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Trademark Appeal Case

指定役務と使用役務の同一性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号2024300382
審判種別記載はありません。
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

結 論
登録第6266886号商標の指定役務中、第35類「マーケティング,商品の販売促進又は役務の提供促進のための企画及び実行の代理,商品の販売に関する情報の提供及びコンサルティング,マーケティングのための市場実態調査,ビジネスコンサルティング,経営コンサルティング,経営の診断又は経営に関する助言,インターネットによる商品の売買契約の媒介及び取次ぎ,インターネットにおけるショッピングモールを介した商品の売買契約の媒介又は取次,インターネットによる商品の通信販売の取次ぎ,インターネットを利用したビジネス情報の提供」についての商標登録を取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。

理由テキスト

理 由

第1 本件商標

本件登録第6266886号商標(以下「本件商標」という。)は、「オファくる」の文字を標準文字で表してなり、令和元年6月3日に登録出願され、「マーケティング,商品の販売促進又は役務の提供促進のための企画及び実行の代理,商品の販売に関する情報の提供及びコンサルティング,マーケティングのための市場実態調査,ビジネスコンサルティング,経営コンサルティング,経営の診断又は経営に関する助言,インターネットによる商品の売買契約の媒介及び取次ぎ,インターネットにおけるショッピングモールを介した商品の売買契約の媒介又は取次,インターネットによる商品の通信販売の取次ぎ,インターネットを利用したビジネス情報の提供」(以下「請求指定役務」という。)を含む第35類に属する商標登録原簿に記載の役務を指定役務として、同2年7月7日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

そして、本件審判の請求の登録日は、同6年6月26日であり、その請求の登録前3年以内の同3年6月26日から同6年6月25日までの期間を以下「要証期間」という。

第2 請求人の主張

請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第2号証を提出している。

1 請求の理由

本件商標は、その指定役務中、請求指定役務について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。

2 答弁に対する弁駁

(1)本件商標を使用したウェブページを通じて提供される役務(被請求人提供役務)は、一般的には「ダイレクトリクルーティング」と呼ばれるサービスであり、企業が必要に応じて行う人材募集を効率的に行うためのダイレクトリクルーティングを支援する役務であって、類似群コード35D01に属する「人材募集」あるいは「人材の紹介」に該当する。

被請求人提供役務には、採用戦術に関する提案を行うといった内容は含まれておらず、「ビジネスコンサルティング」の役務を提供するものとはいえない。

(2)ウェブページ内の各コラム(乙9)は、自社サービスを使用した企業の成功事例(乙10、乙11)が掲載されているものであり、自社サービスの広告・宣伝を目的としたものであって、この情報提供が取引の目的となっているものではない。また、被請求人が自社のホームページ内で提供している情報は、どのように人材採用を行うかといった内容であるから、仮にこれが独立して取引の対象となる役務であったとしても、類似群コード35D01に属する「人材募集に関する情報の提供」あるいは「人材紹介に関する情報の提供」に該当し、「インターネットを利用したビジネス情報の提供」に該当するものではない。

(3)ウェブページ(乙12)には、「オファくる千葉」がダイレクトリクルーティングを行うためのサイトであることが説明されているにすぎず、単なる広告・宣伝としての記載がされているものであって、この情報提供が取引の目的となっているものではない。

(4)被請求人は、メルマガ(乙14、乙15)を通じて「インターネットを利用したビジネスの提供」を行っていると主張しているが、単に「オファくる千葉」の広告・宣伝のためのキャンペーンを告知するものにすぎない。

(5)被請求人は、セミナーを開催し、そのセミナーにおいて本件商標の採用戦略の立案支援を行っている旨主張している(乙16、乙17)が、乙第17号証の記載は、「オファくる千葉」がダイレクトリクルーティングを行うためのサイトであることを紹介するものであって、本件商標を使用して経営コンサルティングを行っていることの証拠にならない。

第3 被請求人の主張

被請求人は、「本件審判の請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とする。」との審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第17号証を提出している。

1 本件商標権者は、自社のホームページ内で、「ビジネスコンサルティング」について、本件商標を使用している(乙3)。本件商標権者は、自社ホームページ内において、「オファくる千葉」という名称を使用し、企業に対して採用戦術に関する提案を行っている。本件商標権者の営業活動は、企業の採用環境をヒアリングし、適切な採用戦略の立案を支援することに始まり、その結果として自社サービスの利用を提案しており、地域の中小企業において、採用戦略の立案は経営の根幹をなす重要な要素であり、出願人が行うこれらの支援は、ビジネスコンサルティングに該当する。

2 自社のホームページのウェブページ(乙9~乙11)では、「採用コラム」と称して、採用に成功した事例等を紹介しており、「インターネットを利用したビジネス情報の提供」を行っているといえる。

3 ウェブページ(乙12)では、採用戦略について記載されており、本件商標権者が「ビジネスコンサルティング」や「インターネットを利用したビジネス情報の提供」を行っていることの証拠となる。

4 本件商標権者は、メルマガ(乙14、乙15)を通じて顧客に「オファくる」を活用したダイレクトリクルーティングの積極的な取り組みを提案しており、「インターネットを利用したビジネス情報の提供」について「オファくる」を使用している。

5 本件商標権者はセミナーを開催しており(乙16、乙17)、そのセミナーで「オファくる」を用いて採用戦略の立案(経営コンサルティング)を行っている。

第4 審尋及び被請求人の回答

1 審判長は、令和7年3月17日付け審尋において、被請求人に対し、被請求人が提出した証拠によっては、本件商標権者が商標法第50条第2項に規定する本件商標の使用をしている事実を証明したものとは認めることができない旨の合議体の暫定的見解を示すとともに、請求人提出の弁駁書に対する回答を求めた。

2 被請求人は、上記1の審尋に対し何らの応答もしていない。

第5 当審の判断

1 被請求人提出の証拠の内容

(1)本件商標権者の「オファくる千葉」のHPについて(乙3、乙9~乙11)

ア 乙第3号証は、左上に「オファくる千葉」の表示があり、「オファくる千葉」のHPの内容を示すものである。

そして、「ABOUT オファくる千葉とは」の項目において、「千葉県での採用に特化した、ダイレクトリクルーティングサービス」、「求める人材を希望の条件で検索し、求職者に直接オファーを送ることが可能です」と記載されている。このことから、「オファくる千葉」のHPにおいて、「オファくる千葉」の表示は、企業が能動的に採用活動を行うことに関する役務を指す「ダイレクトリクルーティングサービス」それ自体の名称を示すものとして用いられているものである。

イ 乙第9号証ないし乙第11号証は、左上に「オファくる千葉」の表示があり、「オファくる千葉」のHPの内容を示すものである。そして、これらにおいては、「採用コラム」の見出しの下、採用事例を紹介するコラムの内容が示されており、個別のコラムのタイトルや内容において、「オファくる千葉」の表示や「千葉」を伴わない「オファくる」のみの表示があるところ、これらはいずれも、上記アの「ダイレクトリクルーティングサービス」である「オファくる千葉」を示すものとして用いられていることが明らかである。

(2)本件商標権者の「ちばキャリ」のHPについて(乙1、乙2、乙12)

乙第1号証、乙第2号証及び乙第12号証は、左上に「ちばキャリ」の表示があり、「ちばキャリ」のHPの内容を示すものであり、そのうち乙第12号証は、当該HPにおける、タイトルが「千葉の中小企業が求人サイトを使うべき3つの理由と検討すべき採用手法」である記事の内容を示すものである。

そして、「○2 ダイレクトリクルーティング」の項目において、「ちばキャリでも昨年よりダイレクトリクルーティング専門の「オファくる千葉」というサイトを運営しています。・・・「オファくる千葉」だけで、1年で5名の採用に成功している企業様もいらっしゃいます。」との記載において「オファくる千葉」の記載がある。

乙第2号証にも「逆求人サイト「オファくる千葉」の運営」などとして「オファくる千葉」の記載がある。

(3)メールについて(乙14、乙15)

タイトルが「5社限定!「オファくる千葉」オファー代行サービスの無料トライアル提供のお知らせ」である、本件商標権者の担当者宛てのメール(乙14、乙15)には、「早速ですが、「オファくる千葉」のオファー代行サービスの無料トライアルのご案内でご連絡させていただきました。「オファくる千葉」の運用を開始して3年以上が経過しましたが、・・・」等の内容の記載がある。

(4)セミナー資料について(乙17)

タイトルが「中小企業がローカル採用を成功させるための採用力向上のススメ」であるセミナーの資料(乙17)は、本件商標権者の代表取締役が行ったセミナーの資料であって、その4ページの「ちばキャリとは」の項目及び31ページ~33ページの「最後に 04 弊社のサービスについて」の項目において、「オファくる千葉」が記載されている。

(5)その他

上記(1)ないし(4)に示したもの以外の乙号証には、使用商標とおぼしき表示が見当たらない。

2 上記1において認定した事実によれば、以下のとおり判断できる。

(1)使用役務について

ア 「オファくる千葉」のHPについて

上記(1)によれば、「オファくる千葉」のHPの内容は、「採用コラム」の内容も含め、全体として、「オファくる千葉」の名称で提供されているダイレクトリクルーティングサービスの広告であることが明らかである。そして、ダイレクトリクルーティングサービスは、上記1(1)のとおり、企業が採用活動を行うことに関する役務を指すものであって、第35類の「人材募集」ないし「人材の紹介」の範ちゅうに属する役務といえるから、「オファくる」又は「オファくる千葉」の文字は、請求指定役務のいずれかについて使用されているとはいえない。

イ 「ちばキャリ」のHPについて

上記1(2)によれば、「ちばキャリ」のHPにおける「オファくる千葉」の文字は、ダイレクトリクルーティング専門のサイトの名称を示すものとして使用されていることが明らかであり、請求指定役務のいずれかについて使用されているとはいえない。

ウ メールについて

上記1(3)のメールのタイトル及び内容の記載における「オファくる千葉」の文字は、ダイレクトリクルーティング専門のサイトの名称を示すものとして使用されていることが明らかであり、請求指定役務のいずれかについて使用されているとはいえない。

エ セミナー資料について

上記1(4)のセミナーの資料における「オファくる千葉」の文字は、ダイレクトリクルーティングサービスの名称を示すものとして使用されていることが明らかであり、請求指定役務のいずれかについて使用されているとはいえない。

(2)小括

してみると、被請求人が提出する乙第1号証ないし乙第17号証は、いずれも請求に係る指定役務についての本件商標(本件商標と社会通念上同一の商標を含む。以下同様。)の使用を証明するものでない。

3 まとめ

以上のとおり、被請求人が提出する乙第1号証ないし乙第17号証は、いずれも、請求に係る指定役務について本件商標を使用したことを証明するものでなく、他に請求人が本件審判の請求の登録前3年以内に請求に係る指定役務について、本件商標を使用していることを証明するものはない。よって、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかがその請求に係る指定役務のいずれかについての本件商標の使用をしていることを証明したものということはできない。

また、本件商標を請求に係る指定役務について使用していないことについて正当な理由があるものとも認められない。

したがって、本件商標は、商標法第50条の規定により、その指定役務中、結論掲記の役務について、その登録を取り消すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。

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