sokuhyo

Trademark Appeal Case

称呼の類似性と要部抽出

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号2025003968
審判種別記載はありません。
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

結 論
本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

理 由

1 手続経緯

本願は、令和5年7月11日に登録出願された商願2023-76912に係る商標法第10条第1項の規定による商標登録出願として、同6年4月27日に登録出願されたものであるが、同年6月3日付けの通知書により、同条同項の規定による商標登録出願とは認められず、通常の商標登録出願として処理されたものであって、その手続の経緯は以下のとおりである。

令和6年 6月 3日付け:拒絶理由通知書

令和6年 8月12日受付:意見書、手続補正書

令和6年12月 6日付け:拒絶査定

令和7年 3月12日 :審判請求書

2 本願商標

本願商標は、別掲1のとおりの構成からなり、第35類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として登録出願されたものであり、その後、上記1の原審における手続補正書により、第35類「化粧品(香水類を含む)及びシャンプーの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,化粧用具(電気式歯ブラシを除く)及び化粧用具入れの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」と補正されたものである。

3 原査定の拒絶の理由

原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するものとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標(以下の商標をまとめて「引用商標」という場合がある。)は、以下のとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである。

(1)登録第6666762号商標(以下「引用商標1」という。)

商標の構成:別掲2のとおり

登録出願日:令和4年9月21日

設定登録日:令和5年1月27日

指定商品:第3類「頭髪用化粧品,染毛剤」

(2)登録第6666763号商標(以下「引用商標2」という。)

商標の構成:「COLOR STUDIO」の欧文字を標準文字で表してなる

登録出願日:令和4年9月21日

設定登録日:令和5年1月27日

指定商品:第3類「頭髪用化粧品,染毛剤」

4 当審の判断

(1)本願商標について

本願商標は、別掲1のとおりの構成からなるところ、その構成中の中央の青色曲線については、「S」の欧文字と同様の特徴を有していること、当該曲線に続く欧文字との関係で、「TUDIO」という既成語が存在しないのに対し「STUDIO」の語は、一般的に親しまれている英語であること、構成中の一部の文字を図案化することは広く行われていることから、その構成からは、「S」の欧文字をデザイン化して表したものと無理なく看取されるものである。そうすると、本願商標は、「COLOR STUDIO」の欧文字を一部デザイン化して表したものといえる。

また、本願商標の構成中の「COLOR」の文字部分は、「カラー」と発音され、「色。色彩。」の意味を、「STUDIO」の文字部分は、「スタジオ」と発音され、「仕事場、アトリエ、スタジオ」などの意味を有する英語である(いずれも、株式会社研究社「新英和(第7版)・和英(第5版)中辞典」参照)。

してみれば、本願商標は、その構成文字に相応して、「カラースタジオ」の称呼及び「色彩のスタジオ」程の観念を生じる。

(2)引用商標について

ア 引用商標1は、別掲2のとおり、上方に、横向きの人物のシルエットからなる図形(以下「図形」という。)及び当該図形の下に「WELLA」の欧文字を、その下方に、下から「COLOR STUDIO」の欧文字を横向き(文字の上下には、直線を配してなる。)に表してなるところ、図形部分、「WELLA」の欧文字部分及び「COLOR STUDIO」の欧文字部分は、間隔を空け、文字の向きを異にして、視覚上分離した態様で配置されており、かつ、称呼及び観念における関連性も見いだせないものであるから、それぞれが独立して自他商品の識別標識として機能するものである。

また、「COLOR STUDIO」の欧文字部分は、中央に大きく顕著に表されていることから、取引者、需要者に対し商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものであって、当該文字部分を要部として、本願商標と比較し、その類否を判断することが許されるものといえる。

イ 引用商標2は、「COLOR STUDIO」の欧文字を標準文字で表してなるものである。

ウ 引用商標1の要部及び引用商標2の構成中、「COLOR」の文字部分は、「カラー」と発音され、「色。色彩。」の意味を、「STUDIO」の文字部分は、「スタジオ」と発音され、「仕事場、アトリエ、スタジオ」などの意味を有する英語である(いずれも、前掲書参照)。

そうすると、引用商標1の要部及び引用商標2は、その構成文字に相応して、「カラースタジオ」の称呼及び「色彩のスタジオ」程の観念を生じる。

(3)本願商標と引用商標の類否について

本願商標と引用商標1の要部及び引用商標2を比較すると、外観においては、いずれも「COLOR STUDIO」の構成文字全てのつづりを共通にするから、色彩や文字の向きに差違があるとしても、近似した印象を与えるものである。

また、本願商標と引用商標1の要部及び引用商標2は、「カラースタジオ」の称呼及び「色彩のスタジオ」程の観念を共通にする。

そうすると、本願商標と引用商標1の要部及び引用商標2は、外観において近似した印象を与えるものであり、称呼及び観念を共通にするものであるから、これらの外観、称呼及び観念によって、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、互いに紛れるおそれのある類似の商標というのが相当である。

(4)本願商標の指定役務と引用商標の指定商品の類否について

ア 本願商標の指定役務の取扱い商品である「化粧品」は、主に、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律に規定する「化粧品」の大部分及び「医薬部外品」のうち、人体に対する作用が緩和なものであって、身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌を変え又は皮膚若しくは毛髪を健やかに保つことを目的として、身体に塗擦、散布等の方法で使用するものが該当し、女性用のみならず、男性用又は乳児用の商品も含まれると解される(「商品及び役務の区分解説[国際分類第12-2024版対応]」(https://www.jpo.go.jp/system/trademark/gaiyo/bunrui/document/kubun_kaisetsu_12-2024/kubun_kaisetsu_12-2024.pdf)参照)。

そうすると、本願商標の指定役務の取扱い商品である「化粧品」には、当然に引用商標の指定商品である「頭髪用化粧品,染毛剤」が含まれる。

イ してみれば、本願商標の指定役務の取扱い商品「化粧品」には、引用商標の指定商品「頭髪用化粧品,染毛剤」が含まれるため、商品の製造若しくは販売における役務の提供が同一業者によって行われるのが通常で、その商品の販売場所と役務の提供場所、需要者の範囲も一致することから、それぞれの商品と役務の間に出所の混同を生じるおそれがあるものであり、相互に類似するものといえる。

ウ 請求人は、「引用商標の指定商品について、専門性が高く美容室や専門店で取り扱われる商品である」などと主張する。

しかしながら、当該主張は、取引における一場面を抽出した特殊的、限定的なものというべきであり、引用商標の指定商品には、ドラッグストアやスーパーマーケットで取り扱われる一般的な商品も該当するものであるから、取引における一場面を抽出し、これを取引の実情として、本願商標の指定役務と引用商標の指定商品の類否判断にあたり考慮することは適当できない。

したがって、上記請求人の主張は採用できない。

(5)まとめ

以上のとおり、本願商標は、引用商標と類似する商標であって、それら指定商品及び指定役務は同一又は類似するから、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。

よって、結論のとおり審決する。

Next Action

次の一手につながるサービス

類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。

次の一歩へ

商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。