものと解するのが相当である(東京高等裁判所昭和48年(行ケ)第61号同49年11月14日判決)。

(ウ)前記(1)のとおり、引用商標は、請求人の業務に係る「スマートフォン」を表示し、「アイフォン」と称呼されるものとして、需要者の間に広く認識されているものである。

そして、「スマートフォン」の需要者は一般の消費者であるといえ、また、本件商標の指定商品である「眼鏡」の需要者も一般の消費者であるといえるから、両商品の需要者は共通しているといえる。

そうすると、本件商標に接する「眼鏡」の需要者は、本件商標を「アイフォン」と称呼することにより、需要者の間に広く認識されている請求人の業務に係る「スマートフォン」を表示する引用商標を認識するとみるのが相当である。

してみると、本件商標は、「アイフォン」の称呼により引用商標を認識させることにより、「請求人の業務に係るスマートフォンのブランド」としての観念を生じるというべきである。

(エ)被請求人は、本件商標から「(電話をかけるように)会話する(コミュニケーションする)眼鏡」の観念を生じる旨主張している。

被請求人の提出に係る証拠によれば、被請求人は、眼鏡のメーカーであり、「アイウエア コミュニケーション」をコンセプトにしていることが認められる(乙9)。

しかしながら、当該コンセプトが需要者の間に広く認識されているといった事情は見いだせない。

また、本件商標は、「EYE PHONE」の文字からなるものであり、たとえ「目」を意味する「EYE」の文字(語)と「電話」を意味する「PHONE」の文字(語)からなるとしても、これより直ちに「(電話をかけるように)会話する(コミュニケーションする)眼鏡」といった観念(意味合い)を認識させるとは到底いえず、被請求人のコンセプトが需要者の間に広く認識されていないことからして、当該観念(意味合い)を認識させるというべき特段の事情も認められない。

他に、本件商標を見又は称呼することにより、需要者又は取引者が「(電話をかけるように)会話する(コミュニケーションする)眼鏡」を思い浮べるというべき事情も見いだせない。

したがって、本件商標から「(電話をかけるように)会話する(コミュニケーションする)眼鏡」といった観念は生じない。

(オ)以上により、本件商標は、「アイフォン」の称呼を生じ、「請求人の業務に係るスマートフォンのブランド」としての観念を生じるものである。

イ 引用商標について

(ア)引用商標は、「iPhone」の文字からなるものであり、前記(1)のとおり、請求人の業務に係る「スマートフォン」を表示し、「アイフォン」と称呼されるものとして、需要者の間に広く認識されているものである。

そうすると、引用商標は、「アイフォン」の称呼を生じ、「請求人の業務に係るスマートフォンのブランド」としての観念を生じるものである。

(イ)被請求人は、引用商標から「イフォン」又は「アイフォン」の称呼を生じる旨主張している。

しかしながら、引用商標は、「アイフォン」と称呼されるものとして需要者の間に広く認識されていることからすれば、「イフォン」の称呼は生じず、「アイフォン」の称呼のみが生じるというべきである。

ウ 本件商標と引用商標との類否について

本件商標と引用商標とを比較すると、外観においては、前半における「EYE」の文字と「i」の文字との違いはあるものの、後半において「PHONE(Phone)」のつづりを共通にするものであるから、外観において一定程度の共通性を有する。

また、本件商標と引用商標とは、いずれも「アイフォン」の称呼を生じ、「請求人の業務に係るスマートフォンのブランド」としての観念を生じるものであるから、称呼及び観念を共通にする。

そうすると、本件商標と引用商標との外観、称呼、観念等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、外観において一定程度の共通性を有し、かつ、称呼及び観念を共通にする両商標は、商品の出所について誤認混同を生じさせるおそれのある類似する商標と判断するのが相当であり、その類似性の程度は高いというべきである。

(4)本件商標の指定商品である「眼鏡」と請求人の業務に係る「スマートフォン」との間の関連性の程度について

本件商標の指定商品である「眼鏡」は、「遠視・近視・乱視・老眼などの視力を調整し、または光線が強く入るのを防ぐため目にかける凹または凸レンズ、あるいは単なる色ガラスの器具。」(広辞苑 第七版)であり、請求人の業務に係る「スマートフォン」は、「様々な情報処理機能を具えた携帯電話。オペレーティング-システムを持ち、アプリケーションを追加して機能を拡張でき、多くタッチパネルで操作する。」(前掲書)ものである。

そうすると、両商品の性質、用途又は目的は異なるといえる。

しかしながら、スマートフォンから放出されるブルーライトをカットする眼鏡が販売されている実情がある(甲18)ことからすると、その点において両商品は関連性があるといえる。

(5)取引者及び需要者の共通性について

本件商標の指定商品である「眼鏡」は、眼鏡のメーカーが製造し、眼鏡専門店で販売されるものであるのに対し、請求人の業務に係る「スマートフォン」は、スマートフォンやコンピュータ等のメーカーが製造し、スマートフォンや携帯電話の事業者によって販売されるものであるから、両商品の取引者は異なるといえる。

しかしながら、両商品の需要者は、いずれも一般の消費者であるといえるから、需要者を共通にするといえる。

(6)混同のおそれについて

以上によれば、本件商標の指定商品と請求人の業務に係る商品とは異なり、その取引者が異なるものの、引用商標の周知著名性の程度は高く、その独創性も一定程度あり、本件商標と引用商標との類似性の程度は高く、スマートフォンから放出されるブルーライトをカットする眼鏡が販売されているという点において商品の関連性を有し、また、本件商標の指定商品と請求人の業務に係る商品との需要者を共通にするものである。

そうすると、本件商標は、商標権者がこれをその指定商品に使用するときは、引用商標を連想又は想起し、当該商品が請求人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係のある者の業務に係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生じるおそれのある商標というべきである。

(7)小括

したがって、本件商標は、他人の業務に係る商品と混同を生ずるおそれがある商標というべきであるから、商標法第4条第1項第15号に該当する。

2 商標法第4条第1項第7号及び同項第19号該当性について

請求人は、「不正の目的」として、本件商標には引用商標に化体した信用、名声、顧客吸引力ヘただ乗りしようとする意図がうかがえる旨、また、「公序良俗に反する」こととして、本件商標の採択は請求人の商標に化体した名声にただ乗りする意図があった旨主張している。

しかしながら、これらを裏付ける具体的な証拠の提出はない。

他に、本件商標が不正の目的をもって使用をするものであるというべき事情は見いだせず、本件商標が公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標というべき事情は見いだせない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号及び同項第19号に該当しない。

3 まとめ

以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第7号及び同項第19号には該当しないものの、同項第15号に該当するものであるから、その登録は、同項の規定に違反してされたものである。

したがって、本件商標の登録は、商標法第46条第1項により、無効とすべきものである。

よって、結論のとおり審決する。

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