結論テキスト
本件審判の請求は、成り立たない。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 2024018051 |
|---|---|
| 審判種別 | 記載はありません。 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理 由
本願は、令和5年9月5日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和6年 2月14日付け:拒絶理由通知書
令和6年 2月22日 :意見書の提出
令和6年 8月13日付け:拒絶査定
令和6年11月12日 :審判請求書の提出
令和7年 6月16日付け:証拠調べ通知書
本願商標は、「キャリアSNS」の文字を標準文字で表してなり、第35類「職業のあっせん,求人情報の提供,他人のための履歴書の作成,消費者のための商品及び役務の選択における助言と情報の提供,コンピュータデータベースへの情報編集,広告業,トレーディングスタンプの発行,経営の診断又は経営に関する助言,市場調査又は分析,商品の販売に関する情報の提供,商品・役務の買い手及び売り手のためのオンライン市場の提供,競売の運営,輸出入に関する事務の代理又は代行,文書又は磁気テープのファイリング」及び第45類「オンラインによるソーシャルネットワーキングサービスの提供,身の上相談」を指定役務として登録出願されたものである。
本願商標は、「キャリアSNS」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「キャリア」、「SNS」の各文字が有する意味、及び、本願指定役務を取り扱う業界において、SNSを利用した転職等のキャリアに関する情報サービスが提供され、そのような役務を「キャリアSNS」と称している実情があることからすると、これをその指定役務中、「職業のあっせん,求人情報の提供,他人のための履歴書の作成,オンラインによるソーシャルネットワーキングサービスの提供,身の上相談」に使用した場合、これに接する需要者は、「SNSを利用した転職等のキャリアに関する情報サービス」であること、すなわち、単に役務の質を普通に用いられる方法で表示したものとして認識するというのが相当である。したがって、本願商標は、単に役務の質を表示するにすぎないものであるから、商標法第3条第1項第3号に該当する。
当審において、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べをした結果、別掲1及び別掲2に示すとおりの事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、その結果を請求人に対し、前記1の証拠調べ通知書をもって通知し、期間を指定してこれに対する意見を求めた。
請求人は、当該証拠調べに対し、指定した期間を経過するも、何ら回答していない。
(1)商標法第3条第1項第3号について
ア 商標法第3条第1項第3号に掲げる商標が商標登録の要件を欠くとされているのは、このような商標は、商品の産地、販売地その他の特性を表示記述する標章であって、取引に際し必要適切な表示としてなんぴともその使用を欲するものであるから、特定人によるその独占的使用を認めるのを公益上適当としないものであるとともに、一般的に使用される標章であって、多くの場合自他商品識別力を欠き、商標としての機能を果たし得ないものであることによるものと解される(昭和53年(行ツ)第129号、最高裁昭和54年4月10日第三小法廷判決・裁判集民事126号507頁)。
また、この趣旨に照らせば、当該商標が指定商品の品質等を表すものとして、審決時に需要者に広く認識されている場合はもとより、将来を含め、需要者にその商品の品質等を表すものと認識される可能性があって、これを特定人に独占使用させることが公益上適当でないと判断されるときは、その商標は、同号に該当すると解するのが相当である。
イ 本願商標は、「キャリアSNS」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中「キャリア」の文字は、「経歴」、「職業、特に専門的な知識や技術を要する職業に就いていること」(「コンサイスカタカナ語辞典(第4版)」株式会社三省堂)等の意味を有する語として、「SNS」の文字は、「(social networking service)インターネット上の会員制サービスの一種」(「広辞苑(第七版)」株式会社岩波書店)の意味を有する語として、いずれも広く一般に親しまれた語である。
また、別掲1に示すとおり、本願指定役務に関する分野において、「キャリアSNS」の文字が、「SNSを利用した転職等のキャリア(経歴)に関する情報サービス」ほどの意味を有する語として一般的に使用されている実情が認められる。
そして、別掲2に示すとおり、本願指定役務に関する分野において、SNSを利用した転職や就活等のキャリア(経歴)に関する情報サービスが提供され、このようなサービスについて、「○○SNS」(○○には情報サービスの内容が入る。)の文字が一般に使用されている実情が認められる。
そうすると、本願商標の各構成文字の意味と、上記の実情に照らせば、本願商標は、全体として「SNSによる転職等のキャリアに関する情報サービス」ほどの意味合いを容易に認識させるものであるから、本願商標をその指定役務中、第35類「職業のあっせん,求人情報の提供,他人のための履歴書の作成」及び第45類「オンラインによるソーシャルネットワーキングサービスの提供,身の上相談」に使用するときは、これに接する需要者は、その役務が、SNSによる転職等のキャリアに関する情報サービスであるという、役務の質を表示したものと認識するにとどまるものであって、本願商標は、特定人によるその独占使用を認めるのは公益上適当でないとともに、自他役務識別力を欠くものというべきである。
また、前記のとおり、本願商標は、標準文字で表してなるものであるから、その態様上顕著な特徴は認められない。
したがって、本願商標は、前記指定役務との関係において、その役務の質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であるから、商標法第3条第1項第3号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、本願商標の構成中、「キャリア」の文字は、多様な意味を有するものであって、本願商標において、どの意味で用いられているのか客観的に特定することはできない旨を主張する。
しかしながら、「キャリア」の文字が、「経歴」、「職業、特に専門的な知識や技術を要する職業に就いていること」の意味を有し、かつ、別掲1に示すとおり、この文字が前記の意味で使用されている実情があるから、これらの実情を踏まえれば、本願商標が、全体として「SNSによる転職等のキャリアに関する情報サービス」ほどの意味合いを容易に認識させるものであることは上記(1)のとおりである。
イ 請求人は、「SNS」の文字を商標中に含む過去の登録例を挙げ、本願もこれらと同様に判断されるべきである旨主張する。
しかしながら、登録出願に係る商標が、商標法第3条第1項第3号に該当するものであるか否かの判断は、当該登録出願の査定時又は審決時において、当該商標の構成態様と指定商品・指定役務の取引の実情等に基づいて、個別具体的に判断されるべきものであるところ、本願については前記(1)イのとおり判断するものであるから、請求人の挙げた登録例があることをもって、本願の判断を左右するものではない。
ウ したがって、請求人の前記主張は、いずれも採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。