sokuhyo

Trademark Appeal Case

品質表示の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号2024007177
審判種別記載はありません。
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

結 論
本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

理 由

1 手続の経緯

本願は、令和5年3月30日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。

令和5年 8月18日付け:拒絶理由通知書

令和5年11月 1日 :意見書の提出

令和6年 1月23日付け:拒絶査定

令和6年 4月26日 :審判請求書の提出

令和7年 5月22日付け:審尋

令和7年 7月 2日 :回答書の提出

2 本願商標

本願商標は、「ウルトラファインバブル製法」の文字を横書きした構成よりなり、第32類「水素を含有する飲料水,水素水を使用した清涼飲料,清涼飲料,水素水を使用したビール,ビール,水素水を使用した果実飲料,果実飲料,飲料用野菜ジュース,ビール製造用ホップエキス,乳清飲料」及び第33類「清酒,焼酎,合成清酒,白酒,直し,みりん,洋酒,果実酒,酎ハイ,中国酒,薬味酒」を指定商品として登録出願されたものである。

3 原査定の拒絶の理由(要旨)

原査定は、「本願商標は、「ウルトラファインバブル製法」の文字を書してなるところ、その構成中の「ウルトラ」の文字部分は「名詞の上に付いて、過度の、極度の、超」等を意味する語であり、また、「ファイン」の文字部分は、「精密な、繊細な、また、精密な技術を要する。」等を意味する語であり、また、「バブル」の文字部分は、「 泡。あぶく。また、泡のように消えやすく不確実なもの。」等を意味する語であり、また、「製法」の文字部分は、「物のつくり方。製造法。」を意味する語でとして広く使用されているものである。そして、例えば、飲料水をはじめとした種々の商品について、「ウルトラファインバブル製法」の文字が、「超繊細な泡を発生させて製造された商品」の製造法を表す語として用いられている実情があるから、本願商標全体として、「超繊細な泡を発生させて製造された商品」程度の意味合いを容易に理解、認識させるものである。そうとすれば、本願商標は、「ウルトラファインバブル製法」の文字を普通に書してなるにすぎないものであるから、これをその指定商品について使用するときは、「超繊細な泡を発生させて製造された商品」というほどの意味合いを表現したものと需要者に容易に理解、認識させるものであって、単に該商品の品質を表示するにすぎないものである。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、拒絶したものである。

4 当審における審尋(要旨)

当審において、令和7年5月22日付け審尋により、別掲1及び別掲2に掲げる事実を提示した上で、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するとの暫定的見解、及び本願商標は、原審における拒絶理由通知書において引用した登録第5936099号商標(以下「引用商標」という。)と類似する商標であり、かつ、その指定商品も同一又は類似するから、商標法第4条第1項第11号に該当するとの暫定的見解を示し、期間を指定した上で請求人に対し意見を求めた。

なお、引用商標は「ウルトラファインバブル」の文字を標準文字で表した構成よりなり、平成26年11月26日に登録出願され、第32類「飲料水,その他の清涼飲料」及び第7類、第9類、第10類、第11類並びに第42類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同29年3月31日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

5 審尋に対する請求人の回答(要旨)

請求人は、上記4の審尋に対して、令和7年7月2日に回答書を提出し、要旨以下(1)及び(2)のとおりの意見を述べた。

(1)本願商標が「ウルトラファインバブル技術を使った製造方法」の意味合いを理解されることがあるとしても、ウルトラファインバブル技術が具体的にどのように商品の品質に影響を与えるのかは、いまだ確立されていない状況であり、指定商品が酒類の場合、品質とは、多様な項目に渡り、ウルトラファインバブル技術を使って製造した酒類がいかなる品質的特徴を持つかについて一般的な理解は得られておらず、また、原審及び審尋で提示されたウェブサイトでは、本願商標が、一義的・具体的な品質的意味合いを有して取引上普通に使用されている事実を認めることはできない。

(2)本願商標は、同じ書体及び大きさをもって、等間隔にまとまりよく表されているため、視覚上、一体的なものとして看取、把握されるものであり、その構成中の一部を分離、抽出して、商標の類否を判断すべきものではなく、このことは、語尾の「製法」の有無により、非類似と判断された特許庁の多数の判断に沿うものである。

6 当審の判断

(1)商標法第3条第1項第3号該当性について

本願商標は、「ウルトラファインバブル製法」の文字を横書きした構成よりなるところ、その構成中の「ウルトラ」の文字は「「超」「過度」「極端」などの意。」等を、「ファイン」の文字は「微細で精巧なさま。」等を、「バブル」の文字は「泡。気泡。泡沫。」等を、「製法」の文字は「製造の方法。こしらえかた。」(いずれも出典は「広辞苑 第7版」株式会社岩波書店)をそれぞれ意味する語であるから、本願商標は全体として「超微細な泡の製造方法」程の意味合いを容易に認識させるものである。

そして、別掲1のとおり、「ウルトラファインバブル」の語が「体積相当の直径が1μm未満の界面で囲まれた媒体中の気体」を表すファインバブル技術に関する用語として定義されており、また、原審提示の情報によれば、「ウルトラファインバブル製法」の語が「ウルトラファインバブル技術(超微細な泡を発生させる技術)を使った製造方法」ほどの意味合いで使用されていることに加えて、別掲2のとおり、本願の指定商品を含む酒類の分野において、ウルトラファインバブル(又は同義の「ナノバブル」)技術を利用した酒類が製造・販売されている実情も確認できる。

そうとすれば、本願商標を、その指定商品中、例えば、「清酒」等の酒類に使用する場合には、それに接する取引者、需要者は、「ウルトラファインバブル技術(超微細な泡を発生させる技術)を使った製造方法による清酒」といった「ウルトラファインバブル技術(超微細な泡を発生させる技術)を使った製造方法による商品(酒類)」であることを認識するにとどまり、本願商標は、単に商品の品質を普通に用いられる方法で表示するにすぎないものというべきである。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。

(2)商標法第4条第1項第11号該当性について

ア 本願商標について

本願商標は、「ウルトラファインバブル製法」の文字を横書きした構成よりなるところ、「ウルトラファインバブル」の片仮名と「製法」の漢字を結合したものと容易に認識できるものである。

そして、その構成中の「製法」の文字は「製造の方法。こしらえかた。」(出典:「広辞苑 第7版」株式会社岩波書店)を意味する語であるところ、該「製法」の文字は、商品の製造の方法を表す語として広く一般に使用されている語であることからすれば、自他商品識別標識としての機能が極めて弱い又はその機能を果さないものとみるのが相当である。

また、その指定商品中、例えば、「飲料水」等のアルコール分を含まない飲料との関係において、別掲3のとおり、「一般社団法人ファインバブル産業会」は、「ウルトラファインバブル」の語を登録商標として使用し、「ウルトラファインバブル」製品の信頼度確保を図っている実情がうかがえる。

さらに、本願商標の全体から生じる「ウルトラファインバブルセイホウ」の称呼は、14音と冗長であることからすれば、これらを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分に結合しているものとはいえない。

そうとすれば、本願商標は、その構成中の「ウルトラファインバブル」の文字部分が強く支配的な印象を与えるものとみるのが相当であって、該文字部分をもって取引に当たる場合も決して少なくないものといえるから、本願商標は該文字部分を要部として分離、抽出し、他人の商標と比較することも許されるものといえる。

したがって、本願商標は、その要部である「ウルトラファインバブル」の構成文字に相応して、「ウルトラファインバブル」の称呼をも生じ、上記(1)のとおり、「ファインバブル技術に関する用語」程の観念を生じるものである(以下「ウルトラファインバブル」の文字部分を「本願商標の要部」という。)。

イ 引用商標について

引用商標は、「ウルトラファインバブル」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成文字に相応して、「ウルトラファインバブル」の称呼を生じ、「ファインバブル技術に関する用語」程の観念を生じるものである。

ウ 本願商標と引用商標との類否について

本願商標と引用商標との比較において、本願商標は上記ア、引用商標は上記イの構成からなるところ、両者は、全体の外観において、「製法」の漢字の有無で相違するものであるが、本願商標を構成する13文字中の11文字からなる「ウルトラファインバブル」の文字を共通にするから、外観において相当程度近似した印象を与えるものである。

そして、本願商標の要部と引用商標を比較すると、「ウルトラファインバブル」の称呼を共通にし、また、「ファインバブル技術に関する用語」程の観念を共通にするものである。

そうとすれば、本願商標と引用商標は、全体の外観においては相違があるものの、外観において相当程度近似した印象を与え、そして、本願商標の要部と引用商標との比較において、「ウルトラファインバブル」の称呼及び「ファインバブル技術に関する用語」程の観念を共通にするものであるから、これらの外観、称呼及び観念によって、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、本願商標と引用商標は、商品の出所について誤認混同を生じるおそれのある、互いに類似の商標というのが相当である。

エ 本願商標と引用商標の指定商品の類否について

本願の指定商品中、第32類「水素を含有する飲料水,水素水を使用した清涼飲料,清涼飲料,水素水を使用した果実飲料,果実飲料,飲料用野菜ジュース」は、引用商標の指定商品中、第32類「飲料水,その他の清涼飲料」と同一又は類似する商品である。

オ 小括

以上より、本願商標は、引用商標と類似する商標であり、かつ、その指定商品も、引用商標の指定商品と同一又は類似するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。

(3)請求人の主張について

ア 請求人は、上記5(1)のとおり、本願商標が「ウルトラファインバブル技術を使った製造方法」の意味合いを理解されることがあるとしても、ウルトラファインバブル技術が具体的にどのように商品の品質に影響を与えるかは、いまだ確立されていない状況であり、指定商品が酒類の場合、品質とは、多様な項目に渡り、ウルトラファインバブル技術を使って製造した酒類がいかなる品質的特徴を持つかについて一般的な理解は得られておらず、また、原審及び審尋で提示されたウェブサイトでは、本願商標が、一義的・具体的な品質的意味合いを有して取引上普通に使用されている事実を認めることはできない旨主張している。

しかしながら、上記(1)のとおり、「ウルトラファインバブル製法」及び「ウルトラファインバブル」の語が商品の品質を表現するための語として広く使用されていることは明らかであるから、それによって表されている個別具体的な商品の品質の内容が不明であるとか、実際の商品の品質が事例によって異なる可能性があるということによって、本願商標に接する取引者、需要者が、それが商品の品質を表示した語であると理解することが妨げられるものではない。

そして、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するというためには、審決時において、本願商標が、その指定商品との関係で、その商品の品質を表示記述するものとして取引に際し必要適切な表示であり、本願商標の取引者、需要者によって、本願商標がその指定商品に使用された場合に、将来を含め、商品の品質を表示したものと一般に認識されるものであれば足りると解される(知財高裁平成27年(行ケ)第10107号 同年9月28日判決言渡)ところ、上記(1)のとおり、本願商標は、原審で提示した情報及び別掲1及び別掲2の事実に照らせば、その指定商品中、酒類に使用する場合、これに接する取引者、需要者をして、当該商品が「ウルトラファインバブル技術(超微細な泡を発生させる技術)を使った製造方法による商品」であること、すなわち、商品の品質を表示するものと容易に理解、認識させることをもって足り、それ以上に具体的な商品の内容が特定されることまでは要しないというのが相当である。

イ 請求人は、上記5(2)のとおり、商標構成中の「製法」の文字の有無により、商標が非類似と判断された過去の登録例を挙げて、本願商標もそれらと同様に登録が認められるべきである旨主張している。

しかしながら、商標の類否判断は、対比する商標について個別具体的に判断されるべきものであるところ、請求人の挙げる登録例と本願商標とは、商標の具体的構成等において本願とは事案を異にするものであり、本願商標と引用商標の類否については上記(2)ウのとおりであるから、これらの登録例をもって、上記判断が左右されるものではない。

ウ したがって、請求人の上記ア及びイの主張は、いずれも採用することができない。

(4)結び

以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第11号に該当するものであるから、登録することができない。

よって、結論のとおり審決する。

Next Action

次の一手につながるサービス

類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。

次の一歩へ

商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。