結論テキスト
本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 2024890013 |
|---|---|
| 審判種別 | 記載はありません。 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理 由
本件登録第6260429号商標(以下「本件商標」という。)は、「NTBAY」の文字を標準文字で表してなり、令和2年4月1日に登録出願、第24類「タオル,ベッドカバー,毛布,まくらカバー,ブロケード,タペストリー(壁掛け),織物製又はプラスチック製のカーテン,のぼり及び旗(紙製のものを除く。),亜麻布,綿織物,カーテン,シャワーカーテン,ダイヤパー亜麻繊維,エスパルト織物,浴用リネン製品(衣服を除く。),ふきん,布地,家具用プラスチック製カバー,ガーゼ生地,ハンカチ,マットレスカバー,かや,掛け布団,スリーピングバッグ,スリーピングバッグライナー,テーブルクロス(紙製のものを除く。),織物製のテーブルマット,手ぬぐい,織物製壁掛け,ガラス繊維織物,綿織物類,ゴム引防水布,家具用カバー,敷布,シーツ(織物)」を指定商品として、同年6月4日に登録査定され、同月16日に設定登録されたものである。
請求人が、本件商標に係る無効の理由に該当するとして引用する登録商標及び商標は、以下の1及び2のとおりである。
そして、引用商標1の防護標章登録が、第24類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品とする防護標章登録第22号を含む42件設定登録(うち27件(上記防護標章登録第22号はこれに含まれない。)については、存続期間の満了により防護標章登録の登録の抹消がなされている。)された。
請求人は、本件商標の登録を無効とする、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第20号証を提出した。
本件商標は、商標法第4条第1項第11号、同項第10号及び同項第15号に該当するものであるから、その登録は無効とすべきである。
(1)無効理由1(商標法第4条第1項第11号)
ア 本件商標と引用商標1との類否
(ア)両商標の類否
本件商標より「エヌティベイ」の称呼及び「海辺」の観念を生ずる一方、引用商標1より「エヌティブイ」の称呼及び「海に浮かべるブイ」の観念を生ずる。
したがって、本件商標と引用商標1とは、外観が相違するとしても、称呼が「べ」と「ブ」の同じバ行の音で1文字しか違わず、聞き間違いや発音間違いが生じやすく、また、同じ「海」に関連する共通の観念を有し、類似の商標である。
(イ)指定商品について
本件商標の指定商品中「タオル、浴用リネン製品、ハンカチ、手ぬぐい」と引用商標1の指定商品中「布製身の回り品」、本件商標の指定商品中「ベッドカバー、タペストリー(壁掛け)、織物製又はプラスチック製のカーテン、カーテン、家具用プラスチック製カバー、テーブルクロス、織物製壁掛け、家具用カバー」と引用商標1の指定商品中「織物製壁掛け、カーテン、織物製壁掛け、織物製ブラインド」、本件商標の指定商品中「毛布、まくらカバー、マットレスカバー、かや、掛け布団、敷布、シーツ(織物)」と引用商標1の指定商品中「敷き布、布団カバー、布団側、かや」、本件商標の指定商品中「のぼり及び旗(紙製のものを除く。)」と引用商標1の指定商品中「のぼり及び旗(紙製のものを除く。)」、本件商標の指定商品中「ブロケード、亜麻布、綿織物、ダイヤパー亜麻繊維、エスパル卜織物、ガーゼ生地、ガラス繊維織物、綿織物類」と引用商標1の指定商品中「メリヤス生地」、本件商標の指定商品中「シャワーカーテン」と引用商標1の指定商品中「シャワーカーテン」、本件商標の指定商品中「ふきん」と引用商標1の指定商品中「ふきん」、本件商標の指定商品中「ゴム引防水布」と引用商標1の指定商品中「オイルクロス、ビニルクロス、ラバークロス、レザークロス、ろか布」とは、それぞれに同じ類似コードであるから、同一又は類似の商品である。
イ 小括
本件商標と引用商標1とは、外観が相違するとしても、「エヌティベイ」、「エヌティブイ」の称呼が紛らわしく、また「海辺」の観念を共通にする類似の商標であり、その指定商品も、ほとんど同一又は類似する商品であり、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)無効理由2(商標法第4条第1項第10号及び同項第15号)
ア 請求人は、本件商標の登録出願前より、世界中で「NTBAY」(引用商標2)を第24類の「毛布、枕カバー、シーツ、座布団」などの家庭用品関係の多種類の商品について使用しており、この関連商品では既に周知・著名な商標である。
請求人は、引用商標2について、本件商標の登録出願より4年前にアメリカ特許商標庁によりアメリカ合衆国での商標登録を受けており(甲3)、本件商標の登録出願より2年前に中国特許庁により商標登録を受けており(甲4、甲5)、その他にも、カナダ、イギリス、メキシコ、欧州での商標登録を受けている(甲6~甲9)。
これらの登録商標、著作権登録による強力な法的保護の下、請求人は、引用商標2を第24類の家庭用品関係の多種類の商品に使用して広く世界で販売しており、この関連商品では周知・著名な商標となっている。
例えば、請求人は、日本での販売に向けて、本件商標出願前より、アマゾンが運営する販売サイトにて販売者登録をしており、2018年5月以降、引用商標2を使用して、同サイトにより、「毛布、枕カバー、シーツ、座布団」などを、多数の注文を受けて販売している。
請求人はアマゾンサイトにて、2018年5月22日に「毛布」の販売(甲10、甲11)、2018年6月7日に「枕カバー」の販売(甲12)、2018年7月30日に「シーツ」の販売(甲13)、2018年8月15日に「座布団」の販売(甲14)、2018年10月5日に「枕カバー」の販売を(甲15)、それぞれ開始しており、「座布団」、「枕カバー」を2018年6月に出荷・販売した実績が開示されている(甲16~甲18)。甲第19号証は、アマゾンサイトでの販売者情報の写しである。
このように、請求人は、本件商標出願前より、引用商標2をアマゾンサイトにて第24類の「毛布、枕カバー、シーツ、座布団」などの家庭用品関係と同一又は類似の多種類の商品に使用して販売しており、取引者や消費者の間に広く認識されていて、この関連商品では周知・著名な商標である。
このため、本件商標の指定商品中、第24類「毛布、まくらカバー、マットレスカバー、かや、掛け布団、敷布、シーツ(織物)」に使用することは、請求人の業務に係る商品と混同を生じるおそれがある。
イ 商標法は、出願前に周知な商標を保護するために、他人の周知商標と同一又は類似の商標であって、同一又は類似の商品・役務に使用するものは、拒絶理由としており(商標法第4条第1項第10号)、また、他人の業務に係る商品又は役務と混同を生ずるおそれのある商標は、拒絶理由としている(商標法第4条第1項第15号)。
ウ 以上から、本件商標の指定商品中、第24類「毛布、まくらカバー、マットレスカバー、かや、掛け布団、敷布、シーツ(織物)」は、商標法第4条第1項第10号、同項第15号の拒絶理由に該当する。
被請求人は、請求人の主張に対し、何ら答弁していない。
請求人が本件審判を請求することの利害関係の有無については、当事者間に争いがなく、また、当審は請求人が本件審判の請求について利害関係を有するものと認める。
以下、本案に入って審理する。
(1)本件商標
本件商標は、前記第1のとおり「NTBAY」の文字を標準文字で表してなるところ、当該構成文字に相応して、「エヌティベイ」の称呼を生じるものである。
また、当該構成文字は、一般的な辞書等に載録のないものであって、特定の意味を有しない造語と理解されるものであるから、特定の観念を生じないものである。
そうすると、本件商標は、「エヌティベイ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
(2)引用商標1
引用商標1は、前記第2の1のとおり、肉太の「NTV」の欧文字からなるところ、当該構成文字に相応して、「エヌティブイ」の称呼を生じるものである。
また、当該構成文字は、「日本テレビ放送網」(「コンサイスカタカナ語辞典 第4版 株式会社三省堂」)を指称するものであり、当該観念を生じるものと判断するのが相当である。
(3)本件商標と引用商標1の類否
ア 本件商標と引用商標1との類否について検討するに、まず外観については、本件商標と引用商標1は、それぞれ前記(1)及び(2)のとおりの構成よりなるところ、両商標を構成する文字数が異なり、各構成文字においても、3文字目以降が「BAY」か「V」かという差異があるから、外観上十分に区別できるものである。
また、称呼については、本件商標から生じる「エヌティベイ」の称呼と引用商標1から生じる「エヌティブイ」の称呼を比較するに、語頭における「エヌティ」の音を共通にするものの、これに続く音(「ベイ」、「ブイ」)に「ベ」か「ブ」かの差異を有するものであり、6音という少ない音数からなる両商標の称呼において、該差異音の影響は少なくなく、本件商標の後半部が「湾。入江。」を意味する語として親しまれた成語「BAY」に通じるものであって(「広辞苑 第七版 株式会社岩波書店」)「ベ」の音が明瞭に称呼され得ること及び引用商標1が欧文字3文字からなり文字ごとに明瞭に称呼され得ることも相まって、称呼上、聴別し得るものである。
さらに、観念については、本件商標は特定の観念を生じないのに対し、引用商標1は「日本テレビ放送網」の観念を生じるから、両者は観念上紛れるおそれがないものである。
そうすると、本件商標と引用商標1とは、その外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標である。
イ 請求人は、本件商標より「海辺」の観念を生ずる一方、引用商標1より「海に浮かべるブイ」の観念を生ずるから、本件商標と引用商標1とは、同じ「海」に関連する共通の観念を有し、類似の商標である旨主張する。
しかしながら、本件商標及び引用商標1から上記の観念が生ずるとする根拠は明らかでない上、仮に請求人が主張する観念をもって比較したとしても前記アの判断を左右するものではないから、請求人の上記主張は、採用できない。
(4)本件商標の指定商品と引用商標1の指定役務の類否
ア 本件商標の指定商品は、前記第1のとおりの第24類に属する商品であり、引用商標1の指定役務は、前記第2の1のとおり第38類「テレビジョン放送」であるところ、両者が同一の商品及び役務ではないことは明らかであり、また、当該指定商品及び指定役務について、商品の製造・販売と役務の提供が同一事業者によって行われているのが一般的であること、商品と役務の用途が一致すること、商品の販売場所と役務の提供場所が一致することなどの取引の実情が認められないから、両者は、互いに非類似の商品及び役務であると判断するのが相当である。
イ 請求人は、指定商品及び指定役務の類否について、前記第3の2(1)ア(イ)のように、引用商標1の指定商品として「布製身の回り品」等を挙げて当該各商品と本件商標の指定商品とは同一又は類似の商品であると主張している。
しかしながら、引用商標1は第38類「テレビジョン放送」を指定役務とするものであって、上記請求人の主張において列挙される各指定商品は引用商標1の防護標章登録第22号に係る指定商品をいうものと解されるから、その主張は前提において誤りがある。
(5)小括
以上のとおり、本件商標は、引用商標1とは非類似の商標であって、引用商標1の指定役務とは非類似の商品について使用をするものであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものといえない。
請求人提出の甲各号証及び同人の主張によれば、2016年(平成28年)以降「枕カバー、シーツ」などの商品について、引用商標2(「NTBAY」の文字を図案化したものを含む。)がアメリカ合衆国、中国、カナダ、イギリス、メキシコ、欧州において商標登録されたこと(甲3~甲9)、引用商標2を表示した商品「毛布、枕カバー、シーツ、座布団」が、「アマゾン」のウェブサイトに掲載、販売されたこと(甲10~甲18)が認められる。
しかしながら、引用商標2を使用した商品の売上高等の販売実績、シェア、広告宣伝の規模等の事実を裏付ける具体的な証拠の提出はないから、本件商標の登録出願時及び登録査定時における、引用商標2の周知性を立証する証拠としては不十分なものである。
したがって、請求人の提出に係る証拠及び同人の主張によっては、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、引用商標2が請求人の業務に係る商品を表示するものとして、需要者の間に広く認識されているものとは認めることができない。
前記2のとおり、引用商標2は、請求人の業務に係る商品であることを表示するものとして、我が国の需要者の間に広く認識されているものと認められないから、商標法第4条第1項第10号を適用するための要件を欠くものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当しない。
前記2のとおり、引用商標2は、請求人の業務に係る商品であることを表示するものとして、我が国の需要者の間に広く認識されているとは認められないものであり、周知性が認められないものであるから、本件商標に接する取引者、需要者が、一般的に請求人の業務に係る引用商標2を連想又は想起するものということはできない。
そして、引用商標が周知性さえも備えていないと認められる場合に、商標法第4条第1項第15号が適用される余地はないというべきであると解される(参考:知的財産高等裁判所平成31年2月6日判決(平成30年(行ケ)第10119号))。
そうすると、本件商標は、商標権者がこれをその指定商品について使用しても、取引者、需要者が、その商品が他人(請求人)又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれはないものというべきである。
その他、本件商標が出所の混同を生じさせるおそれがあるというべき事情は見いだせない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第10号、同項第11号及び同項第15号のいずれにも違反してされたものとはいえないから、同法第46条第1項の規定に基づき、その登録を無効とすることはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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