sokuhyo

Trademark Appeal Case

著名商標と称呼・外観類否

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成11年審判第35310号
審判種別不服
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第4154333号の登録を無効とする。
審判費用は被請求人の負担とする。

理由テキスト

1.本件商標

本件登録第4154333号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲に示すとおりの構成よりなり、平成9年3月28日に登録出願され、第14類「時計」を指定商品として、同10年6月12日に設定登録されたものである。

2.引用商標

請求人が引用する登録第1402649号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲に示すとおりの構成よりなり、昭和48年8月30日に登録出願され、第23類「時計、眼鏡、これらの部品及び附属品」を指定商品として、同54年12月27日に設定登録され、その後、平成2年2月19日及び同11年8月3日に商標権の存続期間の更新登録がされたものである。

3.請求人の主張

請求人は、結論同旨の審決を求めると申し立て、その理由を要旨次のように述べるとともに、証拠方法として甲第1ないし第6号証を提出している。

(1)請求人の所有する引用商標の構成中の「TUDOR」は、イギリスの名門チューダー家の名前に由来し、国内においては1934年(昭和9年)に早くもスイス系商社の「リーベルマン・ウエルシュリー・エンド・コンパニー」により出願され、戦後は請求人により「TUDOR PRINCE」、「TUDOR PRINCESS」が登録され、また、図形については、当初バラの図柄の組み合わせであったものが、1970年代に盾の図形に変更され、1973年(昭和48年)に出願されたものである(甲第3号証)。

元来、「TUDOR」は、親会社のロレックス(ROLEX)社がイギリスでの販売拡大のため投入されたディフュージョン・ブランドであるが、今日では「ボーイズ・ロレックス」(ロレックスの弟分)ともいわれ、また、アメリカのプロゴルファー、タイガー・ウッズの「TIGER」を文字盤に刻印したモデルは大変な人気を博している(甲第4及び第5号証)。

(2)本件商標は、引用商標と欧文字において「NE」と「DO」の差や、図形においても細部に相違があるものの、両商標が時計の文字盤という限られたスペースに配され、また、請求人の同じモデルに使用されるとなれば、互いの外観上の類否は争い得ないものと考える(甲第6号証)。

請求人は、都内で本件商標を付した時計(ダイバーズ・ウォッチ)を入手したが、その使用は正にフリーライド的であり、引用商標を強く意識したもので、赤く表示された「MARINE EXPLORER」の「EXPLORER」はロレックス社の登録商標(第462951号)であり、これだけでも「ロレックス」と「チュードル」の人気にあやかろうとする意図は明白である。

本件商標は、特にその使用において引用商標と外観上類似し、引用商標の「時計」についての永年の使用による著名性から、両商標を付した時計の購入において誤認混同を生ずるおそれがあり、また、使用の全体をみても模倣的で自由競争を旨とする商取引場裡において不公正であり、国際信義に反することはいうまでもない。

(3)以上により、本件商標は、商標法第4条第1項第7号、同11号又は同15号に該当し、その登録は同法第46条第1項の規定により無効とされるべきものである。

4.被請求人の主張

被請求人は何ら答弁していない。

5.当審の判断

(1)本件商標及び引用商標は、別掲に示すとおり、共に「盾の図形」と文字とを上下に配してなるところ、「盾の図形」部分については、内部に描かれた図が、本件商標は十字架状に縦の線と横の線とが交差して配されているのに対し、引用商標は横の線とその中央部分から上部に縦の線が配されている点に相違があるものの、外形の盾の図はほぼ同形とみられるものである。

また、文字部分については、本件商標は「調子を合わせる人(物)」等を意味する英語「TUNER」の文字からなるものであるのに対し、引用商標は、「英王室チューダー家の、チューダー王家の」等を意味する英語「TUDOR」の文字からなるものである。

(2)ところで、簡易迅速を旨とする取引の実情のもとでは、それぞれの商標を常に冷静かつ厳密に分析し、その商標を構成する図形や綴り字、あるいはその商標の有する観念等を正確に把握して取引に当たるとは限らない。特に、本件商標の指定商品である時計についての商標の使用の場合には、時計(特に腕時計)という商品の性質上、当該商標は狭いスペースの文字盤上に小さく付されているのが一般的であることから、真に購買しようとする商品「時計」について、その使用に係る商標の図形や綴り字、あるいは観念等を正確に把握して取引に当たる場合のあることは否定しないものの、一方で、通常の注意力をもってしても、その図形や綴り字等を見誤り、あるいは観念を誤解して取引に当たる場合のあることも決して少なくないというべきである。

(3)これを本件商標についてみると、本件商標と引用商標は、上記(1)で示した「盾の図形」部分の類似点のほか、文字部分についても、共に書体が近似した5文字より構成され、そのうちの看者の注意を惹きやすい前半2文字の「T」と「U」、末尾の文字の「R」を共通にするものである。しかも、両商標の全体の構成が、上段に「盾の図形」及び下段に文字をそれぞれ配し、その図形と文字との配列のバランスや大きさの比率がほぼ同じといえるものであって、上記(2)の時計の一般的な取引実情を照らし合わせると、時と処(場所)を異にして、本件商標をその指定商品「時計」に使用する場合には、これに接する取引者・需要者は、両商標の外観上の類似性により、文字部分の上記(1)に示す観念の相違を凌駕して、その商品が引用商標の所有者の製造・販売に係るものであるかのように、商品の出所の混同を一般的に生ずるおそれのあるものと判断するのが相当である。

(4)そうすると、本件商標と引用商標は、その称呼及び観念において相違があるとしても、外観上相紛れるおそれのある類似の商標といわざるを得ず、かつ、その指定商品も同一又は類似のものである。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号の規定に違反して登録されたものであるから、同法第46条第1項の規定により、その登録を無効とすべきである。

よって、結論のとおり審決する。

Next Action

次の一手につながるサービス

類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。

次の一歩へ

商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。