結論テキスト
本件審判の請求は、成り立たない。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 2025007636 |
|---|---|
| 審判種別 | 記載はありません。 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理 由
本願は、令和6年7月1日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和7年 1月23日付け:拒絶理由通知書
令和7年 2月19日 :意見書、手続補正書の提出
令和7年 4月 8日付け:拒絶査定
令和7年 5月19日 :審判請求書
本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、第43類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として登録出願され、その後、本願の指定役務については、上記1の手続補正書により、第43類「京都府京都市の北野地区の白梅町地域及びその周辺地域における飲食物の提供」に補正されたものである。
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第6116653号商標(以下「引用商標」という。)は、「奥湯河原 白梅」の文字を標準文字で表してなり、平成30年4月23日に登録出願、第43類「宿泊施設の提供,宿泊施設の提供の契約の媒介又は取次,飲食物の提供,会議室の貸与,展示施設の貸与」を指定役務として、同31年1月25日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
(1)本願商標
本願商標は、別掲のとおり、やや太い線で描かれた円の内部に、5弁の花を模した図形(以下「図形部分」という。)と、その下に、「大衆酒場」及び「白梅」(審決注:「梅」は旧字体。本願商標において以下同じ。)の文字を上下二段に横書きした(以下「文字部分」という。)構成よりなる図形と文字の結合商標であるところ、図形部分と文字部分は、一定の間隔をあけて配置されていることから、視覚上、分離して看取、把握され得るものであり、かつ、図形部分が5弁の花を模した図形よりなるものであって、文字部分に花の一種である「白梅」の文字を有しているとしても、図形部分と文字部分とが一連一体となって特定の観念を生じたり、何らかの称呼が生じるとはいえないことから、図形部分と文字部分とは、それぞれが独立して自他役務の出所識別標識として機能し得るものである。
そこで、図形部分をみるに、当該部分は、5弁の花を模した図形よりなるとしても、特定の意味合いを表すものとして認識されているとまではいい難いものであり、これよりは直ちに特定の称呼及び観念は生じないというのが相当である。
また、文字部分をみるに、「大衆酒場」及び「白梅」の各文字部分は重なることなく配置され、各文字部分を構成する文字の大きさに差異があり、これらが一体となって特定の意味合いを認識させるといった観念的なつながりは見いだせないことから、常に一体のものとして把握しなければならない特段の事情も見いだせない。
そして、「白梅」の文字部分は、他の文字部分に比べて大きく顕著に表されたものであることから、外観上、看者の注意を強く引き、分離して看取されるものであり、「梅」の文字が旧字体で表されているものの、「白色の梅花。しらうめ。」を意味する「白梅」(出典:広辞苑 第七版 株式会社岩波書店)を表したものと容易に理解できるものであるから、本願の指定役務との関係において、自他役務の識別標識としての機能を有さないと判断するべき特段の事情はない。
他方、「大衆酒場」の文字部分は、「廉価で誰でも気軽に楽しめる雰囲気の酒場。」(出典:広辞苑 第七版 株式会社岩波書店)を意味するものとして一般に理解されるものであるところ、本願の指定役務との関係においては、当該役務を提供する役務の業種、役務の質等を認識させるものであり、出所識別標識としての機能を果たし得ないか、または極めて弱い部分といわざるを得ない。
してみれば、本願商標の構成中、大きく顕著に表された「白梅」の文字部分は、取引者、需要者に対し、役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものということができるから、当該文字部分を要部の一として抽出し、他人の商標と比較することが許されるというべきである。
そうすると、本願商標からは、「白梅」の文字部分に相応した「ハクバイ」、「シラウメ」の称呼及び「白色の梅花。」の観念が生じる。
(2)引用商標
引用商標は、「奥湯河原 白梅」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中「奥湯河原」の文字部分は、原審において通知した証拠のとおり、「神奈川県足柄下郡湯河原町」に所在の温泉地として知られている地名を表す語であり、その指定役務との関係においては、当該役務の提供の場所を表示したものと認識されるにすぎず、出所識別標識としての機能を果たし得ないか、または極めて弱い部分といわざるを得ない。
そうすると、引用商標は、その指定役務との関係において、出所識別標識としての機能を果たす「白梅」の文字が強く支配的な印象を与えるものということができるから、「白梅」の文字部分を要部として抽出し、他人の商標と比較することが許されるものである。
したがって、引用商標からは、「白梅」の文字部分に相応した「ハクバイ」、「シラウメ」の称呼及び「白色の梅花。」の観念が生じる。
(3)本願商標と引用商標の比較
本願商標の要部の一である「白梅」と引用商標の要部である「白梅」とを比較すると、両者の差異は「梅」の文字における常用漢字とその旧字体の差異にすぎないものであり、わが国において、常用漢字とその旧字体を相互に変換して表記することが一般的に行われていることを考慮すれば、これら差異が商標の類否において及ぼす影響はさほど大きくないものといえ、両者は外観において近似した印象を与えるものといえる。
そして、両者は、「ハクバイ」、「シラウメ」の称呼及び「白色の梅花。」の観念を共通にするものである。
したがって、本願商標の要部の一である「白梅」の文字と引用商標の要部である「白梅」の文字は、外観において近似した印象を与え、称呼及び観念を共通にすることから、それら外観、称呼及び観念によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、本願商標と引用商標は、役務の出所について誤認混同を生ずるおそれのある類似の商標と判断するのが相当である。
(4)本願の指定役務と引用商標の指定役務との類否について
本願の指定役務は上記2のとおりであり、引用商標の指定役務は上記3のとおりであるところ、本願の指定役務は、引用商標の指定役務中、第43類「飲食物の提供」と同一又は類似するものである。
(5)小括
以上のとおり、本願商標は、引用商標と類似する商標であり、かつ、本願の指定役務は、引用商標の指定役務と同一又は類似するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
請求人は、本願商標中の「白梅」の文字部分は、指定役務との関係において、京都府京都市の北野地区の白梅町を意味する地域の名称であることは明らかであり、「白梅町」は知名度を有していることから、本願商標中の「白梅」の文字部分は自他役務の識別力がないか、極めて弱い部分であって、当該文字部分のみを抽出して先行商標と対比することは適切でない旨主張する。
しかしながら、「白梅」の文字は、「白色の梅花。」の意味を有する成語「白梅」に通じるものであるから、これを直ちに地名と理解することはないというのが相当であり、提出された証拠(添付資料1ないし資料12)からは、「北野白梅町」、「白梅町」等の地名の使用例は散見されるものの、これらをもって当該地名が周知であることや、「白梅」のみの文字が地名を表す文字として一般に使用されているものであるなど、本願商標中の「白梅」の文字が自他役務の出所識別標識としての機能が弱い語として取引者、需要者に認識されていることを裏付けるものとはいえない。
したがって、請求人の上記主張は、採用することができない。
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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