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Trademark Appeal Case

結合商標の要部抽出

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号2025011697
審判種別記載はありません。
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

結 論
本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

理 由

第1 手続の経緯

本願は、令和6年9月10日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。

令和7年3月3日付け:拒絶理由通知書

令和7年3月13日 :意見書、手続補正書の提出

令和7年5月7日付け:拒絶査定

令和7年7月28日 :審判請求書の提出

第2 本願商標

本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、第9類及び第38類に属する願書記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として登録出願され、その後、指定商品及び指定役務については、原審における上記第1の手続補正により、別掲2のとおりの指定商品に補正されたものである。

第3 引用商標

原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するものとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下のとおりであり、いずれの商標権も現に有効に存続しているものである。

以下、引用商標1及び引用商標2をまとめて「引用商標」という場合がある。

(1)登録第6357461号商標(以下「引用商標1」という。)

商標の構成:別掲3のとおり

登録出願日:令和2年6月5日

設定登録日:令和3年3月1日

指定役務:「電気機械器具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を含む第35類に属する商標登録原簿記載のとおりの役務

(2)登録第6513513号商標(以下「引用商標2」という。)

商標の構成:別掲4のとおり

登録出願日:令和3年7月2日

設定登録日:令和4年2月15日

指定役務:「電気機械器具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を含む第35類に属する商標登録原簿記載のとおりの役務

第4 原査定の拒絶の理由の要旨

原査定は、本願商標の構成中「youme」の文字部分を分離抽出し、これと引用商標とが類似する商標であるから、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとしたものである。

第5 当審の判断

1 商標法第4条第1項第11号の該当性について

(1)本願商標について

本願商標は、別掲1のとおりの構成からなるところ、上段は、語頭から3文字目までをピンク色で着色し、4文字目及び5文字目は緑色で着色されていること、3文字目と4文字目の間にはごくわずかながら空間があることから、ややデザインが施された文字ではあるものの、「あなた。」を意味する「you」の語と、「私」を意味する「me」の語(いずれも、「デジタル大辞泉」小学館)の、いずれも一般に親しまれている2つの語を結合してなるものとして把握されるものとみるのが相当である。

そして、本願商標の構成中の下段の「mobile」の文字は、「高性能化された情報通信機器やコンピューターなどの情報端末を形容する言葉として使われる。」(「デジタル大辞泉」小学館)の意味を有する語として、一般に親しまれている語であるところ、本願指定商品には、例えば、「モバイルパソコン」や「モバイルホン」のように、高性能化された情報通信機器やコンピューターなどの情報端末などの商品が含まれているといえるものであるから、本願商標に接する取引者、需要者は、本願商標の構成中、「mobile」の文字部分を、本願の指定商品との関係において、商品の品質(内容)を表したものと理解、認識する場合も少なくないというのが相当であって、本願商標の構成中、「mobile」の文字部分は、本願の指定商品との関係において、自他商品の識別標識としての機能を有しないか、又は、その機能が極めて弱いものといえる。

他方、本願商標の構成中の上段の「youme」の文字は、下段に比して、ひときわ大きく表されているところ、本願の指定商品との関係において、商品の品質等を具体的かつ直接的に表したものとはいえず、これが自他商品の識別標識としての機能を有さないと判断しなければならない事情は見当たらない。

そうすると、本願商標の構成中の「mobile」の文字部分は、出所識別標識としての機能を有しないか、極めて弱いものであるから、その構成中、ひときわ大きく表された「youme」の文字が、取引者、需要者に対し商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認められる。

してみると、本願商標は、その構成中の「youme」の文字部分を要部として抽出し、この部分のみを他人の商標と比較して商標の類否を判断することが許されるというべきである。

以上のことからすると、本願商標からは、要部である「youme」の文字(以下「本願要部」という。)に相応して、「ユーミー」の称呼を生じ、「you」及び「me」の構成文字に相応して「あなたと私」ほどの観念を生じるというのが相当である。

(2)引用商標について

引用商標1は、別掲3のとおりの構成からなるところ、上段に大きく濃いピンク色の太字で「youme」の文字と、下段に「youme」の文字より小さく薄い紫色で「online」の文字を配してなるものである。

引用商標2は、別掲4のとおりの構成からなるところ、上段に大きく濃いピンク色の太字で「youme」の文字と、下段に「youme」の文字より小さく黄緑色で「delivery」の文字を配してなるものである。

そして、引用商標1の構成中の「online」の文字は、「端末がインターネットなどの通信回線に接続されていること。」ほどの意味を、引用商標2の構成中の「delivery」の文字は、「貨物・郵便物の配達・配送。」(いずれも、「デジタル大辞泉」小学館)ほどの意味をそれぞれ有する語であるところ、引用商標1及び引用商標2の指定役務である小売等役務との関係においては、オンラインや通信販売による役務の提供がなされる実情があることを踏まえると、引用商標1及び引用商標2の構成中の「online」の文字及び「delivery」の文字は、その指定役務との関係において、自他役務の識別標識としての機能を有しないか、又は、その機能が極めて弱いものといえる。

他方、引用商標の構成中の上段の「youme」の文字は、下段に比して、ひときわ大きく、さらに、目をひく濃い色で着色して表されていることから、構成上、強く支配的な印象を与えるものといえる。

また、構成中の上段の「youme」の文字は、引用商標の指定役務との関係において、役務の質等を具体的かつ直接的に表したものとはいえず、これが自他役務の識別標識としての機能を有さないと判断しなければならない事情は見当たらない。

してみると、引用商標は、その構成中の「youme」の文字部分を要部として抽出し、この部分のみを他人の商標と比較して商標の類否を判断することが許されるというべきである。

以上のことからすると、引用商標からは、その要部である「youme」の文字(以下「引用要部」という。)に相応して、「ユーミー」の称呼を生じ、「you」及び「me」の構成文字に相応して「あなたと私」ほどの観念が生じるというのが相当である。

(3)本願商標と引用商標との類否について

本願商標と引用商標は、外観においては、全体の構成において異なるものの、本願要部と引用要部についてこれをみると、両者は、書体と色彩の差異を有するものの、いずれも「youme」のつづりを共通にすることから、看者に対し、近似した印象を与えるものである。

そして、本願要部と引用要部は、「ユーミー」の称呼及び「あなたと私」の観念を共通にするものである。

そうすると、本願商標と引用商標とは、それぞれの要部において、「ユーミー」の称呼及び「あなたと私」の観念を共通にし、外観における差異についても、称呼及び観念の共通性を凌ぐほどの顕著な差異として強い印象を与えるとまではいえず、これらの外観、称呼及び観念によって、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両商標は、互いに紛れるおそれのある類似の商標というのが相当である。

(4)本願商標の指定商品と引用商標の指定役務の類否について

本願商標の指定商品中「電子計算機用プログラム,電子計算機端末,SIMカード,無線ルーター,タブレット型携帯情報端末,携帯情報端末,スマートフォン,携帯電話,携帯電話の付属品,携帯電話機用バッテリー,携帯電話機用USBケーブル,電池,電線及びケーブル,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品(「ガイガー計数器・高周波ミシン・サイクロトロン・産業用X線機械器具・産業用ベータートロン・磁気探鉱機・磁気探知機・地震探鉱機械器具・水中聴音機械器具・超音波応用測深器・超音波応用探傷器・超音波応用探知機・電子応用扉自動開閉装置・電子顕微鏡」を除く。),携帯情報端末用ケース,携帯情報端末用カバー,携帯情報端末用ストラップ,スマートフォン用ケース,スマートフォン用ストラップ,スマートフォン用カバー,マウスパッド,タブレット型コンピュータ用ケース」と、引用商標1の指定役務中「電気機械器具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」及び引用商標2の指定役務中「電気機械器具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」とは、小売等の役務とその取扱商品の関係にあり、その対象となる商品を共通にするものであって、それらの商品の小売等役務とその商品の販売は、一般的には同一事業者によって行われることが多いことからすると、役務の提供場所と商品の販売場所とを同一にする場合が多く、取引者、需要者を共通にするものであるから、本願商標の指定商品と引用商標の指定役務とは、類似するものである。

(5)小括

以上のとおり、本願商標は、引用商標と類似する商標であり、かつ、本願の指定商品は、引用商標の指定役務と類似するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。

2 請求人の主張について

(1)請求人は、本願商標中の「yo」と「e」の間の結合部分は、「u」及び「m」という特定の文字とは明確に認識できない程度に図案化されたものといえるから、全体として、「youme」の文字とは異なる何らかの図形として認識されるものであり、本願商標と引用商標は、全体として観察した場合において、外観・称呼・観念のいずれも相違する旨主張する。

しかしながら、前記1(1)で述べたとおり、本願商標の上段の文字は、語頭から3文字目までをピンク色で着色し、4文字目及び5文字目は緑色で着色されていること、3文字目と4文字目の間にはごくわずかながら空間があることから、ややデザインが施された文字ではあるものの、「あなた。」を意味する「you」の語と、「私」を意味する「me」(いずれも、「デジタル大辞泉」小学館)の語の、いずれも一般に親しまれている2つの語を結合したものとして把握されるものとみるのが相当である。

(2)請求人は、請求人に係る先行の登録商標の例を挙げ、本願商標も登録されるべき旨主張する。

しかしながら、商標の類否の判断は、出願された商標と他人の登録商標との対比において、個別具体的に判断されるべきものであり、また、請求人の挙げる登録例と本件商標とは、商標の構成、他の文字の有無、全体としての観念の有無等を異にするものであるから、当該登録例によって、直ちに本願商標に係る判断が左右されるものではない。

そして、本願商標と引用商標とが類似の商標であることは、上記1のとおりである。

(3)したがって、請求人の上記主張は、いずれも採用することができない。

3 まとめ

以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、これを登録することができない。

よって、結論のとおり審決する。

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