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Trademark Appeal Case

登録商標と使用標章の同一性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号2021300288
審判種別記載はありません。
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

結 論
登録第5071734号商標の商標登録を取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。

理由テキスト

理 由

第1 本件商標

本件登録第5071734号商標(以下「本件商標」という。)は、「KIREI」の文字を標準文字で表してなり、平成18年9月21日に登録出願された商願2006-87915号を原出願とする、商標法第10条第1項の規定による分割出願として、同19年6月26日に登録出願、第30類「糖類を主成分とする粉末状・顆粒状・タブレット状・丸薬状・ゲル状・ゼリー状・固形状の加工食品」を指定商品として、同年8月17日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

そして、本件審判の請求の登録日は、2021年(令和3年)4月28日である。

なお、本件審判において、商標法第50条第2項に規定する「その審判の請求の登録前3年以内」とは、平成30年(2018年)4月28日ないし令和3年(2021年)4月27日である(以下「要証期間」という場合がある。)。

第2 請求人の主張

請求人は、結論同旨の審決を求め、審判請求書及び令和3年7月30日付け弁駁書においてその理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証及び甲第2号証を提出した。

1 請求の理由

本件商標は、その指定商品(以下「請求に係る商品」という場合がある。)について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、その登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。

2 答弁に対する弁駁

被請求人は、商標法第50条第2項によって証明すべき事実を何等証明していない。

(1)被請求人の使用に係る標章は、本件商標と社会通念上同一と認められるものではない。

被請求人は、2005年に、舌の表面につく汚れ「舌苔」に着目したタブレット形状の食品(以下、「本商品」という。)「BREO」の販売を開始し、その系列品「BREO EX」を、2013年から、歯科ルート及びネット通販により販売しており、そこで片仮名「キレイ」を継続的に使用している、そして、当該片仮名「キレイ」の使用実績は、本件商標である欧文字「KIREI」の使用とみなせる、と主張し、乙第1号証ないし乙第10号証を提出している。

しかし、被請求人は、乙第2号証等、商品パッケージの左上部の円輪郭内に表示された片仮名「キレイ」をもって、本件商標の使用であると主張しているが、実際に使用されている標章は、当該白抜きされた円輪郭内に、「なめて/味わう」「した/舌」(以下、当該文字部分の「/」は上下二段書きを表す。)「キレイ」「さわやかな息」の文字が緑色又は紫色をもって一体的に書されたものである(以下、この構成態様を「本件使用標章」という。)。

したがって、本件商標と社会通念上同一と認められるか否かの対象となる使用標章は、「本件使用標章」であって、単なる片仮名「キレイ」ではない。

本件商標は、標準文字をもって表された欧文字「KIREI」であるから、外観上、本件使用標章が本件商標と社会通念上同一と認められないことは明らかである。また、本件使用標章からは、「なめて味わう 舌キレイ さわやかな息」という本商品の効能を、謳い文句的に一体的に表したものであることが容易に認識、理解されるものである。

このことは、乙第1号証の左上部において、縦書きで2列に書された「お口がうるおう、舌・息・キレイ。」の文字からも、容易に推察することができる。

本来、商標とは、自他商品・役務を識別する標識であるが、本件使用標章が自他商品の識別標識として機能しているということは到底できない。また、客観的にみても、被請求人が本件使用標章を、自他商品を識別する標識として使用しているということはできないし、被請求人もまた、その事実を主張、立証していない。

(2) 本商品は、請求に係る商品「糖類を主成分とする粉末状・顆粒状・タブレット状・丸薬状・ゲル状・ゼリー状・固形状の加工食品」ではない。

請求に係る商品は、2012年1月1日に施行された「特許庁 類似商品・役務審査基準[国際分類第10版対応〕」(以下「類似商品・役務審査基準」という。)以降、第29類又は第30類から、第5類に移行され、「サプリメント」がその包括表示となった。

また、「類似商品・役務審査基準」の「第5類」「サプリメント」の短冊には、個別商品として、「クロレラを主原料とする粒状の加工食品」「酵母を主原料とする粒状の加工食品」及び「プロポリスを主原料とするサプリメント」が例示列挙されている。

さらに、「特許庁商標課編 商品及び役務の区分解説」の「サプリメント」(32F15)について、「この商品は、人体に欠乏しやすいビタミン・ミネラル・アミノ酸・不飽和脂肪酸などを、錠剤・カプセル・飲料などの形にしたもので、「医薬品」に該当しない商品です。」と解説されている。

したがって、請求に係る商品には、ただ単に商品の主たる原材料又は成分及び形状が特定された加工食品がすべて含まれるのではなく、栄養摂取を補助することや薬効が目的である食品のみが属するものである。

この点について、被請求人の取り扱いに係る本商品は「還元パラチノース、および米こうじエキスパウダーを主成分として、高甘味度甘味料、酸味料、香料等を添加したもの」であるところ、その主成分である「還元パラチノース」は「ショ糖から作られたパラチノースに水素を添加して作られる甘味料」であり、また「米こうじエキスパウダー」は「蒸した米に麹菌を繁殖させたものを抽出し、粉末状にしたもの」であるから、栄養摂取を補助することや薬効が目的であるということはできない。むしろ、被請求人の取り扱いに係る本商品は、被請求人自ら「清涼食品」と表示していることからしても、「口中清涼効果を有する菓子」に属するものである。

よって、本商品は、請求に係る商品ではない。

(3)乙各号証について

ア 乙第1号証

被請求人が立証すべき使用事実は、要証期間内の使用事実であるところ、かかるチラシ中には、「新発売キャンペーン」の文字が赤字で大書されており、その右方には「期間 2013年9月24日~11月20日」とあることから、要証期間前に作成されたチラシであることは疑いがない。また、それが要証期間内に使用されたものであることも、主張、立証されていない。

イ 乙第2号証

乙第2号証は、「現在も販売されている商品のパッケージコピーである。」とのことであり、また、被請求人は、賞味期限が「2022年2月」と記載されていること、及び、「賞味期限は18か月に設定されている」ことから、「2020年8月ごろに製造され、2020年後半に販売されていたものである。」と主張しているが、この乙第2号証として提出されたもの自体が商品として販売されていたはずがなく、また、当該商品の賞味期限が18か月に設定されていることも何等立証されていない。

また、乙第2号証として提出されたものと同一の商品が要証期間内に販売されていたとしても、上記(1)及び(2)において言及したとおり、そこに表されている本件使用標章は、本件商標と社会通念上同一と認められるものではなく、かつ、本商品も、請求に係る商品であるということができない。

ウ 乙第3号証

乙第3号証の「ラクマ」とは、楽天株式会社が運営するフリマアプリサービス(オンライン上にてフリーマーケットのように、主に個人間による物品の売買を行えるスマートフォン用のアプリケーションサービス)のことであって、乙第3号証5葉目の「出品者情報」には「きみま’s shop」「きみま」とあることから、被請求人又はその使用権者が販売しているということはできない。

また、左上の「2021/5/20」の記載からすれば、当該ウェブサイトのページは、要証期間後に印刷されたものであって、要証期間内の使用ということはできない。

エ 乙第4号証

乙第4号証1葉目の右欄中段の記載によれば、「出荷元」及び「販売元」は、被請求人ではなく、「通販ライフ「愛ぎゃる」」であって、被請求人は、「通販ライフ「愛ぎゃる」」が使用権者であることを何等立証していないし、左上の「2021/5/21」の記載からすると、当該ウェブサイトのページは、要証期間後に印刷されたものであって、要証期間内の使用ということはできない。

オ 乙第5号証

乙第5号証も、その販売元は、それぞれ「歯科医院専売品のデンタルフィ」「お口の専門店 歯科用品専門店」「いいもん 楽天市場店」「exicoast Internet store2号店」「はぶらしや楽天市場店」「ライフの達人」「美の達人」「いい肌発信!美・サイエンス」「オーラルケアのDOD」「チャイルドキッス」「ピュアライズ」であって、被請求人が販売しているものではない。また、左上の「2021/5/21」の記載からすると、当該ウェブサイトのページは、要証期間後に印刷されたものであって、要証期間内の使用ということはできない。

カ 乙第6号証及び乙第7号証

これら乙号証は、モリタ株式会社(以下「モリタ社」という場合がある。 )のチラシとのことであるが、それが、いつ、どのように頒布されたものであるのか、被請求人は何等主張、立証していない。また、上記(1)及び(2)において言及したとおり、本件使用標章は、本件商標と社会通念上同一と認められるものではないし、本商品もまた、請求に係る商品であるということもできない。

キ 乙第8号証ないし乙第10号証

乙第8号証は、青森県弘前市に所在する株式会社菊池薬店のホームページで、「2018年5月22日」「Home>>商品紹介>>ブレオEXで舌苔を除去して口臭予防!味にこだわる人にもおすすめ」との表示がある。乙第9号証は、福岡県福岡市西区に所在する「いわさき歯科医院」における2019年6月20日の歯科助手高橋によるブログであり、乙第10号証は、札幌市北区に所在する「札幌太平デンタルオフィス」における2020年8月29日のブログである。

しかし、商標法第50条第2項の規定によれば、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者が使用していることを証明しなければならないが、被請求人は、株式会社菊池薬店、いわさき歯科医院及び札幌太平デンタルオフィスが使用権者であることを立証していない。

したがって、商標法第2条第3項に規定する「使用」には該当しない。

ク 以上、被請求人は、令和3年6月18日付け審判事件答弁書(以下「答弁書」という。)及び乙各号証によって、商標法第50条第2項に規定する使用事実を何ら証明していない。

第3 被請求人の答弁

被請求人は、本件審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求めると答弁し、その理由を答弁書及び審尋に対する回答書で要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第11号証(枝番号を含む。なお、枝番号の全てを示すときは枝番号を省略する。)を提出した。

1 答弁書の主張

(1)使用状態の説明

商標権者(被請求人)は、2005年に、舌の表面につく汚れ「舌苔」に着目したタブレット形状の食品「BREO」の販売を開始した。手軽に舌苔のケアを行える食品は当時なかったことから、多くのメディアにて取り上げられ、今も販売を続けている。「BREO」の系列品で歯科ルート、ネット通販にて2013年より販売している「BREO EX」においては、「KIREI」のカタカナ表記の「キレイ」を商標として継続的に使用している。「KIREI」は自然な読み方として「キレイ」以外はなく、これらは1対1で対応していることから、「キレイ」の使用実績が本件商標の使用とみなせることは明白である。

ア 乙第1号証は、2013年に歯科向け製品の販売会社であるモリタ社を通じて歯科医にて販売を開始したときのチラシである。

製品のデザインはこの時より基本的に変更はなく、左上に丸囲みの表記があるが、「キレイ」の文字のみを極端に大きくし、チラシにおいて製品画像面積は小さくなったとしても「キレイ」が際立って目立ち、消費者の注目を導く表記としている。

イ 乙第2号証は現在も販売されている商品のパッケージコピーである。賞味期限は2022年2月となっているが、この商品は賞味期限が18か月に設定されていることから、2020年8月ごろに製造され、2020年後半に販売されていたものである。

ウ 乙第3号証は楽天ラクマのホームページであり、SOLD OUTとなっているが、購入時期2019年5月で、賞味期限2020年2月(審決注:「2月」は「1月」の誤記と認める。)の商品が販売されていたことが見て取れ、過去3年間における使用を裏付けている。

エ 現在、アマゾン、楽天といった大手ネット販売ホームページにおいても販売中である(乙4、乙5)。

オ また、過去3年間も継続して販売されていたことは、モリタ社のチラシ(乙6、乙7。2018年、2019年のもの)、歯科医や薬店が自分の医院、店舗で販売していることを紹介しているホームページ(乙8~乙10)によっても明白である。

(2)指定商品との関係

本件商標を使用している商品はタブレット状の加工食品であり、一般的な名称は「清涼食品」として取引されているものである(乙2)。この商品は、還元パラチノース、および米こうじエキスパウダーを主成分として、高甘味度甘味料、酸味料、香料等を添加したものである。したがって、本件商標の指定商品中の「糖類を主成分とするタブレット状の加工食品」に該当する。

2 回答書の主張

(1)本件商標と本件使用標章の社会通念上同一

本件使用標章は、円形の中に文字が収められているが、構成としては「なめて味わう舌」と「キレイ」と「さわやかな息」から構成されており、「なめて味わう舌」が一つの行で「キレイ」が一つの行で、「さわやかな息」が「キレイ」の4分の1ほどの大きさで一つの行で表記されている。

販売者は「キレイ」が強烈に購買者の目に付くことを意図して特に大書デザインとしている。「キレイ」は「舌」よりも大きい文字としており、遠目に見ても「キレイ」のみが購買者の目に付くような構成としている。

請求人は弁駁書で本件使用標章と主張して、円形部分のみを取り出し拡大した画像を掲示しているが、この製品はこの部分だけ表記して販売しているわけでない。

全体のバランスを考え、商品パッケージ全体を見たときに「キレイ」がくっきりと需要者の目にとまるように計算してデザインを行っている。

通信販売のホームページに掲載した本商品の画像を見れば、円形部分のみを取り出した拡大画像とは印象が異なり、キレイがより目立つ。

このような一瞥の元に選択購入される特徴のある「食品」においては、特別に目立ち、目に付く部分が商標として機能しているのが一般的であり、「キレイ」は単独で商標として機能していることは疑いようがない。

(2)本商品について

被請求人は、単に口の中がすっとするさわやかなキャンデーと混同されてはその製品の特徴が生かせないことから、販売開始以来一貫して「口中清涼食品」として販売している。ホームページにおける「口中清涼菓子において」の表現は、「舌表面の舌苔が落ちやすい。」ごとき表現を行うときには比較の対象表記を求められるからである。

この「BREO EX」と同種の商品(舌苔を落とす効果)が存在しないことから、仕方なく最も近いタブレット状の口中清涼菓子を比較対象とし、「口中清涼菓子において」と表示せざるを得なかったため、こう表記している。比較対象は「口中清涼菓子」であるが、「BREO EX」は「おいしさと機能を併せもった口中清涼食品」であると一貫して表記している。一般にサプリメントは、「何かを補給するもの」というイメージが強いが、2012年1月1日より前に採用されていた本件商標の指定商品のどこにも「健康の維持・増進や栄養成分の補給することを目的とする」は求められていない。「主成分が糖質であること」「形状が粉末状・顆粒状・タブレット状・・・固形状であること」「加工食品であること」のみが求められている。そして「BREO EX」はこの3つの条件を全て満たしている。

2012年1月1日以降の現在の第5類「サプリメント」の範囲に被請求人の「BREO EX」が含まれるかどうかはともかくとして、少なくとも本件商標の指定商品には含まれる。

(3)使用行為について

「BREO EX」は小売店に並ぶ商品ではなく、卸業者を通じて歯科医に販売され、歯科医から患者に販売される特殊ルートの商品である。

したがって、一般消費者が商品を目にするのは歯科医院であるが、被請求

人は卸業者から歯科医、歯科医から患者への販売に関する証拠は提出できないので、提出するのは、被請求人から卸業者への販売の証明である。

乙第11号証は、被請求人からモリタ社への販売の証明となる納品書であり、要証期間の日付けもあり、モリタ社の受領印もある。「BREO EX」のパッケージは乙2のとおりであるから、要証期間に「BREO EX」が販売され、本件商標が使用されていたことは乙第1号証ないし乙第10号証をみれば明白である。

第4 当審の判断

1 被請求人が提出した証拠及び同人の主張並びに職権調査によれば、以下のとおりである。

(1)商標権者(被請求人)は、2005年に、舌の表面につく汚れ「舌

苔」に着目したタブレット形状の食品「BREO」の販売を開始した。「BREO」の系列品で歯科ルート、ネット通販にて2013年より「BREO EX」を販売している。

(2)ア 乙第2号証は、現在も販売されている「BREO EX」のパッケージコピーであり、賞味期限は2022年2月となっているが、この商品は賞味期限が18ヶ月の設定であるので、2020年8月頃の製造、2020年後半に販売されていた(被請求人主張)。

イ 乙第2号証1葉目のパッケージコピー表面には、左上部の白丸の中に「なめて/味わう」「した/舌」「キレイ」「さわやかな息」の文字が配されており、その横に「口中ケアタブレット」、その下部の中央に「BREO」及び「EX」の文字が顕著に表され、さらにその下部には「グリーンアップル」の文字とタブレット形状の図形が表示されている。

ウ 2葉目のパッケージコピー裏面には、「賞味期限 2022.2」、「名称 清涼食品」「原材料名 還元パラチノース(国内製造)、米こうじエキスパウダー・・・」等の記載、販売者として商標権者と同一と認められる江崎グリコ株式会社と住所の記載がある。

(3)乙第6号証及び乙第7号証は、モリタ社のチラシである(被請求人主張)。

ア 乙第6号証の1葉目下部には、商品パッケージの写真(別掲)が掲載されており、パッケージ表面には、上記(2)イと同一の記載及び図形がある(そのうち、以下「なめて/味わう」「した/舌」「キレイ」「さわやかな息」の文字が配された白丸部分を「使用商標」、「BREO EX」とする商品を「使用商品」という。)。パッケージの横には「舌キレイ・お口がうるおう 口中ケアタブレット」「なめるとお口がうるおいます。」などの記載があり、2葉目下部にも1葉目と同様に、商品パッケージの写真が掲載され、「2018年4月現在のもの」との記載、製造として商標権者と同一と認められる江崎グリコ株式会社と住所、発売として株式会社モリタの記載がある。

イ 乙第7号証のチラシ1葉目には、「BREO EX」「むし歯の日キャンペーン」「[実施期間]2019.5.21>>>7.19」の記載がある。2葉目には上記(2)イと同一の記載及び図形のある商品パッケージの写真が掲載されており、下部には「2019年5月21日現在のもの」との記載、製造として商標権者と同一と認められる江崎グリコ株式会社と住所、発売として株式会社モリタの記載がある。

(4)乙第11号証は、2020年10月2日付け及び2021年1月6

日付けの商標権者から株式会社モリタニシニホン宛の納品受領書であり、品名に「BREO EX グレープミント」、「BREO EX グリーンアップル」の記載、受領印の欄に「モリタ」「20.10.02」及び「21.1.06」「西日本・・・センター」の記載のある丸判がある。

2 判断

被請求人は、商標権者が、要証期間に本件商標(社会通念上同一のものを含む、以下同じ。)を請求に係る商品に使用していた旨主張するので検

討する。

(1)使用商品について

乙第6号証及び乙第7号証のチラシに掲載された使用商品のパッケージの表面と乙第2号証1葉目のパッケージの表面には、使用商標が付され、「BREO EX」の文字態様、「口中ケアタブレット」、「グリーンアップル」及びタブレット形状の図形等の記載が同一であるから、両者は同一の商品と推認できるものである。また、乙第7号証のチラシには「2019.5.21~7.19」「2019.5.21現在のもの」の記載があることから、当該日付には使用商品が存在していたことが推認できる。なお、「2019.5.21~7.19」は要証期間内である。

そして、使用商品の裏面には、原材料名として「還元パラチノース」、名称として「清涼食品」との記載がある。「還元パラチノース」は、糖アルコールの一種で、ショ糖から作られたパラチノースに水素を添加して作られる甘味料(職権調査https://crd.ndl.go.jp/reference/entry/index.php?page=ref_view&id=1000195854)であり、上記パッケージに表示のとおり、使用商品はタブレット形状と認められることから、使用商品は「還元パラチノース」を原材料としたタブレット形状の食品といえる。

そうすると、使用商品は要証期間に存在しており、請求に係る商品中の「糖類を主成分とするタブレット状の加工食品」の範ちゅうの商品と認められる。

(2)使用者について

乙第2号証の使用商品の販売者、並びに乙第6号証及び乙第7号証のチラシに掲載の使用商品の製造として商標権者の名称が示されているから、使用商標を付した使用商品の使用者は、商標権者といえる。

(3)使用行為について

乙第11号証の2020年10月2日付け及び2021年1月6日付け納品受領書は、商標権者から株式会社モリタニシニホン宛てのものであり、商品として「BREO-EX グリーンアップル」等が記載されており、その商品名から、納品された商品は使用商品と認められる。

また、納品受領書の受領印の欄には、上記と同日付けの「モリタ」「西日本・・・センター」の受領印があることよりすれば、商標権者は上記日付けで、株式会社モリタニシニホンに使用商品を譲渡したといえる。なお、「2020年10月2日及び2021年1月6日」は要証期間内である。

(4)使用商標について

ア 使用商標は、別掲のとおり、白丸の中に「なめて/味わう」の文字を小さく二段に書し、その横に「した/舌」の文字とその下に「キレイ」の片仮名を顕著に表し、さらにその下に「さわやかな息」の文字を小さく書してなるものである。

イ 構成中の「舌」と「キレイ」の文字は「なめて/味わう」と「さわやかな息」の文字と比較して明らかに大きく表されている。

ウ 「なめて/味わう」「さわやかな息」の文字は、視覚上小さく表されているだけでなく、使用商品との関係よりすれば、商品の使用方法及び商品の効能を表してなるものであるから、当該文字部分は識別力が弱いか、あるいはないものといえる。

エ 上記アないしウからすると、使用商標は、顕著に表された「舌キレイ」の文字部分(以下「使用商標の要部」という場合がある。)が、需要者に対し、強く支配的な印象を与えるものといえる。

そうすると、使用商標の要部からは「シタキレイ」の称呼が生じ「舌が清潔なさま。」ほどの意味合い(きれい:清らかなさま。清潔なさま。[出典:広辞苑 第七版] )を生じる。

オ 本件商標は、上記第1のとおり、「KIREI」の文字を標準文字で表してなり、その構成文字に照応して「キレイ」の称呼が生じるところ、「KIREI」の欧文字は一般の辞書に掲載されているものではないから、特定の観念は生じないものと認められる。

そうすると、本件商標と使用商標の要部は、外観において文字数及び文字種が相違し、称呼及び観念も相違するから、使用商標は本件商標とは社会通念上同一の商標ということはできない。

なお、被請求人は、使用商標中「キレイ」の文字を大書して、「キレイ」のみが購買者の目に付くような構成とし、「キレイ」は単独で商標として機能している旨主張しているが、「キレイ」の文字と「舌」の文字との大きさはさほど相違があるわけでもなく、使用商品のチラシの「舌キレイ・お口がうるおう」(乙6)との記載からすると、使用商標から「キレイ」の文字のみに着目するものとはいい難く、「キレイ」の文字部分が分離独立して自他商品識別標識として需要者に把握されるものとは認められない。

したがって、被請求人の主張は採用できない。

(5)小括

上記(1)ないし(3)のとおり、使用商品は、請求に係る商品中の「糖類を主成分とするタブレット状の加工食品」の範ちゅうの商品と認められ、使用商標の使用者は商標権者であって、要証期間に商標権者から使用商標を付した使用商品を国内の企業である「株式会社モリタニシニホン」に譲渡したと認められる。

しかしながら、上記(4)のとおり、使用商標は、本件商標と社会通念上同一の商標とはいえないから、被請求人は、商標権者が本件商標を請求に係る商品について、商標法第2条第3項第2号に該当する使用をしたことについて証明したとはいえない。

その他、被請求人の提出した証拠を参照しても、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者が、要証期間に、日本国内において、本件商標を請求に係る商品について使用したことを認めるに足る証拠は見いだせない。

4 まとめ

以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかがその請求に係る指定商品のいずれかについての本件商標の使用をしていることを証明したものということはできない。

また、被請求人は、本件審判の請求に係る指定商品について、本件商標の使用をしていないことについて正当な理由があることも明らかにしていない。

したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により取り消すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。

別掲 使用商標(乙第6号証:色彩は原本を参照 。)

55

40

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