結論テキスト
原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 2025011171 |
|---|---|
| 審判種別 | 記載はありません。 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
理 由
本願は、令和6年7月31日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和7年 2月19日付け:拒絶理由通知書
令和7年 4月 9日 :意見書の提出
令和7年 5月14日付け:拒絶査定
令和7年 7月17日 :審判請求書の提出
本願商標は、別掲1のとおりの構成からなり、第5類「薬剤(農薬に当たるものを除く。),中枢神経系用薬剤,抗てんかん剤,腫瘍治療用薬剤,がん治療剤,肉腫治療剤,薬草,医療用薬草,医療用薬草エキス(精油を除く。),医療用薬草茶,医療用大麻」を指定商品として、登録出願されたものである。
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第6521083号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲2のとおりの構成よりなり、令和3年3月25日に登録出願、第3類「化粧品,ヘアーリンス,ヘアートリートメント,おしろい,化粧水,クリーム,紅,頭髪用化粧品,香水類,アイシャドウ,あぶらとり紙,身体用防臭剤,脱毛剤,タルカムパウダー,ネイルエナメル,ネイルエナメル除去液,バスオイル,バスソルト,パック用化粧料,ベビーオイル(医療用のものを除く。),ベビーパウダー(医療用のものを除く。),マスカラ,まゆ墨,毛髪脱色剤,せっけん類,シャンプー,歯磨き,口臭用消臭剤,香料,薫料」及び第5類「サプリメント,薬剤,食餌療法用飲料,食餌療法用食品,乳幼児用飲料,乳幼児用食品,栄養補助用飼料添加物(薬剤に属するものを除く。)」を指定商品として、同4年3月2日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
(1)本願商標について
本願商標は、別掲1のとおり、黒色の円図形内に麻の葉の幾何学模様が表された図形(以下「図形部分」という。)と、その右側に、「KISEKI」の欧文字(以下「欧文字部分」という。)を配してなる構成からなる。
そして、本願商標の構成において、図形部分及び欧文字部分(以下「各構成部分」という。)は、相互に一定の間隔を空けて、重なり合うこともなく配置され、各構成部分は、それぞれが独立したものであるとの印象を与えることから、視覚上分離して認識されるものである。
また、本願商標の構成中、図形部分は、特定の事物又は意味を表すものとして認識され、親しまれているというべき事情は見当たらないことから、特定の称呼及び観念を生じないものであり、欧文字部分は、辞書類に載録されている既成語ではなく、「キセキ」と読む日本語の単語をローマ字表記したと認識される場合があるとしても、「奇跡、軌跡、貴石」等の複数の意味合いを想起し得るものであって、直ちに特定の意味合いを想起させる語として一般に認識されているものともいえないことから、特定の観念を生じない造語として看取、把握されるものである。
そうすると、本願商標を構成する各構成部分は、視覚上分離して認識されるものであり、観念上のつながりもないことから、これらを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているとはいえない。
以上からすれば、本願商標は、その構成中の各構成部分が、それぞれ独立して自他商品の出所識別標識の機能を有しているといえることから、欧文字部分を要部の一として抽出し、この部分だけを他人の商標と比較することも許されるものである。
よって、本願商標は、その要部の一である「KISEKI」の欧文字部分に相応して、「キセキ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
(2)引用商標について
引用商標は、別掲2のとおり、黒線の枠内に赤色で塗りつぶされた横長長方形を配し、その横長長方形内には、「奇」及び「跡」の2つの漢字と、当該2つの漢字の間に、虹色のグラデーションで表された幾何学図形を内部に有する灰色の正方形が配された構成からなる。
そして、引用商標の構成において、黒線の枠及び赤色で塗りつぶされた横長長方形は、背景と理解されるものであり、内部に幾何学図形を有する灰色の正方形は、特定の事物又は意味を表すものとして認識され、親しまれているというべき事情は見当たらないことから、特定の称呼及び観念を生じないものであるところ、構成中の「奇」及び「跡」の2つの漢字は、その間に灰色の正方形が配されているものの、同書同大で書されており、これら2つの漢字を一連に表した「奇跡」は、「常識では考えられない神秘的な出来事。」(出典:広辞苑 第七版 株式会社岩波書店)を意味する一般に知られた成語である。
そうすると、背景と理解される横長長方形内に配置された2つの漢字及び灰色の正方形は、観念的なつながりはなく、両者を常に一体のものとして把握しなければならない特段の事情も見いだせないことから、引用商標は、その構成中の2つの漢字部分と灰色の正方形部分が、これらを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているとはいえない。
以上からすれば、引用商標は、その構成中の2つの漢字部分及び灰色の正方形部分が、それぞれ独立して自他商品の出所識別標識の機能を有しているといえることから、2つの漢字部分を要部の一として抽出し、この部分だけを他人の商標と比較することも許されるものである。
よって、引用商標は、その要部の一である2つの漢字部分に相応して「キセキ」の称呼及び、「常識では考えられない神秘的な出来事。」の観念を生じるものである。
(3)本願商標と引用商標との類否について
本願商標と引用商標とを比較するに、外観については、上記(1)及び(2)のとおり、その全体構成が相違することに加え、本願商標の要部の一である欧文字部分と引用商標の要部の一である2つの漢字部分を比較しても、その構成文字種が欧文字からなるか、漢字からなるか等の差異があるから、外観において判然と区別できるものである。
また、称呼においては、本願商標の要部の一である欧文字部分から生じる「キセキ」の称呼は、引用商標の要部の一である2つの漢字部分から生じる称呼である「キセキ」と共通する。
さらに、本願商標の要部の一である欧文字部分からは特定の観念を生じず、引用商標の要部の一である2つの漢字部分からは、上記(2)のとおり、「常識では考えられない神秘的な出来事。」の観念を生じるものであるから、両商標は、観念において相紛れるおそれはない。
そうすると、本願商標と引用商標は、称呼において共通する場合があるとしても、観念において相紛れるおそれはなく、外観において判然と区別できるものであるから、これらを総合して考察すれば、本願商標と引用商標は、互いに相紛れるおそれのない非類似の商標と判断するのが相当である。
(4)まとめ
以上のとおり、本願商標と引用商標とは非類似の商標であるから、これら商標の指定商品の類否について検討するまでもなく、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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