結論テキスト
本件審判の請求は、成り立たない。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 2024003659 |
|---|---|
| 審判種別 | 記載はありません。 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理 由
本願は、平成30年1月31日の特許出願(特願2018-15568号)の一部を、令和4年7月20日に新たな特許出願としたものであって、その手続の経緯の概略は、次のとおりである。
令和4年 7月20日 :上申書の提出
令和5年 3月23日 :手続補正書の提出
同年 6月26日付け:拒絶理由通知書
同年11月 2日 :意見書の提出
同月30日付け:拒絶査定(以下「原査定」という。)
(同年12月12日 :原査定の謄本の送達)
令和6年 3月 1日 :審判請求書、手続補正書の提出
同年 5月23日付け:前置報告書
令和7年 8月21日 :面接の実施
[補正の却下の決定の結論]
令和6年3月1日にされた手続補正を却下する。
[補正の却下の決定の理由]
令和6年3月1日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)は、特許請求の範囲についての補正を含むものであって、本件補正により、次の(1)に示す本件補正前(令和5年3月23日にされた手続補正後のものをいう。以下同じ。)の特許請求の範囲の請求項2の記載は、後記の(2)に示す本件補正後の特許請求の範囲の請求項2の記載に補正された。下線は補正箇所を示す。
(1) 本件補正前の特許請求の範囲の請求項2
「【請求項2】
複数種類の測定器及び複数種類の記憶媒体と接続可能な測定データ入力支援装置であって、
当該測定データ入力支援装置は、
前記測定器から測定データを受信する第1通信手段と、
当該第1通信手段が受信した測定データを解釈・特定する解釈手段と、
解釈・特定された測定データを、出力先の前記記憶媒体に入力可能な形式に変換して前記記憶媒体に出力する第2通信手段と、を有することを特徴とする、測定データ入力支援装置。」
(2) 本件補正後の特許請求の範囲の請求項2
「【請求項2】
複数種類の測定器及び複数種類の記憶媒体と接続可能な測定データ入力支援装置であって、
当該測定データ入力支援装置は、
前記測定器から測定データを受信する第1通信手段と、
当該第1通信手段が受信した測定データを解釈・特定する解釈手段と、
解釈・特定された測定データを、出力先の前記記憶媒体に入力可能な形式に
1回
変換して前記記憶媒体に出力する第2通信手段と、を有することを特徴とする、測定データ入力支援装置。」
本件補正のうち請求項2についてする補正は、本件補正前の「第2通信手段」が「解釈・特定された測定データを、出力先の前記記憶媒体に入力可能な形式に変換」することについて、「1回変換」であることに限定するものである。
そして、本件補正前の請求項2に記載された発明と、本件補正後の請求項2に記載される発明は、産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一である。
したがって、本件補正のうち請求項2についての補正は、特許法17条の2第5項2号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
本件補正のうち請求項2についての補正は、特許法17条の2第5項2号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当するから、本件補正後における請求項2に記載されている事項により特定される発明(以下「本件補正発明」という。)が、特許法17条の2第6項において準用する同法126条7項の規定に適合するか、すなわち、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか否かについて、以下検討を行う。
(1) 本件補正発明
ア 本件補正発明の認定と分説
本件補正発明は、前記1(2)に摘記した本件補正後の請求項2に記載された事項により特定されるとおりのものである。
ここで、検討の便宜上、本件補正発明の構成を次のように構成Xと構成Aから構成Cまでに分説する。
<本件補正発明の分説>
(構成X) 複数種類の測定器及び複数種類の記憶媒体と接続可能な測定データ入力支援装置であって、
当該測定データ入力支援装置は、
(構成A) 前記測定器から測定データを受信する第1通信手段と、
(構成B) 当該第1通信手段が受信した測定データを解釈・特定する解釈手段と、
(構成C) 解釈・特定された測定データを、出力先の前記記憶媒体に入力可能な形式に1回変換して前記記憶媒体に出力する第2通信手段と、
を有することを特徴とする、
(構成X) 測定データ入力支援装置。
イ 本件補正発明の課題、主要な構成等に関する発明の詳細な説明の記載
本件補正発明の課題、主要な構成等に関する本願明細書の発明の詳細な説明の記載等を抜粋すると、次の記載がある。
(ア) 技術分野、背景技術、発明が解決しようとする課題について
「【技術分野】
【0001】
本発明は、測定器が測定データを出力する際の通信方式や出力する測定データの形式に関わらず、任意の記憶媒体に測定データを入力させる、測定データ入力支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、測定器が測定データを出力する際の通信方式や出力する測定データの形式は、各測定器の仕様に依存するため、バラバラで統一化されていない。
【0003】
例えば、照度計の場合、測定結果をアナログ信号で出力するタイプもあれば、デジタル信号で出力するタイプもある。
【0004】
一方、測定データを入力する、情報処理装置に格納されている記憶媒体が採用している通信方式やデータ形式に合わせるため、所定の通信方式で出力されている測定データを別の通信方式に変換したい。あるいは、別のデータ形式に変換したいという要望がある。そのような場合には、測定器から出力された測定データについて、記憶媒体に記憶されるまでの間に、通信方式やデータ形式を変換する必要がある。
【0005】
例えば、特許文献1では、以下の構成が開示されている。分光器は波長毎に測定を行って測定結果をアナログ信号としてデータ取込機へ伝送する。データ取込機は、アナログ信号を所要値に変換してコンピュータへ伝送し、コンピュータで解析を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2016-128780号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記特許文献1で開示されているような、測定器から得られた測定データを、情報処理装置に入力可能な構成に変換して、情報処理装置に入力する構成では、受信した測定データについて、1)測定データを受信する処理、2)特定した測定データの内容を解釈・特定する処理、3)解釈・特定した測定データを、入力先の情報処理装置に格納されている記憶媒体に、入力可能なデータ形式に変換する処理を、一緒にまとめて実行する場合が多い。
【0008】
このような構成は、その測定器が採用している通信方式及びデータ形式、入力先の情報処理装置の記憶媒体に入力可能なデータ形式に合わせて開発した、当該測定器及び当該情報処理装置の記憶媒体専用の構成である。そのため、別の通信方式及びデータ形式を採用している測定器や、入力可能なデータ形式が異なる情報処理装置の記憶媒体には、対応できない。
【0009】
また、上記特許文献1で開示されている構成のように、上記1)~3)の処理をまとめて実行する構成を、別の通信方式及びデータ形式を採用している測定器や、入力可能なデータ形式が異なる情報処理装置の記憶媒体に対応させようとする場合、一部の改変では対応できず、別途新たに最初から開発を行う必要がある。
【0010】
そこで本発明は、上記問題点に対処するため、装置全体を新たに最初から開発を行う必要なく、一部の改変で、測定器が測定データを出力する際の通信方式や出力する測定データの形式に関わらず、任意の記憶媒体に測定データを記憶させることが可能な、測定データ入力支援装置、測定データ入力支援装置を用いた方法、及び測定データ入力支援装置に手順を実行させるプログラムを提供することを目的とする。」
(イ) 全体構成について
「【0017】
<実施の形態例1>
図1は、本実施の形態例1に係る測定データ入力支援システムの全体的な構成を示した図である。」
「【図1】
54
139
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」
「【0018】
本システムは、測定器1による測定データをタブレット端末、モバイルPC等の情報処理装置である、測定データ入力支援装置2へ出力する。そして、当該測定データ入力支援装置2は、受信した測定データを、自身内に格納されている、Auto CAD等のアプリケーションプログラム(=アプリ)を用いて表示する。また、測定データを、当該アプリに入力(読み込み)可能なデータ形式に変換して記憶する。なお、本実施の形態例1では、照度計を測定器1として用いる構成を示す。また、本実施の形態例1では、測定データを、入力(読み込み)可能なデータ形式で記憶するための「記憶媒体」としてアプリを用いる構成を示す。また、「測定データ」には、数値データとレンジデータが含まれる。
【0019】
図1に示すように、本実施の形態例1の測定データ入力支援システムは、主として測定器1と測定データ入力支援装置2とから構成されている。測定器1と測定データ入力支援装置2は、相互に情報の送受信が可能なように有線あるいは無線の、ネットワーク3で接続されており、例えば、ネットワーク3は、無線のBluetooth(登録商標) Low Energy(=BLE、Bluetooth(登録商標)4.2)である。」
(ウ) 測定器の構成について
「【0020】
<測定器1の構成>
測定器1は、光の照度を測定して、測定データを表示する照度計である。また、測定データ入力支援装置2に測定データを出力する。
【0021】
次に、測定器1のハードウェア構成について、図1を参照して説明する。
【0022】
測定部11は、Siフォトダイオード等の受光素子(図示省略)を有しており、当該受光素子が受けた光の照度に応じたアナログ信号(測定データ)を、A/D変換部12に出力する。A/D変換部12は、例えば、A/Dコンバータで実現され、入力された測定データに係るアナログ信号を、デジタル信号に変換して出力する。
【0023】
表示部13は、例えば7セグメントディスプレイで実現され、測定データを表示する。また、入力部14は、ユーザから入力操作を受け付けるボタン、スイッチである。特に、ユーザから測定器1に対する電源のオン/オフ操作を受け付ける。また、表示部13上に表示されている測定データの表示を、ホールド(そのまま継続)させる旨の表示ホールド命令の入力を受け付ける。
【0024】
通信部15は、インターフェイス(以下、I/Fという)であり、測定器1は、この通信部15を介して測定データ入力支援装置2とのデータのやり取りを行う。例えば、本実施の形態例1では、通信部15は、BLEI/F(Peripheral)である。通信部15は、測定器1の電源がオンの場合、アドバタイズパケットを一定の間隔で外部に出力する。また、測定データ入力支援装置2のBLEI/F(Central)であるI/F27が開始するコネクション(接続)確立手順に応答し、測定データ入力支援装置2との間でコネクションを確立する。また、通信部15は、制御部16からの命令に応じて、測定データが格納されたBLE汎用アトリビュートファイルを、測定データ入力支援装置2のBLEI/F(Central)であるI/F27に対して出力する。
【0025】
制御部16は、例えば単一のLSIから成るマイコンで実現される。特に、制御部16は、入力部14を通じて、測定器1に対する電源のオン操作を認識すると、自身の電源をオン状態にする。また、制御部16は、A/D変換部12から受信した、デジタル信号に係る測定データを、一定間隔(例えば、500msec)毎に、制御部16内(例えば、制御部16内のFIFOテーブル)に格納する。格納可能な測定データの数は、例えば10個であり、格納の古い順に削除される。また、制御部16は、制御部16内に格納されている測定データを、格納された順に表示部13上に表示する。
【0026】
また、制御部16は、入力部14を通じて表示ホールド命令の入力を受け付けると、現在表示部13に表示されている測定データの表示をホールド(そのまま維持)する。また、制御部16は、通信部15を通じて、測定データの入力を開始する旨の測定データ入力開始命令を受信すると、現在表示部13に表示されている測定データの表示をホールド(そのまま維持)し、制御部16内から、表示されている測定データを呼び出して、通信部15を通じて、測定データ入力支援装置2に出力する。
【0027】
この「制御部16内から、表示されている測定データを呼び出して、通信部15を通じて、測定データ入力支援装置2に出力する」処理について、詳しく説明する。制御部16は、BLEI/F(Peripheral)である通信部15を通じて、BLE汎用アトリビュートファイル内の「キャラクタリスティクス」に測定データを格納する。そして、測定データが格納されたBLE汎用アトリビュートファイルを、測定データ入力支援装置2のBLEI/F(Central)であるI/F27に対して出力する。」
(エ) 測定データ入力支援装置の構成について
「【0028】
<測定データ入力支援装置2の構成>
測定データ入力支援装置2は、受信した測定データを、自身内に格納されている、Auto CAD等のアプリを用いて表示する。また、測定データを、当該アプリに入力(読み込み)可能なデータ形式に変換して記憶する。
【0029】
次に、測定データ入力支援装置2のハードウェア構成について、図2を参照して説明する。」
「【図2】
66
139
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」
「【0030】
CPU(=Central Processing Unit)21は、HD(=Hard Disk)22等に格納されているアプリケーションプログラム(=アプリ)、オペレーティングシステム(OS)や制御プログラム等を実行し、RAM(=Random Access Memory)23にプログラムの実行に必要なデータ、ファイル等を一時的に格納する制御を行う。
【0031】
特に、CPU21は、HD22等に格納されている「AutoCAD」(登録商標)等の描画用アプリを呼び出して、実行し、RAM23に描画用アプリの実行に必要なデータ、ファイル等を一時的に格納する。
【0032】
また、CPU21は、ディスプレイ25上に表示された、特定の図面データを示すアイコンがクリック(又はタップ)される等、入力装置26を通じて、特定の図面データの選択を受け付けると、選択された当該図面データに係る図面識別データに基づいて、HD22内の図面データ記憶領域221内を検索し、同一の図面識別データに関連付けて記憶されている図面データを呼び出して、ディスプレイ25上に表示させる。
【0033】
また、CPU21は、ディスプレイ25上に表示された図面上の任意の点が、入力装置26を通じて、クリック(又はタップ)されたことを認識すると、図4に示すように、当該図面上の点に測定ポイントを示す測定ポイントマーカー(目印)と測定データを入力可能な測定データ入力欄を表示させる。また、CPU21は、ディスプレイ25上に表示されている図面に係る図面識別データに関連付けて、クリック(又はタップ)された図面上の点の座標データを図面データ記憶領域221に記憶し、また、測定データを記憶する領域を確保する。」
「【図4】
76
139
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」
「【0034】
また、CPU21(第2通信手段の一例)は、図5に示すように、ディスプレイ25上に表示されたアイコン「接続開始」ボタンが、入力装置26を通じて、クリック(又はタップ)されたことを認識する。すると、CPU21(解釈手段の一例)は、当該「接続開始」の命令を解釈・特定する。そして、CPU21(第1通信手段)は、BLEI/F(Central)であるI/F27を通じて、BLEの所定の手順に従い、測定器1とのコネクションを確立する。以下、詳しく説明する。」
「【図5】
77
139
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」
「【0035】
CPU21(第1通信手段の一例)は、I/F27を通じて、BLEI/F(Peripheral)から受信したアドバタイズパケットのスキャンを実行する。その結果、自身が求めるサービスを提供していると判断すると,BLEI/F(Peripheral)に対しコネクションを要求して、コネクション確立処理(接続処理)を行う。
【0036】
また、CPU21(第2通信手段の一例)は、図5に示すように、ディスプレイ25上に表示されたアイコン「測定」ボタンが、入力装置26を通じて、クリック(又はタップ)されたことを認識し、ディスプレイ25上の図面に表示されたいずれかの測定ポイントマーカーが、入力装置26を通じて、クリック(又はタップ)されたことを認識する。すると、CPU21(解釈手段の一例)は、当該「測定」の命令、「測定ポイントマーカーのクリック(測定データ入力先の決定)」の命令を解釈・特定する。そして、CPU21(第1通信手段の一例)は、測定データの入力を開始する旨の測定データ入力開始命令を、測定器1に入力可能なデータ形式に変換して、変換後の測定データ入力開始命令を、I/F27を通じて測定器1に出力する。
【0037】
CPU21(第1通信手段の一例)は、I/F27を通じて、BLEI/F(Peripheral)である通信部15から出力された、測定データが格納されたBLE汎用アトリビュートファイルを受信する。
【0038】
CPU21(解釈手段の一例)は、I/F27を通じて受信した、BLE汎用アトリビュートファイルのキャラクタリスティックスに格納されている測定データを解釈・特定する。例えば、測定データに含まれる数値データが「4」でレンジデータが「×100」の場合には、当該測定データは「400(Lux)」と解釈・特定される。
【0039】
また、CPU21(第2通信手段の一例)は、解釈・特定された測定データを、描画用アプリに入力(読み込み)可能な形式に、当該測定データの形式を変換する。
【0040】
そして、CPU21は、形式を変換した測定データを、図面データ記憶領域221内に出力して、クリック(又はタップ)された測定ポイントマーカーの座標データに関連付けて記憶する。
【0041】
RAM23は、各種データを一時記憶するためのものであり、CPU21の主メモリ、ワークエリア等として機能する。ROM(=Read Only Memory)24は、内部に基本I/Oプログラム等のプログラム、基本処理において使用する各種データを記憶する。
【0042】
HD22は、大容量メモリとして機能し、このHD22には、図面データ記憶領域221が設けられている。この図面データ記憶領域221には、図3に示すように、測定ポイントマーカーの図面上の位置を示す座標データ及び測定データが、図面識別データに関連付けて記憶される。」
「【図3】
37
139
0001430555000005.jpg
」
「【0043】
ディスプレイ25は、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、ドットマトリクス型のディスプレイであり、入力装置26から入力された命令や、それに対する測定データ入力支援装置2の応答出力等を表示するものである。
【0044】
入力装置26は、ユーザから測定データ入力支援装置2に対するデータや命令の入力を受け付ける、例えば、キーボード、タッチパネル、ポインティングデバイス(マウス)である。
【0045】
バス28は、測定データ入力支援装置2内のデータの流れを司るものである。
【0046】
I/F27はインターフェイスであり、測定データ入力支援装置2は、このI/F27を通じて測定器1と命令やデータのやり取りを行う。例えば、本実施の形態例1では、I/F27は、BLEI/F(Central)である。」
(2) 各引用文献に記載された事項及び引用発明等の認定
ア 引用文献1に記載された事項及び引用発明の認定
(ア) 引用文献1に記載された事項
原査定の拒絶の理由において引用された文献であって、本願の出願前に発行された文献である特開2004-362557号公報(以下「引用文献1」という。)には、次の事項が記載されている。下線は審判合議体が付したもので、後記(イ)において引用発明の認定に直接用いる記載を示す。
a 【0001】~【0005】、【図1】
「【技術分野】
【0001】
本発明は、計器データを処理するシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、計器(instrument)データは比較的多数のデバイスを用いて生成されるようである。図1は、計器データを生成し保管し及び/又は処理する一般的な計測のセットアップを表わす。このセットアップは、回路と同様に単純であったり、また光通信システムと同様に複雑であったりする被測定デバイス(device under test、DUT)を含む。実行する測定の種別に応じ、計器102はDUT101に対し刺激を生成し、ユーザに測定プロセスとDUT101の応答のより大きな理解をもたせることができる。計器102は、データサンプリング(あるいは、アナログ-ディジタル変換や他のアナログ処理を含む)を実行する。サンプリングされたデータは、単次元でも複次元でもよい。生のデータは、ある種の後処理(例えば周波数領域変換及び/又はウィンドウ処理)にさらすことができる。後処理は、計器102か又はコンピュータ103のいずれによっても行なうことができる。生データ及び/又は後処理データは、幾つかの目的に合わせコンピュータ103に記憶させることができる。このデータは、適当なグラフィックス・アプリケーションを介してユーザに表示することができる。あるいはまた、このデータは保管目的にコンピュータ103に記憶させることもできる。」
「【図1】
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」
「【0003】
データ転送プロセスは、公知のデバイス駆動ソフトウェア技術を用いて実行される。具体的には、計器102は適当な物理的インタフェース(例えば、汎用インタフェースバス(GPIB)やユニバーサルシリアルバス(USB)やIEEE1394バス及び/又は類似のもの)上でメッセージを通信することで計器102を制御できるようにする自社開発機能を含む。あるいはまた、計器製造業者はユーザが彼ら自身のアプリケーションコードを書くことのできるアプリケーションプログラムインタフェース(application program interface、API)を構成する一組のソフトウェアライブラリを提供することができる。計器102は通信網接続性を有しており、インターネットプロトコル(internet protocol、IP)を介して通信されるメッセージにより制御することができる。制御メッセージに応答する計器102の独自の機能は、独自のデバイスドライバを必要とする。計器102の自社開発機能と自社開発デバイスドライバが、計器102からのサンプリングデータ及び/又は後処理データをコンピュータ103へ交換するタスクを実行する。データは、標準化された通信プロトコルのデータパケット内に「閉包」される。
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
後でデータにアクセスしたときに、ユーザはデータを捕捉したデバイスの種類及びデータの使用に付随する特定のデータフォーマットを知らねばならない。短い期間にわたるもので少数の計器にとっては、これは受け入れることのできない量の困難さを呈するものではなく、何故なら初回に測定したユーザには利用可能になる可能性が一番高いからである。しかしながら、特定の計器102が全ての関連文書を廃棄した後、保管データは特定の計器102に用いる自社開発でかつ通常の任意のデータフォーマットが故に役に立たなくなることがある。さらに、比較的多数の計器を用いたときは、異なるフォーマットにて全てのデータを留保する相当量の困難さが存在する。
【0005】
さらに現在では、後処理計器データに対する能力は非常に限定されたものである。具体的には、一つの公知の計器インタフェースアプリケーションが計器データを計器から検索しマトラボ(Matlab)ウィンドウに供給できるようにする。しかしながら、ユーザが欲する特定のタスクにより適するであろう他のアプリケーションへデータを自動的に供給する能力は一切ない。」
b 【0006】~【0008】
「【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、被測定デバイス(device under test)、データ捕捉に用いる計器、またはデータ記憶用に用いる保管システムに依存することなく計器データを表現するための標準化フォーマットを提供するシステム及び方法に関するものである。本発明の実施形態は、適切なメタ言語(meta-language)(例えば、拡張可能なマーク付け言語(extensible mark-up language、XML))のデータ表現を用いるのが好都合である。計器データ用にXMLスキーマや文書型定義(Document Type Definition、DTD)等を定義することにより、捕捉されたデータは、各計器の独自のディテール(proprietary detail)に精通するという要件を回避できるデータ表現内に包含されるようになる。具体的には、XMLスキーマまたはDTDは、ユーザに特定の計器の従来の文書化(dated documentation)の利用を要求することなく、比較的直接的な方法で捕捉データの特性をユーザに理解させることができる。
【0007】
さらに、計器データ表現用に標準化フォーマットを用いることで、本発明の実施形態は実に幅広い計器からのデータの解析と適切な処理を可能にし、最小限の複雑さで幅広い範囲のソフトウェアアプリケーションの活用を生じる。具体的には、本発明の実施形態を利用することにより、あらゆる計器が普遍的にアクセス可能な(universally accessible)XMLファイルを生成することができる。普遍的にアクセス可能なXMLファイルに基づき、適切な解析プログラムがXMLファイルを解析して計器データを検索し、適切な変換プログラムが任意数の後処理アプリケーション(Matlab,Mathermatica,Excel,StarCalc,OpenCalc、または類似のもの)へデータを供給することができる。さらに、任意の後処理アプリケーションにより処理したデータはXMLファイル内でエンコードすることができる。XMLファイルからの処理済みデータは元の計器または別の計器へ戻され、所与のアプリケーションに対応するように計器のさらなる操作を制御することができる。
【0008】
前述のことは、続く本発明の実施形態の詳細な説明がより良く理解されるようにするため、本発明の実施形態の特徴と技術的な利点をやや広く概括したものである。本発明の実施形態のさらなる特徴と利点を以下に説明するが、それらは本発明の実施形態の請求項の要旨を形成するものである。当事者には、開示した概念ならびに特定の実施形態が本発明の実施形態の同一目的を達成する他の構成を修正し、または実施する基本として容易に活用できることは理解されて然るべきである。当事者には、この種の等価構成が添付特許請求の範囲に記載した本発明の実施形態の趣旨ならびに範囲から逸脱しないこともまた理解されたい。その編成と動作方法の両方に関する本発明の実施形態の特性と信ずる特徴は、さらなる目的と利点と併せ添付図面と関連して考察したときに以下の説明からより良好に理解されよう。しかしながら、各図は図解と説明だけを目的に提供するものであって、本発明の実施形態の限界を規定する意図のないものであることは明白に理解されたい。」
c 【0009】~【0019】、【図9】
「【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の実施形態をより完全に理解するため、ここで添付図面を併用して以下の説明を参照する。
【0010】
前記したように、代表的な実施形態はXMLを用い普遍的にアクセス可能な方法で計器データ表現をエンコードする。XMLは、メタ言語(meta-language)、すなわちそこから他の言語を創成することのできる言語である。計器データ用の専用言語を定義することで、計器データの構造は保持される。具体的には、XMLファイル内のデータの各項目は、例えば適当なタグおよび適切なスキーマまたはDTDの使用により定義付けされた意味へ関連付けることができる。さらに、XMLはインターネットを介して交換し、それによってオペレーティングシステムおよびプラットフォームから独立したデータ表現を生むよう設計されている。XMLは、構造上でハイパーテキストマーク付け言語(hypertext mark-up language、HTML)に類似するものである。XMLはHTMLに比べ有利であり、それは関連データの記述から文書のフォーマット化が分離されているからである。
【0011】
一般に、XMLファイルは情報交換用米国標準コード(American Standard Code for Information Interchange、ASCII)に基づくものであり、ユーザ定義可能なタグのペア内にデータを包含している。タグのユーザ定義を容易にするために、XMLファイルはそれらの内容及び/又は構成の記述方法に結合されている。このような記述のより古いフォーマットでは、文書型定義(DTD)が用いられており、XMLファイル内や外部ファイル内に包含させることができる。近年、スキーマはXMLファイルの内容と構成を記述するのに用いられてきた。XMLスキーマは語彙を共有し、文書規則を定義できるようにしてある。XMLスキーマは好都合であるが、それはXMLスキーマがXMLで書かれ、より多くのデータ種をサポートし、従って拡張可能であり、ネーム空間をサポートしているからである。
【0012】
本発明の実施形態は、スキーマまたはDTDを用い、様々な計器からのデータをサポートしている。例えば、スペクトル分析器は特定組の周波数値において実数値からなる1以上のベクトルを供給することができる。この値は、パワースペクトル、パワースペクトル密度、または同様の特性の測定量に対応する。あるいはまた、ネットワークパーサーは出力信号を入力信号と比較し、振幅値と位相情報をもたらすことができる。周波数領域にあっては、計器データは数学的な複素数からなる1以上のベクトル形式をとる。同様に、実時間ディジタルオシロスコープはサンプリングオシロスコープとは基本的に異なる方法でデータの測定値を保存する。また、その測定は特定の計器及び/又はその動作モードに応じて1または数個のチャンネルに従って遂行することができる。
【0013】
本発明の実施形態は、XMLスキーマまたはDTDを利用し、様々なデータ種の構造及び/又はデータ構造を記述する。XMLスキーマやDTDは、ユーザにカスタマ変換プログラム(customer transfer program)(以下により詳細に説明)を生成させ、計器データが任意数の後処理アプリケーションに供給されるようにする。その上、解析プログラム(parser program)(以下により詳細に説明)は、先ず特定のXMLファイルに関連するスキーマまたはDTDを読み取ることで特定の計器について自己構成可能とすることができる。
【0014】
本発明の実施形態は、適当なXMLスキーマまたはDTDを用いて、関連するXMLファイルからの計器データの解析を容易にする方法で計器データを表現するタグを定義している。例えば、タグ対とデータ「<xScale>xScale value</xScale>」は、xScale値がパラメータの実際の値を表わすスキーマまたはDTDにて定義することができる。さらに、タグ対とデータ「<units>unit value</units>」は、単位の値(例えば、「dBm」)を割り当てるよう定義することができる。また、計器データは非常にしばしば複数チャンネルの捕捉データを含む。適切なタグ(例えば、<channel1>、<channel2>、・・・<channelN>)をスキーマまたはDTD内で定義し、解析プログラムに個別チャンネル内で計器データを特定させることもできる。異なるパラメータを異なるチャンネルのデータに関連付けることもできる。タグをチャンネルタグに入れ子にする(nesting)ことにより、パーサー(parser、解析処理プログラム)が入れ子にされたタグを解析するよう実行されたときに、チャンネルパラメータの適切な定義が容易になる。例えば、以下のタグ構造は単位「mV」や「μV」を異なるチャンネルに関連付けることができる。すなわち、<channel1><units>mV</units> ・・・ </channel1> ・・・ <channel3><units>μV</units> ・・・ </channel3>であり、これは図9のXML部分901にも示してある。」
「【図9】
100
139
0001430555000007.jpg
」
「【0015】
計器は通常、データ配列、すなわち所与の時間量にわたって各サンプリング周期に関連する複数のデータサンプルを生成する。数値配列を含む量は、スキーマ及び/又はDTDに定義した様々な方法でタグ対内にエンコードすることができる。データ配列を表わす一つの方法は、単純なタグを利用するものである。以下の配列構造(図9のXML部分902にも図示)は、スキーマまたはDTDにおいて定義することもでき、解析プログラムは配列ストリング値からの制限値を分離する原因となろう。すなわち、<channel1>0.534 0.105・・・0.01 -0.34</channel1>である。あるいはまた、入れ子にしたタグ(以下の例及び図9のXML部分903に図示したように)と適切に実装したパーサーを用い、データ配列をエンコードすることができる。すなわち、<channel1> <val>0.534</val> <val>0.105</val> ・・・ <val>0.01</val> <val>-0.34</val> </channel1>である。配列ごとに入れ子にしたタグフォーマットを用いることで、配列としてのエンコードデータの同定が容易になり、スキーマでエンコードすることができる。配列データが存在することをパーサーに示す別の方法は、図9のXML部分904に示したように、タグ内の属性を用いるものである。この場合、属性値はどのような種別のデータがタグ内にあったかをパーサーに示す。これが図9の部分903における方法よりもより少ないオーバヘッドを有することに留意されたい。スキーマまたはDTDが所望の値を有するデフォルトの属性値を含む場合、属性はデータを用いて明示的に一覧化する必要はない。パーサーは、スキーマまたはDTDを読み取る際に、パーサー自体がデフォルトの属性値に従ってデータを解析するよう構成される。
【0016】
前述のように、受信した計器データには数学的な複素数を含めることができる。複素数を特定すべく、解析プログラムを実装することができる。例えば、複素数は(a+bi)の形をとり、ここでaは実数部であり、bは虚数部であり、i(代わりにjで置き換えることもできる)は-1の平方根を表わす。コンマやセミコロン及び/又は類似のもの等の適当な区切り文字を用い、複素数を分離することもできる。あるいはまた、複素数は順序対(例えば、(a,b)や<a,b>及び/又は類似のもの)により表現することもできる。さらに、属性を備える複素タグ(複素構造をもったデータに関する)を、データ配列のエンコードを容易にすべくスキーマまたはDTD内で定義することができる。例えば、タグ <channel1 numType=”real Array”> や <channel1 numType=”complex Array”> (図9のXML部分904,905に示す)は、それぞれ実数データ配列のエンコード及び複数数のエンコードを容易にすべく定義することができる。「complex tag」が複素データ構造に関連するXMLタグを指し、属性値「complex Array」が計器データ内の数学的意味における複素数を指すことに留意されたい。また、属性値「real Array」または「complex Array」をスキーマまたはDTD内のデフォルトの属性値として定義し、それによりユーザにデフォルトのケースについて属性値の明示的説明を省略させることもできる。例えば、タグ<freqarray>はスペクトル分析器等からの周波数データ配列を定義するのに用いることができる。スペクトル分析器からのデータ配列は実数値を含むため、スキーマまたはDTD内のデフォルトの計数値を<freqarray>タグと関連付けて配列内のデータのフォーマットを定義することができる。同様に、配列の数学的な複素数に関するデフォルトの属性値はスキーマまたはDTD内のタグ<freqresponse>)に関連付けることができる。
【0017】
これまで、データエンコードの考察はASCIIエンコードを用いるエンコードスキーマを指してきた。他のエンコードメカニズムを、本発明の実施形態を用いて実装することもできる。データ配列は、バイナリ情報をXMLでエンコードできるようにするBase64フォーマットを用いてエンコードすることができる。同様に、スケーラブル・ベクトル・グラフィックス(Scalable Vector Graphics、SVG)または他の任意の適切なデータフォーマットを用い、データ配列をエンコードすることもできる。属性付き複素タグ(複素構造付きのデータに属する)を、スキーマまたはDTDにて定義し、データ配列のエンコードを容易にすることができる(例えば、ASCII属性値やBase64属性値やSVG属性値及び/又は類似のものを定義し、配列内のデータのエンコードフォーマットを特定することができる)。また、デフォルト値をエンコードフォーマット用にスキーマまたはDTDにて定義することができる。
【0018】
これらの種のタグの定義が例示に過ぎないことは理解されて然るべきである。他の任意のタグとタグ属性を定義し、本発明の実施形態を用いてXMLファイル内でのデータのエンコードを容易にすることもできる。
【0019】
本発明の実施形態は、幾つかのメカニズムを用いてXMLファイル内に計器データを隠蔽(encapsulation)することができる。例えば、本発明の実施形態は、包括的プログラミングインタフェースであるドキュメントオブジェクトモデル(Document Object Model、DOM)、別のプログラミングインタフェースであるXML用シンプルアプリケーションプログラミング(Simple Application Programming Interface for XML、SAX)、XSL変換言語(XSLT)、文書内のデータへのパスを記述するXMLパス言語(XPath)、インターネット上のファイル位置を記述するXMLポインタ言語(XPointer)、または類似のものを用いることができる。」
d 【0020】~【0023】、【図2】
「【0020】
図2は、本発明の実施形態により実行することのできるXMLファイルの計器データ処理用の処理フロー200を表わす
。
処理フロー200のステージ201において、計器が計器データを生成する
。
計器データは、その特定の計器に関する独自のデータフォーマットに従ってフォーマットすることができる
。
ステージ202では、計器インタフェースが独自のデータフォーマットに従って先にエンコードしたデータを処理する
。
具体的には、汎用ソフトウェア(アジレントテクノロジーズ(Agilent Technologies)社のVEEやナショナルインストルメンツ(National Instruments)社のLabview等)は、サポートする計器の挙動とデータを体系化する「計器ドライバ」を用いるものである
。低レベルインタフェースソフトウェアにより、ユーザは様々なコンピュータ言語でカスタムコードを書き、計器データを取得し、望み通りに処理できるようになる。本発明の実施形態が任意の特定のインタフェースや計器アクセス法に限定されないことは理解されて然るべきである。任意の適切なインタフェースが利用可能である。」
「【図2】
37
139
0001430555000008.jpg
」
「【0021】
ステージ202における計器インタフェースは、適当なXMLスキーマ及び/又は文書型定義(DTD)に従ってステージ203用のXMLファイルとしてデータをエンコードする
。
ステージ203は、普遍的にアクセス可能なフォーマット、例えばXMLでの計器データの記憶を表わす
。データフォーマットのアクセス可能性(accessibility)は、幾つかの理由から好都合である。先ず、このアクセス可能性はデータを記憶または保管する特定のプラットフォームに依存はしない。このように、新規の記憶周辺機器や新規のオペレーティングシステム及び/又は類似のものが、XML表現とともに含まれる計器データのアクセス可能性に影響を及ぼすことはない。さらに、このアクセス可能性が最小の量の複雑さをもってユーザが望む実に様々な後処理アプリケーションに計器データを送出できるようにしている。具体的には、
ステージ204において変換ソフトウェアプログラムが個別スキーマまたはDTDに従ってXMLファイルを解析し、選択された後処理アプリケーションに従って適用されたファイルを生成することができる
。
【0022】
本発明の実施形態により、
計器と後処理アプリケーションの間の計器データの処理を双方向とすることができる
。
すなわち、後処理データはステージ205からの適切なアプリケーションファイルから検索することができる
。
検索したデータはステージ204において変換され、ステージ203用に対応XMLファイルを生成することができる
。
XMLファイルの普遍的にアクセス可能なデータ表現は適当な計器インタフェースに供給(ステージ202)され、適切な計器へ通信(ステージ201)されて計器及び/又は被測定デバイスのさらなる操作を制御することができる
。
【0023】
図2に示した処理フローを用いることで、本発明の実施形態は全く異種の計器からのデータの集約を可能にするのに好都合である。本発明の実施形態により集約されたデータは、特定のデータに適した任意の後処理アプリケーションによっても処理できるようになる。さらに、本発明の実施形態はこれらの異種計器間でのデータ通信を可能にする。」
e 【0024】~【0027】、【図3】
「【0024】
図3は、本発明の実施形態を用いるシステム300を表わす
。
複数の計器301がローカルエリアネットワーク(LAN)302または他の適切なネットワーク(例えばインターネット)に結合して図示してあるが、複数の計器301はコンピュータ303に直接取り付けることもできる
。
この計器は、複雑な計器(例えば、スペクトル分析器や回路網パーサー等)からの略式の(unconventional)デバイス(適切なプロセッサ及び通信インタフェースと組み合わせた複雑さの少ないセンサ、呼び出し伝送パケットのオーバヘッド内に計測データを配置するファームウェア付きのセル電話、または類似のもの等)にまで及ぶ任意の適切な計器とすることができる
。具体的には、関連データの計測と通信を実行することのできるどんなデバイスも本発明の実施形態になる計器を構成することができる。
複数の計器301は、汎用計器バス(GPIB)、USBバス、または類似のもの等の様々なインタフェースを実装することができる
。
GPIB/LAN接続は、GPIBバスとLANが使用するプロトコル間での変換に用いることができる
。」
「【図3】
109
139
0001430555000009.jpg
」
「【0025】
汎用コンピュータ(例えば、パーソナルコンピュータ)303が、ブロック320に示したデータ構造とソフトウェアモジュールを用いて、複数の計器301から計器データを受信し処理する
。
具体的には、本発明の実施形態はVEEアプリケーション304(あるいはLabviewアプリケーションまたは任意の他の適切なアプリケーション)を用い、複数の計器301のうちの1つ又は幾つかについてデータをアクセスすることができる
。
VEEアプリケーションは、計器データからXMLファイル305を生成する
。XMLファイル305が必ずしもディスク記憶装置に書き込む必要のないことは理解されて然るべきである。
XMLファイル305は、必要に応じてランダムアクセスメモリ(RAM)等の適切なメモリに留保することができる
。
XMLファイル305は周知のスキーマまたはDTDにより生成したため、パーサー306(例えば、Perlスクリプト)はXMLファイル305を読み取って適当なタグを抽出し、元の計器に関係なく、かつコンピュータ303のオペレーティングシステムに関係なく計器データへアクセスする
。本発明の実施形態がいずれかの特定の解析機能に限定されないことは、言うまでもない。
任意の適切なストリングや他の処理ライブラリや他の適切なソフトウェア機能を用い、所望の解析機能を実装することができる
。
解析機能の他の例には、JAVAクラス、「エクスパット(expat)」解析ルーチン、CまたはC++で書かれたカスタムコード、又は類似のものが含まれる
。
【0026】
パーサー306により、計器データを幾つかの後処理アプリケーションのうちの一つに提供することが可能である
。
例えば、Perlライトエクセル(WriteExcel)ソフトウェアモジュール307は、解析データからExcelファイル309を作成し、Excelアプリケーションが計器データを操作または適切に処理できるようにする
。
あるいはまた、Perlモジュール(Perl2Mat 308として図示)を書き込んでPerlに解析データからMatlabファイル310を作成させ、Matlabアプリケーションが計器データを操作又は適切に処理できるようにさせることができる
。様々なアプリケーションが、望ましい処理を実行することができる。例えば、Excelアプリケーションのチャート作成機能を計器データの適当な可視表現の作成に用いることができる。あるいはまた、様々な数学的変換及び/又は類似のものを、Matlabアプリケーションにより所与のアプリケーションにとって適当なものとして実行することができる。Perlライトエクセルソフトウェアモジュール307及びPerl2Mat 308は、解析データを個別アプリケーションに関するファイルフォーマットへ変換するのを容易にするためにパーサー306に用いられる。ドライバユーティリティである。Perlライトエクセルソフトウェアモジュール307は、公的に利用できるソフトウェアモジュールである。Perl2Mat 308は、解析されたデータをMatlabのファイルフォーマットへ変換する目的で生成されるカスタムソフトウェアモジュールである。
【0027】
本発明の実施形態は、任意数のアプリケーションに用いることができる。例えば、本発明の実施形態を計器データの管理に用い、それによって「旧式」計器と最新の後処理プログラムの間の交換を可能にすることができる。さらに、元来が「旧式」計器により生成され適切に後処理された計器データは、「最新」計器を適切なものとして制御するのに用いることができる。」
f 【0028】~【0032】、【図4】~【図8】
「【0028】
図4は、本発明の実施形態により生成したXMLファイル305のブラウザ表示を表わす。図4に示すように、XMLファイル305は計器データの「人が読み取り可能な(human-readable)」特徴を保持するものである。具体的には、タグ、タグ構造、タグ属性、およびタグ内データ隠蔽により、ユーザは元の計器用の独自の文書化(proprietary documentation)に頼ることなくデータの意味を理解できるようになる。これは、多数の計器インタフェースが用いるカンマ区切り形式(CSV)とは著しく対照的である。」
「【図4】
210
139
0001430555000010.jpg
」
「【0029】
適切なスキーマやDTDに従ってXMLファイル305をエンコードすることで、XMLファイル305が解析され、複数の後処理アプリケーションのうちの1つ又は幾つかのためにファイルを作成することができる
。例えば、Excelスプレッドシートアプリケーションは、業務用または他の商用用途に適切なフォーマットでデータを表現するのに好都合であると考えられている。図5は、本発明の実施形態による
XMLファイル305から生成したExcelファイル309
の表示を表わす。図5に示すように、Excelファイル309は、「人が読み取り可能な」形式で保持された元の計器データの構造を留めている。
Excelファイル309の計器データは、Excelアプリケーション能力のいずれかにより処理することができる
。例えば、Excelグラフ600(図6に示す)はExcelファイル309の計器データから生成することができる。」
「【図5】
204
139
0001430555000011.jpg
」
「【図6】
106
139
0001430555000012.jpg
」
「【0030】
本発明の実施形態はさらに、
所望の特定の処理能力又はユーザの個人的な嗜好に応じてXMLファイル305に隠蔽した計器データを他の計器へ送出させることができる
。
例えば、ユーザは計器データを処理するのにMatlabアプリケーションの信号処理機能の利用を望むことがある
。本発明の実施形態は、
XMLファイルを図7に示すMatlabファイル310へ変換することができる
。ここでも、元の計器データの構造は人が読取り可能な形式に維持される。あらゆるMatlabアプリケーション処理能力が、送出データの処理に利用できる。例えば、図8に示すグラフ800は、Matlabアプリケーションのグラフ化機能を利用することでMatlabファイル310内の計器データから生成することができる。」
「【図7】
124
139
0001430555000013.jpg
」
「【図8】
108
139
0001430555000014.jpg
」
「【0031】
本発明の実施形態はさらに、分散計測システムを可能にする。例えば、セルラシステム方式内のセルラユニットは、ファームウェア性能の変化に従い様々な測定値を作成することができる。このファームウェアは、本発明による適切なXMLファイル内の測定データを、異なるファームウェア性能用にエンコードすることができる。同様に、センサの集約は適切な測定値を収集し、インターネットを介してこれらの測定値を通信することができる。測定値は、普遍的にアクセス可能なXMLファイルでエンコードすることができる。こうしてデータをエンコードすることで、性能が変動し、地理的に分散されたセンサから収集したデータが、所望の変動する目標(varying purpose)のために有効な任意数の組み合わせに従って解析されることが可能である。
【0032】
様々な計器から計器データを収集し任意数の後処理アプリケーションに提供できるようにすることで、本発明の実施形態は幾つかの効果をもたらす。具体的には、XMLファイルの中間種でかつ普遍的にアクセス可能なデータ表現によって、計器インタフェースは1種類のファイルに書き込めば良くなる。そのファイルに基づき、どんな具体的なファイルフォーマットも最小程度の複雑さをもって後処理アプリケーション用に生成することができる。幾つかの後処理アプリケーションを利用できることは有効である。なぜなら、一般に利用可能な後処理アプリケーションは、処理ツールとアルゴリズムの幅広い集合を有したり、反復作業を容易にする記述言語を有したり、洗練されたグラフ化と出力能力を有したり、元々の測定がなされた箇所に依存しない任意のアクセス可能なプラットフォーム上で後処理を実行させることができるからである。その上、後処理アプリケーション能力範囲はかなり異なる。このように、本発明の実施形態は、ユーザが処理する計器データおよびユーザの嗜好に最も適した所望の後処理アプリケーションの選択を都合よく可能にするものである。本発明の実施形態はさらに、後処理アプリケーションからのデータを元の計器(または他の計器)へさらなる処理用に都合よく戻すことができる。戻されたデータは、個々の計器と関連する所与の動作について適切なさらなる動作を制御するのに用いることができる。」
(イ) 引用発明の認定
前記(ア)において摘記した事項を総合すると、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。なお、認定の根拠となる記載箇所等を括弧内に示した。
<引用発明>
「複数の計器301がローカルエリアネットワーク(LAN)302または他の適切なネットワーク(例えばインターネット)に結合したシステム300であって、(【0024】)
複数の計器301はコンピュータ303に直接取り付けることもでき、この計器は、複雑な計器(例えば、スペクトル分析器や回路網パーサー等)からの略式の(unconventional)デバイス(適切なプロセッサ及び通信インタフェースと組み合わせた複雑さの少ないセンサ、呼び出し伝送パケットのオーバヘッド内に計測データを配置するファームウェア付きのセル電話、または類似のもの等)にまで及ぶ任意の適切な計器とすることができるものであり、(【0024】)
複数の計器301は、汎用計器バス(GPIB)、USBバス、または類似のもの等の様々なインタフェースを実装することができ、GPIB/LAN接続は、GPIBバスとLANが使用するプロトコル間での変換に用いることができ、(【0024】)
汎用コンピュータ(例えば、パーソナルコンピュータ)303は、ブロック320に示したデータ構造とソフトウェアモジュールを用いて、複数の計器301から計器データを受信し処理するものであり、具体的には、VEEアプリケーション304(あるいはLabviewアプリケーションまたは任意の他の適切なアプリケーション)を用い、複数の計器301のうちの1つ又は幾つかについてデータをアクセスすることができ、VEEアプリケーションは、計器データからXMLファイル305を生成するものであり、XMLファイル305は、必要に応じてランダムアクセスメモリ(RAM)等の適切なメモリに留保することができ、XMLファイル305は周知のスキーマまたはDTDにより生成したため、パーサー306(例えば、Perlスクリプト)はXMLファイル305を読み取って適当なタグを抽出し、元の計器に関係なく、かつコンピュータ303のオペレーティングシステムに関係なく計器データへアクセスするものであり、任意の適切なストリングや他の処理ライブラリや他の適切なソフトウェア機能を用い、所望の解析機能を実装することができ、解析機能の他の例には、JAVAクラス、「エクスパット(expat)」解析ルーチン、CまたはC++で書かれたカスタムコード、又は類似のものが含まれ、(【0025】)
パーサー306により、計器データを幾つかの後処理アプリケーションのうちの一つに提供することが可能であり、例えば、Perlライトエクセル(WriteExcel)ソフトウェアモジュール307は、解析データからExcelファイル309を作成し、Excelアプリケーションが計器データを操作または適切に処理できるようにするものであり、あるいはまた、Perlモジュール(Perl2Mat 308)を書き込んでPerlに解析データからMatlabファイル310を作成させ、Matlabアプリケーションが計器データを操作又は適切に処理できるようにさせることができ、(【0026】)
適切なスキーマやDTDに従ってXMLファイル305をエンコードすることで、XMLファイル305が解析され、複数の後処理アプリケーションのうちの1つ又は幾つかのためにファイルを作成することができ、XMLファイル305から生成したExcelファイル309の計器データは、Excelアプリケーション能力のいずれかにより処理することができ、(【0029】)
所望の特定の処理能力又はユーザの個人的な嗜好に応じてXMLファイル305に隠蔽した計器データを他の計器へ送出させることができ、例えば、ユーザは計器データを処理するのにMatlabアプリケーションの信号処理機能の利用を望むことがあり、XMLファイルをMatlabファイル310へ変換することができ、(【0030】)
XMLファイルの計器データ処理用の処理フロー200のステージ201において、計器が計器データを生成し、計器データは、その特定の計器に関する独自のデータフォーマットに従ってフォーマットすることができ、(【0020】)
ステージ202では、計器インタフェースが独自のデータフォーマットに従って先にエンコードしたデータを処理し、具体的には、汎用ソフトウェア(アジレントテクノロジーズ(Agilent Technologies)社のVEEやナショナルインストルメンツ(National Instruments)社のLabview等)は、サポートする計器の挙動とデータを体系化する「計器ドライバ」を用いるものであり、(【0020】)
ステージ202における計器インタフェースは、適当なXMLスキーマ及び/又は文書型定義(DTD)に従ってステージ203用のXMLファイルとしてデータをエンコードするものであり、(【0021】)
ステージ203は、普遍的にアクセス可能なフォーマット、例えばXMLでの計器データの記憶を表わし、(【0021】)
ステージ204において変換ソフトウェアプログラムが個別スキーマまたはDTDに従ってXMLファイルを解析し、選択された後処理アプリケーションに従って適用されたファイルを生成することができ、(【0021】)
計器と後処理アプリケーションの間の計器データの処理を双方向とすることができ、後処理データはステージ205からの適切なアプリケーションファイルから検索することができ、検索したデータはステージ204において変換され、ステージ203用に対応XMLファイルを生成することができ、XMLファイルの普遍的にアクセス可能なデータ表現は適当な計器インタフェースに供給(ステージ202)され、適切な計器へ通信(ステージ201)されて計器及び/又は被測定デバイスのさらなる操作を制御することができる、(【0022】)
システム300。」
イ 引用文献2に記載された事項と技術常識1の認定
(ア) 引用文献2に記載された事項
前置報告書において引用された文献であって、本願の出願前に発行された文献である特表2005-537589号公報(以下「引用文献2」という。)には、次の事項が記載されている。下線は審判合議体が付したものであり、以下同様である。
「【請求項25】
請求書を電子的に処理するためのコンピュータシステム
であって、
カスタマに対して
請求書が、請求者からの請求情報およびマスタデータとカスタマからのマスタデータとを使用して作成される形式のもの
において、
・プログラム命令を有するメモリと、
・データを受信および入力するための入力手段と、
・データを送信および提示するための出力手段と、
・データを記憶するための記憶手段と、
・前記プログラム命令に対して応答するプロセッサとが設けられており、
該プログラム命令は、
a)請求情報を請求者から、第1の処理モジュールによって受信するための命令と、
b)請求書を該第1の処理モジュールによって、請求者の請求情報およびマスタデータを使用して生成するための命令と、
c)カスタマのデータを第2の処理モジュールから、該第1の処理モジュールによって要求するための命令と、
d)
生成された前記請求書のフォーマットが、カスタマのマスタデータで指定されたフォーマットでない場合、該請求書を、カスタマのマスタデータで指定されたフォーマットに、該第1の処理モジュールによって変換するための命令
と、
e)生成または変換された請求書を該第2の処理モジュールへ、該第1の処理モジュールによって伝送するための命令であり、
該第1の処理モジュールは請求者のマスタデータにアクセス可能であり、該第2の処理モジュールはカスタマのマスタデータにアクセス可能であることを特徴とするコンピュータシステム。」
「【請求項41】
請求情報は、請求者および/またはカスタマおよび/または支払いサービス提供者のアドレス情報、および/または支払い情報、および/またはVAT情報、および/または購入オーダに関連する項目化された請求位置、および/または会計情報を含む、請求項25から40までのいずれか1項記載のコンピュータシステム。
【請求項42】
請求者のマスタデータは、アドレス情報、および/またはデータフォーマット情報、および/または通信アドレスに関する情報、および/または銀行情報および銀行口座情報、および/またはユーザ認証情報、および/またはユーザ許可情報、および/またはアーカイブサービスのための任意選択に関する情報、および/または印刷サービスのための任意選択に関する情報、および/または通知のための任意選択に関する情報を含む、請求項25から41までのいずれか1項記載のコンピュータシステム。
【請求項43】
カスタマのマスタデータは、アドレス情報、および/またはデータフォーマット情報、および/または通信アドレス、および/または銀行情報および銀行口座情報、および/またはユーザ認証情報、および/またはユーザ許可、および/またはアーカイブサービスのための任意選択に関する情報、および/または通知のための任意選択に関する情報を含む、請求項25から42までのいずれか1項記載のコンピュータシステム。」
「【請求項47】
請求書は、請求者によって使用されたフォーマットから、カスタマのマスタデータで指定されたのと同じフォーマットに、中間フォーマットを使用せずに直接変換される
、請求項25から46までのいずれか1項記載のコンピュータシステム。」
(イ) 技術常識1の認定
前記(ア)に摘記した事項を踏まえると、引用文献2に例示されるように、次の技術事項は、当業者にとって技術常識であると認められる(以下「技術常識1」という)。
<技術常識1>
「コンピュータシステムにおいて電子的に処理されるデータに関し、あるフォーマットから別のフォーマットに変換する際に、中間フォーマットを使用せずに直接変換することもできること。」
(3) 対比・判断
ア 対比分析
本件補正発明と引用発明を対比する。
(ア) 構成Xの観点
構成Xは、「複数種類の測定器及び複数種類の記憶媒体と接続可能な測定データ入力支援装置」の発明であることを特定するものである。
a 「複数種類の測定器」の観点
引用発明の「複数の計器301」については、「複雑な計器(例えば、スペクトル分析器や回路網パーサー等)からの略式の(unconventional)デバイス(適切なプロセッサ及び通信インタフェースと組み合わせた複雑さの少ないセンサ、呼び出し伝送パケットのオーバヘッド内に計測データを配置するファームウェア付きのセル電話、または類似のもの等)にまで及ぶ任意の適切な計器とすることができる」とされており、「計器」の種類として複数のものが想定されているといえるから、引用発明の「複数の計器301」は、本件補正発明の「複数種類の測定器」に相当する。
b 「複数種類の記憶媒体」の観点
(a) 引用発明においては、「計器データを幾つかの後処理アプリケーションのうちの一つに提供することが可能であ[る]」ところ、「例えば、Perlライトエクセル(WriteExcel)ソフトウェアモジュール307は、解析データからExcelファイル309を作成し、Excelアプリケーションが計器データを操作または適切に処理できるようにするものであ[る]」から、「後処理アプリケーション」として「Excelアプリケーション」を採用した場合には、「解析データ」から「作成」された「Excelファイル309」を記憶する記憶媒体の存在を想定していることは明らかである。
(b) 引用発明においては、「あるいはまた、Perlモジュール(Perl2Mat 308)を書き込んでPerlに解析データからMatlabファイル310を作成させ、Matlabアプリケーションが計器データを操作又は適切に処理できるようにさせることができ[る]」から、「後処理アプリケーション」として「Matlabアプリケーション」を採用した場合には、「解析データ」から「作成」された「Matlabファイル310」を記憶する記憶媒体の存在を想定していることも明らかである。
(c) 前記(a)及び(b)を踏まえると、引用発明においては、「Excelアプリケーション」や「Matlabアプリケーション」といった複数種類の「後処理アプリケーション」に対応して、「Excelファイル309」や「Matlabファイル310」といった複数種類のファイルを記憶する複数種類の記憶媒体の存在を想定しているといえるところ、かかる「複数種類のファイルを記憶する複数種類の記憶媒体」は、本件補正発明の「複数種類の記憶媒体」に相当する。
c 「測定データ入力支援装置」の観点
(a) 引用発明の「汎用コンピュータ(例えば、パーソナルコンピュータ)303」は、「ブロック320に示したデータ構造とソフトウェアモジュールを用いて、複数の計器301から計器データを受信し処理するものであり」、「パーサー306により、計器データを幾つかの後処理アプリケーションのうちの一つに提供することが可能であ[る]」から、「複数の計器301」からの「計器データ」(本件補正発明の「測定データ」に相当)を「後処理アプリケーション」に入力するための支援手段であるといえる。
(b) 引用発明においては、「複数の計器301はコンピュータ303に直接取り付けることもでき[る]」としているから、「汎用コンピュータ(例えば、パーソナルコンピュータ)303」は、「複数の計器301」と接続可能であるといえる。
(c) 引用発明においては、「パーサー306により、計器データを幾つかの後処理アプリケーションのうちの一つに提供することが可能であ[る]」としているから、前記bを踏まえると、「汎用コンピュータ(例えば、パーソナルコンピュータ)303」は、複数種類の記憶媒体と接続可能であるといえる。
(d) 前記(a)~(c)を踏まえると、引用発明の「汎用コンピュータ(例えば、パーソナルコンピュータ)303」は、本件補正発明の「複数種類の測定器及び複数種類の記憶媒体と接続可能な測定データ入力支援装置」に相当する。
d したがって、本件補正発明と引用発明は、構成Xの観点に関し、次の点において一致する。
<構成Xの観点の一致点>
「複数種類の測定器及び複数種類の記憶媒体と接続可能な測定データ入力支援装置」の発明である点。
(イ) 構成Aの観点
構成Aは、「測定データ入力支援装置」が「前記測定器から測定データを受信する第1通信手段」を有することである。
a 引用発明においては、「複数の計器301は、汎用計器バス(GPIB)、USBバス、または類似のもの等の様々なインタフェースを実装することができ」、「汎用コンピュータ(例えば、パーソナルコンピュータ)303は、ブロック320に示したデータ構造とソフトウェアモジュールを用いて、複数の計器301から計器データを受信し処理するものであり」としているから、「汎用コンピュータ(例えば、パーソナルコンピュータ)303」は、「複数の計器301から計器データを受信」する通信手段を有していることは明らかである。
b そうすると、引用発明の「複数の計器301」からの「計器データ」が、本件補正発明の「前記測定器」からの「測定データ」に相当することを踏まえると、引用発明における上記通信手段は、本件補正発明の「前記測定器から測定データを受信する第1通信手段」に相当する。
c 以上を踏まえると、本件補正発明と引用発明は、構成Aに関し、次の点において一致する。
<構成Aの観点の一致点>
「測定データ入力支援装置」が「前記測定器から測定データを受信する第1通信手段」を有する点。
(ウ) 構成Bの観点
構成Bは、「測定データ入力支援装置」が「当該第1通信手段が受信した測定データを解釈・特定する解釈手段」を有することである。
a 引用発明においては、「VEEアプリケーション304(あるいはLabviewアプリケーションまたは任意の他の適切なアプリケーション)を用い、複数の計器301のうちの1つ又は幾つかについてデータをアクセスすることができ、VEEアプリケーションは、計器データからXMLファイル305を生成するものであ[る]」。
b ここで、引用発明の「XMLファイル」に関して、引用文献1の段落【0010】~【0011】には、次の記載がある。
「【0010】
前記したように、代表的な実施形態は
XMLを用い普遍的にアクセス可能な方法で計器データ表現をエンコードする
。XMLは、メタ言語(meta-language)、すなわちそこから他の言語を創成することのできる言語である。
計器データ用の専用言語を定義することで、計器データの構造は保持される
。具体的には、XMLファイル内のデータの各項目は、例えば適当なタグおよび適切なスキーマまたはDTDの使用により定義付けされた意味へ関連付けることができる。さらに、XMLはインターネットを介して交換し、それによってオペレーティングシステムおよびプラットフォームから独立したデータ表現を生むよう設計されている。XMLは、構造上でハイパーテキストマーク付け言語(hypertext mark-up language、HTML)に類似するものである。XMLはHTMLに比べ有利であり、それは関連データの記述から文書のフォーマット化が分離されているからである。
【0011】
一般に、XMLファイルは情報交換用米国標準コード(American Standard Code for Information Interchange、ASCII)に基づくものであり、ユーザ定義可能なタグのペア内にデータを包含している。タグのユーザ定義を容易にするために、XMLファイルはそれらの内容及び/又は構成の記述方法に結合されている。このような記述のより古いフォーマットでは、文書型定義(DTD)が用いられており、XMLファイル内や外部ファイル内に包含させることができる。近年、スキーマはXMLファイルの内容と構成を記述するのに用いられてきた。XMLスキーマは語彙を共有し、文書規則を定義できるようにしてある。XMLスキーマは好都合であるが、それはXMLスキーマがXMLで書かれ、より多くのデータ種をサポートし、従って拡張可能であり、ネーム空間をサポートしているからである。」
c 前記bにおいて摘記した事項を踏まえると、引用発明においては、「VEEアプリケーション304」あるいは「Labviewアプリケーション」が「複数の計器301」からの「計器データ」を解釈して「XMLファイル305」という形式に特定しているといえる。
d そうすると、引用発明の「VEEアプリケーション304」あるいは「Labviewアプリケーション」は、本件補正発明の「当該第1通信手段が受信した測定データを解釈・特定する解釈手段」に相当する。
e 以上を踏まえると、本件補正発明と引用発明は、構成Bの観点に関し、次の点において一致する。
<構成Bの観点の一致点>
「「測定データ入力支援装置」が「当該第1通信手段が受信した測定データを解釈・特定する解釈手段」を有する点。
(エ) 構成Cの観点
構成Cは、「測定データ入力支援装置」が「解釈・特定された測定データを、出力先の前記記憶媒体に入力可能な形式に1回変換して前記記憶媒体に出力する第2通信手段」を有することである。
a 引用発明において、「VEEアプリケーション304」あるいは「Labviewアプリケーション」により解釈され「XMLファイル305」という形式に特定された「複数の計器301」からの「計器データ」は、本件補正発明の「解釈・特定された測定データ」に相当する。
b 引用発明においては、「パーサー306(例えば、Perlスクリプト)はXMLファイル305を読み取って適当なタグを抽出し、元の計器に関係なく、かつコンピュータ303のオペレーティングシステムに関係なく計器データへアクセスするものであり」、「パーサー306により、計器データを幾つかの後処理アプリケーションのうちの一つに提供することが可能であり」としているところ、「例えば、Perlライトエクセル(WriteExcel)ソフトウェアモジュール307は、解析データからExcelファイル309を作成し、Excelアプリケーションが計器データを操作または適切に処理できるようにするものであり、あるいはまた、Perlモジュール(Perl2Mat 308)を書き込んでPerlに解析データからMatlabファイル310を作成させ、Matlabアプリケーションが計器データを操作又は適切に処理できるようにさせることができ」るとしている。
c 前記a及びbを踏まえると、引用発明の「パーサー306」は、「VEEアプリケーション304」あるいは「Labviewアプリケーション」により解釈され「XMLファイル305」という形式に特定された「複数の計器301」からの「計器データ」を、出力先の「後処理アプリケーション」(ExcelアプリケーションあるいはMatlabアプリケーション)に入力可能な形式に変換して前記「後処理アプリケーション」に出力する手段であるといえる。
d 以上を踏まえると、引用発明の「パーサー306」は、本件補正発明の「解釈・特定された測定データを、出力先の前記記憶媒体に入力可能な形式に」「変換して前記記憶媒体に出力する第2通信手段」に相当する。
e したがって、本件補正発明と引用発明は、構成Cの観点に関し、次の(a)に示す点において一致し、以下の(b)に示す点において相違する。
(a) 構成Cの観点の一致点
「「測定データ入力支援装置」が「解釈・特定された測定データを、出力先の前記記憶媒体に入力可能な形式に変換して前記記憶媒体に出力する第2通信手段」を有する点。
(b) 構成Cの観点の相違点
「第2通信手段」が行う「変換」について、
本件補正発明においては、「1回変換」であるのに対して、
引用発明においては、「1回変換」であることを特定していない点。
イ 一致点及び相違点の認定
前記アの対比分析の検討結果をまとめると、本件補正発明と引用発明は、次の(ア)に示す一致点において一致し、以下の(イ)に示す相違点において相違する。
(ア) 一致点
「複数種類の測定器及び複数種類の記憶媒体と接続可能な測定データ入力支援装置であって、
当該測定データ入力支援装置は、
前記測定器から測定データを受信する第1通信手段と、
当該第1通信手段が受信した測定データを解釈・特定する解釈手段と、
解釈・特定された測定データを、出力先の前記記憶媒体に入力可能な形式に変換して前記記憶媒体に出力する第2通信手段と、を有することを特徴とする、測定データ入力支援装置。」
(イ) 相違点
「第2通信手段」が行う「変換」について、
本件補正発明においては、「1回変換」であるのに対して、
引用発明においては、「1回変換」であることを特定していない点。
ウ 判断
(ア) 相違点の検討
a 「1回変換」の技術上の意義を踏まえた検討
(a) 請求人の主張する記載根拠
「第2通信手段」が行う「変換」が「1回変換」であることについて、請求人は、審判請求書の「(3)補正の根拠」において、次のとおり主張している。
「補正後の本願の請求項1~6と、補正後の明細書の段落[0011]~[0013]の下線部の「入力可能な形式に1回変換して」という記載については、出願当初の明細書の段落[0036]の「CPU21(解釈手段の一例)は、当該「測定」の命令、「測定ポイントマーカーのクリック(測定データ入力先の決定)」の命令を解釈・特定する。そして、CPU21(第1通信手段の一例)は、測定データの入力を開始する旨の測定データ入力開始命令を、測定器1に入力可能なデータ形式に変換して、変換後の測定データ入力開始命令を、I/F27を通じて測定器1に出力する」という記載と、同段落[0056]の「測定データ入力支援装置2は、当該「測定」の命令、「測定ポイントマーカーのクリック(測定データ入力先の決定)」の命令を解釈・特定する(ステップS703)。そして、測定データ入力支援装置2は、測定データの入力を開始する旨の測定データ入力開始命令を、測定器1に入力可能なデータ形式に変換して、変換後の測定データ入力開始命令を、I/F27を通じて測定器1に出力する」という記載に基づくものです。つまり、上記では、解釈・特定されたデータ及び命令を、測定器に入力可能な形式に、1回変換する構成が開示されております。
また、
段落[0039]の「CPU21(第2通信手段の一例)は、解釈・特定された測定データを、描画用アプリに入力(読み込み)可能な形式に、当該測定データの形式を変換する」という記載と、同段落[0060]の「測定データ入力支援装置2は、解釈・特定された測定データを、描画用アプリに入力(読み込み)可能な形式に、当該測定データの形式を変換する(ステップS708)」という記載に基づくものです
。つまり、上記では、解釈・特定された測定データを、描画用アプリに入力(読み込み)可能な形式に、1回変換する構成が開示されております。」
(b) 「1回変換」の技術上の意義
請求人の示した上記記載箇所を含めて、本願の明細書及び図面を見渡しても、「第2通信手段」が行う「変換」が「1回変換」であることについては、明示的な記載は認められないところ、「1回変換」の「1回」がどのような観点からその回数が定められるのか明らかではなく、仮に回数を観念できたとしても、「1回」が「1回限り」を意味するのか「少なくとも1回」を意味するのか明らかではない。
そうすると、前記相違点に係る「1回変換」については、「1回」であることに特段の技術上の意義を見出すことはできず、単に「変換」が行われることを述べたに留まるものと解するのが相当である。
(c) 実質的な相違点でないこと
前記(b)を踏まえると、引用発明においても、「XMLファイル305」の「計器データ」を、出力先の「後処理アプリケーション」(ExcelアプリケーションあるいはMatlabアプリケーション)に入力可能な形式に変換しているから、前記相違点は実質的には相違点ではない。
b 技術常識を踏まえた検討
(a) この点に関し、請求人は、審判請求書において、引用文献1では、受信した測定データ(計器データ)を、XMLスキーマ及び/又は文書型定義(DTD)を用いて、XMLファイルに変換し(XMLファイルとしてデータをエンコードする)、個別スキーマまたはDTDを用いて、XMLファイルを解析し、選択された後処理アプリケーションに従って適用されたファイルに変換する(適用されたファイルを生成する)構成が開示されており、引用文献1に係る構成では、「測定データ→XMLファイル→後処理用のファイル」と、2回変換を行う構成である旨主張しており、かかる主張を踏まえると、「1回変換」は、単に「変換」が行われることを述べたものではなく、「1回限り」の変換であることを特定したものであるとも考えられる。
(b) そこで、請求人の主張に沿って、仮に前記相違点が実質的な相違点であるとして、「測定データ」から出力先に入力可能な形式に「1回」だけ変換することを特定したものであるとした上で以下検討する。
(c) 「コンピュータシステムにおいて電子的に処理されるデータに関し、あるフォーマットから別のフォーマットに変換する際に、中間フォーマットを使用せずに直接変換することもできること」は、当業者にとって技術常識である(前記技術常識1を参照)。
(d) 前記技術常識1を踏まえると、引用発明において、「測定データ→XMLファイル→後処理用のファイル」として変換する代わりに、「XMLファイル」を経由せずに、「測定データ→後処理用のファイル」となるように構成することにより、前記相違点に係る本件補正発明の構成とすることは、当業者にとって適宜なし得た設計変更にすぎない。
(e) この点に関し、引用文献1の段落【0004】~【0005】に示された課題を踏まえると、引用発明において、確かに測定データをXMLファイルに変換すれば、「後処理用のファイル」の属性に依存しない普遍的なアクセスが可能にはなるものの、使用される「後処理用のファイル」の選択肢は概ね想定されているのが通常であるから、かかる想定の範囲内で上記普遍性を犠牲にしても差し支えないというべきである。すなわち、引用発明において「XMLファイル」を経由させることが必須であるとまではいえず、想定された「後処理用のファイル」の属性に従って「測定データ→後処理用のファイル」という「1回変換」として構成しても、差し支えないというべきである。
(イ) 総合評価
a 新規性の判断
前記(ア)aにおいて検討したとおり、前記相違点は実質的には相違点ではないから、本件補正発明は、引用文献1に記載された発明である。
b 進歩性の判断
仮に前記相違点が実質的な相違点であるとして検討しても、前記(ア)bにおいて説示したとおり、引用発明において、前記相違点に係る本件補正発明の構成を備えるようにすることは、当業者が容易に想到し得たことである。
そして、本件補正発明が奏する効果としては、当該構成のものとして当業者が予測・発見困難であり、かつ、格別顕著な効果を認めることはできない。
したがって、本件補正発明は、引用発明及び技術常識1に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
(4) 請求人の主張について
ア 請求人の主張の要点
(ア) 引用文献1では、「測定データ→XMLファイル→後処理用のファイル」と、2回変換を行う構成であり、測定データをXMLファイルに変換することで、あらゆる計器が普遍的にアクセス可能になると述べられており、XMLファイルに変換することが大きな特徴の1つである。
一方、本件補正発明は、測定データを、XMLファイルに変換する構成ではなく、また、測定データを解釈・特定し、出力先の記憶媒体に入力可能な形式するために、2回変換ではなく、1回変換する構成である。
(イ) 本件補正発明では、第1通信手段、解釈手段及び第2通信手段が、具体的には例えば、ソフトウェア同士で情報をやり取りするAPI(Application Programming Interface)で接続されているため、直接的に、かつ、リアルタイムで測定データの処理を行うことができるため、測定現場等の現場で、測定データを記憶媒体に直ちに記憶させることができる。
一方、引用文献1では、XMLファイルとしてデータをエンコードして、XMLファイルに変換し、次に、個別スキーマまたはDTDを用いて、XMLファイルを解析し、選択された後処理アプリケーションに従って適用されたファイルに変換するので、「ファイルからデータを取り出して、解釈して、フォーマット変換を行う」といった処理を、2回行う必要があり、本件補正発明の構成と比べて、処理手順が多く、時間がかかり、測定現場等の現場では処理が終わらない。
(ウ) 引用文献1の「測定データをXMLファイルに変換する」構成は、本件補正発明においては、APIによって上位側のAPにデータを受け渡した後、上位側のAPで加工(解釈・特定)し出力する構成の中で、無数に想定される具体的な手段のうちの一つにすぎない。単に、自由に編集できるようにするため、XMLファイルに変換するという引用文献1に係る発明の構成と、より上位の観点から、測定器と情報処理装置の様々な組み合わせに対応できるといった幅広い拡張性と柔軟性(汎用性)や、直接的に、かつ、リアルタイムで測定データの処理を行うことができるといった即応性を持たせるべく構成された、本件補正発明に係る技術思想を比較すると、本件補正発明に係る技術思想は、引用文献1に係る発明の構成に包含することができず、より上位の観点から、幅広い拡張性と柔軟性(汎用性)や、即応性を持たせるべく構成された技術思想を実装した、本件補正発明の構成は、単に引用文献1の延長線上に位置付けられるものではない。
(エ) 更に、一部の改変で測定器と情報処理装置の様々な組み合わせに対応できる等するため、機能毎に区分けして構成するという、本件補正発明に係る技術思想は、引用文献1には記載も示唆もされていない。
イ 請求人の主張に対する審判合議体の判断
請求人の主張は、要するに前記相違点の「1回変換」に係るものであるところ、「1回変換」については、前記第2の3(3)ウにおいて検討したとおりである。
また、本件補正後の請求項2にはAPI接続の特定はないから、本件補正発明の「第1通信手段」、「解釈手段」及び「第2通信手段」が、具体的には例えば、ソフトウェア同士で情報をやり取りするAPIで接続されており、直接的に、かつ、リアルタイムで測定データの処理を行うことができるため、測定現場等の現場で、測定データを記憶媒体に直ちに記憶させることができるとの主張は、本願の特許請求の範囲の記載から離れたところの主張であって、前記第2の3(3)ウの結論を左右するものではない。
(5) 小括
以上検討のとおり、本件補正発明は、特許法29条1項3号に該当し、特許出願の際独立して特許を受けることができない。
仮にそうでないとしても、本件補正発明は、特許法29条2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができない。
したがって、いずれにしても、本件補正は、同法17条の2第6項において準用する同法126条7項の規定に違反するから、同法159条1項において読み替えて準用する同法53条1項の規定により却下すべきものである。
よって、前記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。
本件補正は、前記第2のとおり却下されたので、本願の請求項1~6に係る発明は、令和5年3月23日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1~6に記載された事項により特定されるとおりのものであると認められるところ、そのうち、請求項2に係る発明(以下「本願発明」という。)は前記第2の1(1)に摘記した事項により特定されるとおりである。
原査定の拒絶の理由のうち、本願発明について、新規性及び進歩性の欠如の理由の要旨は、次のとおりである。
理由1(新規性の欠如)
本願発明は、下記の引用文献1に記載された発明であるから、特許法29条1項3号に該当し、特許を受けることができない。
理由2(進歩性の欠如)
本願発明は、下記の引用文献1に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。
記
引用文献1:特開2004-362557号公報
引用文献1には、前記第2の3(2)ア(イ)において認定したとおりの引用発明が記載されていると認められる。
本願発明は、本件補正発明について、前記第2の2に示した「1回変換」であることの限定を省いたものである。
そうすると、前記第2の3の「(3) 対比・判断」において検討した事項を踏まえると、本願発明と引用発明の相違点はないことになるから、本願発明について、新規性及び進歩性は認められない。
以上検討のとおりであるから、本願発明は、特許法29条1項3号に該当し、特許を受けることができない。
また、本願発明は、特許法29条2項の規定により、特許を受けることができない。
したがって、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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