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Trademark Appeal Case

色と形状の結合商標の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号2025006365
審判種別記載はありません。
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

結 論
本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

理 由

1 手続の経緯

本願は、令和5年9月21日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。

令和6年 7月24日付け:拒絶理由通知書

令和6年10月 4日 :意見書、手続補正書の提出

令和7年 1月29日付け:拒絶査定

令和7年 4月24日 :審判請求書、手続補正書の提出

令和7年 7月10日付け:審尋

令和7年 8月 7日 :回答書の提出

2 本願商標

本願商標は、「グリーンクリーム」の文字を標準文字で表してなり、第3類及び第5類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として登録出願されたものである。

そして、本願の指定商品は、原審及び当審における上記1の手続補正書により、最終的に第3類「家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用柔軟剤,洗濯用漂白剤,かつら装着用接着剤,洗濯用でん粉のり,洗濯用ふのり,つけまつ毛用接着剤,口臭用消臭剤,動物用防臭剤,塗料用剥離剤,つや出し剤,香料,薫料,研磨紙,研磨布,研磨用砂,人造軽石,つや出し紙,つけづめ,つけまつ毛」及び第5類「薬剤,医療用試験紙,医療用油紙,医療用接着テープ,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド,綿棒,歯科用材料,おむつ,おむつカバー,はえ取り紙,防虫紙,乳幼児用粉乳,サプリメント,栄養補助用飼料添加物(薬剤に属するものを除く。),人工受精用精液」と補正されたものである。

3 原査定の拒絶の理由(要旨)

本願商標は、「グリーンクリーム」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「グリーン」の文字は、「緑。緑色。」等の意味を、「クリーム」の文字は、「白粉下あるいは肌や髪の手入れなどに用いる半固形状の化粧品。」等の意味を有するから、本願商標全体としては、「緑色のクリーム」ほどの意味合いを容易に認識させるものである。

そして、本願の指定商品を取り扱う分野において、緑色、オレンジ色及び肌色等、色付きのクリーム状の商品が一般に販売されている実情が見受けられる。

そうすると、本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は「緑色のクリーム状の商品」であると認識するにすぎないので、本願商標は、単に商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標というのが相当である。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。

4 当審における審尋

当審において、令和7年7月10日付け審尋により、別掲に掲げる事実を提示した上で、本願商標が、その指定商品中「薬剤」との関係において、商標法第3条第1項第3号に該当する旨の暫定的見解を示し、相当の期間を指定して、請求人に対し、意見を求めた。

5 審尋に対する請求人の意見(要旨)

請求人は、上記4の審尋に対し、令和7年8月7日に回答書を提出し、要旨以下(1)ないし(3)のとおりの意見を述べた。

(1)審判請求書において記載のとおり、本願商標構成中の「グリーン」の文字は、必ずしも商品の性状を表すとは限らず、むしろ漠然としたイメージを表すものと評価されるべきである。

(2)本願の指定商品との関係において「クリーム状」の商品が取引されているとして、原審及び上記4の審尋において挙げられた事例は、わずか4例であり、「『クリーム状の商品』が一般的に製造、販売されている」ことの根拠として、十分ではない。

(3)本願指定の商品の分野で、緑色のクリーム状の商品が一般に取引されているとまではいえず、また、色付きのクリームを指して「〇〇クリーム」と称することが一般に行われていることの証左はない。

6 当審の判断

(1)商標法第3条第1項第3号該当性について

本願商標は、「グリーンクリーム」の文字を標準文字で表してなるものである。

そして、その構成中、「グリーン」の文字は、「緑。緑色。」などを、「クリーム」の文字は「牛乳から分離採取した脂肪分。」などを、それぞれ意味する語であって(出典:「広辞苑 第七版」株式会社岩波書店)、これらはいずれも我が国において広く一般的に使用、理解されている語であるから、本願商標は、これらの両語を結合してなるものと、容易に理解できるものであって、全体として「緑色のクリーム」ほどの意味合いが直ちに認識し得るものといえる。

そして、同「クリーム」の文字は、本願の指定商品中「薬剤」との関係では、「乳剤性軟膏。」(出典:同上)を意味する語としても使用、理解されているものであるところ、原審提示の情報にもあるように、薬剤を取り扱う分野においては、主に外用薬において、「クリーム状の商品」が一般的に製造、販売されており、また、別掲の情報にあるように、そのような商品の中には、緑色や赤色、青色といった色彩を有する商品が存在する事実も認められる。

以上のことを総合的に勘案すれば、本願商標をその指定商品中「薬剤」に使用するときは、それに接する取引者、需要者において、その商品が「緑色のクリーム状の商品」であることを表現した語であると容易に理解、認識されるというべきであるから、本願商標は、その商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標といえる。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。

(2)請求人の主張について

ア 請求人は、本願商標構成中の「グリーン」の文字は、「緑。緑色。」の意味のほかにも複数の意味を表す語であって、「薬剤」の分野における「グリーン」の文字を構成中に有する商標の登録事例も踏まえれば、必ずしも商品の性状を表すとは限らず、むしろ漠然としたイメージを表すものと評価されるべきである旨主張する。

しかしながら、「グリーン」の文字が多義的な語として辞書類に掲載されているものであるとしても、同文字は、一般的には「緑。緑色。」の意味において広く使用、理解されているものである上、本願商標の構成において同文字に続き表されている「クリーム」の文字との関係や、本願の指定商品中「薬剤」との関係において、それ以外の意味が認識されやすいというべき事情は見当たらないものである。

また、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第3号に該当するものであるか否かの判断は、当該登録出願の査定時又は審決時において、当該商標の構成態様と指定商品又は指定役務との関係や、その商品又は役務の分野における取引の実情をも踏まえて、個別具体的に判断されるべきものであるところ、請求人の挙げた登録例は、商標の構成態様が本願とは異なるなど、本願とは事案を異にするものというべきであり、また、過去の登録例が存在することをもって、上記判断が左右されるものではない。

イ 請求人は、本願の指定商品との関係において、「クリーム状」の商品が一般的に製造、販売されている事実は示されてない上、「緑色のクリーム状の商品」も、「グリーン」に限らず色付きのクリームを指して「〇〇クリーム」と称することのいずれも一般的ではなく、そうすると、本願商標は、その指定商品との関係で暗示的なものと認識されると評価されるべきである旨主張する。

しかしながら、「クリーム」の文字が、上記(1)のとおり、「薬剤」との関係で「乳剤性軟膏。」を意味する語として辞書類に掲載されていることからも分かるとおり、外用薬を中心とする「薬剤」を取り扱う分野において、クリーム状の商品が広く一般的に製造、販売されていることは、周知の事実である。

そして、本願商標が、それ自体としては一般的に使用されている状況が見受けられないとしても、上記(1)のとおり、本願商標は、「グリーン」の語と「クリーム」の語を結合してなるものと、容易に理解できるものであって、全体として「緑色のクリーム」ほどの意味合いが直ちに認識し得るものである上、薬剤を取り扱う分野においては、主に外用薬において、「クリーム状の商品」が一般的に製造、販売されており、また、別掲の情報にあるように、そのような商品の中には、緑色や赤色、青色といった色彩を有する商品が存在する事実も認められることからすれば、本願商標をその指定商品中「薬剤」に使用したときには、これに接する取引者、需要者によって、その商品が「緑色のクリーム状の商品」であることを表示するものとして一般に認識されるといえ、取引に際し必要適切な表示として何人もその使用を欲するものというべきものであるから、特定人によるその独占使用を認めるのは適当でないとともに、自他商品識別力を欠くものというのが相当である。

ウ したがって、請求人の上記ア及びイの主張は、いずれも採用することができない。

(3)まとめ

以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであるから、登録することができない。

よって、結論のとおり審決する。

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