結論テキスト
本件審判の請求は、成り立たない。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 2025006474 |
|---|---|
| 審判種別 | 記載はありません。 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理 由
本願は、令和6年1月9日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和6年8月1日付け :拒絶理由通知書
令和6年9月18日 :意見書の提出
令和6年12月25日付け:拒絶査定
令和7年4月9日 :審判請求書の提出
本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、別掲2のとおりの役務を指定役務として登録出願された。
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下に掲げるとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである。
商標の構成 別掲3のとおり
指定商品 第1類「写真材料」、第5類「医療用腕環」、第9類「理化学機械器具,光学機械器具,写真機械器具,映画機械器具,測定機械器具」、第10類「医療用機械器具」及び第12類「車いす」(平成19年5月9日書換登録)
登録出願日 昭和50年3月15日
設定登録日 昭和52年6月14日
商標の構成 別掲4のとおり
指定商品 第17類「石綿織物」、第24類「織物,メリヤス生地」、及び第26類「テープ,リボン,編みレース生地,刺しゅうレース生地」(平成21年10月14日書換登録)
登録出願日 昭和50年3月20日
設定登録日 昭和54年11月30日
商標の構成 別掲4のとおり
指定商品 第8類「かつお節削り器,角砂糖挟み,缶切,くるみ割り器(貴金属製のものを除く。),スプーン,フォーク」、第11類「ガス湯沸かし器,加熱器,調理台,流し台,アイスボックス,氷冷蔵庫,家庭用浄水器」、第14類「貴金属製食器類,貴金属製のくるみ割り器・こしょう入れ・砂糖入れ・塩振出し容器・卵立て・ナプキンホルダー・ナプキンリング・盆及びようじ入れ」、第16類「家庭用食品包装フイルム,紙製ごみ収集用袋,プラスチック製ごみ収集用袋」、第20類「ストロー,盆(金属製のものを除く。),うちわ,せんす」、第21類「なべ類,コーヒー沸かし(電気式又は貴金属製のものを除く。),鉄瓶,やかん,食器類(貴金属製のものを除く。),携帯用アイスボックス,米びつ,食品保存用ガラス瓶,水筒,魔法瓶,アイスペール,泡立て器,こし器,こしょう入れ・砂糖入れ及び塩振り出し容器(貴金属製のものを除く。),卵立て(貴金属製のものを除く。),ナプキンホルダー及びナプキンリング(貴金属製のものを除く。),盆(貴金属製のものを除く。),ようじ入れ(貴金属製のものを除く。),ざる,シェーカー,しゃもじ,手動式のコーヒー豆ひき器及びこしょうひき,じょうご,すりこぎ,すりばち,ぜん,栓抜,大根卸し,タルト取り分け用へら,なべ敷き,はし,はし箱,ひしゃく,ふるい,まな板,麺棒,焼き網,ようじ,レモン絞り器,ワッフル焼き型(電気式のものを除く。),清掃用具及び洗濯用具」及び第24類「織物製テーブルナプキン,ふきん」を含む、第4類ないし第6類、第8類、第10類、第11類、第14類、第16類、第18類ないし第21類、第24類及び第26類ないし第28類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品(平成13年11月28日書換登録)
登録出願日 昭和50年4月3日
設定登録日 昭和56年7月31日
商標の構成 別掲4のとおり
指定商品 第1類「試験紙」、第2類「謄写版用インキ,絵の具」、第5類「防虫紙」、第8類「パレットナイフ」、第9類「計算尺」、第16類「紙類,文房具類(「昆虫採集用具」を除く。),昆虫採集用具」、第17類「コンデンサーペーパー,石綿紙,バルカンファイバー」、第24類「布製ラベル」、第27類「壁紙」及び第34類「紙巻きたばこ用紙」(平成14年1月23日書換登録)
登録出願日 昭和50年4月3日
設定登録日 昭和56年10月30日
商標の構成 別掲4のとおり
指定商品 第7類「起動器,交流電動機及び直流電動機(陸上の乗物用の交流電動機及び直流電動機(その部品を除く。)を除く。),交流発電機,直流発電機,家庭用食器洗浄機,家庭用電気式ワックス磨き機,家庭用電気洗濯機,家庭用電気掃除機,電気ミキサー,電機ブラシ」、第8類「電気かみそり及び電気バリカン」、第9類「配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気ブザー,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,磁心,抵抗線,電極」、第10類「家庭用電気マッサージ器」、第11類「電球類及び照明用器具,家庭用電熱用品類」、第12類「陸上の乗物用の交流電動機又は直流電動機(その部品を除く。)」、第17類「電気絶縁材料」及び第21類「電気式歯ブラシ」(平成14年6月5日書換登録)
登録出願日 昭和53年4月18日
設定登録日 昭和57年2月26日
商標の構成 別掲4のとおり
指定商品 第6類「いかり,金属製ビット,金属製ボラード」、第9類「消防艇,ロケット,消防車,自動車用シガーライター」、第12類「船舶並びにその部品及び附属品(「エアクッション艇」を除く。),エアクッション艇,航空機並びにその部品及び附属品,鉄道車両並びにその部品及び附属品,自動車並びにその部品及び附属品,二輪自動車・自転車並びにそれらの部品及び附属品,乳母車,人力車,そり,手押し車,荷車,馬車,リヤカー,タイヤ又はチューブの修繕用ゴムはり付け片」、第13類「戦車」、第19類「ビット及びボラード(金属製のものを除く。)」及び第22類「ターポリン,帆」(平成14年6月5日書換登録)
登録出願日 昭和51年9月20日
設定登録日 昭和57年4月30日
商標の構成 別掲4のとおり
指定商品 第1類「非鉄金属,非金属鉱物」、第2類「塗装用・装飾用・印刷用又は美術用の非鉄金属はく及び粉,塗装用・装飾用・印刷用又は美術用の貴金属はく及び粉」、第6類「鉄及び鋼,非鉄金属及びその合金,金属鉱石」、第14類「貴金属,宝玉の原石」、第17類「雲母」、第19類「建築用又は構築用の非金属鉱物」及び第20類「海泡石,こはく」(平成14年6月5日書換登録)
登録出願日 昭和52年7月4日
設定登録日 昭和57年5月25日
商標の構成 別掲5のとおり
指定商品 第3類「つけづめ,つけまつ毛」、第6類「金属製のバックル」、第8類「ひげそり用具入れ,ペディキュアセット,まつ毛カール器,マニキュアセット」、第10類「耳かき」、第14類「身飾品(「カフスボタン」を除く。),カフスボタン,貴金属製のがま口及び財布,宝玉及びその模造品,貴金属製コンパクト」、第18類「かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ」、第21類「化粧用具(「電気式歯ブラシ」を除く。)」、第25類「ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト」及び第26類「腕止め,衣服用き章(貴金属製のものを除く。),衣服用バッジ(貴金属製のものを除く。),衣服用バックル,衣服用ブローチ,帯留,ボンネットピン(貴金属製のものを除く。),ワッペン,腕章,頭飾品,ボタン類,造花(「造花の花輪」を除く。),つけあごひげ,つけ口ひげ,ヘアカーラー(電気式のものを除く。)」(平成14年6月5日書換登録)
登録出願日 昭和50年5月8日
設定登録日 平成4年2月28日
商標の構成 別掲6のとおり
指定役務 第35類「衣料品・飲食料品及び生活用品に係る各種商品を一括して取り扱う小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,織物及び寝具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,履物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,かばん類及び袋物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,身の回り品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,飲食料品(「菓子及びパン,人工甘味料,乳糖,角砂糖,果糖,氷砂糖,砂糖,麦芽糖,はちみつ,ぶどう糖,粉末あめ,水あめ,穀物の加工品」を除く。)の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,二輪自動車の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,自転車の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,家具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,建具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,畳類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,葬祭用具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,電気機械器具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,手動利器・手動工具及び金具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,台所用品・清掃用具及び洗濯用具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,薬剤及び医療補助品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,化粧品・歯磨き及びせっけん類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,農耕用品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,花及び木の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,燃料の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,印刷物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,紙類及び文房具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,運動具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,おもちゃ・人形及び娯楽用具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,写真機械器具及び写真材料の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,時計及び眼鏡の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,たばこ及び喫煙用具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,建築材料の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」
登録出願日 平成19年6月27日
設定登録日 平成21年7月31日
以下、引用商標1ないし引用商標9をまとめて「引用商標」という。
商標の類否は、対比される両商標が同一又は類似の商品又は役務に使用された場合に、商品及び役務の出所につき誤認混同を生ずるおそれがあるか否かによって決すべきであるが、それには、そのような役務に使用された商標がその外観、観念、称呼等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すべく、しかもその商品及び役務の取引の実情を明らかにし得る限り、その具体的な取引状況に基づいて判断するのを相当とする(最高裁昭和39年(行ツ)第110号同43年2月27日判決参照)。
また、複数の構成部分を組み合わせた結合商標については、商標の各構成部分がそれを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合していると認められる場合においては、その構成部分の一部を抽出し、この部分だけを他人の商標と比較して類否を判断することは、原則として許されないが、その場合であっても、商標の構成部分の一部が取引者又は需要者に対し、商品又は役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与える場合や、それ以外の部分から出所識別標識としての称呼、観念が生じない場合などには、商標の構成部分の一部だけを取り出して、他人の商標と比較し、その類否を判断することが許されるものと解される(最高裁昭和37年(オ)第953号同38年12月5日判決、最高裁平成3年(行ツ)第103号同5年9月10日判決、最高裁平成19年(行ヒ)第223号同20年9月8日判決参照)。
(1)本願商標
本願商標は、「Izumiya SC」の欧文字を横書きしてなるところ、その構成中の「Izumiya」の文字は「泉を取りこんだ建物」の意味を有する「泉屋」の語の欧文字表記であるものの、本願の指定役務との関係において、特定の意味合いを認識させるものではない。また、「SC」の文字は「多くの商店が集中した区域や施設」の意味を有する語である「ショッピングセンター」(いずれも「広辞苑 第七版」株式会社岩波書店)の略語として一般に使用されているものである。
そして、本願商標の構成中「Izumiya」の文字と「SC」の文字は、間隔を空けて配されており、また、「Izumiya」の文字は大文字と小文字からなるのに対し、「SC」の文字は大文字のみからなるものであるから、視覚上分離して看取されるものである。
また、上段の「Izumiya」の文字は、本願の指定役務との関係において、特定の意味合いを認識させるものではなく、役務の質等を表示するものでもないことから、自他役務の識別標識としての機能を十分に発揮し得る部分であるのに対し、「SC」の文字は「多くの商店が集中した区域や施設」の意味を有する語である「ショッピングセンター」の略語として広く一般に使用されている実情があり、役務の提供場所を認識させるにすぎないから、本願の指定役務との関係において、自他役務の識別標識としての機能がないか弱い部分というのが相当である。
さらに、本願商標の構成中「Izumiya」の文字と「SC」の文字は互いに観念上のつながりがなく、一連一体となって何らかの観念が生じるともいえないものであって、ほかにこれらを常に一体のものとしてのみ観察しなければならない特段の事情も見いだせない。
そうすると、本願商標の構成中の「Izumiya」の文字と「SC」の文字とを分離して観察することが、取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているとはいえないものというべきである。
以上からすれば、本願商標の構成中、「Izumiya」の文字は、本願商標の構成においては、当該文字が、需要者に対して、強く支配的な印象を与える要部であるといえる。
したがって、本願商標の構成から、「Izumiya」の文字を要部として抽出し、他の商標と比較して商標の類否を判断することが許されるものであり、本願商標は、その要部である「Izumiya」の文字に相応して、「イズミヤ」の称呼を生じ特定の観念を生じないものである。
(2)引用商標
ア 引用商標1
引用商標1は、別掲3のとおり、「イズミヤ」の片仮名(「ミ」の文字は、横線に角度のない若干デザイン化された書体となっている。)を横書きしてなるところ、当該文字は、「泉を取りこんだ建物」の意味を有する「泉屋」の語(前掲書)の片仮名表記であるものの、引用商標1の指定商品との関係において、特定の意味合いを認識させるものではない。
したがって、引用商標1は、その文字に相応して、「イズミヤ」の称呼を生じ特定の観念を生じないものである。
イ 引用商標2ないし引用商標7
引用商標2ないし引用商標7は、黒塗りの長方形の内部に、白抜きで表された7つの花びら様の図形を円状に配した図形(以下「引用図形1」という。)の下に、「イズミヤ」の片仮名(「ミ」の文字は、横線に角度のない若干デザイン化された書体となっている。)を横書きしてなるところ、引用図形1は、特定の事物を表したもの、又は意味合いを表すものとして認識され、親しまれているというべき事情は認められないことから、特定の称呼及び観念は生じないものである
また、「イズミヤ」の文字は、上記アと同様に、引用商標2ないし引用商標7の指定商品との関係において、特定の意味合いを認識させるものではない。
そして、引用図形1と「イズミヤ」の文字とは、図形と文字という構成要素を異にしていることから、両者は視覚的に分離して看取されるものであることに加え、これらは、全体として親しまれた意味合いを表したものとはいえず、他にこれらを不可分一体のものとして把握しなければならない事情も見いだせないことからすると、引用商標2ないし引用商標7は、引用図形1と「イズミヤ」の文字をそれぞれ分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものではない。
さらに、「イズミヤ」の文字部分は読みやすい書体で表されているものであるから、引用商標2ないし引用商標7の構成において、目をひく部分といえる。
また、引用図形1は、上記のとおり、需要者に対し、特定の意味合いを認識させることのないものであるから、これも引用商標2ないし引用商標7の構成において、目をひく部分といえる。
してみれば、引用図形1及び「イズミヤ」の文字部分は、そのいずれもが独立して自他商品の出所識別標識としての機能を果たし得るものである。
そうすると、引用商標2ないし引用商標7は、その構成中の「イズミヤ」の文字部分を要部として抽出して、他の商標と比較し、その類否を判断することが許されるというべきものである。
したがって、引用商標2ないし引用商標7は、その構成中の「イズミヤ」の文字部分の構成文字に相応して「イズミヤ」の称呼が生じ、特定の観念を生じないものである。
ウ 引用商標8
引用商標8は、別掲5のとおり、「イズミヤ」の片仮名(「ミ」の文字は、横線に角度のない若干デザイン化された書体となっている。)及び「Izumiya」の欧文字を二段に表してなるところ、「イズミヤ」の文字は、上記ア及びイと同様に、引用商標8の指定商品との関係において、特定の意味合いを認識させるものではない。また、「Izumiya」の文字は、「イズミヤ」の文字を欧文字表記したものと容易に理解できるものである。
したがって、引用商標8は、その構成文字に相応して「イズミヤ」の称呼が生じ、特定の観念を生じないものである。
エ 引用商標9
引用商標9は、左側を黄緑色、右側をオレンジ色に塗った長方形の内部に、濃いオレンジ色の円図形を配し、その円図形に沿うように、白抜きで表された7つの花びら様の図形を配した図形(以下「引用図形2」という。)の下に、濃いオレンジ色の「イズミヤ」の片仮名(「ミ」の文字は、横線に角度のない若干デザイン化された書体となっている。)を横書きしてなるところ、引用図形2は、特定の事物を表したもの、又は意味合いを表すものとして認識され、親しまれているというべき事情は認められないことから、特定の称呼及び観念は生じないものである
また、「イズミヤ」の文字は、上記アないしウと同様に、引用商標9の指定役務との関係において、特定の意味合いを認識させるものではない。
そして、引用図形2と「イズミヤ」の文字とは、図形と文字という構成要素を異にしていることから、両者は視覚的に分離して看取されるものであることに加え、これらは、全体として親しまれた意味合いを表したものとはいえず、他にこれらを不可分一体のものとして把握しなければならない事情も見いだせないことからすると、引用商標9は、引用図形2と「イズミヤ」の文字をそれぞれ分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものではない。
さらに、「イズミヤ」の文字部分は読みやすい書体で表されているものであるから、引用商標9の構成において、目をひく部分といえる。
また、引用図形2は、上記のとおり、需要者に対し、特定の意味合いを認識させることのないものであるから、これも引用商標9の構成において、目をひく部分といえる。
してみれば、引用図形2及び「イズミヤ」の文字部分は、そのいずれもが独立して自他役務の出所識別標識としての機能を果たし得るものである。
そうすると、引用商標9は、その構成中の「イズミヤ」の文字部分を要部として抽出して、他の商標と比較し、その類否を判断することが許されるというべきものである。
したがって、引用商標9は、その構成中の「イズミヤ」の文字部分の構成文字に相応して「イズミヤ」の称呼が生じ、特定の観念を生じないものである。
(3)本願商標と引用商標の類否
ア 本願商標と引用商標1の類否
本願商標と引用商標1とは、「SC」の文字の有無という差異を有することから、両商標は、その構成全体の比較において外観上相違するものであるが、本願商標の構成中の要部である「Izumiya」の文字部分と引用商標1の比較においては、文字種における差異を有するものの、商標の使用においては、商標の構成文字を同一の称呼が生じる範囲内で文字種を相互に変換して表記することが一般的に行われている取引の実情があることに鑑みれば、両者における文字種の相違が、看者に対し、出所識別標識としての外観上の顕著な差異として強い印象を与えるとまではいえない。
また、称呼においては、両者はともに「イズミヤ」の称呼を生じるから、称呼上同一である。
そして、観念においては、両者はともに特定の観念を生じないから、観念上比較することができない。
以上によれば、本願商標の「Izumiya」の文字部分と引用商標1は、観念において比較することができないとしても、外観における差異が顕著な差異として強い印象を与えるとまではいえず、称呼を共通にするものであるから、その外観、称呼及び観念が、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合すれば、本願商標と引用商標1は、商品及び役務の出所について誤認混同を生ずるおそれのある類似の商標と判断するのが相当である。
イ 本願商標と引用商標2ないし引用商標7の類否
本願商標と引用商標2ないし引用商標7とは、「SC」の文字の有無及び引用図形1の有無という差異を有することから、両商標は、その構成全体の比較において外観上相違するものであるが、本願商標の要部である「Izumiya」の文字部分と引用商標2ないし引用商標7の要部である「イズミヤ」の文字部分の比較においては、文字種における差異を有するものの、上記アと同様に、商標の使用においては、商標の構成文字を同一の称呼が生じる範囲内で文字種を相互に変換して表記することが一般的に行われている取引の実情があることに鑑みれば、両者における文字種の相違が、看者に対し、出所識別標識としての外観上の顕著な差異として強い印象を与えるとまではいえない。
また、称呼においては、両者はともに「イズミヤ」の称呼を生じるから、称呼上同一である。
そして、観念においては、両者はともに特定の観念を生じないから、観念上比較することができない。
以上によれば、本願商標の「Izumiya」の文字部分と引用商標2ないし引用商標7は、観念において比較することができないとしても、外観における差異が顕著な差異として強い印象を与えるとまではいえず称呼を共通にするものであるから、その外観、称呼及び観念が、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合すれば、本願商標と引用商標2ないし引用商標7は、商品及び役務の出所について誤認混同を生ずるおそれのある類似の商標と判断するのが相当である。
ウ 本願商標と引用商標8の類否
本願商標と引用商標8とは、「SC」の文字の有無という差異を有することから、両商標は、その構成全体の比較において外観上相違するものであるが、本願商標の構成中の「Izumiya」の文字部分と引用商標8の比較においては、「イズミヤ」の文字の有無という差異を有するものであるものの、これは引用商標8の構成中の「Izumiya」の文字を片仮名表記したものと容易に理解されるものであること、また、本願商標の要部である「Izumiya」の文字部分と引用商標8の構成中の「Izumiya」の文字部分は、文字つづりが同一であることに加え、その構成文字の書体がほぼ同様であって、両者は極めて似通った印象を与えるものであるから、当該差異が看者に対し、強い印象を与えるとまではいえない
また、称呼においては、両者はともに「イズミヤ」の称呼を生じるから、称呼上同一である。
そして、観念においては、両者はともに特定の観念を生じないから、観念上比較することができない。
以上によれば、本願商標の「イズミヤ」の文字部分と引用商標8は、観念において比較することができないとしても、外観における差異が看者に対し強い印象を与えるとまではいえず、称呼を共通にするものであるから、その外観、称呼及び観念が、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合すれば、本願商標と引用商標8は、商品及び役務の出所について誤認混同を生ずるおそれのある類似の商標と判断するのが相当である。
エ 本願商標と引用商標9の類否
本願商標と引用商標9とは、色彩の有無、「SC」の文字の有無及び引用図形2の有無という差異を有することから、両商標は、その構成全体の比較において外観上相違するものであるが、本願商標の要部である「Izumiya」の文字部分と引用商標9の要部である「イズミヤ」の文字部分の比較においては、文字種における差異を有するものの、上記ア及びイと同様に、商標の使用においては、商標の構成文字を同一の称呼が生じる範囲内で文字種を相互に変換して表記することが一般的に行われている取引の実情があることに鑑みれば、両者における文字種の相違が、看者に対し、出所識別標識としての外観上の顕著な差異として強い印象を与えるとまではいえない。
また、称呼においては、両者はともに「イズミヤ」の称呼を生じるから、称呼上同一である。
そして、観念においては、両者はともに特定の観念を生じないから、観念上比較することができない。
以上によれば、本願商標の「Izumiya」の文字部分と引用商標9は、観念において比較することができないとしても、外観における差異が顕著な差異として強い印象を与えるとまではいえず、称呼を共通にするものであるから、その外観、称呼及び観念が、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合すれば、本願商標と引用商標9は、役務の出所について誤認混同を生ずるおそれのある類似の商標と判断するのが相当である。
(4)本願の指定役務と引用商標の指定商品及び指定役務との類否について
本願の指定役務は、引用商標の指定商品及び指定役務と同一又は類似する役務を含むものである。
(5)小括
本願商標と引用商標とは、相紛れるおそれのある類似の商標であり、かつ、本願の指定役務は、引用商標の指定商品及び指定役務と同一又は類似のものである。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(1)請求人は、請求人と引用商標権者がエイチ・ツー・オーリテイリング株式会社を親会社とするグループ会社であって、請求人は商業施設の運営等を、引用商標権者はスーパーマーケットの運営事業を目的として設立されたものであること、そして、それらのことはプレスリリースで周知を図るとともに、複数のウェブサイトにおいて紹介されたこと、自治体と協定やイベントを行い請求人が「イズミヤショッピングセンター」「イズミヤSC」を管理運営していることが周知となっており、需要者等において「イズミヤ」とは業態の異なるものとして理解されるに至っていることなどを述べるとともに、証拠方法として甲第6号証ないし甲第12号証を提出し、本願商標は「イズミヤエスシー」とのみ称呼すべきものである旨を主張している。
しかしながら、請求人の提出する証拠によれば、上記親会社のウェブサイトにおいて、請求人と引用商標権者がグループ企業として掲載されていること(甲6)、請求人が製作したとするチラシにおいて「Izumiya SC」の文字が表示されていること(甲9)、請求人が自治体と協定を締結したことや第三者と協働したことがウェブサイトで紹介されたこと(甲10,甲11)、請求人のウェブサイトにおいて「イズミヤショッピングセンター」の文字を店名の一部に有する店が複数掲載されていること(甲12)は認められるものの、請求人が製作したとするチラシ(甲9)以外には「Izumiya SC」の文字が表示されたものはないし、本願商標に接する需要者が「イズミヤエスシー」とのみ称呼する事情があるかどうかについての記載も見当たらない。
また、請求人から提出された証拠からは、請求人と引用商標権者がグループ会社であることや自治体と協定を締結していることなどが、本願の指定役務の需要者に認識されていると認められるような記載等は見いだせない上、グループ会社であることをもって直ちに、需要者が、本願商標を「イズミヤエスシー」とのみ称呼するとはいうことができないし、ほかにそのように認めるべき事情も見いだせない。
そして、本願商標はその構成から、「イズミヤ」の文字を要部として抽出し、他の商標と比較して商標の類否を判断することが許されるものであることは上記2(1)のとおりである。
(2)請求人は過去における審決例及び登録例を挙げて、本願商標も登録されるべき旨を主張している。
しかしながら、商標の類否判断は、商標の構成、指定役務、取引の実情等を踏まえて、商標ごとに個別に判断すべきものであって、請求人が指摘するような他の登録例や審決例があるからといって、本願商標と引用商標の類否判断が影響を受けるものではないから、本願商標が引用商標と類似することを否定する理由にはならない。
(3)したがって、請求人の主張は、いずれも採用できない。
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
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