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Trademark Appeal Case

公序良俗とねずみ講商標

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号2025003426
審判種別記載はありません。
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

結 論
本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

理 由

第1 手続経緯

本願は、令和6年2月26日に登録出願されたものであって、その手続の経緯は以下のとおりである。

令和6年 8月30日付け:拒絶理由通知書

令和6年11月19日 :意見書及び手続補正書の提出

令和6年11月25日付け:拒絶査定

令和7年 3月 3日 :審判請求書の提出

第2 本願商標

本願商標は、「PYRAMID SCHEME」の文字を標準文字で表してなり、第25類及び第35類に属する願書記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として登録出願されたものであり、その後、指定商品及び指定役務については、原審における上記第1の手続補正書により、第25類「ティーシャツ,帽子,被服,ガーター,靴下留め,ズボンつり,バンド,ベルト,保温用フェイスマスク,履物,仮装用衣服,運動用特殊靴,運動用特殊衣服(「水上スポーツ用特殊衣服」を除く。),リストバンド,防寒用・保温用のフェイスカバー(被服),アームウォーマー,ネックウォーマー」に補正されたものである。

第3 原査定の拒絶の理由の要旨

原査定は、「本願商標は、「PYRAMID SCHEME」の文字を標準文字で表してなるところ、該文字は、法律で禁止されている「ねずみ講」を意味する語として一般に使用されている語である。そして、「ねずみ講」又はこれに類する商法は、従前から、かつ現在においても、消費者が多額の被害にあったり、詐欺事件となる等、深刻な社会問題といえ、そのような「ねずみ講」を理解させる本願商標を登録し、その指定商品について使用することは、社会公共の利益に反し、ひいては、公の秩序又は善良な風俗を害するおそれがある。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第7号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

第4 当審の判断

1 商標法第4条第1項第7号該当性について

(1)商標法第4条第1項第7号の趣旨

商標法第4条第1項第7号の「公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標」には、「a)その構成自体が非道徳的、卑わい、差別的、矯激若しくは他人に不快な印象を与えるような文字又は図形である場合、b)当該商標の構成自体がそのようなものでなくとも、指定商品又は指定役務について使用することが社会公共の利益に反し、社会の一般的道徳観念に反する場合」などが含まれるというべきである(知財高裁 平成17年(行ケ)第10349号)。

(2)商標法第4条第1項第7号該当性

本願商標は、前記第2のとおり「PYRAMID SCHEME」の文字を標準文字で表してなるところ、当該文字は、「会員を鼠算式に拡大させることを条件として、加入者に対して加入金額以上の金銭その他の経済上の利益を与える一種の金融組織」を指す「ねずみ講(無限連鎖講)」(別掲参照)を意味する語である。

そして、ねずみ講(無限連鎖講)は、終局において破たんすべき性質のものであるのにかかわらずいたずらに関係者の射幸心をあおり、加入者の相当部分の者に経済的な損失を与えるに至るものであることにかんがみ、これに関与する行為が禁止されているものである(無限連鎖講の防止に関する法律(昭和五十三年法律第百一号)第1条)。

また、原審提示の情報にあるように、ねずみ講(無限連鎖講)又はこれに類する商法は、加入者が金銭的な被害にあったり、詐欺事件となる等、深刻な社会問題といえるものである。

そうとすると、「ねずみ講(無限連鎖講)」を容易に認識させる本願商標は、その構成自体が非道徳的又は他人に不快な印象を与えるような文字といえるものであって、また、指定商品について使用することが社会公共の利益に反し、社会の一般的道徳観念に反するものであるから、公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標というのが相当である。

したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第7号に該当する。

2 請求人の主張について

請求人は、請求人が「ねずみ講」又はこれに類する商法に関係する組織でないこと、本願の指定商品の分野における商取引において、そのような金品配当組織による事業展開がなされている事実はないこと、また、無限連鎖講の防止に関する法律は無限連鎖講を意味する文字の使用自体を禁止するものではないことから、本願商標は商標法第4条第1項第7号に該当するものではない旨主張する。

しかしながら、上記1(2)のとおり、「ねずみ講(無限連鎖講)」又はこれに類する商法は、深刻な社会問題といえ、それゆえに法律で禁止されているものであるから、そのような「ねずみ講(無限連鎖講)」を理解させる本願商標は、その構成自体が非道徳的又は他人に不快な印象を与えるような文字といえるものであって、また、指定商品について使用することが社会公共の利益に反し、社会の一般的道徳観念に反するものであるといわざるを得ない。

3 まとめ

以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第7号に該当するものであるから、これを登録することはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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