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Trademark Appeal Case

サステナブルおむつの記述性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号2024020209
審判種別記載はありません。
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

結 論
本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

理 由

1 手続の経緯

本願は、令和5年11月1日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。

令和6年 7月 5日付け:拒絶理由通知書

令和6年 8月19日 :意見書、手続補正書の提出

令和6年 9月10日付け:拒絶査定

令和6年12月17日 :審判請求書の提出

2 本願商標

本願商標は、「サステナブルおむつ」の文字を標準文字で表してなり、第5類に属する願書に記載のとおりの商品を指定商品として登録出願されたものである。

その後、本願の指定商品は、上記1の手続補正書により、第5類「薬剤,歯科用材料,医療用油紙,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,パンティライナー(生理用のもの),脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド,綿棒,幼児用紙おむつ,おむつ,おむつカバー,乳児用のパンツ式おむつ,大人用おむつ,失禁用おむつ,失禁用吸収性パンツ,ペット用おむつ,乳幼児用粉乳,乳幼児用飲料,乳幼児用食品,動物用サプリメント(薬剤に属するものを除く。),動物用洗浄剤(殺虫剤),ティッシュに浸み込ませた医薬用ローション剤,医療用ペット用シャンプー,殺虫用の動物用シャンプー,サプリメント,はえ取り紙,防虫紙,栄養補助用飼料添加物(薬剤に属するものを除く。)」と補正されたものである。

3 原査定の拒絶の理由(要旨)

本願商標は、「サステナブルおむつ」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「サステナブル」の文字は、「持続可能であるさま。特に、地球環境を保全しつつ持続が可能な産業や開発などについていう。」等の意味を有する語であり、「おむつ」の文字は、「乳幼児などの股を覆って大小便を受ける布や紙。」等の意味を有する語であり、本願指定商品との関係において、おむつタイプのナプキンが取引されている実情が認められる。

ところで、本願商標構成中の「サステナブル」の文字は、2015年の国連サミットにおいて、「持続可能な開発目標(SDGs)」が採択されたことに伴い注目を集めており、「地球環境に配慮した持続可能な社会を実現するための取り組み」を表す語として使用されている実情が認められる。

そして、このような、地球環境に配慮した持続可能な社会を実現するための取り組みを行うことを企業理念として掲げて生産、販売される商品について、「サステナブル○○」(○○には商品を表す語が入る。)の語が使用されている実情が認められる。

また、本願指定商品を取り扱う業界において、環境に配慮して生産されたおむつやナプキンについて、「サステナブル布おむつ」や「サステナブルナプキン」の語が使用されている実情が認められる。

これらを考慮すれば、本願商標は、全体として「環境に配慮したおむつ」ほどの意味合いが生じるというのが相当である。

そうすると、本願商標を、その指定商品中の「環境に配慮したおむつに関する商品」、例えば「環境に配慮したおむつタイプの生理用ナプキン,環境に配慮したおむつ,環境に配慮した大人用おむつ,環境に配慮したペット用おむつ」等に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、単に商品の品質を普通に用いられる方法で表示したものとして認識するというべきである。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、上記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。

4 当審の判断

(1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について

本願商標は、「サステナブルおむつ」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成は、「サステナブル」の文字及び「おむつ」の文字を組み合わせてなるものと容易に理解できるものである。

そして、本願商標の構成中の「サステナブル」の文字は、「持続可能であるさま。特に、地球環境を保全しつつ持続が可能な産業や開発などについていう。」を意味する語(出典:デジタル大辞泉 株式会社小学館)であり、原審で提示した情報に加え、別掲のとおり、本願の指定商品を取り扱う業界を含む様々な分野において、環境に配慮した商品を表現する際に、「サステナブル○○」や「サステナブルな○○」(○○には商品を表す語が入る。)のように、「サステナブル」の文字を冠して取引されている実情が確認できる。

また、原審で提示したとおり、本願の指定商品を取り扱う業界において、おむつのような見た目のナプキンが取引されていることから、「おむつ」の文字は、「おむつ」そのものの意味のみならず、商品の型(タイプ)を表示したものとしても認識され得るものといえる。

そうすると、「サステナブル」の文字と「おむつ」の文字を結合させた本願商標は、全体として「環境に配慮したおむつ」ほどの意味合いを理解させるものであり、これをその指定商品中の「薬剤,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,パンティライナー(生理用のもの),幼児用紙おむつ,おむつ,おむつカバー,乳児用のパンツ式おむつ,大人用おむつ,失禁用おむつ,失禁用吸収性パンツ,ペット用おむつ」に使用しても、これに接する取引者、需要者は、当該商品が、「環境に配慮したおむつ」、「環境に配慮したおむつタイプの商品」及び「環境に配慮したおむつ用の商品」等、「環境に配慮したおむつに関する商品」であることを理解するにとどまるから、本願商標は、単に商品の品質を普通に用いられる方法で表示するにすぎないものである。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、また、これを上記「環境に配慮したおむつ」と何ら関係のない商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。

(2)請求人の主張について

ア 請求人は、本願商標は、請求人が創作した多様な意味合いを想起させ得る造語であり、本願の指定商品等が取り扱われる業界において、商品の特性等を表す表示として一般的に使用されている事実もない旨主張する。

しかしながら、上記(1)のとおり本願商標構成中の「サステナブル」の文字は、「持続可能であるさま。特に、地球環境を保全しつつ持続が可能な産業や開発などについていう。」を意味する語であり、本願の指定商品を取り扱う業界を含む様々な分野において、環境に配慮した商品を表現する際に、「サステナブル」の文字を冠して取引されている実情が確認できることからすれば、本願商標は、構成全体として「環境に配慮したおむつ」ほどの意味合いを容易に認識させるというべきである。

イ 請求人は、「サステナブル」の文字を含む過去の登録例を挙げて、それらと同様に本願商標についても登録を認められるべきであり、それら登録例の存在が、本願商標についての自他商品等識別力を考慮する上での判断材料にならないというのであれば、拒絶理由通知においてあげられた引用情報もまた、本願商標の指定商品に関する取引の実情を考慮したものとは言えず、本願商標が本願に係る指定商品との関係で自他商品等識別力を有するか否かについての判断材料とはならない旨主張する。

しかしながら、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第3号に該当するものであるか否かの判断は、当該商標登録出願の査定時又は審決時において、当該商標の構成態様と指定商品及び指定役務との関係や、その商品及び役務の分野における取引の実情をも踏まえて、個別具体的に判断されるべきものであるところ、請求人の挙げた登録例は、商標の構成文字が異なるものであり、指定商品及び指定役務も一致するものばかりではないなどの点において、本願商標とは、事案を異にするものというべきであるから、過去の登録例が存在することをもって、本願商標の登録の適否の判断基準とするのは必ずしも適切ではない。

また、商標法第3条第1項第3号に掲げる商標が商標登録の要件を欠くとされているのは、このような商標は、指定商品との関係で、その商品の産地、販売地、品質、形状その他の特性を表示記述する標章であって、取引に際し必要適切な表示として何人もその使用を欲するものであるから、特定人によるその独占使用を認めるのは公益上適当でないとともに、一般的に使用される標章であって、多くの場合自他商品の識別力を欠くものであることによるものと解される(最高裁昭和54年4月10日第三小法廷判決・同53年(行ツ)第129号参照)。そうすると、出願に係る商標が、その指定商品について商品の品質等を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であるというためには、本件審決の時点において、当該商標が当該商品との関係で商品の品質等を表示記述するものとして取引に際し必要適切な表示であり、当該商標の取引者、需要者によって当該商品に使用された場合に、将来を含め、商品の品質等を表示したものと一般に認識されるものであれば足りると解される。そして、当該商標の取引者、需要者によって当該商品に使用された場合に商品の品質等を表示したものと一般に認識されるかどうかは、当該商標の構成やその指定商品に関する取引の事情を考慮して判断すべきである(知財高裁令和4年1月25日第3部判決・同3年(行ケ)第10113号参照)。

商標法第3条第1項第3号の趣旨は上記のとおりに解されるべきものであり、「サステナブルおむつ」の文字からなる商標について、その構成や指定商品に関する取引の実情を考慮して、本願の指定商品に使用された場合に、その取引者、需要者が本願の指定商品の品質を普通に用いられる方法で表示したものと一般に認識するものであることは上記(1)のとおりであるから、請求人の主張はその前提において誤りがあり、その主張は採用できない。

ウ したがって、請求人の主張はいずれも採用することができない。

(3)まとめ

以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当し、登録することができない。

よって、結論のとおり審決する。

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