結論テキスト
本件審判の請求は、成り立たない。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 2025002329 |
|---|---|
| 審判種別 | 記載はありません。 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理 由
本願は、令和5年11月7日に登録出願された商願2023-128451に係る商標法第10条第1項の規定による商標登録出願として、令和6年7月12日に登録出願されたものであって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和6年 8月21日 :上申書の提出
令和6年 8月26日付け:拒絶理由通知書
令和6年10月15日 :意見書の提出
令和6年11月 7日付け:拒絶査定
令和7年 2月14日 :審判請求書の提出
本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、第16類「印刷物」を指定商品として登録出願されたものである。
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下のとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである。
商標の構成:別掲2のとおり
指定商品:第9類「インターネット・携帯電話からダウンロードできる映像・画像,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,録画済みCD―ROM,電子出版物」
登録出願日:平成17年6月15日
設定登録日:平成18年2月10日
商標権の分割移転:平成25年2月22日
商標の構成:別掲3のとおり
指定商品:第9類「インターネット・携帯電話からダウンロードできる映像・画像,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,録画済みCD―ROM,電子出版物」
登録出願日:平成17年6月15日
設定登録日:平成18年2月10日
商標権の分割移転:平成25年2月22日
商標の構成:別掲4のとおり
指定商品:第9類「インターネット・携帯電話からダウンロードできる映像・画像,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,録画済みCD―ROM,電子出版物」
登録出願日:平成17年8月11日
設定登録日:平成18年3月3日
商標権の分割移転:平成25年2月22日
商標の構成:「GOLD(ゴールド)」(標準文字)
指定商品:第9類「電子出版物」及び第16類「印刷物」
登録出願日:平成24年9月13日
設定登録日:平成25年4月5日
以下、引用商標1ないし引用商標4をまとめていうときは、「引用商標」という場合がある。
(1)本願商標について
ア 本願商標は、別掲1のとおり、濃淡のある太線により、ややデザイン化して表された横長長方形の輪郭内に、「GOLD」の欧文字をセリフ体で横書きし(以下「上段部分」という。)、その下段に、「一般社団法人日本金地金流通協会」の文字をゴシック体で横書きしてなる(「一般社団法人」の文字を小さく、「日本金地金流通協会」の文字を大きく書してなる。以下「下段部分」という。)ところ、上段部分と下段部分とは、間隔を空けて、重なり合うことなく配置され、輪郭図形の有無や文字の種類等において相違することから、視覚上、分離して看取、把握され得るものである。
イ そして、上段部分についてみると、その構成中の横長長方形の輪郭図形は、ややデザイン化されているものの、ありふれた枠線といえるものであって、自他商品の識別標識としての称呼及び観念を生じるものではないのに対し、「GOLD」の文字は、「金」(株式会社大修館書店「ジーニアス英和辞典第6版」)等を意味する英語であるところ、輪郭図形と「GOLD」の文字とが一体となって特定の意味合いを想起させる等の特段の事情は見いだせないことからすれば、上段部分の構成中、自他商品の識別標識としての機能を果たし得る部分は、「GOLD」の文字部分と認められる。
してみれば、上段部分からは、「GOLD」の文字部分に相応して、「ゴールド」の称呼及び「金」等の観念が生じるものである。
ウ 他方、下段部分である「一般社団法人日本金地金流通協会」の文字は、一般社団法人の名称を表したものと理解、認識されるものであるから、下段部分から、「イッパンシャダンホウジンニホンキンジガネリューツーキョーカイ」の称呼及び「一般社団法人日本金地金流通協会」という法人名の観念が生じるものである。
エ そうすると、本願商標の上段部分と下段部分とは、視覚上、分離して看取、把握され得ることに加え、称呼及び観念においても、密接な関連性を見いだせないものであるから、これらを分離して観察することが取引上不自然であると思わせるほど不可分的に結合しているものとは認められない。
また、上段部分は、下段部分と比べて、輪郭図形を有し、「GOLD」の文字が大きく顕著に表されているから、取引者、需要者に対し、自他商品の識別標識として強く支配的な印象を与えるものである。
以上のことから、本願商標は、上段部分を要部として抽出し、この部分だけを他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することが許されるというべきである。
オ したがって、本願商標は、上段部分に相応して、「ゴールド」の称呼及び「金」等の観念を生じるものである。
(2)引用商標について
ア 引用商標1は、別掲2のとおり、弓形様の輪郭図形内に幾何図形及び「GOLD」の袋文字を配してなるところ、その構成中の図形部分は、単なる輪郭図形又は背景図形と看取、把握されるものといえ、また、図形部分と「GOLD」の文字とが一体となって特定の意味合いを想起させる等の特段の事情は見いだせないものである。
そうすると、引用商標1の構成中、中央に顕著に表された「GOLD」の文字が取引者、需要者に対し、自他商品の識別標識として強く支配的な印象を与えるものであるといえる。
したがって、引用商標1は、「GOLD」の文字部分に相応して、「ゴールド」の称呼及び「金」等の観念を生じるものである。
イ 引用商標2は、別掲3のとおり、台形の輪郭図形内に幾何図形、星形図形及び「GOLD」の袋文字を配してなるところ、その構成中の図形部分は、単なる輪郭図形又は背景図形と看取、把握されるものといえ、また、図形部分と「GOLD」の文字とが一体となって特定の意味合いを想起させる等の特段の事情は見いだせないものである。
そうすると、引用商標2の構成中、中央に顕著に表された「GOLD」の文字が取引者、需要者に対し、自他商品の識別標識として強く支配的な印象を与えるものであるといえる。
したがって、引用商標2は、「GOLD」の文字部分に相応して、「ゴールド」の称呼及び「金」等の観念を生じるものである。
ウ 引用商標3は、別掲4のとおり、弓形様の輪郭図形内に線状の幾何図形及び「GOLD」の文字(「D」の文字の一部が左方向に伸びている)を配してなるところ、その構成中の図形部分は、単なる輪郭図形又は背景図形と看取、把握されるものといえ、また、図形部分と「GOLD」の文字とが一体となって特定の意味合いを想起させる等の特段の事情は見いだせないものである。
そうすると、引用商標3の構成中、中央に顕著に表された「GOLD」の文字が取引者、需要者に対し、自他商品の識別標識として強く支配的な印象を与えるものであるといえる。
したがって、引用商標3は、「GOLD」の文字部分に相応して、「ゴールド」の称呼及び「金」等の観念を生じるものである。
エ 引用商標4は、「GOLD(ゴールド)」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中後半の「(ゴールド)」の文字及び記号は、前半の「GOLD」の文字の読みを括弧書きで表したものと容易に理解されるものである。
したがって、引用商標4は、その構成文字に相応して、「ゴールド」の称呼及び「金」等の観念を生じるものである。
(3)本願商標と引用商標との類否について
本願商標と引用商標の類否について検討するに、外観については、その全体構成において差異を有するが、本願商標の構成中の要部である「GOLD」の文字と、引用商標の構成中の「GOLD」の文字とを比較したときには、それぞれの構成中の欧文字すべてが同じつづりからなるものであるから、外観上、近似した印象を与えるものである。
また、本願商標と引用商標は、「ゴールド」の称呼及び「金」等の観念を共通にするものである。
そうすると、本願商標と引用商標は、外観において近似した印象を与え、称呼及び観念を共通にするものであるから、これらの外観、称呼、観念によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して考察すれば、両商標は互いに紛れるおそれのある類似の商標というべきである。
(4)本願商標の指定商品と引用商標の指定商品との類否について
本願商標の指定商品である第16類「印刷物」は、引用商標1ないし引用商標4の指定商品中の第9類「電子出版物」及び引用商標4の指定商品中の第16類「印刷物」と同一又は類似の商品である。
(5)小括
以上より、本願商標は、引用商標と類似する商標であり、かつ、その指定商品も引用商標の指定商品と同一又は類似するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(1)請求人は、本願商標構成中の上段部分の「GOLD」の文字及び図形は「金地金(金の延べ棒)」を想起させ、下段部分の「一般社団法人日本金地金流通協会」の文字は金及び金地金の取引という事業内容を想起させるから、上段部分と下段部分とは観念的なつながりが強く、さらに、下段部分の「一般社団法人日本金地金流通協会」の文字の自他商品識別力が強いことから、本願商標において、その構成中の「GOLD」の文字部分のみを分離観察するのは妥当ではない旨主張する。
しかしながら、本願商標構成中の上段部分の文字及び図形が「金地金(金の延べ棒)」を表すものとして認識されるとみるべき特段の事情は発見できず、また、上記1(1)のとおり、本願商標は、その構成中の「GOLD」の文字部分を要部として抽出し、これを他の商標と比較して、商標そのものの類否を判断することも許されるというべきである。
(2)請求人は、本願の指定商品を取り扱う業界において、「GOLD」又は「ゴールド」の文字は、雑誌の名称として多く存在し、「特別号」程度の意味で使用される様子もみられることから、自他商品の識別標識としての機能が弱い部分であると主張する。
しかしながら、請求人が提出した証拠から、「GOLD」又は「ゴールド」の文字が、雑誌の名称等を表す文字と組み合わせて、雑誌の名称を構成する語の一部として使用されている事例があることはうかがえるものの、他の文字と組み合わせた使用例があることをもって、「GOLD」の文字自体の自他商品識別標識としての機能が弱いとはいえず、他に、当該文字が、指定商品との関係において、自他商品識別標識としての機能を有しないものと認めるべき事情も見いだせない。
(3)請求人は、本願商標は請求人のロゴマークであり、貴金属流通業界において極めて著名な商標といえるから、本願商標がその指定商品である「印刷物」に使用された場合、請求人が発行する、貴金属取引の情報が記載された会報・冊子等であることは明白であり、他の「GOLD」が含まれた印刷物と出所の混同を起こすことは考えにくい旨主張する。
しかしながら、本願の指定商品を取り扱う業界において、本願商標が請求人の商標として広く認識されるに至ったとみるべき事情は確認できないから、本願商標から請求人が主張するような観念が生じると認めることはできない。
(4)したがって、請求人の上記主張は、いずれも採用することができない。
なお、請求人は、本件請求の理由の内容の詳細について、審尋又は上申書若しくは補強資料の提出などを通じて追加の説明を行うことも可能であると述べているが、上記1のとおり、本願商標は商標法第4条第1項第11号に該当するものであって、追加の説明によって上記理由が解消するものではないから、審尋等の機会を設けることなく、本件審判の審理を進めた。
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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