sokuhyo

Trademark Appeal Case

登録商標と使用態様の同一性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号2024300646
審判種別記載はありません。
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

理 由

第1 本件商標

本件登録第5339837号商標(以下「本件商標」という。)は、「AXIS」の文字を標準文字で表してなり、平成21年3月2日に登録出願、第9類「測定機械器具」を指定商品として、同22年7月23日に設定登録されたものである。

そして、本件審判請求の登録は、令和6年10月2日にされたものであり、この登録前3年以内の期間(令和3年10月2日~同6年10月1日)を、以下「要証期間」という。

第2 請求人の主張の要点

請求人は、本件商標の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、審判請求書、令和6年12月11日付け審判事件答弁書(以下「答弁書」という。)に対する同7年2月25日付け審判事件弁駁書(以下「弁駁書」という。)において、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第6号証(枝番号を含む。)を提出した。

なお、以下、証拠の表示については、「甲第○号証」を「甲○」、「乙第○号証」を「乙○」のように、簡略して表記する場合があり、枝番号をすべて示すときは枝番号の記載を省略する。

1 請求の理由

本件商標は、その指定商品(以下「本件審判請求に係る指定商品」という。)について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、その登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである

2 弁駁書による主張

(1)乙第1号証ないし乙第5号証における標章の使用が本件商標の使用に該当しないこと

乙第1号証、乙第2号証及び乙第5号証において、被請求人が矢印で示す箇所を見る限り、「AXISテラ TY10m」の製品写真を除き、「AXISテラ」の文字及び「AXIS TERA」のロゴのように、常に「AXIS」に「テラ」又は「TERA」の文字が付加された態様にて表されており、「AXIS」の文字単独での使用は見当たらない。この点、被請求人自身も、レーザー墨出し器の製品名が「AXISテラ TY10m」である旨述べているところである(答弁書6項(3))。なお、乙第1号証、乙第2号証及び乙第5号証に掲載されているレーザー墨出し器の表示が、「AXISテラ KYR10m」、「AXISテラ KY10m」、「AXISテラ TYE10m」、「AXISテラ TY10m」であるところ、後半の「KYR10m」、「KY10m」、「TYE10m」、「TY10m」は、製品の仕様(照射ラインの方向)を表すものにすぎず(甲2)、製品の名称は「AXISテラ」(以下「本件使用標章1」という。)というべきである。

さらにいうならば、被請求人提出のカタログ(乙1、乙2)によれば、被請求人は、数あるレーザー墨出し器のシリーズのうち、高輝度・高耐久を特徴とするレーザー墨出し器のシリーズとして「TERA」シリーズを展開しており、「TERA」シリーズ下にある商品のうち、製品名「NAVI TERAセンサー」の商品を除いた全てのレーザー墨出し器の製品名として常に「AXISテラ ●●」を使用していることがうかがえ、被請求人自身も、答弁書にてその旨述べている。

そして、被請求人のこれらレーザー墨出し器に「AXISテラ」の製品名が使われていることは、Amazonの販売ページ(乙5)においても同様である(なお、ヘッダー情報においても「AXISテラ」が使用されている。)。このほか、大手オンラインショップ「楽天」や「YAHOO!ショッピング」においても被請求人のレーザー墨出し器が販売されている事実が見受けられるが、これらの製品名のいずれにおいても、「AXISテラ ●●」が使用され、かかる製品名で商品が取引されている(甲3)。

上述の被請求人のレーザー墨出し器に使用されている本件使用標章1を本件商標と比較すると、これらは社会通念上同一の商標に該当しないというべきである。すなわち、(1)本件使用標章1からは、その構成文字に相応して「アクシステラ」との称呼が生じるところ、かかる称呼は全体で6音であり冗長とはいえず、淀みなく一気一連に称呼可能なものである点、(2)本件使用標章1は構成文字が顕著に分離することなく、外観上まとまりよく一体的に表されたものといえる点、(3)本件使用標章1の構成中、後半部分「テラ」及び「TERA」はレーザー墨出し器の内容・品質等を表示する語に該当せず、自他商品識別力を有するものといえる点等を考慮すると、実際の商取引において、本件使用標章1の構成中「テラ」及び「TERA」の文字が捨象されるべき特段の理由はなく、むしろ本件使用標章1は全体として一体不可分の商標として認識されるべきものである。なお、本件使用標章1中、レーザー墨出し器の銘板部分に付されたロゴ商標「AXIS TERA」は、構成文字の書体等の態様が相違するものの、四角の枠の中に同一の色彩でバランス良く配置されており、全体として一つの自他商品識別標識として認識されるべきものである。

これを前提に、「AXIS」の文字を標準文字で表してなる本件商標と本件使用標章1の全体を比較すると、後者に含まれる「テラ」又は「TERA」の文字によって、両者は別異の商標として認識されるべきものであり、商標法第50条第1項で「社会通念上同一と認められる商標」で挙げられている「本件商標の書体のみに変更を加えた同一の文字からなる商標」、「本件商標の平仮名、片仮名及びローマ字の文字の表示を相互に変更するものであって同一の称呼及び観念を生ずる商標」、「外観において本件商標と同視される図形からなる商標」のいずれにも該当せず、これらと同程度のものということもできない。よって、本件使用標章1が本件商標と社会通念上同一の商標に該当しないことは明らかである。かかる主張に関して、商標法第50条第1項の取消審判及び同審判の審決に対する取消訴訟において、登録商標を構成する文字に他の文字を付加した商標(ロゴ化されたものを含む。)の使用が、登録商標と社会通念上同一の商標の使用に該当しないと判断された審決例及び裁判例が複数認められる。

以上より、本件使用標章1は本件商標とは社会通念上同一の商標に該当しないため、被請求人による本件使用標章1の使用は本件商標の使用に該当しない。

なお、唯一、乙第4号証において示された、製品名「AXISテラ TY10m」に係るレーザー墨出し器の正面の銘板部分に付されたロゴ(同商品は乙1の右下ページ番号138ページ下段部分、乙2の右下ページ番号28ページ下段部分に掲載。以下、「本件使用標章2」という。)のみ、ロゴ化された「AXIS」の欧文字が単独で使用された態様であるとも考えられなくはない。しかしながら、商標法第50条の立法趣旨に鑑みれば、同法第50条における登録商標の使用は、同法の保護対象たる業務上の信用の蓄積に資する商標の使用である必要があり、登録商標の使用が形式的には同法第2条第3項各号に規定される「使用」に該当する場合であっても、それにより登録商標に業務上の信用が蓄積しているとは認められない場合には、登録商標の使用を裏付けるものとはいえないというべきである。

しかるに、本件使用標章2は、製品名「AXISテラ TY10m」に係るレーザー墨出し器の正面の銘板部分のみに付されており、カタログ(乙1、乙2)における同製品の品名は「AXISテラ TY10m」である。また、2024年9月12日付けで請求人が被請求人のウェブページより取得した当該商品の精度証明書における製品名も「AXISテラ TY10m」と記載されており、いずれも「AXIS」の文字が独立して認識される態様で表示されているものではない(甲4の1)。その他、大手オンラインショップ「楽天」などにおいても本件使用標章2に係る商品の製品名は「AXISテラ TY10m」である(甲4の2)。

また、カタログ(乙1、乙2)に掲載されている「AXISテラ」に係るレーザー墨出し器の品番は、全て「AXT-●●」という文字構成である。ここで、被請求人のウェブページ中の「修理対応終了機種」(甲5)によれば、2010年5月に廃番となったレーザー墨出し器として、「AXIS TYE10m」、「AXIS KY10m」、「AXIS KYR10m」が列挙されているが、これらの商品のそれぞれの品番は「AX-TYE」、「AX-KY」、「AX-KYR」であり、いずれも「AX-●●」という文字構成であり、被請求人のレーザー墨出し器の品番中の「AX」の文字が製品名「AXIS」の語頭文字であることは想像に難くない。これを踏まえると、カタログ(乙1、乙2)に掲載されている「AXISテラ」に係るレーザー墨出し器の品番「AXT-●●」(製品名「AXISテラ TY10m」の品番「AXT-TY」を含む。)の前半部分「AXT」は、「AXIS」及び「TERA」の語頭文字の組合せであることがうかがえる。

また、製品名「AXIS ●●」(「テラ」の文字を含まない製品名)に係るレーザー墨出し器は2010年5月に廃番となっていることからして、本件審判請求の要証期間においては、当該製品とは専ら異なる製品(高輝度・高耐久を特徴とする「TERA」シリーズに属するレーザー墨出し器「AXISテラ」)として、「AXISテラ」に係るレーザー墨出し器の販売及び取引が行われているといえる。

さらに、本件商標の使用商品である「レーザー墨出し器」は、主に建築業や土木業で使用される機器である。当該機器の取引者・需要者として建築業や土木業の従事者(専門職とする者)や近年はDIYで使用する者もみられるが、いずれにしても、これらの者が、数ある製品の中から、カタログや製品情報を吟味し、照射ラインの方向(上述のとおり、被請求人の製品品番中、「KYR」、「KY」、「TYE」、「TY」は製品の照射ラインの方向を意味している。)、照射ラインの数、ライン精度、自動補正範囲、等の種々の性能、電源の方式、大きさ・重量などを比較検討し、高い注意力をもって、選択し、購入し、使用するものであって、子供から大人までが店頭で商品のみを見て選別するという一般消費者向けの商品とは大きく異なるものである。そうである以上、「レーザー墨出し器」の取引者・需要者は、レーザー墨出し器の正面の銘板部分のみに表されたロゴをもって取引するのではなく、「AXISテラ」という製品名又は商標を目印に、商品の販売及び取引を行うものといえる。

加えて、カタログ(乙1、乙2)における製品名「AXISテラ TY10m」(品番「AXT-TY」)に係るレーザー墨出し器の製品写真中の商品銘板は極めて小さいため、一見して本件使用標章2を視認することはおよそ困難であるといわざるを得ない。これについては、被請求人が、カタログ(乙1、乙2)における製品名「AXISテラ TY10m」(品番「AXT-TY」)に係るレーザー墨出し器の製品写真が小さいことを理由として、同製品のより鮮明な(拡大した)製品写真(乙4)を提出していることが何よりの証左である。

なお、要証期間内に、取引者、需要者、被請求人において、本件使用標章2を除き、「AXIS」単体で取引されていることを裏付ける注文書、納品書などの証拠も提出されていない。

以上の点を総合的に考慮すれば、製品名「AXISテラ TY10m」(品番「AXT-TY」)は、取引者、需要者、ひいては被請求人自身において、「TERA」シリーズ下の一商品として、専ら「AXISテラ」に係るレーザー墨出し器として現実に取引されているものであって、当該商品に係る使用によって商標法で保護すべき業務上の信用が蓄積されているのは、「AXISテラ」のみと考えるのが相当である。

すなわち、本件使用標章2が製品名「AXISテラ TY10m」に係るレーザー墨出し器の正面の銘板部分に付されていることのみを通じて、本件商標に、商標法の保護対象たる業務上の信用が蓄積されているとは考え難く、本件商標の使用を裏付けるものとはいえない。

したがって、本件使用標章2の使用も本件商標の使用には該当しないものであるから、いずれの証拠を踏まえても、本件商標は本件審判により取り消されるべきものであって、保護されるべき業務上の信用が蓄積されていない本件商標の登録を維持することは、上記不使用取消審判制度の立法趣旨に反するものである。

なお、付言すると、本件使用標章2は、ロゴ化された「AXIS」の欧文字からなる標章と思われるが、本件使用標章2の構成中、特に欧文字「A」に相当する文字の図案化の程度が顕著であることから、本件使用標章2から「AXIS」の欧文字を判読可能であるかどうかについては疑義がある。本件使用標章2から「AXIS」の欧文字を判読不可能であるとすれば、本件使用標章2は本件商標から書体のみに変更を加えた同一の文字からなる商標等の範ちゅうを超えるものであるといえるため、本件商標との社会通念上の同一性は否定されるのが相当であり、被請求人による本件使用標章2の使用は本件商標の使用に該当しない。

さらにいうと、本件使用標章2は、本件商標とは外観上顕著な差異を有することにより、両商標は全体として非類似の商標であるとも考えられるところであり、商標非類似であるとすれば、当然に、本件使用標章2は本件商標と社会通念上同一の商標には該当しない。

かかる点の考慮材料として、通常書体の文字からなる商標とロゴ化された文字からなる商標が、特許庁において非類似と判断された審決・決定例が多数存在する。

(2)結論

以上のとおり、被請求人が提出した証拠は、いずれも本件商標と同一又は社会通念上同一の商標を使用したことを裏付けるものではなく、商標法第50条における「登録商標の使用」には該当し得ないから、本件商標は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきである。

第3 被請求人の主張の要点

被請求人は、結論同旨の審決を求め、答弁書において、その理由を要旨、以下のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第5号証を提出した。

1 主張の要旨

本件商標の権利者(以下「本件商標権者」という。)は、本件商標を要証期間に、日本国内において、本件審判請求に係る指定商品に使用していた。

2 答弁の理由

(1)本件商標権者は、レーザー機器(測量機器)等の建築用ハンドツールやシステムキッチンの製造と販売を主な事業とする法人であり、本件商標権者の「2022年総合カタログ」(乙1)及び「2022レーザー墨出し器カタログ」(乙2)において示すように、本件商標をその指定商品に含まれる「レーザー墨出し器」(以下「本件使用商品」という。)について、要証期間に、日本国内において使用している。

(2)本件商標権者は、「2022年総合カタログ」(乙1)及び「2022レーザー墨出し器カタログ」(乙2)を、同人のウェブサイトにおいて電子出版物として公開するとともに、紙媒体についても取引先に配布したものである。

乙第1号証のカタログは、2022年1月1日にWEBカタログとして掲載され(乙3)、紙媒体が2022年1月17日を発行日として配布され、また、乙第2号証のカタログは、2022年3月18日にWEBカタログとして掲載され(乙3)、紙媒体が2022年3月7日を発行日として配布されている。

なお、本件使用商品の製品名「AXISテラ TY10m」の製品写真(乙2)が小さいため、同「AXISテラ TY10m」のより鮮明な製品写真(乙4)を提出し、これに示されるように、本件商標が本件使用商品に使用されている。

(3)被請求人の提出する乙1及び乙2の証拠においてゴシック体の文字で表示されている「AXIS」と、標準文字からなる本件商標とは、社会通念上同一の商標であることは明白である。

また、乙4に表示されたロゴ化された「AXIS」も、視覚上の印象を高めるために、文字にデザインを施すなどの表現方法を用いて表すことは、取引社会において極々一般的に行われており、当該「AXIS」も、本件商標とは、社会通念上同一の商標である。

(4)本件商標は、レーザー墨出し器の製品名として使用されたものである(乙1、乙2)。「レーザー墨出し器」は、レーザーの光を壁や天井、床に照射することで、水平や垂直などの基準線を作り出せる精密測定工具を意味し、第9類「測定機械器具」に属する点が明白である。

(5)小括

したがって、本件商標権者は、本件商標を、その指定商品に含まれる「レーザー墨出し器」について、要証期間内に、日本国内において使用している。

第4 当審の判断

1 被請求人の立証責任

商標法第50条による商標登録の取消審判の請求があったときは、同条第2項の規定により、被請求人において、その請求に係る指定商品のいずれかについての登録商標の使用をしていることを証明し、又は使用をしていないことについて正当な理由があることを明らかにしない限り、その登録の取消しを免れない。

すなわち、本件商標の使用をしていることを証明するには、商標法第50条第2項に規定されているとおり、被請求人は、ア 要証期間に、イ 日本国内において、ウ 本件商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、エ 本件審判請求に係る指定商品のいずれかについての、オ 本件商標又は本件商標と社会通念上同一の商標の使用(商標法第2条第3項各号のいずれかに該当する使用行為)をしていることをすべて証明する必要がある。

2 被請求人の提出した乙各号証によれば、以下のとおりである。

(1)乙第1号証は「2022年総合カタログ」と題するものであり、また、乙第2号証は「2022レーザー墨出し器カタログ」と題するものであって、いずれも、本件商標権者が同人のウェブサイトにおいて公開した電子出版物(電子カタログ)であり、紙媒体としても取引先に配布したものと主張するものである。

(2)乙第1号証及び乙第2号証の各8葉目の記載(「製品に関するお問い合わせは」としてメールフォームのURL及び電話番号の記載があり、「発行日」として、乙1は「2022年1月17日」と、乙2は「2022年3月7日」との記載があり、さらに、本件商標権者の名称が記載されている。)、並びに、各3葉目ないし7葉目の左下又は右下に数字が記載されている。

(3)乙第1号証の3葉目(左下に「117」の数字がある。)には、「レーザー墨出し器」の見出しの下、「レーザー墨出し器 シリーズ」として、「GEEZA ジーザ」、「ZERO G ゼロジー」、「ZERO BLUE ゼロブルー」、「TERA テラ」及び「ZERO ゼロ」の記載があり、同5葉目(左下に「137」の数字がある。)には、「レーザー墨出し器」の見出しの下、赤字横長矩形内に白抜き文字で「TERA」の文字、その下段に「AXISテラ KYR10m」及びその下段部にレーザー墨出し器の画像、さらには、その画像等の右下部に、「品名」、「価格」、「JANコード」等の見出し及びそれに対応する記載が表形式でなされており、それらの記載の下部には、赤字横長矩形内に白抜き文字で「TERA」の文字、その下段に「AXISテラ KY10m」及びその下段部にレーザー墨出し器の画像、さらには、その画像等の右下部に、「品名」、「価格」及び「JANコード」等の見出し及びそれに対応する記載が表形式でなされている。

(4)乙第2号証の3葉目(左下に「7」の数字がある。)には、「ライン色・高輝度・高出力・高機能 ―TaJImaLASER」の見出しの下、「レーザー墨出し器 シリーズ」として、「ZERO BLUE ゼロブルー」、「GEEZA ジーザ」、「ZERO G ゼロジー」、「TERA テラ」及び「ZERO ゼロ」の記載があり、同5葉目(左下に「27」の数字がある。)には、「テラ/TERA」の見出しの下、赤字横長矩形内に白抜き文字で「TERA」の文字、その下段に「AXISテラ KYR10m」及びその下段部にレーザー墨出し器の画像、さらには、その画像等の右下部に、「品名」、「価格」、「JANコード」等の見出し及びそれに対応する記載が表形式でなされており、それらの記載の下部には、赤字横長矩形内に白抜き文字で「TERA」の文字、その下段に「AXISテラ KY10m」及びその下段部にレーザー墨出し器の画像、さらには、その画像等の右下部に、「品名」、「価格」及び「JANコード」等の見出し及びそれに対応する記載が表形式でなされている。

(5)乙第3号証は、本件商標権者のウェブサイト中、「お知らせ」の見出しのサイトであり、「2022.03.18 トピックス 「2022レーザー墨出し器カタログ」WEBカタログ掲載のお知らせ」及び「2022.01.01 トピックス 「2022年総合カタログ」WEBカタログ掲載のお知らせ」の記載がある。

(6)乙第4号証は、本件商標権者が販売するレーザー墨出し器「AXISテラ TY10m」の製品の、正面写真とするものである。

3 判断

以上、上記2によれば、以下のとおり判断できる。

(1)使用商品について

使用商品は、「レーザー墨出し器」であり、本件審判の請求に係る指定商品「測定機械器具」の範ちゅうに属する商品といえる。

(2)使用商標について

乙第1号証及び乙第2号証は、上記認定及び被請求人の主張の全趣旨から、本件商標権者のウェブサイト上に公開されたカタログ「2022年総合カタログ」(乙1)及び「2022レーザー墨出し器カタログ」(乙2)の抜粋をプリントしたものであり、それらのうち左下又は右下に数字が記載されたものは、当該数字がページ番号であるといい得る。

そして、乙第1号証の117ページ及び乙第2号証の7ページの表示からすると、本件商標権者のカタログに掲載されているレーザー墨出し器には、複数の機種があって、5つのシリーズ商品に分けられており、それらのシリーズの中の一が「TERA テラ」のシリーズ商品であるといえる。

そして、当該カタログ中、上記認定した「137ページ」(乙1)及び「27ページ」(乙2)に表示された、赤字横長矩形内に白抜き文字で「TERA」の文字及びその下段の「AXISテラ」の文字は、当該ページに掲載されたレーザー墨出し器が、「TERA テラ」とされるシリーズの商品であると認められ、そして、その個別商品群の商品名として「AXIS」の文字が使用されているというべきである。

また、当該「AXISテラ」の文字は、欧文字と片仮名とを横書きしてなるところ、文字種を異にすること、「AXISテラ」の一連の文字は辞書等に載録されている語とは認められないものの、「AXIS」の文字は「軸」の意味を(新英和中辞典第7版(株式会社研究社))、「テラ」の文字は「1兆倍を表す単位の接頭辞」の意味を(広辞苑第7版(株式会社岩波書店))それぞれ有する語であり、それぞれの文字部分に着目する場合もあるという構成をも加味すれば、当該カタログに使用されたゴシック体の文字で表された「AXIS」の文字(語)が、「TERA テラ」のレーザー墨出し器のシリーズ商品の中で個別に用いられる商品について使用されている商標(以下「使用商標」という。)と認識されるというべきである。

そうすると、普通に用いられる書体で表された使用商標「AXIS」は、標準文字で表されている本件商標「AXIS」とは、書体のみに変更を加えた同一の文字からなる商標であるから、社会通念上同一の商標と認められる。

(3)使用者、使用時期及び使用行為について

本件商標権者は、同人のウェブサイト上において、乙第1号証及び乙第2号証のカタログをWEBカタログとして公開しており、その公開時期について本件商標権者のウェブサイト中「お知らせ」(乙3)の掲載情報によれば、乙第1号証のカタログは、2022年1月1日にWEBカタログとして掲載され、また、乙第2号証のカタログは、2022年3月18日にWEBカタログとして掲載され、それぞれウェブサイト上で公開されていたといい得るもので、それらのWEBカタログの掲載日(公開日)は、いずれも要証期間内である。

そして、WEBカタログは、本件商標権者のウェブサイトにおいて掲載されていたというべきであり、使用商標が表示されているWEBカタログを掲載したウェブサイトが本件商標権者によるものであることから、使用商標の使用者は、本件商標権者であり、また、WEBカタログには、使用商標を使用した本件使用商品について、商品の画像や、商品の詳細、価格、重量、付属品などの記載もされているものであって、当該商品の販売のために本件商標権者のウェブサイトに掲載されていたものといえるから、当該ウェブサイトにおいて、本件使用商品を始めとする取扱いに係る各種レーザー墨出し器が本件商標権者により販売されるために広告されていたものと推認することができる。

そうすると、本件商標権者による上記行為は、本件商標権者が要証期間に行った、商標法第2条第3項第8号に規定する使用行為に該当するものである。

なお、被請求人は、答弁の理由中、カタログ(乙1、乙2)は本件商標権者のウェブサイトにおいて電子出版物として公開するとともに、紙媒体についても取引先に配布した旨述べるが、当該カタログが、印刷物として作成された事実(印刷事業者、作成数量、納品日、納品場所等)及びそれが配布された事実(配布先、配布数量、配布方法等)を証明する書面の提出は見いだせないから、紙媒体によるカタログに関する主張は、これを認めることができない。

4 まとめ

以上のとおり、被請求人は、要証期間に日本国内において、本件商標権者が、本件審判請求に係る指定商品の範ちゅうに含まれる商品「レーザー墨出し器」について、本件商標(社会通念上同一と認められる商標を含む。)を使用していたことを証明したものと認められる。

したがって、本件商標の登録は、本件審判の請求に係る指定商品について、商標法第50条の規定により、その登録を取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

Next Action

次の一手につながるサービス

類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。

次の一歩へ

商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。