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Trademark Appeal Case

指定商品と使用事実

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号2022300318
審判種別記載はありません。
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

結 論
登録第4378531号商標の指定商品中、第10類「その他の医療用機械器具」についての商標登録を取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。

理由テキスト

理 由

第1 本件商標

本件登録第4378531号商標(以下「本件商標」という。)は、「カリスト」の片仮名を普通に用いられる方法で横書きしてなり、平成10年7月6日に登録出願、第10類「歩行補助具,その他の医療用機械器具,耳かき」及び第20類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同12年4月21日に設定登録されたものである。

そして、本件審判請求の登録は、令和4年4月19日にされたものであり、この登録前3年以内の期間(平成31年(2019年)4月19日~令和4年(2022年)4月18日)を、以下「要証期間」という。

第2 請求人の主張の要点

請求人は、結論同旨の審決を求め、審判請求書、令和4年6月20日付け審判事件答弁書(以下「答弁書」という。)に対する同年8月18日付け審判事件弁駁書(以下「弁駁書」という。)において、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第3号証を提出した。

なお、以下、証拠の表示については、「甲第○号証」を「甲○」、「乙第○号証」を「乙○」のように、簡略して表記する場合がある。

1 請求の理由

本件商標は、本件審判請求に係る指定商品中、第10類「その他の医療用機械器具」について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、その登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。

2 答弁に対する弁駁

請求人は、2000年に本件商標を登録した後、「カリスト」という名称の医療施設・高齢者施設向け一般室用ベッドの製造を開始し、医院又は病院で専ら使用される本商品は、第10類の「医療用機械器具」に属する旨主張しているが、特許庁の指定商品の採用例では、「病院用ベッド」は第20類の商品であるとされている(甲3)。したがって、被請求人が医療用機械器具の部品・付属品であるとして使用証明しているカリスト専用「オプション受」は、上記「病院用ベッド」の部品・付属品に該当するものであって第10類の「医療用機械器具」に使用されたものではない。

また、医療施設・高齢者施設向け一般室用ベッド「カリスト」は既に製造販売を終了しており、「カリスト用オプション受の取扱説明書」(乙6)は、要証期間外の2002年1月発行のものであり、ウェブサイトの打ち出し(乙7)は、本件審判請求の登録日(2022年4月19日)以降の同年5月22日時点のものであり、本件審判が請求されたのを受けてアップロードされたものであるという疑念は拭えないものであるし、他に要証期間内に「オプション受」について取引があったことを証明する証拠資料は何ら提出されていない。

さらに、被請求人は、2022年3月から4月にかけてカリスト専用の「対角キャスター」を販売したとして、見積書(乙9)及び納品書(乙10)を提出しているが、いずれも発行者は被請求人とは別法人のパラテクノ株式会社であって、被請求人自身が使用したことを証明するものとはいえない。

以上から、被請求人が本件商標を使用していると主張する「オプション受」及び「対角キャスター」は、いずれも第10類の「医療用機械器具の部品及び付属品」に該当するものではなく、仮に該当すると考えたとしても、「オプション受」は要証期間外の使用であり、「対角キャスター」は被請求人でない者の使用を示すものにすぎないから、本件商標登録は不使用としての取消を免れるものではない。

第3 被請求人の主張の要点

被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求め、答弁書及び令和5年4月21日付け審尋(以下「第1審尋」という。)に対する同年6月9日付け審判事件回答書(以下「回答書」という。)において、その理由を要旨、以下のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第13号証を提出した。

1 主張の要旨

本件商標の権利者(以下「本件商標権者」という。)又は通常使用権者は、本件商標を要証期間に、日本国内において、本件審判請求に係る指定商品に使用していた。

2 答弁の理由

(1)本件商標権者であるパラマウントベッド株式会社は、1947年5月に、病院用ベッドの専業メーカーとして創業し、その後、高齢化の進展を背景に、高齢者施設や在宅介護分野にも事業領域を拡げており、現在では、医療・介護用ベッド等、什器備品、医療福祉機器、家具等の製造・販売・リース・レンタル・保守・修理を主たる事業内容としているものである(乙2)。

本件商標権者は、本件商標を2000年(平成12年)に登録し、その後、「カリスト」という名称の医療施設・高齢者施設向け一般室用ベッドの製造販売を開始した(乙3、乙4)。この点、「商品及び役務の区分解説」によれば、第10類の「医療用機械器具」について、「この商品は、医院又は病院で専ら使用される機械器具が該当します。」と説明されていることから(乙5)、本件商標権者が本件商標を使用した医療施設・高齢者施設向け一般室用ベッドが医療用機械器具に属することは明らかである。

本件商標権者は、現在では、医療施設・高齢者施設向け一般室用ベッド「カリスト」の製造販売を終了しているが、現在でもカリスト専用の「オプション受」の販売を継続している(乙6、乙7)。この「オプション受」は、ベッドで寝ている方の転落予防、寝具の落下予防を目的としたオプション「ベッドサイドレール」等を設置する際に使用する器具であって(乙4、乙7)、当該ベッドの部品、付属品に位置付けられるものである。この点、「医療用機械器具の部品・付属品」は「医療用機械器具」に属する商品として扱われているから(乙8)、当該「オプション受」も医療用機械器具に属するものである。

「カリスト用オプション受の取扱説明書」(乙6)は、2002年(平成14年)1月発行のものであって、乙第7号証は2022年(令和4年)5月10日の時点での被請求人のウェブサイトであるところ、当該ウェブサイトは、「カリスト用追加オプション受」の宣伝広告並びに問合せ対応を行っているものである。

したがって、乙第6号証及び乙第7号証から、遅くとも2002年(平成14年)1月には、被請求人が「カリスト用オプション受」の販売を開始し、現在でも販売が継続していることが把握できる。

また、ベッドには、その移動等の便宜のために専用の対角キャスターが備え付けられているところ(乙4)、既に病院、高齢者施設に納品された「カリスト」ベッドについては、当該病院・施設から対角キャスターの取り換えの要請があり、被請求人はこの要請に応じている。乙第9号証として提出するのは、対角キャスターの取り換えに要する費用の御見積書(2022年(令和4年)3月29日発行)であり、乙第10号証として提出するのは当該見積を基に対角キャスターを病院に納品した際に発行された納品書(2022年(令和4年)4月8日発行)である(御見積書並びに納品書については、被請求人の営業上の必要性から、部分的に黒塗りをしたものを提出するが、必要があれば開示することも検討する用意がある。)。

当該御見積書及び納品書には、「対角キャスター」の数量、単価、金額の欄が設けられており、このことから、被請求人が、「カリスト」ベッド専用の対角キャスターを商品として販売していることが把握できる。

なお、当該御見積書の備考欄には、「KA-2063L」の表記があるところ、これは、「カリスト」ベッドの仕様の一つである(乙3)。

当該「対角キャスター」は、上記「オプション受」と同様、「カリスト」ベッド専用の部品・付属品であるから、当該対角キャスターも医療用機械器具に属する商品であることは明らかである。

また、上記御見積書並びに納品書の発行者であるパラテクノ株式会社は、被請求人製品のメンテナンスサービス会社として設立された法人であって、医療・介護用ベッド等の修理・保守・点検・清掃サービス、部品販売等を主たる事業としている(乙11)。

上記したことから、少なくとも、2022年3月から同年4月の時点においては、「カリスト」ベッド専用の対角キャスターが販売されていたこと、すなわち、医療用機械器具に本件商標が使用されていたことが把握できるものである。

(2)以上のとおり、被請求人は、本件審判請求の予告登録日である2022年4月19日(乙1)の前3年以内に、取消請求に係る第10類の指定商品中「医療用機械器具」について使用していたことは明白であるから、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により取り消されるべきものではない。

3 第1審尋及びその回答

(1)第1審尋

審判長は、被請求人に対して、第1審尋において、医療施設や高齢者施設で使用される一般室用ベッドは、手術の際に使用されるような特殊なベッドとはいえないため、医療用機械器具に該当する商品ではなく、商品及び役務の区分第20類の「家具」の範ちゅうに属する商品であるから、「本件審判請求に係る商品」に該当しない旨、並びに、本件商標権者が商品を販売したとして提出した証拠は、いずれも「パラテクノ株式会社」(以下「パラテクノ社」という)の作成に係る書証であるところ、「パラテクノ社」は、本件商標権者とは認められず、また、同社が、本件商標権者より本件商標の使用を認められた者であることも確認することができない旨の合議体の暫定的見解を示し、期間を指定して、これに対する回答を求めた。

(2)回答書における回答

ア 疑義1について

第1審尋における、「医療施設や高齢者施設で使用される一般室用ベッドは、手術の際に使用されるような特殊なベッドとはいえないため、医療用機械器具に該当する商品ではなく、商品及び役務の区分第20類の「家具」の範ちゅうに属する商品であるから、「本件審判請求に係る商品」に該当しない」旨の暫定的見解に対する回答は、以下のとおりである。

「商品及び役務の区分解説(国際分類第11-2022版対応)」(乙12)によれば、第10類「医療用機械器具(「歩行補助器・松葉づえ」を除く。)」について、「この商品は、医院又は病院で専ら使用される機械器具が該当します。」との説明があるのみであって、どのようなものが医療用機械器具に属し、どのようなものが属しないのかに関する具体的な基準等は示されていない。

また、第20類「家具」については、「特殊な用途に使用される「理髪用いす」や身体の治療等の医療行為や回復の助けになるための特別な機能を有する第10類の「医療専用ベッド」等の商品は、この商品には含まれません。なお、「病院用ベッド」は、身体の治療等のための特別な機能を有するものではなく、快適性や衛生的であるという程度の機能にとどまるものであることから、この商品に属します。」との説明がなされている。

この点、本件商標を使用しているベッドについては、ベッドカタログ(乙3)、カリストシリーズベッドの取扱説明書(乙4)における以下の記載から、これが、単に、快適性や衛生的であるという程度の機能にとどまらず、医療行為や身体の回復の助けになるための特別な機能を有していることが把握できるものである。

(ア)ベッドカタログ52頁

「ボトム高さ」の項目における、「カリストシリーズは、ボトム面までの高さが25cmの低床ベッドです。マットレスの厚みを加えても、33cmの高さです。これによってベッドサイドで安定した端座位がとりやすくなりました。姿勢が安定しやすく、転倒予防につながると同時に、自発的なリハビリを促すという効果が期待できます。さらに、万一ベッドから転落した時に、転落距離が縮まり、衝撃緩和につながります。」との記載がある。

(イ)ベッドカタログ55頁

「カリストシリーズは、さまざまなオプションと組み合わせることで、充実の医療環境を実現します。」から始まり、「医療施設における最適な環境づくりのための考え方」のタイトルの下、「自発的なリハビリテーションのために 強いられてのリハビリテーションは、精神的苦痛をともなううえ、継続が困難な場合が多いのが実情です。無理をせず、自分のペースで自然にリハビリテーションが行える環境づくりが重要です。」、「事故を未然に防ぎ、安全性を確保するために ベッドからの転落などで患者さんがケガをすれば、ご本人だけでなくご家族の方の負担も大きくなります。安全性の確保は、看護に携わるすべての関係者にとって重要な問題です。」との説明があり、具体的なオプションとして、「サイドサポート」(柵に囲まれている拘束感から解放する転落予防アイテム)、「スイングアーム介助バー」(ベッドからの立ち上がり、リハビリテーションの促進)、「テストール」(ベッドから転倒した場合の衝撃を緩和するマット)が列挙されている。

(ウ)カリストシリーズベッドの取扱説明書36頁

重症患者の治療に必要な点滴棒(JVポール)に関する説明図が掲載されている。

上記したように、本件商標を使用したベッドは、単に、快適性や衛生的であるという程度の機能に止まらず、医療行為や身体の回復の助けになるための特別な機能を有しているものであるから、第10類の「医療専用ベッド」に該当するものであって、「本件審判請求に係る商品」に該当するものである。

イ 疑義2について

審尋における、「本件商標権者が商品を販売したとして提出した証拠は、いずれもパラテクノ社の作成に係る書証であるところ、「パラテクノ社」は、本件商標権者とは認められず、また、同社が、本件商標権者より本件商標の使用を認められた者であることも確認することができない」旨の暫定的見解に対する回答は、以下のとおりである。

被請求人であるパラマウントベッド株式会社(以下、「パラマウントベッド社」という)並びに、「カリスト」ベッド専用の「対角キャスター」を販売しているパラテクノ社も、パラマウントベッドホールディングス株式会社(以下、「パラマウントベッドホールディングス社」という)の100%子会社であるところ、パラマウントベッドホールディングスグループは、パラマウントベッドホールディングス社を頂点に、パラマウントベッド社、パラテクノ社を含む子会社18社で構成され、医療福祉用ベッド等の製造、販売を主たる業務としている。

パラマウントベッド社は、医療福祉用ベッド、マットレス、病室用家具、医療用器具備品等の製造・販売を行い、パラテクノ社は、ベッド・マットレスの点検・修理、メンテナンスリース等のサービスを提供している。

上記事情は、パラマウントベッドホールディングス社の有価証券報告書(自2021年4月1日~至2022年3月31日。乙13)に記載されているとおりであって、パラマウントベッド社とパラテクノ社とは同じグループ会社であり、パラテクノ社の会社概要(乙11)にも記載されているように、パラテクノ社がパラマウントベッド製品のメンテナンスサービス会社として設立され、パラマウントベッド社の製品をはじめ各種の病棟備品や洗浄関連機器のメンテナンスや施設内常駐型の各種業務サポートなど、お客様により身近なサービスを提案・提供しているものであるから、パラテクノ社は、本件商標の使用についても、本件商標権者の黙示の使用許諾を得ていることが客観的にも明らかである。

(3)以上のとおり、本件商標権者は、そのグループ会社を通じて、要証期間内に、本件商標を、本件審判請求に係る商品について使用していたことは明白であるから、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により取消されるべきものではない。

よって、答弁の趣旨のとおりの審決を求めるものである。

なお、被請求人は、仮に本件商標を使用している商品が、本件審判請求に係る商品に該当しないとの判断をなされる場合には、審決において、「医療用機械器具」に属するベッドと「家具」に属するベッドを区別する具体的な基準を明示されることを求めるものである。

第4 令和7年7月15日付け審尋について

1 当審において、令和7年7月15日付けで送付した審尋(以下「第2審尋」という。)において、合議体が示した暫定的見解の内容は、要旨以下のとおりである。

(1)請求人の主張及び同人の提出に係る証拠によれば、本件商標を使用しているベッドは、(ア)転落予防、万一のベッドからの転落したときの衝撃緩和といった安全性の確保や自発的なリハビリの促し効果につながる低床仕様、(イ)からだのずれ、摩擦、圧迫等の軽減のための手元スイッチによる背あげ、膝あげ、高さ調節機能、及び(ウ)医療行為のための点滴用ポールの取付け穴がベッドの4隅に取り付けてある、等の設計や機能を有しているものといえるから、快適性や衛生的であるという程度の機能にとどまるものではなく、病院や医療施設において身体の治療等の医療行為や回復の助けになるための特別な機能を有する商品、すなわち第10類「医療用機械器具」の範ちゅうの商品というべきである。

(2)被請求人が、答弁書において、本権商標権者が、「カリスト」ベッド専用の「対角キャスタ 」を販売したと主張し、その証拠として提出した見積書(乙9)及び納品書(乙10)の作成名義がパラテクノ社であることについては、パラマウントベッドホールディングス社が、パラマウントベッド社(本件商標権者)及びパラテクノ社の両社の議決権の所有割合が100%であって、役員の兼務も認められる(乙13)ことからすると、本件商標権者とパラテクノ杜は、いずれもパラマウントベッドホールディングス社傘下のグループを構成する会社であって、相互に密接な業務上のつながりがあるといえ、パラテクノ社は、本件商標権者から本件商標の使用について黙示の許諾を受けていたといえるパラマウントベッドホールディングス社と、相互に密接なつながりを有する者といえるから、パラテクノ社は、本件商標の通常使用権者というべきである。

2 第2審尋に対して、請求人及び被請求人からは、応答がない。

第5 当審の判断

1 被請求人の立証責任

商標法第50条による商標登録の取消審判の請求があったときは、同条第2項の規定により、被請求人において、その請求に係る指定商品のいずれかについての登録商標の使用をしていることを証明し、又は使用をしていないことについて正当な理由があることを明らかにしない限り、その登録の取消しを免れない。

すなわち、本件商標の使用をしていることを証明するには、商標法第50条第2項に規定されているとおり、被請求人は、(1)要証期間に、(2)日本国内において、(3)本件商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、(4)本件審判請求に係る指定商品のいずれかについての、(5)本件商標又は本件商標と社会通念上同一の商標の使用(商標法第2条第3項各号のいずれかに該当する使用行為)をしていることをすべて証明する必要がある。

2 被請求人の提出に係る証拠及び同人の主張によれば、以下のとおりである。

(1)乙第2号証について

乙第2号証は、2022年6月14日に出力された(審決注:証拠説明書では、「2022年6月16日(出力日)」とされているが、乙2の各頁左上部の印刷日時と認められる記載は「2022/06/14」とあることから、当該日付で印刷されたものと認める。)本件商標権者の「会社概要」が掲載されたウェブサイト(https://www.paramount.co.jp/company/outline)と主張するものであり、1/2頁の中段「企業概要」の項目下、「社名」として「パラマウントベッド株式会社」、「主な事業内容」として「1.医療・介護用ベッド等および什器備品の製造、販売 2.医療福祉機器および家具等の製造、販売 3.上記品目に関する輸出入、リース、レンタル、および保守・修理」の記載がある。

(2)乙第3号証について

乙第3号証は、被請求人が「ベッドカタログ」と主張するものであり、1葉目には上部に「PARAMOUNT BED CATALOG 58」、下部に「PARAMOUNT BED」の記載が、2葉目には「PARAMOUNT BED CATALOG」、「58」、「パラマウントベッド総合カタログ」の記載が、3葉目には、左下部に「48」及び右下部に「49」の数字があり、見開きにおける頁数と認められるので、以下、左右下部に記載の頁数によって認定するところ、48頁には、ベッドを含む画像が表示されたその左上部に「CALLISTO series」及び「医療施設・高齢者施設向け一般室用ベッド カリストシリーズ」の記載が、50頁及び51頁には、ベッドの写真のほか、51頁の右端部に「ベッド 医療施設・高齢者施設向け一般室用ベッド」の縦書き文字及び右下部に「CALLISTO series」の記載が、52頁及び53頁には、中央付近にベッドの画像が表示されており、その寝床面は3面に分割され、その1つ目はヘッドボードからベッド中央部付近に傾斜されており、残る2面は、その接続部付近で盛り上がるように傾斜がついているものであり、ベッド画像の左上部には「カリストシリーズ しっかり足をゆかに着けて立ち座りができる。万一の落下にも備えた低床25cmのベッドです。」の記載が、右上部には「キューマラインボトム すのこ状の連結部分が背をあげると同時にからだに沿って伸びながら曲がる構造になっています。これによってからだのずれを抑え、胸やお腹の圧迫感を少なくしました。」の記載が、下部には「ボトム高さ カリストシリーズは、ボトム面までの高さが25cmの低床ベッド・・・ベッドサイドで安定した端座位がとりやすく・・・姿勢が安定しやすく、転倒予防につながると同時に、自発的なリハビリを促すという効果・・・万一ベッドから転落した時に、・・・衝撃緩和につながります。」の記載がある。

54頁には、左側中段部に、「キャスター ベッドの搬送性を考慮し,カリスト専用に設計したパラマウントオリジナルの直径100mmキャスターを採用。」、「セントラルロック仕様・・・4輪すべてのキャスターのロックと解除をワンタッチで行うことができます。」、「対角ストッパー仕様 対角に設置されたキャスター・・・ベッドを固定する際は2ヶ所のキャスター操作ステップをロックします。」の記載及びそれぞれの操作を示した図、並びに、55頁には、「カリストシリーズは、さまざまなオプションと組み合わせることで、充実の医療環境を実現します。・・・■最適な環境づくりを目指すパラマウントベッドの製品 事故予防と自発的リハビリテーションを促す低床ベッド カリストシリーズ」、「柵に囲まれている拘束感から解放する転倒予防アイテム サイドサポート」、「ベッドからの立ちあがり、リハビリテーションの促進 スイングアーム介助バー」の記載がある。

57頁ないし59頁には、「カリストシリーズ仕様構成表」の見出しの下、「3モーター」と「2モーター」、「適合するマットレスの幅」、「キャスター」について「セントラルロック仕様」と「対角ストッパー仕様」、「手元スイッチ」について「液晶タイプ」と「液晶なし」、「ボードカラー/価格」の項目による、製品番号、価格及び税抜き価格が表示されており、58頁の表内、「適合するマットレスの幅」の「830」、「対角ストッパー仕様」及び「手元スイッチ」の「液晶タイプ」の段に、「KA-2063L」の品番表示がある。

同9葉目には、左上部に「PARAMOUNT BED CATALOG 58」の文字が、左中央部に「PARAMOUNT BED」の文字が、左下部に「2005年7月 希望小売価格 改定版」の文字がそれぞれある。

(3)乙第4号証について

乙第4号証は、被請求人が、「カリストシリーズベッドの取扱説明書」と主張するものであり、本号証の1葉目の左上より「PARAMOUNT BED」、「取扱説明書」、「7K00231900A1」、「パラマウント キューマライン」、「カリストシリーズベッド」及び最下段に「パラマウントベッド株式会社」の記載、最下段に付されたページ番号2頁に「1 使用目的/各部の名称」、「1.使用目的 ■このベッドは医療施設および高齢者施設での療養用に使用されることを目的に作られています。」の記載があり、「2.各部の名称」の欄には、「対角ストッパータイプ」及び「セントラルロックタイプ」の記載とともにそれぞれベッドの斜視図が配置されている。

また、最終葉には、「保証書」、「品名 カリストシリーズベッド」、「パラマウントベッド株式会社」及び最下段の囲み枠内に「’04.06」の記載がある。

(4)乙第6号証及び乙第7号証について

乙第6号証は、「パラマウントベッド」の「KA-200P パラマウント カリスト用オプション受」の「取扱説明書」であり、その1葉目の右側中段部に「まえがき このたびは、パラマウントカリスト用オプション受をお買い上げいただき、まことにありがとうございました。」の記載、並びに、その左側中段部の囲み枠内には「保証書」、「品名/品番 カリスト用オプション受/KA-200P」、「保証期間 お買い上げ日 年 月 日より1年間」の記載、さらには、下部に「’02.01」の記載がある。

乙第7号証は、被請求人が自社のウェブサイトと主張するもので、上部には「PARAMOUNT BED パラマウントベッド」、その下部には「カリスト用追加オプション受 KA-200P カリスト用の追加オプション受け。ベッドの中央にベッドサイドレールを設置できます。」の記載、下段にはURL及び「2022/05/10」の記載がある。

(5)乙第9号証について

乙第9号証は、パラテクノ社から商品「キャスター」を発注したと認められる「●●病院 ご担当者」宛て(審決注:宛先の記載中「●●」は、黒塗りされている部分である。)の2022年3月29日付けの「御見積書」であり、「品名コード 品名」として「3F08036200A0 対角キャスター」、「3F08199100A0 対角キャスター」、「3F08277300A0 対角キャスター」のほか、「作業費」、「出張費」が、数量欄には上記各記載に対応して「2個」、「2個」、「4個」、「1式」、「1式」の記載、並びに、下欄の「備考」には、「KA-2063L」の記載がある。

なお、「見積No.」、「単価」、「金額」、「御見積金額」なども、塗り潰しされており、記載内容は不明である。

(6)乙第10号証について

乙第10号証は、「納品書」であり、パラテクノ社から、「広島県広島市」の納品先に宛てたもので、「お届け先名」及び「納入先」として「●●病院」(審決注:宛先の記載中「●●」は、黒塗りされている部分である。)とあり、作成日として「2022年4月8日」、「品名コード」として「3F08036200A0」、「3F08199100A0」、「3F08277300A0」のほか、「XX02」、「XX03」が、これら各記載に対応して、「品名」として「対角キャスター」、「対角キャスター」、「対角キャスター」、「作業費」、「出張費」が、「数量」には「2個」、「2個」、「4個」、「1」、「1」の記載がある。

なお、「伝票番号」、「単価」、「金額」、「御注文No」、「合計」なども、塗り潰しされており、記載内容は不明である。

(7)乙第13号証について

乙第13号証は、パラマウントベッドホールディングス社の「有価証券報告書」であり、「事業年度(第40期)」として、「自2021年4月1日~至2022年3月31日」とあり、その3頁には、「2【沿革】」として、「2002年7月」の項目に「パラテクノ株式会社を設立。(現・連結子会社)」の、「2011年2月」の項目に「木村興産株式会社をパラマウントベッドホールディングス株式会社に商号変更。」の、「2011年10月」の項目に「株式交換により、パラマウントベッド株式会社を完全子会社化。また、同社が保有するパラテクノ株式会社・・・の株式の全てを現物配当により取得。(現・連結子会社)」の、各記載がある。

同号証の5頁には、「4【関係会社の状況】」として、「名称」が「パラマウントベッド株式会社 (注)2,4」の段に「主要な事業の内容」には「医療福祉用ベッド等の製造及び販売」、「議決権の所有割合(%)」には「100.0」の記載、並びに、「名称」が「パラテクノ株式会社 (注)6」の段に「主要な事業の内容」には「医療福祉用ベッド等のメンテナンスサービス」、「議決権の所有割合(%)」には「100.0」の記載が、それぞれある。

3 判断

(1)使用商標及び使用商品について

上記2によれば、「パラマウントベッド総合カタログ」(乙3)の3葉目に、「CALLISTO series」及び「医療施設・高齢者施設向け一般室用ベッド カリストシリーズ」の記載があり、ベッドカタログ(乙3、52~55頁等)における記載から、当該カタログに掲載されている商品「ベッド」が、単に、快適性や衛生的であるという程度の機能にとどまらず、医療行為や身体の回復の助けになるための特別な機能を有していることが把握できるものであって、万一のベッドからの転落したときの衝撃緩和といった安全性の確保や自発的なリハビリの促し効果につながる低床仕様、並びに、からだのずれ、摩擦、圧迫等の軽減のための手元スイッチによる背あげ、膝あげ、高さ調節機能、更には、病室間や診察室等の移動時やベッドを移動させる時以外に固定する際、看護師や介助士等が簡易かつ確実に移動や固定をさせるためベッドにキャスターが取り付けられると同時に足先によるロック又は解除ができる機能、医療行為のための点滴用ポールの取付け穴がベッドの4隅に取り付けてある、等の設計や機能を有しているものといえるから、当該カタログに掲載されている各種ベッドは、快適性や衛生的であるという程度の機能にとどまるものではなく、病院や医療施設において、身体の治療等の医療行為や回復の助けになるための特別な機能を有する商品、すなわち第10類「医療用機械器具」の範ちゅうの商品というべきである。

そして、乙第3号証には、上記「ベッド」商品がキャスター付きであること、ベッドフレーム中央部にオプションを取り付ける際に使用する「追加オプション受」がオプションとしてあること、が記載されているから、上記ベッド用の「キャスター」及び「追加オプション受」は、「ベッドの部品又は付属品」であるというべきである。

そうすると、「医療用機械器具」の範ちゅうの商品であるキャスター付きベッド専用のキャスター及び追加オプション受は、当該ベッドの「部品又は付属品」に該当するものである。

また、当該カタログに使用されている商標は、「CALLISTO series」(乙3、48頁、51頁等)及びそれらの表音を片仮名表記したものと認められる「カリストシリーズ」(乙3、52頁等)の文字からなり、上記2(2)のとおり、本件商標権者は、「CALLISTO(カリスト)」の文字を含む商品について「CALLISTO series(カリストシリーズ)」として使用しているところ、「series」の文字は「連続性を持つ一連のもの。」(「広辞苑 第7版」株式会社岩波書店)を意味する「シリーズ」の外来語の英語表記として広く使用されているものといえ、これは商品が商品群であることを表した文字であるにすぎず、自他商品の識別標識としての機能がないか弱いものであるといえる。

そうすると、当該カタログにおいて使用されている商標の構成中の「CALLISTO(カリスト)」の文字が自他商品の識別標識として機能しているものであるから、「CALLISTO(カリスト)」の文字が使用商標の要部であるとみるのが相当である。

(2)本件商標の使用者について

上記2(5)、(7)において、本件使用商標を使用している「ベッド」を掲載した「パラマウントベッド総合カタログ」(乙3)に表示された品番「KA-2063L」のベッド用の対角キャスターを、広島県広島市の顧客に対して販売、納品しているパラテクノ社と本件商標権者とは、ともにパラマウントベッドホールディングス社を親会社とする子会社同士の関係であるから、両者は相互に密接な業務上のつながりがあるといえる。

そうすると、パラテクノ社は、本件商標の使用について、本件商標権者から黙示の許諾を受けていたとみるのが相当であるから、同社は、本件商標の通常使用権者ということができる。

(3)使用時期及び使用行為について

乙第3号証は、その最終葉に「2005年7月 希望小売価格 改定版」の記載があることから、2005年7月に作成されたものであることがうかがえるものの、当該「2005年7月」の年月は要証期間外であり、さらに、これを頒布した事実について、確認することができない。

乙第4号証は、その最終葉に「’04.06」の記載があることから、2004年6月に作成されたものであることがうかがえるものの、当該「2004年6月」の年月は要証期間外であり、さらに、これを頒布した事実について、確認することができない。

乙第6号証は、その最終葉に「’02.01」の記載があることから、2002年1月に作成されたものであることがうかがえるものの、当該「2002年1月」の年月は要証期間外であり、さらに、これを頒布した事実について、確認することができず、乙第7号証は「2022年5月10日」に印刷されたものであることがうかがえるものの、当該「2022年5月10日」は要証期間外である。この点につき、被請求人は、乙第6号証及び乙第7号証から、「カリスト用オプション受」が遅くとも2002年1月から現在まで販売が継続していることを把握することができる旨主張するが、乙第6号証及び乙第7号証はいずれも要証期間外の証拠であって、これら証拠が要証期間内に本件商標を使用商品に使用した事実について証明するものではない。

乙第9号証及び乙第10号証は、通常使用権者と認められるパラテクノ社が、商品「対角キャスター」を、広島県広島市の顧客(病院)に納品、販売したことを示す見積書及び納品書であって、各書面の作成日は要証期間に作成されたものであることがうかがえるものの、これらの書面には、本件商標と同一又は社会通念上同一の商標が使用されていることを確認することができない。

そうすると、被請求人が提出した証拠は、いずれも、商標法第2条第3項各号に掲げるいずれの使用行為による使用を証明したものと認めることができない。

(5)小括

以上のとおり、被請求人提出の証拠によっては、要証期間に、本件商標権者が本件商標を使用した事実はうかがえず、これが本件商標権者の通常使用権者であるパラテクノ社が本件商標を使用していたとしても、請求に係る商品について使用されていたものと認めることができないものであるから、被請求人は、本件商標権者が、要証期間内に、日本国内において、本件審判請求に係る指定商品について、本件商標を使用したことを証明していない。

4 まとめ

以上のとおり、被請求人は、要証期間に、日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、本件商標(社会通念上同一と認められる商標を含む。)を本件審判請求に係る指定商品のいずれかについて、商標法第2条第3号各号に規定する使用行為を行ったことを証明していない。

また、被請求人は、本件審判請求に係る指定商品について、要証期間に本件商標を使用していないことについて正当な理由があることも明らかにしていない。

したがって、本件商標は、商標法第50条第1項の規定により、その指定商品中、「結論掲記の指定商品」については、その登録を取り消すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。

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