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Trademark Appeal Case

BASICの識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号2025001694
審判種別記載はありません。
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

結 論
本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

理 由

1 手続の経緯

本願は、令和5年11月30日の登録出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。

令和6年 7月19日付け:拒絶理由通知書

令和6年 8月21日 :意見書の提出

令和6年11月 6日付け:拒絶査定

令和7年 2月 4日 :審判請求書の提出

令和7年 6月24日付け:審尋

令和7年 8月 4日 :回答書の提出

2 本願商標

本願商標は、別掲1のとおり、黒色の横長略楕円形内に、「BASIC」の文字を白抜きしてなり、第9類「バッテリー並びにその部品及び附属品,電池,蓄電池,充電器」を指定商品として登録出願されたものである。

3 原査定の拒絶の理由の要旨

原査定は、「本願商標は、黒色に着色された横長の楕円形状の背景に白抜き文字で「BASIC」の欧文字を普通に用いられる方法で表してなるところ、「BASIC」の欧文字は、「基本的なこと。」の意味を有する語として広く親しまれている。そして、インターネットのウェブサイト情報によると、本願の指定商品を取り扱う業界において、基本的な機能を有するバッテリー充電器や蓄電池等に、「BASIC」の欧文字を片仮名で表した「ベーシック」の文字や「Basic」の文字が使用されている実情がある。そうすると、本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者・需要者は、「基本的な機能を有する商品」であると認識するにとどまるというのが相当であるから、本願商標は、単に商品の品質を普通に用いられる方法で表示するにすぎないものと認められる。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

4 当審における審尋

当審において、令和7年6月24日付けで通知した審尋により、別掲2ないし別掲5のとおりの証拠を提示した上で、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当する旨の暫定的見解を示し、相当の期間を指定して、これに対する回答を求めた。

5 審尋に対する請求人の回答

請求人は、上記4の審尋に対し、令和7年8月4日に回答書を提出し、「本願商標は、標準文字または標準的な書体で「BASIC」と書したものではなく、特徴的な態様で表されたものであり、単に普通に用いられる方法で表示してなるものとはいい難いものである。本願商標の書体は、一般に広く使用されている書体とはいえず、また、本願商標は、特徴的な態様で表された文字列を黒色の横長略楕円形内に配置したものであり、その書体と図形との組み合わせに独自の個性があり、自他商品の識別機能を有するものである。」旨、意見を述べた。

6 当審の判断

(1)商標法第3条第1項第3号該当性について

ア 商標法第3条第1項第3号の趣旨について

商標法第3条第1項第3号が、「その商品の産地、販売地、品質、原材料、効能、用途、形状(包装の形状を含む。)、生産若しくは使用の方法若しくは時期その他の特徴、数量若しくは価格」を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標について商標登録を受けることができない旨規定しているのは、このような商標は、指定商品との関係で、「その商品の産地、販売地、品質、形状その他の特性」を表示記述する標章であって、取引に際し必要適切な表示として何人もその使用を欲するものであるから、特定人によるその独占使用を認めるのは公益上適当でないとともに、一般的に使用される標章であって、多くの場合自他商品の識別力を欠くものであることによるものと解される。

そうすると、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するというためには、審決の時点において、本願商標が、その指定商品との関係で、「その商品の産地、販売地、品質、形状その他の特性」を表示記述するものとして取引に際し必要適切な表示であり、本願商標の指定商品の取引者及び需要者によって、本願商標がその指定商品に使用された場合に、将来を含め、商品の上記特性を表示したものと一般に認識されるものであれば足りると解される(知財高裁平成27年(行ケ)第10107号 同年10月21日判決等参照)。

そして、本願商標の取引者、需要者によって、本願商標が、その指定商品に使用された場合に商品の上記特性を表示したものと一般に認識されるかどうかは、当該商標の構成やその指定商品に関する取引の事情を考慮して判断すべきである(知財高裁令和3年(行ケ)第10113号 同4年1月25日判決参照)。

イ 本願商標の商標法第3条第1項第3号該当性について

本願商標は、別掲1のとおり、黒色の横長略楕円形内に、「BASIC」の文字を白抜きしてなるものである。

そして、「BASIC」の文字(語)は、「基礎的、基本的」ほどの意味合いを有するものであるが(広辞苑 第七版)、本願の指定商品に関連する分野においては、別掲2のとおり、「Basic(ベーシック)シリーズ」、「ベーシックモデル」、「ベーシックタイプ」等と称して、商品が販売されている実情が認められる。

さらに、別掲3によれば、本願の指定商品に関連する分野において、「BASIC」、「Basic」、「basic」、「ベーシック」の文字が、商品の種類や品質を表すものとして一般に使用されている実情も認められる。

ところで、本願商標の構成各文字は、ややデザイン化されているとしても、各種のレタリング文字が広く使用され、商品に標章等を付す際に様々なデザイン化が行われている現状にあっては、全体として「B」、「A」、「S」、「I」、「C」の各文字からなるものと容易に認識できるものであって、格別特異なものともいえないものである。

このことは、別掲4のとおり、各種のフォントを検索できるウェブサイトにおいて、本願商標と同様の書体が発見できることからも裏付けられるものである。

また、長方形や略楕円形等の図形内に文字を白抜きすることは、別掲5のとおり、文字のデザイン上、一般に行われているといえることから、本願商標は、いまだ普通に用いられる方法の域を脱しない範囲で表してなるものである。

そうすると、本願商標の構成及び上記取引の実情を踏まえれば、本願商標を、その指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、本願商標が付された商品が「ベーシックタイプの商品」であることを認識し、当該表示は、商品の品質を表したものとして理解するにとどまるというのが相当であるから、本願商標は、商品の品質を表示記述するものとして、取引に際し必要適切な表示というべきである。

したがって、本願商標は、商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であって、商標法第3条第1項第3号に該当する。

(2)請求人の主張について

請求人は、「本願商標の書体は、一般に広く使用されている書体とはいえず、また、本願商標は、特徴的な態様で表された文字列を黒色の横長略楕円形内に配置したものであり、その書体と図形との組み合わせに独自の個性があり、自他商品の識別機能を有するものである。」旨主張する。

しかしながら、前記(1)イのとおり、各種のレタリング文字が広く使用され、商品に標章等を付す際に様々なデザイン化が行われていること、本願商標の欧文字部分は「BASIC」の文字を表したものと容易に認識されること、図形内に文字を白抜きすることは商品のデザイン上一般的に行われていることからすると、本願商標は、いまだ普通に用いられる方法の域を脱しない範囲で表してなるものというべきである。

そして、前記(1)アのとおり、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するというためには、審決の時点において、本願商標が、その指定商品との関係で、「その商品の産地、販売地、品質、形状その他の特性」を表示記述するものとして取引に際し必要適切な表示であり、本願商標の指定商品の取引者及び需要者によって、本願商標がその指定商品に使用された場合に、商品の上記特性を表示したものと一般に認識されるものであれば足りると解されるところ、前記(1)イのとおり、本願の指定商品に関連する分野において、「Basic(ベーシック)シリーズ」、「ベーシックモデル」、「ベーシックタイプ」等と称して、商品が販売されている実情が認められ、さらに、「BASIC」、「Basic」、「basic」、「ベーシック」の文字が、商品の種類や品質を表すものとして一般に使用されている実情も認められる。

そうすると、本願の指定商品に使用された本願商標に接する取引者、需要者は、当該商品が例えば「ベーシックタイプの商品」であるという、商品の品質を表したものと一般に認識するというべきであり、そのため、本願商標は、当該品質を表示記述するものとして取引に際し必要適切な表示であるというべきである。

したがって、請求人の主張は採用することができない。

(3)まとめ

以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであるから、これを登録することはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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