結論テキスト
登録第6838411号商標の商標登録を維持する。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 2024900227 |
|---|---|
| 審判種別 | 記載はありません。 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理 由
本件登録第6838411号商標(以下「本件商標」という。)は、「Meeland」の文字を標準文字で表してなり、令和6年3月5日に登録出願、第9類「電気式チューナー,電気式測定機械器具,オーディオインターフェース,ジュークボックス,楽器用エフェクター,ICレコーダー,オーディオミキサー(音響機器),呼吸マスク(医療用のものを除く。),電子応用機械器具及びその部品,マイクロホン,DVDレコーダー,電気通信機械器具」を指定商品として、同年7月29日に登録査定され、同年8月28日に設定登録されたものである。
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、本件商標に係る登録異議の申立ての理由に該当するとして引用する登録第5201401号商標(以下「引用商標」という。)は、「MIDLAND」の文字を標準文字で表してなり、平成19年8月8日に登録出願、第9類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同21年1月30日に設定登録され、その商標権は、現に有効に存続しているものである。
申立人は、本件商標は商標法第4条第1項第10号、同項第11号、同項第15号及び同項第19号に違反して登録されたものであり、その登録は、同法第43条の2第1号により、取り消されるべきである旨申し立て、その理由を以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第15号証を提出した。
以下、証拠の記載については、甲1、甲2のように省略して記載する場合がある。
(1)引用商標の周知性について
ア 申立人のビジネスに係る引用商標「MIDLAND」は海外のブランドであるが、日本でも2012年から商品が輸入され、販売が開始されている。商品としては、インカム(ヘッドホンとマイクが内蔵された通信機器。主にバイクライダーのツーリング等に用いられる。)を中心とした通信機器のブランドとして販売されている。
この事実は、甲第3号証の、日本へ輸入された際のインボイスの例によって示されている。
甲第3号証にあるインボイスの例は、日本のMIDLANDブランドの総代理店である株式会社LINKS社向けのものである。
甲第5号証(インターネット抜粋)に示されているとおり、MIDLANDブランド製品においては必ずその製品の目立つ部分にMIDLANDの文字が表記されている。
また、上記インボイスに示された、日本での販売を開始した2012年から2024年までの販売実績の詳細は甲第6号証に列記されている。同13年間の総販売数量は263,458個で、総販売金額は7,317,645.54ドル、およそ10億円である。
このように10年以上の長い年月にわたって10億円以上の販売を行ってきたブランドは周知商標と認められるべきである。
イ 広告宣伝の方法、期間、地域及び規模
MIDLANDブランド製品は2012年以来、以下の方法にて宣伝され、販売され続けてきている。すなわち、MIDLANDブランド製品はAmazon(甲7)や楽天(甲8)といった大手オンラインショップにて販売されている他、NAPS、NANKAI等主要バイク用品小売店にて(甲9)多くのパンフレットを用いて(甲10)日本全国で販売されている。
また、あるインカムのランキングを示したYoutubeのサイトでMIDLANDのインカムが9位にランキングされた(甲11)。
ウ 出願人以外の者による出願商標と同一又は類似する標章の使用の有無及び使用状況
インターネットで調べる限り、インカムのような通信機器のジャンルにおいて冒頭をMとして後部にLANDが付くブランド名のものは存在しなかった。
エ MIDLANDブランドの歴史
甲第12号証にあるWikipediaのページによれば、MIDLANDブランドの母体であるMidland Radio Corporationは1959年米国ミズリー州カンザスシティーにてラジオ機器メーカーとして設立され、その後一貫して一般消費者及び企業向けの無線通信機器を製造する会社として発展を遂げ、現在ではブルガリア、ドイツ、香港、イタリア、ポーランド、ロシア、スペイン、ウクライナ、英国にオフィスを構える国際企業グループと発展してきている。
なお、米国の最有力経済誌である「フォーブス」の今年の1月号にて2024年最優良トランシーバー(無線機)としてMIDLANDのトランシーバーが紹介されている(甲13)。そこでは山岳地帯等通信が困難なところでも快適な通信状況を可能にしている等紹介されている。
また、このようにMIDLANDブランドはグローバルなビジネス展開を行っていることから、甲第14号証にあるように、世界各国にウェブサイトを有している。
さらに、本件で問題となっている第9類について、世界各国(EU、中国、韓国、ニュージーランド、香港、ベトナム、サウジアラビア、オーストラリア、英国、インドネシア、日本、ブラジル、シンガポール、南アフリカ、マレーシア、イスラエル、メキシコ、パラグアイ、台湾、タイ、パキスタン、インド、トルコ、米国、カナダ、ロシア、ルーマニア)に商標登録している(甲15)。
以上のような長年にわたる販売実績をみれば、MIDLANDブランドは既に通信機器において海外で周知なブランドとなっていると考えざるを得ない。
オ まとめ
以上より、引用商標は、無線通信機器について周知商標、つまり商標法第4条第1項第10号にいう「他人の業務に係る商品若しくは役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されている商標」である。
(2)本件商標と引用商標の類否について
ア 外観における対比
本件商標を構成する「Meeland」と、引用商標「MIDLAND」は、共に欧文字6文字からなり、第2・3番目の文字「ee」と「ID」とが異なるのみで、他の欧文字5文字は全て同じでその配列を共通にしている。しかも、上記異なる部分は商標の中間部分に属し、比較的目立たない部分である。一般に看取した者において最も目を引く語頭の「M」及び語尾の「LAND」(商標構成中のおよそ70%を占める)を共通としていることから、本件商標と引用商標は外観上類似しているといわざるを得ない。また、「MIDLAND」のような周知商標に接する需要者は、一見して直ちに周知商標であると認識する傾向があるから、その意味で通常の商標に比べ類似範囲は広くなる。
イ 称呼における対比
本件商標は、その構成文字をローマ字読みして「ミーランド」の称呼が無理なく生じ、一方、引用商標からは「ミッドランド」の称呼が生じることが明らかである。ここで本件商標から生じる「ミーランド」と引用商標から生じる「ミッドランド」を対比すると、いずれも3音からなり、先頭音の「ミー」と「ミッド」が相違するのみで他の音を共通にし、しかも、相違する「ミー」と「ミッド」は母音「イ(i)」を共通にしている。さらにここで相違する「ミー」と「ミッド」をより詳細にみると、引用商標の「ミッド」の「ッド」の部分は無声音つまり「ミーッ」となることが多いと考えられ、そうすると実際「ミー」と「ミーッ」は音質又は音調上非常に近似する。
以上から、本件商標と引用商標は称呼上も類似である。
ウ 観念における対比
引用商標は、申立人の周知なハウスマークであることからして、申立人のMIDLANDブランドの業務に係る商品を想起させると考えるのが相当である。一方、本件商標は、何ら特定の観念を生じない造語であるため、少なくとも、本件商標と引用商標は、それら観念に基づいて対比することは困難であると考えられる。
以上から、本件商標「Meeland」と引用商標「MIDLAND」を、外観、称呼又は観念によって需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に観察すると、本件商標「Meeland」は引用商標「MIDLAND」と商標類似であると考えられる。
(3)本件商標の指定商品と引用商標の指定商品の類否について
無線通信機器は、類似群コード11B01に属する商品であり、本件商標の指定商品中、「電気式チューナー,オーディオインターフェース,ジュークボックス,ICレコーダー,オーディオミキサー(音響機器),マイクロホン,DVDレコーダー,電気通信機械器具」は、いずれも類似群コード11B01に属する商品である。したがってそれらはいずれも、申立人の業務に係るMIDLANDブランドの無線通信機器と類似商品となると考えられる。
(4)結論
以上から、本件商標は、「申立人の業務に係る商品若しくは役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されている商標と類似する商標であって、その商品若しくは役務と類似する商品若しくは役務について使用をするもの」であるから、商標法第4条第1項第10号に該当する。
本件商標の出願日は、引用商標の出願日よりも後であり、本件商標は、上記1(2)のとおり、引用商標と類似するものであって、その商品と類似する商品について使用をするものである。
したがって、本件商標は商標法第4条1項11号に該当する。
本件商標が、商標法第4条第1項第10号及び同項第11号に該当しない場合でも、同項第15号に該当し、商標登録を受けることができないものである。
引用商標「MIDLAND」は「内陸部」といった意味があるが、これは第9類の商品とは全く関係のない言葉であるから、当該「MIDLAND」は造語に準じて考えられるべきものである。また、引用商標「MIDLAND」は申立人の社名から明らかなとおり、申立人のハウスマークである。商品間の関連性については、無線通信機器は類似群コード11B01に属する商品であり、本件商標の指定商品のうち類似群コード11B01に属する商品はいずれも、申立人の業務に係る「MIDLAND」ブランドの無線通信機器と類似商品となると考えられる。また、本件商標の指定商品のうち「楽器用エフェクター」は音響機器であり、音響機器は通信機器と接続が可能であることから両者は互いに密接な関係にあると考えられる。さらに、本件商標は、上記1(2)のとおり、引用商標と類似するものである。
以上から、本件商標は、引用商標と商標類似であり、引用商標は周知商標で、造語に準じて考えられるべきものであり、ハウスマークであり、かつ商品間の関連性も密接であるということからすれば、本件商標は、「申立人の業務に係る商品又は役務と混同を生ずるおそれがある商標(第十号から前号までに掲げるものを除く。)」として、商標法第4条第1項第15号に該当する。
本件商標が、商標法第4条第1項第10号、同項第11号及び同項第15号に該当しない場合でも、同項第19号に該当し、商標登録を受けることができないものである。
引用商標は、上記1(1)のとおり、「他人の業務に係る商品若しくは役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されている商標」であり、上記1(2)のとおり、本件商標は、引用商標と類似するものである。また、引用商標は第9類の商品との関係においては造語に準じて考えられるべきものである。
上述のとおり、申立人は長年、通信機器業界で広くビジネスをしてきているところ、本件商標の出願人は現在、「Meeland」をクリップチューナーなど音響機器に使用しており、そうであれば、音響機器は通信機器と密接な関係があることから、自ずと引用商標の存在を知り得ていたはずである。
そのような状況で、引用商標に似せた商標、つまり数ある多くの言葉のうち、わざわざ「M」と「land」を同じくして、間に「ee」を挟み、「Meeland」という全体として固有の意味を有しない造語を成立させ、商標として使用しようとしているところに、申立人の、「MIDLAND」ブランドの信用に乗じ、不正の利益を得ようとする意思を有していること、即ち不正の目的を有していることがうかがえる。
以上から、本件商標は、「申立人の業務に係る商品又は役務を表示するものとして日本国内又は外国における需要者の間に広く認識されている商標と類似の商標であって、不正の目的(不正の利益を得る目的、他人に損害を加える目的その他の不正の目的をいう。以下同じ。)をもつて使用をするもの(前各号に掲げるものを除く。)」に該当する。
本件商標のように、比較的目立たない部分で1文字又は2文字を変更した造語を構成させ、しかし全体として周知商標に似せた商標が登録され、自由に使用されることになるとするならば、例えば今後以下のような商標が出願された場合もこれらの登録を認めざるを得ない状況となるとも考えられる。
電気製品:HITACHI→ Heetachi
家電製品:BOSCH → Beesch
PHILIPS→ Pheelips
楽器: Roland → Reeland
万が一上記のような状況となれば、あらゆる周知商標のブランドの希釈化が起こるだけでなく、それらの信用が大きく損なわれ、ビジネスに多大な支障が出ることが明らかである。
特に本件商標のように世界的に有名なブランドにおいてこのような状況がまかりとおれば今後日本市場全体の信用の失墜、ひいては海外ブランドの撤退にも繋がりかねないとも考えられる。
商標法第1条(目的)の趣旨は、商標を使用する者と、他者の利益バランスを図りながら産業の発達を図るとの意であると解される。この点について本事件に照らすと、上記で述べた申立人が長年築き上げてきた業務上の信用に対する多大なリスクを回避させることと、本件商標を自由に使用するその所有者の利益について、産業の発達を図る上でそのどちらを重視すべきかについて考える必要があると考えられる。そしてそこにおいては、自ずと前者を重視すべきであるとの解答が出るものと考えられる。その解答の結果引用商標の需要者の利益の保護が達成されるものと考えられる。
本件商標のような安易に有名ブランドに近づけた商標を使用する状況を阻止し、今後の日本における海外ブランドの健全な発展を図るためにも本件商標の登録は取り消されるべきである。
(1)申立人が提出した証拠及び同人の主張によれば、以下のとおりである。
ア 申立人は、無線通信機器を製造する米国の企業であり、世界各国向けのウェブサイトを有しており、「MIDLAND」の文字からなる商標は世界各国で登録されている(甲12、甲14、甲15)。
イ 引用商標を使用した申立人の業務に係る商品「インカム」(ヘッドホンとマイクが内蔵された通信機器。以下「使用商品」という。)は、2012年から我が国にも輸入され、2024年までの13年間の売上げ金額は、日本円でおよそ10億円である(甲6)。
ウ 使用商品は、我が国の通販サイト(Amazon及び楽天)にて販売されたことが確認できる(甲7、甲8)。また、我が国の代理店を通じて、バイク用品の小売店舗や他の通販サイトでも使用商品が販売された事実がうかがえる(甲9)。さらに、我が国向けの使用商品のパンフレットが作成された事実がうかがえる(甲10)。
エ 動画サイト(YouTube)に掲載された、商品「インカム」のランキングに関する日本語の動画において、使用商品は第9位にランキングされた事実がうかがえる(甲11)。もっとも当該動画の作成者、公開時期及び閲覧数は明らかではない。米国の経済誌「フォーブス」のウェブサイト(英語)において、申立人の業務に係る「MIDLAND」のトランシーバーが、2024年の最優良トランシーバー(無線機)として紹介されているとされる(甲13、申立人の主張)。
(2)判断
上記(1)によれば、申立人は、本件商標の登録出願時及び登録査定時よりも前の2012年から、使用商品を我が国で販売してきた事実が認められるものの、使用商品について、積極的な広告宣伝が行われた事実は確認できず、また、第三者による紹介等、メディアによる露出が多数された事実も確認できないことから、引用商標が、需要者の間にどの程度認識されているのか把握、評価することができない。
してみると、申立人提出の証拠によっては、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、引用商標が申立人の業務に係る商品を表示するものとして、我が国又は外国の需要者の間で広く認識されていたものと認めることはできない。
(1)本件商標
本件商標は、「Meeland」の文字を標準文字で表してなるところ、当該文字は特定の語義を有する語として一般に知られているものではないから、一種の造語として認識、理解されるものである。そして、造語である欧文字は、我が国において親しまれた英語読み又はローマ字読みに倣って称呼されるのが一般的であるから、本件商標は、その構成文字に相応して「ミーランド」の称呼を生ずるものである。
したがって、本件商標からは、「ミーランド」の称呼が生じ、特定の観念を生じないものである。
(2)引用商標
引用商標は、「MIDLAND」の文字を標準文字で表してなるところ、当該文字は、「中部地方(の)」等の意味を有する英語である。
したがって、引用商標からは、その構成文字に相応して「ミッドランド」の称呼が生じ、「中部地方(の)」等の観念が生じるものである。
(3)本件商標と引用商標との類否について
本件商標と引用商標は、それぞれ上記(1)及び(2)のとおりの構成からなるものであって、外観においては、「M」、「l(L)」、「a(A)」、「n(N)」、「d(D)」を共通にするものの、「ee」と「ID」の文字に差異を有するものであり、この差異が7文字という比較的短い文字構成からなる両商標全体の外観に及ぼす視覚的影響は小さいものとはいえず、両者を離隔観察してみても、それぞれの視覚的印象が異なるものというのが相当であるから、外観上、互いに相紛れるおそれはない。
また、称呼については、本件商標と引用商標は、語頭における「ミ」及び後半における「ランド」の音を共通にするものの、中間における「ー」又は「ッド」の音において明らかな差異を有するものであるから、両者は称呼上、明瞭に聴別できる。
さらに、本件商標からは特定の観念を生じないのに対し、引用商標からは、「中部地方(の)」等の観念が生じるものであるから、両商標は、観念上、相紛れるおそれはない。
したがって、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標である。
(4)引用商標の周知性について
上記1(2)のとおり、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、引用商標は申立人の業務に係る商品を表示するものとして、我が国の需要者の間で広く認識されていたものと認めることはできないものである。
(5)小括
そうすると、本件商標と引用商標は非類似の商標であり、引用商標は申立人の業務に係る商品を表示するものとして、我が国の需要者の間で広く認識されていたものと認めることはできないものであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当しない。
上記2(3)のとおり、本件商標と引用商標は非類似の商標であるから、本件商標の指定商品と引用商標の指定商品とが同一又は類似であるとしても、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(1)引用商標の周知性について
上記1(2)のとおり、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、引用商標は申立人の業務に係る商品を表示するものとして、我が国の需要者の間で広く認識されていたものと認めることはできないものである。
(2)本件商標と引用商標の類似性の程度について
上記2(3)のとおり、本件商標と引用商標は、非類似の商標であるから、類似性の程度は低いというべきである。
(3)本件商標の指定商品と使用商品との関連性及び需要者の共通性について
本件商標の指定商品は、第9類「電気式チューナー,電気式測定機械器具,オーディオインターフェース,ジュークボックス,ICレコーダー,オーディオミキサー(音響機器),マイクロホン,DVDレコーダー,電気通信機械器具」を含むものであり、使用商品は「インカム」であり、両者はいずれも電気通信に関連する商品であるから、商品の関連性及び需要者の共通性は低いとはいえない。
(4)出所の混同のおそれについて
上記(3)のとおり、本件商標の指定商品と使用商品との関連性及び需要者の共通性が低いとはいえないとしても、上記(1)及び(2)のとおり、本件商標と引用商標は、類似性の程度が低く、引用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、我が国の需要者の間で広く認識されていたものとは認めることができないものである。
そうすると、本件商標は、本件商標権者がこれをその指定商品について使用しても、これに接する需要者が、引用商標を連想又は想起することはなく、その商品が他人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれはないというべきである。
その他、本件商標が出所の混同を生じさせるおそれがあるというべき事情も見いだせない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
上記1(2)のとおり、引用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、我が国又は外国の需要者の間で広く認識されていたものとは認めることができないものであり、上記2(3)のとおり、本件商標と引用商標は、非類似の商標である。
そして、申立人提出に係る証拠からは、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、本件商標権者が引用商標にフリーライドするなど不正の目的をもって本件商標を使用するものであると認めるに足りる証拠は見いだせない。
そうすると、本件商標は、本件商標権者が引用商標の名声を毀損させることを認識し、あるいは、不正の利益を得る目的、他人に損害を加える目的その他の不正の目的をもって使用するものとはいえない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当しない。
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同項第11号、同項第15号及び同項第19号に該当するとはいえず、他にその登録が同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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