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Trademark Appeal Case

不使用取消と役務の該当性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号2022301043
審判種別記載はありません。
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

結 論
登録第4448261号商標の商標登録を取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。

理由テキスト

理 由

第1 本件商標

本件登録第4448261号商標(以下「本件商標」という。)は、別添1の構成からなり、平成11年7月29日に登録出願され、第38類「テレビジョン放送,有線テレビジョン放送,ラジオ放送,移動体電話による通信,テレックスによる通信,電子計算機端末による通信,電報による通信,電話による通信,ファクシミリによる通信,無線呼出し,報道する者に対するニュースの供給,ボイスメール通信,通信衛星による通信」を指定役務として、同13年1月26日に設定登録され、その後同23年1月25日及び令和3年3月2日に存続期間の更新登録がなされ、現に有効に存続しているものである。

なお、本件商標の登録時における商標権者は、テレビネット株式会社であり、その後、令和3年1月14日受付で特定承継による本権の移転が登録され、現在の商標権者は、Aである。

以下、本件審判の請求の登録日は、令和4年12月19日であり、その請求の登録前3年以内の同元年12月19日から同4年12月18日までの期間を以下「要証期間」という。

第2 請求人の主張

請求人は、本件商標は、その指定役務(以下「請求指定役務」という。)について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものであるとして、結論同旨の審決を求め、証拠方法として甲第1号証ないし甲第14号証を提出している。

以下、令和5年3月2日付け弁駁書(及び同7年5月12日付け上申書)に示された請求人の主張を後記第3の被請求人主張の整理と対応付けて示す。

1 本件商標の使用者について

本件商標権者は個人であり、放送や通信のような特別な認可を得て行う業務を行っていないことは明らかであり、前権利者である「テレビネット株式会社」も放送や通信の業務を行っていないことは同社の履歴事項全部証明書(甲6)から明らかである。

乙第1号証乃至乙第3号証は、いずれも使用者についての記載が確認できない。答弁書では、「テレビネット株式会社には、現在も本件商標の使用を許諾している」と主張しているが、同社は令和3年1月29日付で解散しており(甲6)、使用許諾していることはありえない。

2 使用役務について

動画配信は第38類には該当せず、第41類に該当する役務であることが明らかである。第38類は放送局や通信会社のような通信回線等のインフラの提供を行う役務が対象である。現在の本件商標権者は個人であり、放送や通信のような特別な認可を得て行う業務を行っていないことは明らかであり(乙5)、前権利者である「テレビネット株式会社」も放送や通信の業務を行っていないことは同社の履歴事項全部証明書(甲6)から明らかである。

3 使用事実1について

請求人は、本件HPのトップページの画面(乙1)の「Net.TV」のロゴが具体的にどの指定役務について使用しているか、明示していない。

仮に被請求人の主張を善解すれば、当該トップページの内容をインターネットで電子計算機を利用して配信していることが「電子計算機端末による通信」に該当するという主張が考えられるが、単なるインターネットによる動画配信は第38類の役務に該当しない。また、地方局等へのリンクが「テレビジョン放送」等に該当するという主張が考えられるが、リンクを貼る行為は独立して商取引の目的たり得るべきものとは考えられず、役務を提供しているとは考えられない。仮に当該行為が役務であるとしても、「テレビジョン放送」や「電子計算機端末による通信」等のインフラを提供する行為には該当しないことは明らかである。

乙第1号証において本件HPのトップページのアップデート状況が示されているが、本件商標の要証期間内の使用を立証するものではない。本件HPのアクセス状況も何ら商標の使用を示すものではない。

4 使用事実2について

各種動画を配信していたことで「電子計算機端末による通信」に本件商標を使用していることを立証しようとしているように思われるが、動画配信そのものは第38類の指定役務に含まれない。

本件携帯HPのトップページは、直接URLを入力しないとアクセスできず、一般の人が本件HPからアクセスできるものではない。

株式会社NTTドコモから振り込みを示す銀行通帳の写し、同社とのiモード情報サービスに関する料金収納代行契約書の写し、auやソフトバンクからの通知が示されているが、本件商標の使用との関係は不明であり、要証期間に本件商標を使用していたことの証明に関係するものではない。

5 使用事実3について

被請求人はYoutubeで日本庭園動画を配信しており、これにより「電子計算機端末による通信」に本件商標を使用していることを立証しようとしているように思われるが、動画配信そのものは第38類の指定役務に含まれない。

被請求人は、乙第3号証の「TVNet」と「Net.TV」を重ね合わせた画像をYouTubeのプロフィール写真として2022年12月29日の2か月前から掲載していると主張しており、このプロフィール写真は一つのチャンネルに対して1つのものしか設定できない。請求人は、本件審判請求にあたって、2022年11月末時点で本件商標の使用状況を調査し(甲10)、当該調査報告書で確認できるプロフィール写真部分は、「TVNet」のみであり、「TVNet」と「Net.TV」を重ね合わせた画像は2022年11月末の時点では存在していない。被請求人が本件審判請求の後に意図的にプロフィール写真を更新したものと考えるのが自然であり、乙第3号証の画像についての被請求人の主張には疑念がある。

被請求人は、動画の見出しとして「Net-TV」が表示されるので、これも本件商標の使用に該当すると主張しているようであるが、本件商標は右90度に回転した青のグラデーションのV字をかたどった図形の上にV字に沿って右上がりに「NET」及び「TV」の欧文字及びその間の青のグラデーションの小円形図形が配された態様を特徴としており、通常の書体で記載された「Net-TV」は本件商標と社会通念上同一の商標といえない。

6 使用事実4について

名刺(乙4)の「NetTVでエンターテインメント配信」で使用されている「NetTV」は本件商標と社会通念上同一の商標とは考えられず、商標としての機能を果たす態様では使用されておらず、仮に配信が行われていたとしても、このような動画配信は第38類の役務に該当しない。

第3 被請求人の主張

被請求人は、「本件審判の請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とする。」との審決を求める旨答弁し、証拠方法として乙第1号証ないし乙第11号証を提出している。

なお、被請求人の主張は、被請求人提出の主張書面(令和5年1月23日付け答弁書、同年6月14日付け回答書、同7年3月25日付け回答書)に明確に示されていない。以下、各主張書面とともに提出された乙号証(令和5年1月23日付け答弁書について乙第1~5号証、同年6月14日付け回答書について乙第6~7号証、同7年3月25日付け回答書について乙8~11号証)の内容に鑑み、被請求人がこの内容について主張を行ったものとして、次の1~5のとおり、整理する。

(以下、答弁書における「当社HP」及び「携帯用当社HP」を、それぞれ「本件HP」及び「本件携帯用HP」と表記し、それぞれの「index.html」のファイルが示すページをそれぞれの「トップページ」と表記する。第2の請求人の主張、第4の当審の判断においても同様である。)

1 本件商標の使用者について

(1)テレビネット株式会社には、現在も本件商標の使用を許諾している。(答弁書、乙1)

(2)平成11年7月29日より令和3年1月11日までテレビネット株式会社が本件商標権者及び使用者で、令和3年1月12日よりテレビネット株式会社が清算するまで通常使用権を本件商標権者が許諾している。令和3年1月12日以降は本件商標権者も使用者で、個人HPで営業している。(令和7年3月25日付け回答書、乙8)

2 使用役務について

(1)平成11年時点でのインターネット動画配信は、指定役務第38類であるとの特許庁回答により申請している。現在の国際分類第11-2022版により判断するものではない。(令和5年6月14日付け回答書)

(2)平成11年ではYoutube社は創業してないが、同様な会社は存在していた。本件商標権者がYoutubeの様な会社のサーバーを利用して動画配信する事と自社サーバーでの動画配信は同じと解釈されると特許庁回答を得ていた。(令和7年3月25日付け回答書、乙8)

3 使用事実1について

(1)「本件HP」(https://www.tvnet.co.jp/)において、読売TV等のテレビ局や読売新聞等の新聞社等が提供するホームページへのリンク集を提供する際、そのトップページ(index.html)において別添2(1)の使用商標1を表示した。

本件HPのトップページは、2021/12/21に当社電子計算機にアップデートしたもので、現在もインターネットで電子計算機を利用して継続配信している。本件商標画像は2011/6/18にアップデートしており、現在まで変更していない。本件商標の本件指定役務は、本件商標リンク先の地方TV局とCATV局でも実施される。(答弁書、乙1)

(2)本件HPの「.co.jp」ドメインは日本で登記された株式会社のみが使用でき、1組織につき登録できるドメインは1つだけであり、使用商標1の使用者はテレビネット株式会社である。(令和7年3月25日付け回答書、乙8)

(3)被請求人は、使用商標1の使用行為として、「本件HP」からのリンク先における動画の配信をしている等の旨を主張している。(令和7年3月25日付け回答書、乙8)

(4)要証期間の使用商標1の使用行為について、テレビネット株式会社は、自社サーバーで継続して、動画配信していた。本件HPの「観光名所動画」タグをクリックするとそのリンク先である「https://www.tvnet.co.jp/garden.html」に移動し動画配信を行っている。2019年4月16日付記録画像に示された本件HPを2020年12月まで使用していた。2020年12月以降現在も同じであり、使用者は、上記1(2)のとおりである。(令和7年3月25日付け回答書、乙9)

4 使用事実2について

(1)2010年にdocomo(2004年にAU、2011年にsoftbank)の審査に合格し、docomoのホームページとリンクした本件携帯用HPのトップページ(https://www.tvnet.co.jp/docomo/bima/index.html)からリンクをたどることでアクセスできる動画を配信し、そのトップページにおいて別添2(2)の使用商標2を表示した。

大手3社携帯会社公式サイトで有料サイトの運営実績がある。auは2004年、docomoは2010年、softbankは2011年より各々動画配信を開始し、3社携帯会社のホームページとリンクし、当社HPサーバーより動画配信していた。docomoは2010年6月より2020年12月まで配信し、その後は当社単独で現在まで当社サーバーで本件商標を使用して継続して動画配信している。(答弁書、乙2)

(2)現在ではアクセスできない。あくまでdocomo経由でアクセスしていたものを本件携帯用HPで再現したものである。(令和5年6月14日付け回答書、乙6)

(3)本件HPにdocomo携帯リンクを表示して使用商標1の使用役務を使用している。使用商標1により、docomo携帯公式サイト登録バーコードを読み取るとリンク先アドレスが表示されdocomoサイトにリンクする。使用者は、上記1(2)のとおりである。(令和7年3月25日付け回答書、乙10)

5 使用事実3について

(1)YouTubeで動画配信を行っており、Youtube内で「NetTVネットテレビ」で検索した結果の動画のタイトルに「Net-TV」の文字(使用商標3-1)が表示される。また、動画の閲覧画面上で「テレビネット」の文字の横に別添2(3)の使用商標3-2が表示される。(答弁書、乙3)

(2)使用商標3-1は、Youtubeでは文字列の行にロゴ画像を表示出来なかったために表示したものである。また、使用商標3-2は、ロゴ画像を拡大して内容が分かるように示しているだけで、2ヶ月前に使用商標3-2を掲載していたとは主張していない。(令和7年3月25日付け回答書)

6 使用事実4について

(1)「NetTVでエンターティメント配信」と明記した名刺において使用商標4を使用し、本件指定役務推進の営業活動でこの名刺を使用した。(答弁書、乙4(枝番を含む。)

(2)名刺に使用商標4と使用商標1を記載して営業を継続して行っている。(令和7年3月25日付け回答書、乙11)

第4 当審の判断

以下、Aを「本件商標権者」といい、本権の移転前の商標権者であるテレビネット株式会社を「旧商標権者」という。

1 被請求人提出の乙号証

(1)使用事実1について

ア 乙第1号証

(ア)乙第1号証は、本件HPのトップページの画面と「地方局集ページ」の画面の写しを含み、そのうち、本件HPのトップページの画面では、別添2(1)の使用商標1が「地方TV局」、「CATV局」及び「世界TV局」を示すリンクと関連付けて表示されており、「地方局集ページ」の画面では、使用商標1が地方局のHPへのリンクと関連付けて表示されている。いずれの画面についても「2022/12/28」の画面である旨が示されている。

また、本件HPのトップページの画面の上部には、別添3の参考標章とその右側に「観光名所動画」、「花風景動画」等の項目を含むメニューが表示されている。

(イ)乙第1号証には、本件HP及び「地方局集ページ」のファイルの更新日がそれぞれ「2021/12/21」及び「2021/06/10」である旨、2022年1月から同年12月までの本件HPのアクセス統計等が示されている。

(ウ)「本件HP」のURLは、「https://www.tvnet.co.jp/」を含むものと認められるものの、本件HPのトップページの画面と「地方局集ページ」の画面のいずれにも、本件商標権者や旧商標権者を示す表示は見当たらない。

イ 乙第8号証

乙第8号証は、2021年1月12日に本件商標権者が旧商標権者に対し同社が精算するまで本件商標権について通常使用権を付与した旨の覚書の写しを含む。また、同覚書には、旧商標権者の代表取締役が本件商標権者である旨が示されている。

また、乙第8号証は、本件HPのトップページの画面の写しを含み、その内容は、上記アに示したものにとどまる。

ウ 乙第9号証

(ア)乙第9号証は、「2019年4月16日付記録画像」(以下「記録画像」という。)の写しを含む。

この記録画像の画面は、使用商標1が地方局のHPへのリンクと関連付けて表示されている点及び別添3の参考標章及びその右側の「観光名所動画」、「花風景動画」等の項目を含むメニューの表示を含む点で、上記ア(ア)及び上記イの本件HPのトップページの画面と共通しているが、他方、「docomo携帯公式サイト登録【日本の美動画】」及び「Softbank携帯公式サイト登録【日本の美動画】」の項目のそれぞれについて示されている二次元バーコードを含む点で、本件HPのトップページの画面と異なるものとなっている。つまり、記録画像の画面は、本件HPのトップページの画面とその内容の一部が共通するものの、これとは別の画面である。

(イ)乙第9号証は、上記(ア)の画面の「観光名所動画」の項目をクリックすることによって、本件HPのうち「・・・/garden.html」のページにリンクする旨、同ページから更にリンクされている「・・・/ai-guide/kotoin.html」のページにおける「MOVIE」の項目が「大徳寺高桐院」の動画ファイルへのリンクとなっている旨、同ページのアップデート日付が「20160423」であり、同動画ファイルのアップデート日付が「20141220」である旨、等を図示するものとなっている。

(ウ)記録画像には、本件商標権者や旧商標権者を示す表示は見当たらない。

(2)使用事実2について

ア 乙第2号証

(ア)乙第2号証は、本件携帯用HPのトップページの画面の写しを含む。そして、本件携帯用HPのトップページでは、別添2(2)の使用商標2が別添3の参考標章とともに示されており、動画のダウンロードページに至るリンクが表示されている。

また、乙第2号証には、本件携帯用HPのトップページのファイルの更新日が「2017/05/25」である旨等が示されている。

なお、「本件携帯用HP」のURLは、「https://www.tvnet.co.jp/」を含むものと認められるものの、本件携帯用HPのトップページの画面には、本件商標権者や旧商標権者を示す表示は見当たらない。

(イ)乙第2号証には、NTTドコモからの振込実績を示す預金通帳の写し等が示されている。

イ 乙第6号証

本件携帯用HPのトップページとは異なるページからの画面遷移図(被請求人のいう「docomo経由」での「アクセス」に関連する画面遷移図)が示されている。

なお、この画面遷移図が示す画面遷移がいつどのように実現されたかは明らかでない。

ウ 乙第10号証

上記(1)ウの記録画像の「docomo携帯公式サイト登録【日本の美動画】」の項目について示されている二次元バーコードが「https://www.tvnet.co.jp/docomo/index.cgi」から始まるURLを示すもの(被請求人のいう「docomo携帯リンク」)である旨、預金通帳の写し等が示されている。

(3)使用事実3について

ア 乙第3号証

乙第3号証は、YouTubeでの動画配信の画面の写しを含む。そして、当該動画配信の画面における各動画のタイトルに「Net-TV」の文字(以下「使用商標3-1」という。)が表示されており、動画の閲覧画面上で「テレビネット」の文字の横に別添3の参考標章と別添2(3)の使用商標3-2を縦に並べたものが表示されている旨が示されている。

なお、上記第3の5(2)によれば、乙第3号証は、請求人提出の調査報告書(甲11)が作成された2022年11月末前後の時点において、別添3の参考標章と別添2(3)の使用商標3-2を縦に並べたものが存在する旨を示すものではない。

(4)使用事実4について

ア 乙第4号証(枝番を含む。)

乙第4号証(枝番を含む。)は、本件商標権者の名刺の写し等であり、当該名刺には、本件商標権者が旧商標権者の代表取締役である旨の他、別添2(4)の使用商標4が表示されており、また、「NetTVでエンターティメント配信」等と記載されている。

イ 乙第11号証

本件商標権者以外の者の名刺の写し等である。

(5)その他

乙第5号証、乙第7号証は、使用の事実を示すものでないことが明らかである。

2 上記1によれば、被請求人提出の乙号証について、以下のとおり判断できる。

(1)使用商標について

ア 使用商標1、使用商標2、使用商標3-2について

本件商標は、別添1のとおりであり、「Net」と「TV」の欧文字をこれらの欧文字の間の円で連接し、さらに、これらの欧文字の下の斜線と水平線からなる図形を組み合わせたものである。

これに対して、使用商標1、使用商標2及び使用商標3-2は、いずれも同様の欧文字と図形の組合せからなるものである。

してみると、使用商標1、使用商標2及び使用商標3-2は、本件商標と同一の商標(本件商標と社会通念上同一のものを含む。以下同様。)である。

イ 使用商標3-1について

本件商標は、上記アのとおり、欧文字と図形の組合せであって、この組合せによって出所識別標識として機能するものであり、欧文字を図形から分離して認識できるものではない。

これに対し、使用商標3-1は、「Net-TV」の文字商標であって、「Net」と「TV」の連接をするものが円図形ではなく「-」(ハイフン)であり、また、斜線と水平線からなる図形を含まない。

してみると、使用商標3-1は、図形の有無において明らかに相違するものであることから、本件商標と同一の商標ではない。

ウ 使用商標4について

本件商標は、「Net」と「TV」の欧文字をこれらの欧文字の間の円図形で連接し、さらに、これらの欧文字の下の斜線と水平線からなる図形を組み合わせたものであるのに対し、使用商標4は、別添3の参考標章とほぼ同一の構成のものであって、「TVNet」の欧文字をその下の車線と水平線からなる図形と組み合せたものである。

両者は、欧文字の「Net(NET)」と「TV」の順序が逆のものとなっており、外観及び称呼において異なることが明らかである。

してみると、使用商標4は、本件商標と同一のものではない。

(2)使用者について

ア 使用商標1について

上記1(1)ア(ウ)及び1(1)ウ(ウ)に示したとおり、使用商標1を表示する本件HPのトップページの画面及び記録画像の画面のいずれにおいても、本件商標権者や旧商標権者を示す表示がなされていない。本件HPのURL(及びそこに含まれるドメインネーム)は、使用商標1の表示の主体を示すものとはいえない。

してみると、使用商標1の使用者が本件商標権者又は商標権者若しくは通常使用権者としての旧商標権者(以下単に「旧商標権者」という。)であると認定することができない。

イ 使用商標2について

上記1(2)ア(イ)に示したとおり、使用商標2を表示する本件携帯用HPのトップページの画面において、本件商標権者や旧商標権者を示す表示がなされていない。本件携帯用HPのURL(及びそこに含まれるドメインネーム)は、使用商標1の表示の主体を示すものとはいえない。また、預金通帳は、使用商標2の表示の主体を示すものではない。

してみると、使用商標2の使用者が本件商標権者又は旧商標権者であると認定することができない。

ウ 使用商標3-2について

上記1(3)アの通り、動画の閲覧画面上に「テレビネット」の文字が表示されており、使用商標3-2の使用者は、旧商標権者であるといえるものの、(3)で後述するとおり、使用時期の立証がされておらず、旧商標権者が要証期間内に商標権者と通常使用権者のいずれの立場で使用したかは証明されていない。

してみると、使用商標3-2の使用者が商標権者と通常使用権者のいずれであるかを認定することはできない。

(3)使用役務及び使用時期について

ア 使用商標1について

(ア)上記1(1)のとおり、使用商標1は、「地方TV局」、「CATV局」及び「世界TV局」を示すリンクと関連付けて表示されており、リンク先となる地方TV局やCATV局等において動画ファイルの提供がなされていても、そのことをもって使用商標1が本件商標の指定役務のいずれかに該当する役務について使用されたことにはならない。

なお、「地方TV局」、「CATV局」及び「世界TV局」を示すリンクを提供することも、本件商標の指定役務のいずれにも該当しないことが明らかである。

(イ)上記1(1)ア(ア)のとおり、本件HPのトップページの画面には、「観光名所動画」、「花風景動画」等の項目を含むメニューが表示されているものの、このメニューは、使用商標1とではなく、参考標章と関連付けて表示されている。

してみると、このメニューの表示に基づいて、使用商標1の使用役務が本件役務に該当する役務であるとはいえない。

(ウ)使用商標1の使用時期を示す証拠は提出されていない。ファイルの更新日は、使用商標1の使用時期を示すものとはいえない。また、記録画像は「2019年4月16日」付けのものであるところ、2019年4月16日は、要証期間内の日付でない。

してみると、要証期間内に使用商標1が使用されたことを認定することはできない。

イ 使用商標2について

本件携帯用HPのトップページのファイルの更新日及びNTTドコモからの振込実績を示す預金通帳の写しは、いずれも、使用商標2を動画配信について使用した時期を示すものとはいえない。

そして、被請求人は、使用商標2に係る動画配信について、本件商標権者又は通常使用権者のいずれによりいつ使用されたかを認定するために必要となる証拠を提出していない。

してみると、要証期間内に使用商標2が使用されたことを認定することはできない。

ウ 使用商標3-2について

上記1(3)アによれば、乙第3号証は、2022年11月時点の使用事実を示すものでなく、被請求人は、使用商標3-2に係る動画配信がいつなされたかを認定するために必要となる証拠を提出していない。

してみると、要証期間内に使用商標3-2が使用されたことを認定することはできない。

(4)小括

以上をまとめると、使用商標1、使用商標2、使用商標3-1、使用商標3-2及び使用商標4のうち、使用商標3-1及び使用商標4は、本件商標と同一の商標とはいえず、使用商標1、使用商標2及び使用商標3-2については、被請求人が提出した証拠によって、本件商標権者又は通常使用権者のいずれかによる使用、請求指定役務についての使用及び要証期間内の使用を認定することができない。

3 まとめ

してみると、被請求人が提出した証拠によって、本件商標を商標権者又は通常使用権者が請求指定役務について要証期間内に使用したことを認定することができず、他に本件商標の使用の事実を示す証拠も見当たらない。

よって、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが請求指定役務である本件商標の指定役務のいずれかについての本件商標(社会通念上同一のものを含む。)の使用をしていることを証明したものということはできない。

また、本件商標を請求指定役務である本件商標の指定役務について使用していないことについて正当な理由があるものとも認められない。

したがって、本件商標は、商標法第50条の規定により、その登録を取り消すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。

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