結論テキスト
本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 2024890046 |
|---|---|
| 審判種別 | 記載はありません。 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理 由
本件登録第6754133号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、令和4年10月22日に登録出願、第28類「人形,人形用ベッド,人形用被服,おもちゃの人形,おもちゃの模型,おもちゃのロボット,おもちゃの乗物,おもちゃ,模型セットおもちゃ」を指定商品として、同5年10月12日に登録査定され、同年11月15日に設定登録されたものである。
請求人が、本件商標に係る無効の理由に該当するとして引用する商標は、本件商標(別掲)と同一の構成からなる商標(以下「引用商標」という。)であり、同人がフィギュア(人形)について使用し、周知・著名な商標であるとするものである。
請求人は、本件商標の登録を無効とする、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第15号証を提出した。
本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同項第15号及び同項第19号に該当するものであるから、その登録は同法第46条第1項第1号によって無効とされるべきである。
(1)引用商標の周知性並びに商標法第4条第1項第10号及び同項第15号該当性について
請求人は、引用商標を、フィギュア(人形)において、本件商標の登録出願日よりも前に使用している。
請求人は、2022年2月、日本の魅特(オフラインショップ)に販売し、引用商標を使用したフィギュア(人形)(以下「請求人商品」という。)の注文金額は574,015.9人民元であり(甲2)、入金履歴を示す(甲3)。
魅特は、請求人から上記製品を購入し、オフライン店舗で販売しており(甲4~甲6)、請求人商品に引用商標を付している(甲6)。
また、請求人は、2022年4月、日本のamiami(オンラインショップ)に販売し、引用商標を使用した請求人商品の注文金額は189,752.85人民元であり(甲7)、入金履歴を示す(甲8)。
日本のamiamiは、請求人から上記製品を購入し、オンラインサイトで販売している(甲9、甲10)。
さらに、請求人は、2022年7月、日本のAitaikuji(オンラインショップ)に販売し、引用商標を使用した請求人商品(甲12~甲15)の注文金額は11,029.8人民元である(甲11)。
以上のように、請求人は、本件商標の登録出願日よりも前に、日本の国内外で、請求人商品に引用商標を使用しており、オフラインショップ又はオンラインショップにて販売実績があり、請求人が使用した引用商標は、周知・著名な商標といえる。
さらに、請求人は、引用商標について、人形などを指定商品として指定して、中国、マカオ、台湾について本件商標の登録出願日よりも前に出願し、登録している。
そうすると、本件商標は、他人の業務に係る商品又は役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されている引用商標と同一であって、その商品若しくは役務に類似する商品若しくは役務について使用をするものであるから、商標法第4条第1項第10号に該当する。
また、本件商標は、他人の業務に係る商品又は役務と混合を生ずるおそれがある商標といえるから、商標法第4条第1項第15号に該当する。
(2)商標法第4条第1項第19号該当性について
請求人は、本件商標の登録出願日よりも前から、前記のオンラインショップにて、請求人商品に引用商標を広く使用し今日に至っている。
その結果、少なくとも日本国内全体にわたり、本件商標の登録出願日より前に広く知られているブランドであるから、引用商標は、「他人の業務に係る商品又は役務を表示するものとして日本国内又は外国における需要者の間に広く認識される商標」に該当するといえる。
しかも、引用商標は、独自のフォントでなされているが、そのフォントは本件商標と同一である。
以上より、本件商標は、少なくとも日本国内において周知な引用商標と同一であり、不正の目的で使用することは明らかである。
したがって、本件商標は、他人の業務に係る商品又は役務を表示するものとして日本における需要者の間に広く認識されている引用商標と同一の商標であり、不正の目的をもって使用をするものといえるから、商標法第4条第1項第19号に該当する。
被請求人は、請求人の主張に対し、何ら答弁していない。
請求人が本件審判を請求することの利害関係の有無については、当事者間に争いがなく、また、当審は請求人が本件審判の請求について利害関係を有するものと認める。
以下、本案に入って審理する。
請求人提出の甲各号証及び同人の主張によれば、2022年(令和4年)2月、同年4月及び同年7月頃に、金額にして順に574,015.9人民元、189,752.85人民元及び11,029.8人民元の取引があったこと(甲2、甲3、甲7(審決注:請求人の提出に係る証拠には「甲第6号証」と記載されているが、「甲第7号証」の誤記と認める。)、甲8、甲11)、免税品と見受けられる商品が陳列され包装箱に引用商標を付したものがあること(甲4~甲6)、インターネットサイトにおいて引用商標を表示して「人形」が取り扱われたこと(甲9、甲10、甲12~甲15)がうかがえる。
しかしながら、商品「人形」を取り扱う分野における上記取引額の多寡を評価することはできず、特定の3か月分の取引額にとどまるものであって、店舗又はインターネットサイトにおける販売についても、相当程度の期間、規模で行われたものであると認めることはできない。
また、他に引用商標を使用した請求人商品の販売期間、販売地域等の販売実績、シェア、広告宣伝の規模等の事実を裏付ける具体的な証拠の提出はない。
そうすると、本件商標の登録出願時及び登録査定時における、引用商標の周知性を立証する証拠としては不十分なものといわざるを得ない。
したがって、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、引用商標が請求人の業務に係る商品を表示するものとして、我が国又は外国における需要者の間に広く認識されているものとは認めることができない。
前記1のとおり、引用商標は、請求人の業務に係る商品であることを表示するものとして、我が国又は外国における需要者の間に広く認識されているものと認められないものである。
また、請求人が提出した証拠からは、本件商標権者が本件商標を不正の利益を得る目的、他人に損害を加える目的その他の不正の目的をもって使用をするものと認めるに足りる具体的事実は見いだせない。
なお、請求人は、引用商標が需要者の間に広く認識されている商標であることを主張するとともに、引用商標が独自のフォントによるものであって、これと本件商標とが同一の構成からなることを主張するが、引用商標の周知性が認められないことについては前記1のとおりであるところ、両商標の構成が同一であることのみをもって、本件商標の登録出願に何らかの不正の目的があったと推し測ることはできない。
そうすると、甲各号証により認め得る事実は、いずれも商標法第4条第1項第10号及び同項第19号を適用するための要件を充足するに及ばないものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号及び同項第19号に該当しない。
前記1のとおり、引用商標は、請求人の業務に係る商品であることを表示するものとして、需要者の間に広く認識されているとは認められないものであり、周知性を備えていないものであるから、本件商標に接する取引者、需要者が、一般的に請求人の業務に係る引用商標を連想又は想起するものということはできない。
そして、引用商標が周知性さえも備えていないと認められる場合に、商標法第4条第1項第15号が適用される余地はないというべきであると解される(参考:知的財産高等裁判所平成31年2月6日判決(平成30年(行ケ)第10119号))。
そうすると、本件商標は、商標権者がこれをその指定商品について使用しても、取引者、需要者が、その商品が他人(請求人)又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれはないものというべきである。
その他、本件商標が出所の混同を生じさせるおそれがあるというべき事情は見いだせない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第10号、同項第15号及び同項第19号のいずれにも違反してされたものとはいえないから、同法第46条第1項の規定に基づき、その登録を無効とすることはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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