結論テキスト
本件審判の請求は、成り立たない。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 2025007494 |
|---|---|
| 審判種別 | 記載はありません。 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理 由
本願は、令和6年3月27日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和6年11月12日付け:拒絶理由通知書
令和6年12月17日 :意見書、手続補正書の提出
令和7年3月6日付け :拒絶査定
令和7年5月15日 :審判請求書の提出
令和7年7月31日付け :証拠調べ通知書
令和7年8月28日 :意見書の提出
本願商標は、「ゆっくり配送」の文字を標準文字で表してなり、第35類及び第39類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として、登録出願され、その後、指定役務については、上記第1の手続補正書により別掲1のとおりの役務とされた。
本願商標は、「ゆっくり配送」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中、「ゆっくり」の文字は「動作・運動が時間をかけて行われるさま。急がないさま。」等の意味を、また、「配送」の文字は「配達と発送。送りとどけること。」等の意味を有する語であり、これらの語は一般にも親しまれているものといえるから、本願商標は、全体として、「動作・運動が時間をかけて行われる配送」程の意味合いを容易に理解させるものである。
そうすると、本願商標をその指定役務に使用するときは、これに接する取引者、需要者は、本願商標が「動作・運動が時間をかけて行われる配送」を意味する語であると理解するにとどまるというのが相当であるから、本願商標は、自他役務の識別標識としての機能を果たし得ないものというべきであり、取引者、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができない商標というのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。
本願商標が、その指定役務との関係において、商標法第3条第1項第6号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べを実施した結果、別掲2のとおりの事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき通知し、請求人の意見を求めた。
請求人は、上記第4の証拠調べ通知書に対して、上記第1の令和7年8月28日に意見書を提出し、要旨以下1ないし4のとおり、意見を述べた。
商標法第3条第1項第6号は、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標につき、それ故に登録を受けることができないとしたものであって、当該商標が取引上現実に使用されている事実は、同号の適用において必ずしも要求されないものと解すべきである(知財高裁平成25年(行ケ)第10142号、同年11月14日判決参照)。
本願商標は「ゆっくり配送」の文字を標準文字で表してなるところ、「ゆっくり」の文字は「動作・運動が時間をかけて行われるさま」の、「配送」の文字は「送りとどけること」の意味を有する語(いずれも「広辞苑 第七版」株式会社岩波書店)として、それぞれよく知られた語であるから、これらを結合してなる「ゆっくり配送」の文字全体としては「時間をかけて送りとどけること」程の意味合いを容易に認識させるものである。
そして、ドライバー不足などが危ぶまれる2024年問題への対応等として、これまでに比較して顧客等の手元に届くまでの時間が長くかかる配送の導入が進められており、そのような配送のことが「ゆっくり配送」と一般に表現されている(別掲2)。
そうすると、本願商標をその指定役務について使用しても、これに接する需要者に、「時間をかけて送りとどけることに関する役務」であること、すなわち、その役務の特性や優位性など役務の宣伝広告として用いられ得る語の一類型であると理解させるにとどまるものであるから、自他役務の識別標識としての機能を果たし得ず、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標といわざるを得ない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。
(1)請求人は、原審おいて示された事実及び上記第4の証拠調べ通知書において示された事実(別掲2)はすべてインターネットにおける公開情報であり、インターネット上にある膨大な量のホームページの中における僅少な使用例をもって商標の識別力を否定することができない旨を主張している。
しかしながら、上記1のとおり、商標法第3条第1項第6号は、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標につき、それ故に登録を受けることができないとしたものであって、当該商標が取引上現実に使用されている事実は、同号の適用において必ずしも要求されないものと解すべきであり、仮に、「ゆっくり配送」の文字が、これまでに比較して顧客等の手元に届くまでの時間が長くかかる配送のことを指称する語として使用されている例がないとしても、そのことのみで、同号該当性を否定することはできない。
そして、「ゆっくり配送」の文字が、これまでに比較して顧客等の手元に届くまでの時間が長くかかる配送のことを指称する語として一般に使用されているものであること(別掲2)、及び本願商標を構成する各語の語義を踏まえれば、本願商標が自他役務の識別標識としての機能を果たし得ず、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標といわざるを得ないことは上記2で述べたとおりである。
(2)請求人は、上記第4の証拠調べ通知書において示された事実(別掲2)について、「ゆっくり配送」の文字が「2024年問題」などの社会問題と関連性を持たせて使用されていることは明らかであり、それらのインターネット公開情報にたどりつける閲覧者は、「ドライバー不足などが危ぶまれる2024年問題への対応」に関心がある者という限られた範囲の需要者と予想される旨、インターネット公開情報へのアクセス数や需要者の閲覧数は、請求人による使用例の方が多く、他者による使用例が少ないと容易に把握できる旨等を述べるとともに、インターネット公開情報だけを前提にすると、本願の指定役務の需要者は、「ゆっくり配送」の文字から、請求人の出所に係る役務を表示するものと一般に認識するというのが自然であって、「動作・運動が時間をかけて行われる配送」程の意味合いを一般に認識することはできないというべきであり、これらの事実を根拠に「ゆっくり配送」の文字から、「動作・運動が時間をかけて行われる配送」程の意味合いを認識できるとするには余りにも行き過ぎた解釈であり、本願商標は、役務の出所識別標識としての機能を十分発揮するものである旨を主張している。
しかしながら、「ゆっくり配送」の文字は、これまでに比較して顧客等の手元に届くまでの時間が長くかかる配送のことを指称する語として一般に使用されているものであること(別掲2)、及び本願商標を構成する各語の語義を踏まえれば、本願商標をその指定役務について使用しても、これに接する需要者に、「時間をかけて送りとどけることに関する役務」であること、すなわち、その役務の特性や優位性を示す語の一類型であることを理解させるにとどまり、自他役務の識別標識としての機能を果たし得ないものであることは上記2で述べたとおりである。
また、「ゆっくり配送」の文字から、請求人の業務に係る役務を表示するものと一般に認識するいうべき事情は見いだせない。
(3)請求人は、過去における登録例を挙げて、本願商標も登録されるべき旨を主張している。
しかしながら、登録出願に係る商標がその指定役務との関係において、自他役務の識別標識として機能し得るか否かは、当該商標の構成態様と指定役務との関係や取引の実情をも踏まえて個別具体的に判断されるべきものであるところ、請求人の示す登録例と本願商標とは、構成文字が異なり、事案を異にするものであるし、本願商標が自他役務の識別標識としての機能を果たし得ないものであることは、上記2のとおりであるから、登録例があるからといってその判断が左右されることはない。
(4)したがって、請求人の主張は、いずれも採用できない。
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当するものであるから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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