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Trademark Appeal Case

称呼の類似性と要部抽出

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号2025008861
審判種別記載はありません。
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

結 論
原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。

理由テキスト

理 由

1 手続の経緯

本願は、令和6年6月7日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。

令和6年12月23日付け:拒絶理由通知書

令和7年 1月24日 :意見書の提出

令和7年 3月18日付け:拒絶査定

令和7年 6月 9日 :審判請求書の提出

2 本願商標

本願商標は、別掲1の構成よりなり、第42類「顧客対応履歴情報管理のための電子計算機用プログラムの提供,顧客情報管理のための電子計算機用プログラムの提供,音声データの録音及び管理のための電子計算機用プログラムの提供,電子計算機用プログラムの提供,電子計算機用プログラムの提供に関する助言・指導及び情報の提供,電子計算機用プログラムの貸与,サーバの記憶領域の貸与,クラウドコンピューティング用のコンピュータソフトウェアの提供,人工知能の機能を有する電子計算機用プログラムの提供,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,データログの収集・解析・分析又は保存,データログの収集結果・解析結果・分析結果又は保存結果に関する情報の提供,ウェブサイトの作成又は保守,電子計算機又はそのプログラムの性能・操作方法等に関する紹介及び説明」を指定役務として登録出願されたものである。

3 引用商標

原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第5696664号商標は、別掲2の構成よりなり、平成25年11月28日に登録出願、第3類、第5類、第9類、第10類、第35類、第37類、第41類、第42類、第44類及び第45類に属する別掲3の商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成26年8月22日に設定登録、令和6年4月5日に存続期間の更新登録がされ、その商標権は、現に有効に存続しているものである。

4 原査定の拒絶の理由の要点

本願商標は、前記3における引用商標と同一又は類似の商標であって、引用商標の指定役務と同一又は類似の役務について使用をするものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。

5 当審の判断

(1)本願商標と引用商標の類否について

ア 本願商標について

本願商標は、別掲1のとおり、2本の直線と同数の曲線からなる赤色の図形(以下「図形部分」という。)を表し、その右側に、やや図案化された「Thinca」の文字(以下「文字部分」ということがある。)の文字を表してなるところ、これらは、一定の間隔を空けて、それぞれ重なり合うことなく、独立して表されていることから、視覚上分離して看取し得るものである。

本願商標の構成中、図形部分は、特定の事物又は意味合いを表すものとして認識され、親しまれているというべき事情は認められないから、これより特定の称呼及び観念は生じないものである。

一方、構成中の「Thinca」の文字は、一般的な辞書等に掲載のない語であり、特定の意味を想起させる語として知られているものとも認められないことからすれば、特定の意味を認識させない一種の造語として認識されるというのが相当である。そして、欧文字からなる特定の意味を認識させない語にあっては、我が国において親しまれているローマ字読み及び英語の読みに倣って称呼するのが自然といえ、当該文字からは「シンカ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。

そして、図形部分及び文字部分とが、特定の意味合いを有する等の観念上の結びつきを見いだすこともできないから、これらが視覚上分離して看取し得ることも相まって、これらが常に一体不可分のものとしてのみ看取されると判断しなければならない特段の事情は見いだせない。

そうすると、本願商標は、その構成中の文字部分を分離抽出し、これを本願商標の要部として引用商標と比較することが許されるというべきであり、「Thinca」の文字に相応して、「シンカ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。

イ 引用商標について

引用商標は、別掲2のとおり、四つの突起を下部に有する、横長の楕円形状の図形(以下「引用商標の図形部分」という。)を表し、その内部に、やや図案化された「thInka」の文字(以下「同文字部分」ということがある。)の文字を表してなるものである。

引用商標の図形部分は、特定の事物又は意味合いを表すものとして認識され、親しまれているというべき事情は認められないから、これより特定の称呼及び観念は生じない。

一方、構成中の「thInka」の文字は、一般的な辞書等に掲載のない語であり、特定の意味を想起させる語として知られているものとも認められないことからすれば、特定の意味を認識させない一種の造語として認識されるというのが相当である。そして、欧文字からなる特定の意味を認識させない語にあっては、我が国において親しまれているローマ字読み及び英語の読みに倣って称呼するのが自然といえ、当該文字からは「シンカ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。

そして、引用商標の図形部分及び同文字部分とは、これらが特定の意味合いを有する等の観念上の結びつきを見いだすことはできず、常に一体不可分のものとしてのみ看取されると判断しなければならない特段の事情は見いだせない。

加えて、引用商標の図形部分については、際立った特徴を有さず、これのみをもって独立して商取引に資されるというよりは、むしろ、同文字部分の背景として看取されることが少なくないものといえる。

そうすると、引用商標は、その構成中の「thInka」の文字が、視覚的に看者の目を引く部分であるというのが相当であって、これを分離抽出し、これを引用商標の要部として本願商標と比較することが許されるというべきであり、「thInka」の文字に相応して、「シンカ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。

ウ 本願商標と引用商標の類否について

本願商標と引用商標を比較するに、両者の構成全体において、図形と文字の位置関係が異なることに加え、図形の構成態様も著しく異なるものである。そして、本願商標の要部である「Thinca」の文字部分と、引用商標の要部である「thInka」の文字部分との比較においても、両文字部分の5文字目が「c」と「k」である点において相違していることに加え、両文字部分がやや図案化されていることも相まって、両者は、外観上、明確に区別できるものである。

また、称呼においては、本願商標と引用商標から生じる「シンカ」の称呼を共通にするものである。

そして、本願商標及び引用商標は、いずれも特定の観念を生じないものである。

そうすると、本願商標と引用商標とは、観念において比較できず、「シンカ」の称呼を共通にするとしても、外観において著しく相違し、明確に区別できるものであるから、これらを総合して判断すれば、両商標は、相紛れるおそれのない非類似の商標というのが相当である。

エ 小括

以上のとおり、本願商標は、その指定役務中に、引用商標に係る指定役務と同一又は類似の役務を含むとしても、引用商標と類似する商標ではないから、商標法第4条第1項第11号に該当しない。

(2)まとめ

したがって、本願商標が、商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。

その他、本願について拒絶の理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

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