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Trademark Appeal Case

没入アトラクションの識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号2024016602
審判種別記載はありません。
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

結 論
本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

理 由

1 手続の経緯

本願は、令和5年10月6日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。

令和6年 3月22日付け:拒絶理由通知書

令和6年 5月 7日 :意見書の提出

令和6年 7月19日付け:拒絶査定

令和6年10月17日 :審判請求書の提出

令和7年 6月23日付け:審尋

2 本願商標

本願商標は、「没入アトラクション」の文字を標準文字で表してなり、第41類「演芸の上演、演劇の上演、音楽の演奏,娯楽イベントの運営,演劇の上演,脚本の作成(広告用のものを除く。),娯楽の提供,インターネットを利用して行う音楽の提供,イベントのための音響機器の操作,興行の企画・運営又は開催(映画・演芸・演劇・音楽の演奏の興行及びスポーツ・競馬・競輪・競艇・小型自動車競走の興行に関するものを除く。),演芸の上演,興行場の座席の手配,映画の上映・制作又は配給,イベントのための照明機器の操作,電子出版物の提供,オンラインによる映像の提供(ダウンロードできないものに限る。),演劇の演出又は上演,映画・演芸・演劇又は音楽の演奏の興行の企画又は運営,娯楽施設の提供,インターネットを利用して行う映像の提供,写真の撮影,娯楽イベントの企画・運営」を指定役務として登録出願されたものである。

3 原査定の拒絶の理由の要点

原査定は、「本願商標は、「没入アトラクション」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中「没入」の文字は、「没頭すること。」の意味を有する語であり、「アトラクション」の文字は、「客寄せのために主要な催しのほかに添える出し物。余興。遊園地の遊戯施設。」の意味を有する語である。そして、本願指定役務に関連する業界において、近年、いわゆる遊園地やその他遊戯施設において、ユーザーが、その空間や世界観に浸ることができ、より深く没頭できる体験を提供するような出し物やイベントが提供されており、そのような体験ができる施設やイベントについて、「没入○○」や「没入型○○」の文字が広告宣伝で使用されている実情があり、また、空間や世界観に没頭できるアトラクションであることを表す文字として、「没入アトラクション」の文字が使用されている実情が見受けられる。そうすると、本願商標をその指定役務に使用しても、これに接する取引者、需要者は、単に役務の優位性や特性を表した「没頭できるアトラクション」ほどの意味合いの広告宣伝文句と認識するにすぎないから、本願商標は、自他役務の識別標識としての機能を果たし得ず、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができない商標であるというのが相当である。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

4 当審における審尋

当審において、令和7年6月23日付けで通知した審尋により、別掲1、別掲2(1)ないし(8)及び別掲3(1)ないし(4)のとおりの証拠を提示した上で、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当する旨の暫定的見解を示し、相当の期間を指定して、これに対する回答を求めた。

5 審尋に対する請求人の回答

請求人は、上記4の審尋に対して、所定の期間内に何ら応答するところがない。

6 当審の判断

(1)商標法第3条第1項第6号該当性について

本願商標は、「没入アトラクション」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「没入」の文字は、「没頭すること。」(「広辞苑第7版」株式会社岩波書店)の意味を、「アトラクション」の文字は、「客寄せのために主要な催しのほかに添える出し物。余興。遊園地の遊戯設備。」(前掲書)の意味を、それぞれ有する語であって、いずれも広く一般に親しまれたものである。

そして、本願の指定役務に関連する娯楽分野においては、例えば、音響、映像及び体感装置等の技術により特定の世界観に没入するような体験ができるなど、特定の対象や状況に没入できることをうたったアトラクションが提供されており、そのような役務の説明として、「没入」及び「アトラクション」の文字が使用されている実情(別掲1)が見受けられる。

また、同分野においては、「没入○○アトラクション」、「没入型アトラクション」又は「没入型○○アトラクション」(○○にはアトラクションの内容等を表す語が入る。)の文字(別掲2)及び「没入アトラクション」の文字(別掲3)が、役務の特性又は優位性等を表すための語句として、宣伝広告等に使用されている実情が見受けられる。

そうすると、本願商標をその指定役務に使用しても、これに接する需要者は、「没入できるアトラクション」ほどの意味を理解し、役務の特性又は優位性等を表すための宣伝広告等として認識するにとどまるから、本願商標は、自他役務の識別標識としての機能を果たし得ず、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができない商標というのが相当である。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。

(2)請求人の主張について

ア 請求人は、本願商標における「没入」の語が「アトラクション」を修飾しているのか、それともコンテンツそのものを表しているのか、極めて曖昧であり、本願商標は全体として漠然とした意味合いを暗示させ得るにすぎない旨主張する。

しかしながら、前記(1)のとおり、特定の対象や状況に没入できることをうたったアトラクションが提供されていること、また、「没入アトラクション」等の文字が、役務の特性又は優位性等を表す語句として宣伝広告等に使用されていることからすれば、これに接する需要者は、「没入できるアトラクション」ほどの意味を理解し、役務の特性又は優位性等を表すための宣伝広告等として認識するものとみるのが相当である。

イ 請求人は、過去における登録例を挙げて、本願商標も登録されるべき旨主張する。

しかしながら、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第6号の規定に該当するか否かは、当該商標の査定時又は審決時において、当該商標の構成態様や取引の実情を踏まえて、個別具体的に判断されるべきものであるところ、本願商標についての判断は、前記(1)のとおりであるから、請求人が挙げる登録例をもって本願商標の判断が左右されるものではない。

ウ したがって、請求人による上記主張は、いずれも採用することができない。

(3)結論

以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当するから、登録することができない。

よって、結論のとおり審決する。

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