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Trademark Appeal Case

周知商標の混同範囲

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号2025900031
審判種別記載はありません。
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

結 論
登録第6867887号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

理 由

1 本件商標

本件登録第6867887号商標(以下「本件商標」という。)は、「LUMIFY」の文字を標準文字で表してなり、第3類「化粧品,せっけん類,目元用の洗浄料,まつ毛用の洗浄料,つけづめ,つけまつ毛,つけまつ毛用接着剤」を指定商品として、令和6年3月25日に登録出願、同年11月15日に登録査定、同月22日に設定登録されたものである。

2 登録異議申立人が引用する商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する商標は、「LUMIFY」(以下「引用商標」という。)の欧文字からなり、申立人である「Bausch&Lomb Incorporated」、「Bausch+Lomb Ireland Limited」及び申立人外の「Bausch Health Companies Inc.」(以下、これらをまとめて、「申立人等」という。)の業務に係る商品「点眼薬」等について使用し、外国の需要者の間に広く認識されているとするものである。

3 登録異議の申立ての理由

申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当するものであるから、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第56号証を提出した。

(1)商標法第4条第1項第19号該当性について

ア 本件商標が、申立人(事業グループ)の業務に係る商品を表示して外国における需要者に広く認識されている(以下「周知」という。)商標である「LUMIFY」と類似する商標であることについて

(ア)申立人について

申立人は、カナダのケベック州ラヴァルに本社を置く多角的製薬会社で、消化器病学、神経学、皮膚科、眼科などの分野で製品を世界100以上の国に提供する「Bausch Health Companies Inc.」の子会社であり(甲2~甲4)、「Bausch&Lomb Incorporated」は、1853年にニューヨーク州ロチェスターで設立され、1971年に世界で初めてソフトコンタクトレンズを製品化したアイケアのリーディングカンパニーであり(甲5、甲6)、「Bausch+Lomb Ireland Limited」は、アイルランドのウォーターフォードに拠点を置く「Bausch& Lomb Incorporated」の子会社であり、主にコンタクトレンズやその他の眼科用製品の製造を行っている(甲7)。

申立人等の事業グループ「Bausch+Lomb(ボシュロム)」(以下「ボシュロム」という。)は、光学機器の製造から始まり、コンタクトレンズや眼科用製品など、多様化するユーザーのニーズに合わせた様々な製品を開発してきた。1971年には世界で初めてソフトコンタクトレンズを製品化し、その後、1980年代後半にディスポーザブル(使い捨て)コンタクトレンズやソフトレンズ用コールド消毒ケア用品などを製造し、世界のコンタクトレンズ市場をリードしてきた。さらに、1990年代には、眼科用医薬品分野に参入し、白内障手術や屈折矯正手術関係の機器を扱うサージカル部門を設立し、眼科医療のプロフェッショナル分野でのポジションを固め、現在、世界100以上の国においてビジネスを展開する世界の総合アイケアカンパニーである(甲6)。

また、2024年には、約7兆1644億6140万円($4.791 Billion)の売上高を記録するなど、ボシュロムは、世界中で最もよく知られ、また高い評価を受けているヘルスケアブランドのひとつである(甲8)。

なお、日本においては、ボシュロム・ジャパン株式会社を通じて、コンタクトレンズ、レンズケア製品、眼科用医薬品、眼内レンズ、その他眼科用手術機器など高品質なアイヘルス製品を幅広く取り扱っている(甲9、甲10)。

(イ)引用商標の使用態様及び使用期間

引用商標は、申立人等が提供するアイヘルスと美容をサポートする製品ラインであり、具体的には点眼薬、クレンジング、アイクリームやまつ毛及び眉毛美容液の商品を「LUMIFY」ブランドとして展開している(甲13~甲18)。

「LUMIFY」ブランドは、2017年に米国食品医薬品局(FDA)において承認を得た後、2018年にアメリカで充血除去点眼薬を発売した(甲5、甲14、甲19、甲20)。さらに、2023年には、アイケア製品ラインの「LUMIFY EYE ILLUMINATIONS」を展開した(甲15~甲18、甲21)。2024年4月に、「LUMIFY」の防腐剤フリーの点眼薬が米国食品医薬品局(FDA)の承認を得たため、2025年初頭に販売を予定している(甲20)。

なお、「LUMIFY」の充血除去点眼薬は、眼充血の治療のために低用量のブリモニジン酒石酸塩0.025%を配合した世界初で唯一の市販点眼薬であり、Glamour誌の「The Best Beauty Innovators of 2022」をはじめ、12以上の賞を受賞し、眼科医が推奨する充血除去点眼薬ブランド第1位であり、約90%の医師が推奨している(甲20)。

さらに、2020年には、卓越した売上と成長が評価され、「スーパースター」部門において「U.S.BASES Top25 Breakthrough Innovations List」にも選ばれている(甲22)。

これらのことから、「LUMIFY」は、アイケア分野において、アメリカをはじめとする海外において高い人気と知名度を誇っていることは明らかである。

(ウ)引用商標の使用地域及び販売状況(売上高)

申立人等は、アメリカ、カナダ、ギリシャ、UAE、ヨルダン、レバノン、サウジアラビア、韓国で「LUMIFY」の点眼薬を販売している。

申立人等は、大手ECサイトにて「LUMIFY」ブランドの商品を販売し(甲23~甲27)、「LUMIFY」を含む商標を韓国、スイス、台湾、タイ、トルコ、アラブ首長国連邦、英国、アメリカ、ウルグアイ、ベネズエラなど40以上の国及び地域で商標出願及び登録をしている(甲28、甲29)。

前記のとおり、ボシュロムの2024年の売上高は、約7兆1644億6140万円($4.791 Billion)であるが、そのうち、「LUMIFY」ブランドの売上高は約2840億6900万円($190M)であり、ボシュロムが展開する製品ラインにおいて、売上高第9位を誇っている(甲8、甲30)。なお、ボシュロムの2023年の売上高は、約6兆2003億4300万円($4.146 Billion)であり、そのうち、「LUMIFY」ブランドの売上高は約2482億5300万円($166M)である(甲31、甲32)。ボシュロムの2022年の売上高は、約5兆6350億4400万円($3.768 Billion)であり、そのうち、「LUMIFY」ブランドの売上高は約1958億9740万円($131M)である(甲33)。これらの点からも、「LUMIFY」が本件商標の出願日前から、アイケア分野において、世界規模で広く一般に知られるに至っていることは明らかである。

(エ)広告宣伝等

申立人等は、インターネットなどの各種媒体等を活用して広告宣伝を行っている(甲34~甲39)。SNSでも公式アカウントを設置して積極的に情報発信を行っており、若年層に人気のSNSであるインスタグラムにおいては1.9万人以上のフォロワーを抱えており(甲40)、TikTokにおいては、#LUMIFYEyeDance Challengeが「Business Intelligence Group(BIG)」の2022年広報・マーケティング優秀賞(年間最優秀外部キャンペーン賞)を受賞し(甲41)、TikTokにおいて、#LUMIFYEyeDanceのハッシュタグで約2000万回再生された。

さらに、ドラックストアの陳列にも力を入れ、「The National Association of Chain Drug Stores(全米チェーンドラッグストア協会)」から2018年トータル・ストア・エキスポのヘルスケア・一般用医薬品(OTC)部門で「Product Showcase Winner(製品ショーケース受賞者)」に選ばれた(甲42)。

また、数多くのアメリカの有名人が「LUMIFY」を公的に支持していること(甲43~甲47)から、アメリカをはじめとする海外において、「LUMIFY」がアイケア分野において、高い人気と知名度を誇っていることがうかがえる。

以上のとおり、「LUMIFY」は、アメリカをはじめとする海外において高い人気及び知名度を誇る申立人等のアイケア製品として、本件商標の出願日のはるか前から、外国の需要者に広く認識されている商標というべきである。

(オ)本件商標が引用商標「LUMIFY」に同一であることについて

本件商標「LUMIFY」は、申立人等の商標「LUMIFY」と同一の文字で構成される商標であるから、申立人等の商標と同一である。

イ 本件商標権者が本件商標を不正の目的をもって使用するものであることについて

(ア)一以上の外国において周知な商標と同一又は極めて類似するものであること及びその周知な商標が造語よりなるものであること

特許庁商標審査基準によれば、不正の目的をもって使用するものと推認する場合として、「一以上の外国において周知な商標と同一又は極めて類似するものである」及び「その周知な商標が造語よりなるものであること」とされている。

上記アのとおり、「LUMIFY」は、アメリカをはじめとする海外において、申立人等のアイケア製品として、本件商標の出願日のはるか前から、外国の需要者に広く認識されている商標であり、また、本件商標「LUMIFY」は、申立人等の商標「LUMIFY」と同一であり、さらに、「LUMIFY」は、辞書等に掲載されておらず、特定の意味を有しない造語である。

したがって、本件商標は、一以上の外国において周知な商標と同一であって、かつ、造語よりなるものであるから、本件商標が申立人等の周知な商標を不正の目的をもって使用するものと推認される。

(イ)本件商標権者について

本件商標の商標権者(以下「本件商標権者」という。)は、1947年に設立された大阪府に本社を置く、主に眼科薬の製造・販売を行う医薬品メーカーであり(甲48、甲49)、一般消費者向けの目薬・点眼薬「マイティア」シリーズなどの販売を行っており(甲50)、同シリーズにおいて、「LUMIFY(ルミファイ)」の名称を使用した、点眼薬「マイティアLUMIFY(マイティアルミファイ)」の販売を行っている(甲51~甲53)。

点眼薬「マイティアLUMIFY(マイティアルミファイ)」は、日本初の充血除去成分「ブリモニジン酒石酸塩」を配合した点眼薬であり、申立人等が販売を行っている「LUMIFY」の充血除去点眼薬と同様の成分を配合している(甲51、甲54)。「マイティアLUMIFY(マイティアルミファイ)」は、医薬局医薬品審査管理課によって行われた審議結果報告書によれば、「結膜充血除去を目的とした本薬を含有するOTC点眼液の開発が進められ、米国等では既に販売されていること」との記載があり、さらに、「本薬0.025%を含有する米国のOTC(以下「Lumify」という。)の開発の際に実施した臨床試験」との記載があることから(甲54)、本件商標権者は、申立人等が販売している「LUMIFY」の存在を知っており、知った上で、「マイティアLUMIFY(マイティアルミファイ)」の名のもと同様の充血除去点眼薬の販売を行っている。

さらに、同報告書によれば、本剤の販売名は、適正使用の観点から、申請後に、本件商標権者が最初に申請した名称から「マイティアルミファイ」に変更された旨の記載があることからも(甲54)、申立人等が販売している「LUMIFY」ありきの「マイティアLUMIFY(マイティアルミファイ)」であることは明白である。

それにかかわらず、本件商標権者は、申立人等の記載を一切せず、本件商標権者の名義のもと、「マイティアLUMIFY(マイティアルミファイ)」の販売を行っており、さらには、商品名の語源は、「Luminous(光り輝く)」の文字から命名されたものであるとし、あたかも、本件商標権者が創作した商品名かのように記載している(甲55)が、「LUMIFY」の名称は、申立人等が、アメリカ食品医薬品局(FDA)の医薬品評価センターにおいて承認された名称である(甲56)。

また、本件商標権者は、本件商標を「マイティア」の文字を小さく記載し、「LUMIFY」の文字が目立つように記載しており、さらに、「LUMIFY」の文字は、申立人等が販売している「LUMIFY」シリーズに使用されている書体と類似するゴシック体調の文字で書かれている(甲13~甲18、甲21、甲51~甲53)。数千以上ある書体の中から、あえて、申立人等が販売している「LUMIFY」シリーズに使用されている書体と類似する書体を使用していることからも、本件商標権者が、申立人等が販売している「LUMIFY」シリーズを彷彿させるような記載をしていることは明らかであり、これは非常に悪意があり、取引上の信義則に反する行為である。

なお、申立人等は、本件商標権者に「LUMIFY」の使用許可等を一切出しておらず、また、申立人等が提供する「LUMIFY」シリーズが、アメリカをはじめとする海外において、高い人気と知名度を誇っていることからも、「LUMIFY」シリーズの存在を知った上でなおかつ、その知名度にあやかって、「LUMIFY」に化体する業務上の信用、グッドウィルにフリーライドする行為であることは明白である。

(ウ)本件商標と「LUMIFY」の関連性

本件商標権者が、申立人等の販売している「LUMIFY」シリーズに化体する業務上の信用にフリーライドして、「LUMIFY(ルミファイ)」の名称を使用して点眼薬を販売しているのは客観的に明らかであるが、本件商標の指定商品は、第3類の商品である。

しかしながら、申立人等の販売している「LUMIFY」シリーズは、点眼薬の他、クレンジング、アイクリームやまつ毛及び眉毛美容液などの化粧品についても「LUMIFY」の名のもと展開している(甲15~甲18、甲21)。なお、これらの化粧品は、アイケアカンパニーである申立人等が敏感な目元のために特別に設計された低刺激性のアイケア商品である(甲15)。

現時点において、本件商標権者が「LUMIFY」を本件指定商品に使用していないが、本件商標権者は、「LUMIFY(ルミファイ)」の名称を使用して点眼薬を販売していること及び申立人等がクレンジング、アイクリームやまつ毛及び眉毛美容液などの化粧品も「LUMIFY」シリーズにおいて展開していることから鑑みれば、本件商標権者が申立人等の販売している「LUMIFY」に化体する業務上の信用にあやかって、本件商標をその指定商品に使用しているのは明白である。

さらに、申立人等は、40か国以上の国において、「LUMIFY」について商標登録出願・登録をしている中、本件商標権者が、申立人等がいまだ出願・登録されていない日本にあえて出願したことは客観的に明らかであり、不正の利益を得る目的及び損害を加える目的で出願されたものである。

なお、本件商標権者が日本において出願することについて、申立人等は一切知らされておらず、これは非常に悪意ある行為であり、取引上の信義則に反する目的のもとに出願されたものである。

ウ まとめ

したがって、本件商標は、不正の目的をもって使用するものに該当するから、商標法第4条第1項第19号に該当する。

4 当審の判断

(1)引用商標の周知性について

ア 申立人の主張及び同人の提出に係る証拠によれば、以下のとおりである。

(ア)「LUMIFY」(ブリモニジン酒石酸塩点眼液0.025%)は、市販点眼薬であり、2017年12月に米国食品医薬品局(FDA)に承認を得た後(甲19)、2018年にアメリカで発売を開始した(甲5)。

(イ)1972年に申立人等の日本法人として、「ボシュロム・ジャパン株式会社」(以下「ボシュロム日本法人」という。)が設立され、該ボシュロム日本法人は、コンタクトレンズ、レンズケア用品及び健康食品、眼内レンズ、眼科手術用機器、眼科用医薬品の製造、輸入及び販売を行っているところ(甲9~甲12)、我が国において引用商標を使用した点眼薬の販売等を行っていることを確認できる証拠の提出はない。

(ウ)申立人等のウェブサイトには、「医師が推奨するNo.1の赤み解消剤点眼薬ブランドであり、医師の推奨の約90%を占めています。」及び「「2022年のベストビューティーイノベーター」賞を含む12以上の賞を受賞しています。」の記載があり(甲20)、また、2020年に「BASES Top 25 Breakthrough Innovations」に選出され受賞した旨の記載がある(甲22)。

(エ)引用商標を表示した点眼薬は、amazonのウェブサイトで販売されており、「初回利用可能日」として、本件商標の登録出願日前の日付である2018年3月29日の表示があり(甲23)、本件商標の登録出願後も、複数のECサイトにおいて引用商標を表示した点眼薬が販売されている(甲24~甲27)。

(オ)申立人等は、「LUMIFY」又は当該文字を含む商標を、韓国、スイス、台湾、タイ、トルコ、アラブ首長国連邦、英国、アメリカ、ウルグアイ、ベネズエラなど40以上の国及び地域で商標出願及び登録をしている(甲28、甲29)。

(カ)ボシュロムの2023年の売上高は、約6兆2003億4300万円($4.146Billion:甲8)であり、そのうち、申立人等が点眼薬、クレンジングウォーター、アイクリームやまつ毛及び眉毛美容液の商品に「LUMIFY」文字を使用した「LUMIFY」ブランドの売上高は、約2482億5300万円($166M)であり(甲31、甲32)、2022年の売上高は、約5兆6350億4400万円($3.768Billion)で、そのうち、「LUMIFY」ブランドの売上高は、約1958億9740万円($131M)である(甲33)。「LUMIFY」ブランドの商品は、例えば、「点眼薬」、「アイクリーム」等の化粧品(甲13)のアイケア商品に使用されており、上記のとおり、甲第33号証に記載されている「LUMIFY」ブランドの売上高の詳細はアイケア商品等のすべての「LUMIFY」ブランドの商品の売上高であるのか、「LUMIFY」の文字を使用した点眼薬(後記イで定義する申立人商品)のみの売上げであるのかその詳細は確認できない。

(キ)instyle、Who What Wearなどのウェブサイト(以下、これらのウェブサイトをまとめて「米国のウェブサイト」という。)に2018年6月12日から2024年8月8日にかけて、「LUMIFY」の文字を付した点眼液が紹介されている(甲34~甲39)。

(ク)本件商標の登録出願後の2025年2月28日にプリントアウトしたとするインスタグラム「lumify.eyes」のフォロワー数は、1.9万人である(甲40)。

(ケ)申立人等のウェブサイトに、#LUMIFYEyeDance Challengeは、「Business Intelligence Group(ビジネスインテリジェンスグループ)」から、2022年の広報およびマーケティングエクセレンスアワードの外部キャンペーンオブザイヤーを受賞し、2018年に、LUMIFYブリモニジン酒石酸塩点眼薬0.025%赤み緩和点眼薬が、全米チェーンドラッグストア協会(NACDS)のヘルスケアおよび店頭(OTC)カテゴリーで製品ショーケースの受賞者に選ばれた旨の記載がある(甲41、甲42)。

(コ)yahoo!life(2023年9月13日付)、Cosmopolitan(2022年11月14日付)、及びnymag98(2021年10月26日付)のウェブサイト記事に、米国の著名人が「LUMIFY」の文字を使用した点眼薬を使用していることが掲載されている(甲43~甲45)。

イ 上記ア(ア)のとおり、申立人等は、2018年に「LUMIFY」の文字を使用した点眼薬(以下「申立人商品」という。)の販売を米国で開始した。

また、上記ア(エ)のとおり、本件商標の登録出願日以前に、amazon等のECサイトで、申立人商品を販売していることが確認できる。

そして、上記ア(カ)のとおり、申立人等の売上高において、点眼薬以外のアイケア商品を含む「LUMIFY」ブランドの商品の売上高が相当程度あるものといえる。

しかしながら、申立人等は、「LUMIFY」の文字を使用した、申立人商品を含むクレンジングウォーター、アイクリームやまつ毛及び眉毛美容液等のアイケア商品を「LUMIFY」ブランドとして展開しているところ、申立人商品のみの売上高、シェアなど取引実績やウェブサイトにおける閲覧数などを裏付ける証拠は見いだせないことから、申立人商品については、その販売規模や、閲覧数などの多寡を評価、把握できない。

また、上記ア(ウ)及び(ケ)によれば、申立人商品がインスタグラムにおいて紹介されたことが認められ、申立人等は、複数の賞を受賞していること、米国のウェブサイトで申立人商品が紹介されたこと、著名人が使用していることがうかがえるが、いずれも申立人等のウェブサイトの記載のみであり、各賞の受賞理由の具体的内容及び評価基準が不明であるばかりでなく、それにより、どの程度注目あるいは報道され、需要者の間で認識されているのかなど、引用商標の周知性を判断する上で、どのように結びつくのかについては、明らかでない。

そして、「LUMIFY」又は当該文字を含む商標が、諸外国で商標出願、登録されているとしても、諸外国で商標出願、商標登録された事例が直ちに、我が国又は外国における引用商標の周知著名性に結びつくものではない。

よって、申立人提出の証拠からは、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、引用商標が申立人商品を表示するものとして、我が国及び外国の需要者にどの程度認識されているのか把握、評価することができない。

したがって、提出された証拠によっては、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、引用商標が、申立人商品を表示するものとして、我が国及び外国の需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできない。

(2)商標法第4条第1項第19号該当性について

本件商標と引用商標は、上記1及び2のとおりの構成からなり、両商標が同一又は類似の商標であったとしても、上記(1)イのとおり、引用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、他人(申立人等)の業務に係る商品を表示するものとして、我が国又は外国の需要者の間に広く認識されている商標とは認めることはできないものである。

そして、申立人は、本件商標権者が点眼薬「マイティアLUMIFY(マイティアルミファイ)」の販売を行っているところ、当該商品は、申立人等が販売を行っている「LUMIFY」の充血除去点眼薬と同様の成分を配合しており、その命名も本件商標権者が創作したかのように記載している(甲51~甲55)ことから、悪意があり、取引上の信義則に反し、「LUMIFY」シリーズの存在を知った上で、「LUMIFY」の業務上の信用、グッドウィルにフリーライドする行為である旨主張している。

しかしながら、申立人が提出した証拠からは、本件商標権者が引用商標にフリーライドし、さらに、本件商標を不正の利益を得る目的、他人に損害を与える目的その他不正の目的をもって使用するものと認めるに足りる具体的事実は見いだせない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当しない。

(3)むすび

以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当するとはいえず、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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