結論テキスト
登録第3105120号商標の商標登録を取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 2023300154 |
|---|---|
| 審判種別 | 記載はありません。 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
理 由
本件登録第3105120号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成で「大勝軒」の文字を横書きしてなり、平成4年9月30日に登録出願、第42類「中華料理の提供」を指定役務として、同7年12月26日に設定登録されたものである。
そして、本件審判の請求の登録日は、令和5年3月20日である。
なお、本件審判の請求の登録前3年以内の期間である令和2年3月20日から令和5年3月19日までを、以下「要証期間」という。
本件には、「大勝軒」という屋号の複数の店舗(中華料理店)が登場するが、これらを区別するため、以下の名称を用いる。それぞれの店舗の概要及び来歴は、下記のとおりである(甲1~甲3、甲9(枝番号を含む。))。
(1)横山町大勝軒
被請求人の創業者が、大正13年頃、下記人形町大勝軒からのれん分けを受け、「大勝軒」の屋号で東京都中央区日本橋横山町に開店した中華料理店。個人経営であったが、昭和25年7月14日に法人化して被請求人が経営主体となった(当初は「株式会社大勝軒」、平成7年5月31日に現在の「有限会社大勝軒」の商号に)。令和元年11月20日に株主総会の決議により被請求人は解散し、その頃、中華料理店も閉店となった。
(2)人形町大勝軒
大正2年に「大勝軒」の屋号で東京都中央区人形町に開店した中華料理店。個人経営であったが、昭和24年12月13日に有限会社大勝軒として法人化した(以下、同社のことも「人形町大勝軒」ということがある。)。昭和61年に中華料理店としては閉店し、昭和63年に「喫茶大勝軒」の名で喫茶店営業を開始したものの、その喫茶店営業も令和2年2月末に終了した。
(3)浅草橋大勝軒
横山町大勝軒と同様、人形町大勝軒からのれん分けを受け、「大勝軒」の屋号で昭和21年に東京都台東区浅草橋で開店した中華料理店。個人経営であったが、昭和28年5月1日に有限会社浅草橋大勝軒として法人化し(以下、同社のことも「浅草橋大勝軒」ということがある。)、現在も同所において中華料理店の営業を続けている。
請求人は、本件商標の登録を取り消す、審判費用は、被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第21号証(枝番号を含む。)を提出した(令和7年7月15日付け回答書により提出されたものを含む。なお、そのうち、知的財産高等裁判所における裁判(令和6年(行ケ)第10071号)で提出された「甲第9号証ないし甲第18号証」は、当審の「甲第9号証ないし甲第18号証」と、同裁判で作成された浅草橋大勝軒の代表者であるA(以下「A」という。)に係る「証人調書」は、当審の「甲第19号証」と、人形町大勝軒の代表者であるB(以下「B」という。)に係る「証人調書」は当審の「甲第20号証」と、被請求人の代表者であるC(以下「C」という。)に係る「本人調書」は、当審の「甲第21号証」として扱う。)。
以下、証拠の表示については、甲(乙)第1号証を「甲(乙)1」のように省略して表示する場合があり、枝番号を有する証拠において、枝番号の全てを示すときは、枝番号を省略する。
本件商標は、その指定役務について、継続して3年以上(令和2年(2020年)3月20日から令和5年(2023年)3月19日まで。)日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
(1)被請求人は、本件商標の設定登録当初から現在に至るまで、浅草橋にある浅草橋大勝軒に、本件商標について通常使用権を許諾していると主張し、被請求人が、この通常使用権の許諾を証する証拠として乙2(陳述書)を提出している。しかし、下記のとおり、乙2の信ぴょう性は極めて低く、被請求人の主張は、これを認めるに足りる証拠はない。
ア 乙2は、令和5年9月5日付けの陳述書であり、本件審判請求書が、被請求人に送達された後、被請求人の同年9月27日付け答弁書提出の直前に作成されたものである。一般に、係争案件で係争が開始された後に作成された書面の信ぴょう性は弱く、記載内容を真実と認めさせるには、裁判などの係争事件では、他の書証や作成者の証人尋問等で補強しなければならない。乙2のような係争中に作成された書類は、立証指針を示す書類にすぎず、証人尋問等での反対尋問にさらされて初めて真実が明らかになる。本件のような審判事件では、反対尋問の機会は与えられていないので、本件審判事件での乙2の信ぴょう性は、極めて弱い。
イ 乙2の作成者は、乙3で示されているように、被請求人と同一系列(「人形町大勝軒系列」)の中華料理店の代表者である。乙2は、被請求人の仲間内の者が作成したものである。乙2の作成者が、被請求人に依頼されて、係争中に被請求人に忖度した書面を作成する可能性は高いといわざるを得ない。このような意味でも、乙2の信ぴょう性は、極めて弱い。
ウ 乙3で示されているように、飲食物の提供をしている中華料理店で「大勝軒」を名乗り、商標を使用している者は多数存在する。被請求人が属する人形町大勝軒系列でも「大勝軒」商標を使用する者は多数ある。このような状況で、被請求人は、乙2の作成者(浅草橋にある浅草橋大勝軒)にのみ通常使用権の許諾をしているというのは、余りにも不自然である。
エ 被請求人は、令和元年(2019年)11月20日に解散決議をしている(甲3)。解散決議の後は、清算人は、「会社法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律」(整備法)により旧有限会社に適用される会社法第481条(以下会社法について整備法の記述は省略する。)に定める3つの義務、すなわち、(ア)現務の結了(継続中の事務・取引関係を完結する)をする、(イ)遅滞なく、債権の申出を催告した上で(会社法第499条)債務の弁済をし、債権の取立てをする、(ウ)残余財産を確定しそれを株主に分配する義務を負い、遅滞なく清算を結了すべきことになる。しかるに、被請求人の主張によれば、被請求人は、解散決議後も4年近く、商標権の許諾という取引関係を放置し続けて、現務の結了をしていないということになる。このようなことは極めて不自然で、よほど明確な証拠がない限り、被請求人の主張を認めるべきではない。
オ 通常、商標使用権の許諾を立証するためには、契約書、使用料支払を示す通帳などを証拠とするが、被請求人は、このような証拠を提出していない。
また、被請求人は、清算中の会社であり、清算人は、遅滞なく、会社の財産を調査し、財産目録を作成し、これを、株主総会に提出し、その承認を得なければならず、これを清算結了まで保存しなければならない(会社法第492条)。商標権とその使用許諾者としての地位も、財産目録に記載すべき事項である。商標使用権の立証のためには、このような財産目録も提出すべきだが、被請求人はこれをしていない。
このような証拠が提出できないのであれば、被請求人の主張は、これを認めるに足りる証拠がないといわざるを得ない。
(2)乙2は、その作成者が、大勝軒の「屋号」を使用することについて、被請求人の許諾を得ている旨が記載されている。「屋号」は通常は、商号又は「自己の名称」を意味し、これを普通に用いられる方法で表示するかぎり商標権侵害にはならない(商標法第26条)。乙2は、上記のように信ぴょう性がないが、仮に記載内容が真実であると仮定しても、記述内容は、商標権の使用権の設定とまではいえない。乙2が仮に信ぴょう性があるものだとしても、被請求人の主張を立証するものではない。
(3)被請求人は、清算中の会社であり、解散決議の日以後は、被請求人の権利能力は、清算の目的の範囲内に縮減されており(会社法第476条)、被請求人は営業活動はできないこととなる。商標の使用とは、理論的には、商標の機能(自他商品役務識別機能、出所表示機能、品質保証機能、広告機能)を発揮させる行為であり、商標の機能はいずれも商標権者の営業活動を支え発展させるものである。したがって、商標の使用は、全て営業活動であり、清算の目的の範囲を超えるもので、被請求人には、商標を使用する権限がない。
使用許諾契約は、許諾者が、使用権限を有していることを前提とし、その使用権の一部を使用することを許諾する契約である。許諾者の源泉となる使用権限がなくなれば、源泉から派生する被許諾者の使用権もなくなるものというべきである。
商標法第50条第1項は、使用許諾を受けた「使用権者」の使用についても、不使用取消に対する「使用」の抗弁を認めているが、使用許諾者に使用権限がなくなった場合には、「使用権者」の使用権限がなくなるか、又は使用許諾が効力を有しなくなることにより商標法第50条第1項の「専用使用権者又は通常使用権者」に該当しなくなり、同項の「使用」の抗弁も認められなくなると考えるべきである。
そもそも、使用許諾を受けた「使用権者」に、商標権者と同様の「使用」の抗弁を法が認めたのは、「使用権者」の使用であっても、商標の機能(自他商品役務識別機能、出所表示機能、品質保証機能、広告機能)を発揮させて商標権者の営業活動を支え発展させることになって商標権者の使用と同視してよいと考えられるからである。商標権者の営業活動ができず商標の使用権限がない場合には、このような前提がなくなることになり、「使用権者」による「使用」の抗弁も認められなくなると考えるべきである。登録主義を採用するドイツにおいては、1967年の改正までは、不使用取消の規定も存在していなかったが、商標権者が営業を継続しないときにのみ、商標権行使の可能性がなくなったものとして、第三者による抹消登録請求を認めていた(1967年改正時におけるドイツ法第11条第1項第2項第4号参照)とされている(網野誠「商標(第6版)」)。ドイツのみならず我が国においても、商標権者が営業の継続していることは、不使用取消を免れるための前提条件というべきである。
(1)通常使用権者の使用の商標法・関連法上の位置づけ
ア 東京地裁令和5年3月27日判決(令和4年(ワ)第18610号 甲4)は、「商標法は、商標を使用する者の業務上の信用及び需要者の利益を確保することを目的とするところ(商標法第1条参照)、需要者である一般消費者は、登録商標が付された商品を商標権者から直接購入する場合ではなくとも、商標権者の許諾に基づいて登録商標が付された商品を購入しようとする際には、商標権者による技術指導や品質検査等を前提とする商品であると理解し、商標権者が登録商標を付して流通に置いた正規の流通経路によった商品と出所及び品質が同一の商品を購入することができる旨信頼するのが通常であり、その信頼を裏切らないことにより、商標権者の業務上の信用が確保されるというべきである。」と判示し、破産管財人である原告が、被告(商標権者)による商標管理条項がある通常使用権設定契約解除後であっても商標が付された在庫を処分することについて実質的違法性がないと主張した案件について、被告は本件在庫商品の品質管理を行い得る立場にないことを理由として原告の主張を認めなかった。
上記の商品商標に関する判示事項は、役務商標にもあてはまり、商標法は、商標を使用する者の業務上の信用及び需要者の利益を確保することを目的とするところ(商標法第1条参照)、需要者である一般消費者は、登録商標が使用された商品・役務を商標権者から直接購入・享受する場合ではなくとも、商標権者の許諾に基づいて登録商標が使用された商品・役務を購入・享受しようとする際には、商標権者による技術指導や品質検査等を前提とする商品・役務であると理解し、商標権者が登録商標を使用して流通・利用提供経路に置いた正規の流通経路・利用提供経路によった商品・役務と出所及び品質が同一の商品・役務を購入・享受することができる旨信頼するのが通常であり、その信頼を裏切らないことにより、商標権者の業務上の信用が確保されるというべきである。
イ 製造物責任法において、「製造物に、その氏名、商号、商標その他の表示(以下氏名等の表示)という。」をした者」(同法第2条第3項第2号)は「製造業者等」としてその氏名等を表示した「製造物」について、いわゆる製造物責任を負う(同法第3条)こととなっている。この規定によって、商標権者が製造業者に自社ブランドを付けることを許可した製品について商標権者も製造物責任を負うこととなると解される。商標権者がこのような責任を負うのは商標権者が品質・安全などの管理を行うのが通常であるからであり、またこのような責任を負わざるを得ないからこそ、商標権者は品質・安全などの管理を行うこととなり、全体として健全な産業の発展が得られることとなる。なお、料亭で調理されたイシガキダイは、原材料に加熱、味付けなどを行ってこれに新しい属性ないし価値を付加したといえるほどに人の手が加えられていれば、「加工」された「製造物」で、これを顧客に提供して食中毒を起こさせたことについて製造物責任を認めた判例(東京高裁平成17年1月26日判決 甲5、東京地裁平成14年12月13日判例時報1805号14頁)もある。「製造物」は「製造又は加工された動産」と定義されている(同法第2条第1項)が、「動産」は「商品」と異なり流通に置かれることを要件としておらず、商標法の観点からは、飲食物の提供に関して製造物責任が認められたこととなる。
ウ 名板貸人の責任に関する旧商法第28条、現商法第14条、現会社法第9条の規定(一定の場合に、許諾を受けた者との取引により生じた債務を弁済する連帯責任を負うことが定められている。)は、商号等の使用を許諾した場合だけでなく、商標等の使用を許諾した場合にも類推適用されると解すべきとされている(神田英樹「会社法 第26版」弘文堂、甲6)。商標権者などがこのような責任を負うのは商標権者などが、品質・安全などの管理を行うのが通常であるからであり、またこのような責任を負わざるを得ないからこそ、商標権者は品質・安全などの管理を行うこととなり、全体として健全な産業の発展が得られることとなる。
エ このように、通常使用権者の行為についても、商標権者にも責任を負わせることにより、商標権者が通常使用権者を管理せざるを得なくなり、「商標権者の需要者である一般消費者は、登録商標が使用された商品・役務を商標権者から直接購入・享受する場合ではなくとも、商標権者の許諾に基づいて登録商標が使用された商品・役務を購入・享受しようとする際には、商標権者による技術指導や品質検査等を前提とする商品・役務であると理解し、商標権者が登録商標を使用して流通・利用提供経路に置いた正規の流通経路・利用提供経路によった商品・役務と出所及び品質が同一の商品・役務を購入・享受することができる旨信頼するのが通常」となって、「その信頼を裏切らない」法解釈をすることにより、商標権者の業務上の信用が確保され、商標法の立法目的を果たすことができるようになる。
オ 不使用取消審判の制度趣旨等
商標法第50条の不使用取消審判の制度趣旨は以下のように解されている。すなわち、「一定期間使用をされていない登録商標には業務上の信用が蓄積されていないか、一旦蓄積された信用も消滅していると考えられる。一方、そのような商標登録を維持することは、国民一般の利益を不当に侵害するとともに商標使用希望者による商標選択の余地を狭めることになる。そこで、請求をまって、そのような商標登録を取り消そうというものである」(特許庁「工業所有権法<産業財産権法>逐条解説[第22版]」(発明推進協会)、甲7など)。
ここにいう「業務上の信用」が蓄積される主体は、上記で述べたように、商標権者である。商標法第50条は「通常使用権者」による登録商標の使用についても、商標権者自身の使用と同じ効果を認めている。これは、「需要者である一般消費者は、登録商標が使用された商品・役務を商標権者から直接購入・享受する場合ではなくとも、商標権者の許諾に基づいて登録商標が使用された商品・役務を購入・享受しようとする際には、商標権者による技術指導や品質検査等を前提とする商品・役務であると理解し、商標権者が登録商標を使用して流通・利用提供経路に置いた正規の流通経路・利用提供経路によった商品・役務と出所及び品質が同一の商品・役務を購入・享受することができる旨信頼するのが通常であり、その信頼を裏切らない」法秩序が整っていることを前提とするから認められている。そうでなければ、商標法の目的を達することができなくなる。
商標法第50条の基礎となるTrips協定第19条は、「(1)登録を維持するために使用が要件とされる場合には、登録は、少なくとも3年間継続して使用しなかった後においてのみ、取り消すことができる。・・・(2)他の者による商標の使用が商標権者の管理の下にある場合には、当該使用は、登録を維持するための商標の使用として認められる。」として、「他の者による商標の使用が商標権者の管理の下にある場合」にのみ「登録を維持するための商標の使用として認められる。」ことを明記している。
商標法第50条で「通常使用権者」の商標の使用もまた、商標権者が「技術指導や品質検査等」を行い、少なくとも行いうる地位にある場合、又は「商標権者の管理の下にある場合」にのみ、登録を維持するための商標の使用として認められると解すべきである。このように解してはじめて、上記で述べた判例の判示事項で示された指針及びTrips協定第19条に適合し、商標法の目的を達し得る。
(2)通常使用権の許諾契約の立証について
被請求人は、本件商標の設定登録当初から現在に至るまで、浅草橋にある浅草橋大勝軒に、本件商標権について通常使用権を許諾していると答弁書で主張し、回答書でも維持している。
請求人は、弁駁書で、被請求人の上記主張について被請求人が答弁書提出の際に提出した証拠の信ぴょう性は極めて低く、被請求人の主張は、これを認めるに足りる証拠はないと述べた。被請求人は、回答書提出の際に、新たな証拠を提出したが、いずれも、信ぴょう性が極めて低い証拠であったり、信ぴょう性の低さを補完するには足りない証拠であるにすぎず、被請求人の主張は、これを認めるに足りる証拠はない。以下に弁駁書に述べたところを補完し、このことをあらためて説明する。
ア 陳述書の信ぴょう性
(ア)乙2(陳述書)、乙7(陳述書)、乙9(陳述書)、乙11(陳述書)(以下これら乙号証を「乙号陳述書類」と総称する。)は、本件審判請求書が、被請求人に送達された後に作成されたものである。一般に、係争案件で係争が開始された後に作成された書面の信ぴょう性は弱く、記載内容を真実と認めさせるには、裁判などの係争事件では、他の書証や作成者の証人尋問等で補強しなければならない。上記乙号証のような係争中に作成された書類は、代理人の作文、又は立証指針を示す書類にすぎない。
(イ)答弁書提出時に、被請求人と浅草橋大勝軒の間の使用許諾について、「屋号」の使用許諾と陳述した浅草橋大勝軒の陳述書(乙2)を提出していた。これに対し、請求人が、弁駁書で「屋号」の使用許諾と「商標」の使用許諾とは異なると指摘したところ、その後、被請求人は、同人と浅草橋大勝軒との間の使用許諾は、「商標」についてのものと書き換えた陳述書(乙9)を提出している。乙2、乙9の各陳述書は代理人の作文であってその信ぴょう性はないに等しい。
元来、「屋号」は、「商家または俳優などの家の称号」(広辞苑第7版)であって、乙8にも記載しているように、商標制度、会社制度ができる前の江戸時代からある。現在では、確定申告で「屋号」の記載が求められ、国税庁が、「屋号」を「個人事業者の方が使用する商業上の名のことです。」と説明していること(甲8)などから、「屋号」は、「個人事業主が使用する商業上の名」を意味するのが通常である。このような「屋号」の通常の意味からすれば、屋号は、個人事業主の「自己の名称」を意味するので、通常の方法で表示する限り商標権侵害とはならない(商標法第26条)。
旧総本店が浅草橋大勝軒にのれん分けをしたのは、乙3の2による浅草橋大勝軒の創業年である昭和21年(1946年)であり、旧総本店が法人となったのは昭和24年(1949年)(乙6)、浅草橋大勝軒が法人となったのは昭和28年(1953年)(乙1)である。浅草橋大勝軒は、本件商標登録時も乙2の作成日も現在法人であるので、乙2で「屋号」という言葉を使用していること自体、乙2は、意味不明な文書ということになり、その信ぴょう性は乏しい。
また、被請求人が法人であれ、個人であれ、自己の名称を非商標的に用いる場合にはそれが商標法第26条にいう「自己の名称」に該当するかどうかを問わず、商標権の侵害にはならない。
さらに、乙8にも記載しているように、のれん分けの場合、「屋号」の使用許可は、商標登録の有無にかかわらず、本店から許可を得るもので、被請求人のような姉妹店から許可を得るものではない。のれん分けによる「屋号」の使用許諾は、旧商法第28条、現商法第14条、現会社法第9条の名板貸に該当するもので、使用者の行為に対する許諾者の責任が法定されている。
被請求人のような単なる姉妹店が、現状のままで、このような重大な責任をともなうべき契約を、重大な責任を無視しなんらの管理権限も対価もなしに、締結するというは、あまりに不自然である。
以上のように乙2及び乙9の記載は、意味不明で混乱し不自然なもので、信用するには値しない。
(ウ)乙号陳述書類の作成者は、被請求人も回答書等で認めるとおり、被請求人と同一系列(「人形町大勝軒系列」)の「のれん」に属する者で、本件商標に関しては利害関係を共通にする者である。乙号陳述書類は、乙号陳述書類の作成者(旧総本店、浅草橋大勝軒、有限会社第三大勝軒(以下「日本橋本町大勝軒」という。))が、被請求人に依頼されて、あるいは「のれん」会での打合により、係争中に被請求人に忖度した書面を作成する可能性は高いといわざるを得ない。このような意味でも、乙号陳述書類の信ぴょう性は、極めて弱い。
イ 乙3で示されているように、飲食物の提供をしている中華料理店で「大勝軒」を名乗り、商標を使用している者は多数存在する。被請求人が属する人形町大勝軒系列でも「大勝軒」商標を使用する者は多数ある。このような状況で、被請求人は、浅草橋大勝軒及び日本橋本町大勝軒にのみ通常使用権の許諾をし、他は放置しているというのは、余りにも不自然で、信用できない。
ウ 被請求人は、令和元年(2019年)11月20日に解散決議をしている(甲3)。解散決議の後は、清算人は、「会社法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律」(整備法)により旧有限会社に適用される会社法第481条に定める3つの義務、すなわち、(ア)現務の結了(継続中の事務・取引関係を完結する)をする、(イ)遅滞なく、債権の申出を催告した上で(会社法第499条)債務の弁済をし、債権の取立てをする、(ウ)残余財産を確定しそれを株主に分配することをする義務を負い、遅滞なく清算を結了すべきことになる。しかるに、被請求人の主張によれば、被請求人は、解散決議後も4年近く、商標権の許諾という取引関係を放置し続けて、現務の結了をしていないということになる。通常使用権者に対しては、上記で述べたように、商標権者である被請求人は、需要者の信頼に応える管理行為をしなければならないはずである。商標権の許諾という取引関係はもともと無かったからこそ、このような不作為を続けたとみるのが自然である。この点からも、被請求人が浅草橋大勝軒に商標の使用権を許諾したという被請求人の主張を認めるべきではない。
エ 被請求人は、商標使用許諾を立証するための、契約書、使用料支払を示す通帳、財産目録などはないと回答書で述べている。被請求人の商標使用許諾に関する主張は、これを認めるに足りる証拠がないことが明確になった。
(3)黙示の通常使用権の許諾契約について
被請求人は、回答書において、被請求人と浅草橋大勝軒との間には、資本関係及び業務提携関係はないこと、総本店と他の系列店並びに他の系列店同旨の間いずれにおいても資本関係及び業務提携関係はないと述べている。また、被請求人、浅草橋大勝軒及び日本橋本町大勝軒の「のれん」における「本店」は、上記旧総本店である。被請求人は浅草橋大勝軒に対して「のれん分け」して浅草橋大勝軒を被請求人の「屋号」の使用を許し系列店にするような地位にないことも回答書で明らかになっている。
被請求人と浅草橋大勝軒との間に黙示の通常使用権の許諾契約が認められるような関係はないといえる。
請求人は、本件商標の取得にあたって総本店の了解を得ている事実などを主張し乙7の陳述書をもってこれを立証しようとしているが、乙7の陳述書は、上記で述べたように紛争開始後の代理人の作文にすぎず、信用できず、そのよう事実を認めるに足りる証拠はない。また、上記で述べたように、第三者に自己の名称や自己の商標の使用を許諾し第三者がそれを使用すれば、当事者間の契約のいかんに関わらず、第三者から名板貸責任(商法第14条、会社法第9条)や製造物責任(製造物責任法第3条)などの責任追求される立場におかれることになる。このような責任を背負って立つ資格も覚悟もない被請求人のような姉妹店が、長期にわたり、他の姉妹店に自己の名称や自己の商標の使用を許諾し他の姉妹店がそれを使用できるような状態にして放置しておくというのは、極めて不自然で、真実とはいえない。
(4)仮に浅草橋大勝軒と被請求人の間で商標通常使用権の許諾契約の締結があったとしても、浅草橋大勝軒は、以下の理由により商標法第50条第1項の「通常使用権者」ではない。
ア 使用許諾契約は、許諾者が、使用権限を有していることを前提とし、その自らの使用権の全部又は一部を第三者が使用することを許諾する契約である。許諾者の源泉となる使用権限がなくなれば、それは「使用許諾契約」とはいえず、被許諾者の使用権もなくなる。
商標法第50条第1項は、使用許諾を受けた「通常使用権者」の使用についても、不使用取消に対する「使用」の抗弁を認めているが、使用許諾者に使用権限がなくなった場合には、「通常使用権者」の使用権限がなくなるか、又は、使用許諾が効力を有しなくなることにより商標法第50条第1項の「通常使用権者」に該当しなくなり、同項の「使用」の抗弁も認められなくなると考えるべきである。
被請求人は、解散決議をしたことにより、「清算の目的の範囲内」でのみ存続し(会社法第476条)被請求人は営業活動できないこととなる。商標の使用とは、理論的には、商標の機能(自他商品役務識別機能、出所表示機能、品質保証機能、広告機能)を発揮させる行為であり、商標の機能はいずれも商標権者の営業活動を支え発展させるものである。したがって、商標の使用は、全て営業活動であり、清算の目的の範囲を超えるもので、被請求人には、商標を使用する権限がない。
よって、浅草橋大勝軒は商標法第50条第1項の「通常使用権者」ではない。
イ 上記で述べたように、商標法第50条で「通常使用権者」の商標の使用もまた、商標権者が「技術指導や品質検査等」を行い、少なくとも行いうる地位にある場合、又は「商標権者の管理の下にある場合」にのみ、登録を維持するための商標の使用として認められると解すべきである。本件では、浅草橋大勝軒による商標の使用について、商標権者である被請求人は何らの管理もせず、これを放置している。また、被請求人の清算決議後は、被請求人が、浅草橋大勝軒との取引関係を消滅されるような管理をすることはできるとしても、商標の使用に関して管理(需要者の信頼を得るような管理)はできなくなることは明白である。本件では、浅草橋大勝軒による商標の使用が、商標権者が「技術指導や品質検査等」を行い、少なくとも行いうる地位にある場合、又は「商標権者の管理の下にある場合」「被請求人に管理下にある場合」に該当するとはいえない。
(5)仮に、浅草橋大勝軒が、商標法第50条で「通常使用権者」で、浅草橋大勝軒による商標の使用が「通常使用権者」による「使用」と文言上いえるとしても、被請求人が、浅草橋大勝軒の使用をもって、不使用取消を免れる主張をすることは、上記で述べたところにより、信義に反するもので、権利濫用となり、許されない。
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙1から乙11(枝番号を含む。)を提出した。
(1)答弁の要旨
本件商標は、その通常使用権者である浅草橋大勝軒によって、その指定役務「中華料理の提供」について、要証期間に、日本国で使用されている。
(2)通常使用権者について
被請求人は、本件商標の設定登録当初から現在に至るまで、浅草橋にある浅草橋大勝軒に、本件商標について通常使用権を許諾している(乙1、乙2)。
なお、被請求人(横山町大勝軒)と浅草橋大勝軒とは、ともに総本店である人形町大勝軒からのれん分けされた姉妹店にあたる(乙3の1~3)。
(3)使用の事実について
被請求人は、本件商標権の通常使用権者である浅草橋大勝軒が本件商標を使用している事実として、乙4及び乙5の1から6を提出する。
ア 乙4について
乙4は、2022年5月23日放送の日本テレビのニュース番組「news every.」の特集の映像である(以下、「本件乙4映像」という。)。
(ア)使用行為
本件通常使用権者は、中華料理店の入口に掲げたのれんに使用商標1を表示させている(乙4)。当該行為は、使用役務に関する広告に使用商標1を付して展示する行為(商標法第2条第3項第8号)である。
(イ)使用商標
本件商標は、漢字の「大勝軒」を一様の等幅なフォントで横書きに書してなるものである。これに対し、使用商標1も、漢字の「大勝軒」を一様の等幅なフォントで横書きに書してなるものである(乙4)。
よって、使用商標1は、本件商標の書体のみに変更を加えた同一の文字からなる商標である。
(ウ)使用役務
本件通常使用権者は、中華料理の提供を業としている(乙4)。よって、本件通常使用権者は、指定役務「中華料理の提供」について、使用商標1を使用している。
(エ)使用時期
本件乙4映像は、2022年5月23日に放送された番組である。そして、当該日付は、要証期間内である。
(オ)使用場所
当該役務の提供場所は、東京都台東区浅草橋であるから、当該役務の提供対象地域は、日本国内である。
(カ)使用者
本件乙4映像に登場する浅草橋の「大勝軒」とは、「大勝軒」が浅草橋大勝軒の略称であること、及び、本件乙4映像の店舗所在地とされる浅草橋が浅草橋大勝軒の住所(東京都台東区浅草橋、乙1)と一致することからして、本件通常使用権者(浅草橋大勝軒)が経営する店舗名を意味することは明らかである。
よって、本件商標の使用者は、本件通常使用権者(浅草橋大勝軒)である。
(キ)小括
本件乙4映像から明らかなとおり、本件商標は、その通常使用権者である浅草橋大勝軒によって、指定役務「中華料理の提供」について、要証期間に、日本国で使用されている。
イ 乙5について
乙5の1から6は、2020年8月12日から2023年1月25日の期間にソーシャル・ネットワーキング・サービスであるTwitterに投稿された文章及び画像である。
(ア)使用行為
第1に、本件通常使用権者は、中華料理店の入口に掲げたのれんに使用商標1を表示させている(乙5の1~5)。当該行為は、使用役務に関する広告に使用商標1を付して展示する行為(商標法第2条第3項第8号)である。
第2に、本件通常使用権者は、レンゲの内側の底面に使用商標2を赤字で表示させている(乙5の1、4、5)。当該行為は、役務の提供に当たりその提供を受ける者の利用に供する物に標章を付する行為(商標法第2条第3項第3号)及びこれに標章を付したものを用いて役務を提供する行為(商標法第2条第3項第4号)である。
第3に、本件通常使用権者は、どんぶりの内側面に使用商標3を青字で表示させている(乙5の1)。当該行為は、役務の提供に当たりその提供を受ける者の利用に供する物に標章を付する行為(商標法第2条第3項第3号)及びこれに標章を付したものを用いて役務を提供する行為(商標法第2条第3項第4号)である。
第4に、本件通常使用権者は、チャーハン皿の上面の周縁部に使用商標4を青字で表示させている(乙5の2、3)。当該行為は、役務の提供に当たりその提供を受ける者の利用に供する物に標章を付する行為(商標法第2条第3項第3号)及びこれに標章を付したものを用いて役務を提供する行為(商標法第2条第3項第4号)である。
第5に、本件通常使用権者は、餃子皿の上面の周縁部に使用商標5を赤字で表示させている(乙5の6)。当該行為は、役務の提供に当たりその提供を受ける者の利用に供する物に標章を付する行為(商標法第2条第3項第3号)、及びこれに標章を付したものを用いて役務を提供する行為(商標法第2条第3項第4号)である。
(イ)使用商標
第1に、本件商標は、漢字の「大勝軒」を一様の等幅なフォントで横書きに書してなるものである。これに対し、使用商標1(のれん)も、漢字の「大勝軒」を一様の等幅なフォントで横書きに書してなるものである(乙5の1~5)。よって、使用商標1は、本件商標の書体のみに変更を加えた同一の文字からなる商標である。
第2に、使用商標2(レンゲ)も、漢字の「大勝軒」を一様の等幅なフォントで赤字にて横書きに書してなるものである(乙5の1、4、5)。よって、使用商標2は、本件商標の書体及び色のみに変更を加えた同一の文字からなる商標である。
第3に、使用商標3(どんぶり)も、漢字の「大勝軒」を一様の等幅なフォントで青字にて横書きに書してなるものである(乙5の1)。よって、使用商標3は、本件商標の書体及び色のみに変更を加えた同一の文字からなる商標である。
第4に、使用商標4(チャーハン皿)も、漢字の「大勝軒」を一様の等幅なフォントで青字にて横書きに書してなるものである(乙5の2、4)。よって、使用商標4は、本件商標の書体及び色のみに変更を加えた同一の文字からなる商標である。
第5に、使用商標5(餃子皿)も、漢字の「大勝軒」を一様の等幅なフォントで赤字にて横書きに書してなるものである(乙5の6)。よって、使用商標5は、本件商標の書体及び色のみに変更を加えた同一の文字からなる商標である。
(ウ)使用役務
乙5の各写真から明らかなとおり、本件通常使用権者は、中華料理の提供を業としている。よって、本件通常使用権者は、指定役務「中華料理の提供」について、使用商標1から5を使用している。
(エ)使用時期
上記に記載したとおり、乙5の1から6は、2020年8月12日から2023年1月25日にわたって投稿されたものである。そして、当該日付は、いずれも要証期間内である。
(オ)使用場所
当該役務の提供場所は、浅草橋であるから、当該役務の提供対象地域は、日本国内である。
(カ)使用者
乙5の1から6で投稿された浅草橋の「大勝軒」とは、「大勝軒」が浅草橋大勝軒の略称であること、及び本件乙5の店舗所在地とされる浅草橋が浅草橋大勝軒の住所(東京都台東区浅草橋、乙1)と一致することからして、本件通常使用権者(浅草橋大勝軒)が経営する店舗名を意味することは明らかである。
よって、本件商標の使用者は、本件通常使用権者(浅草橋大勝軒)である。
(キ)小括
乙5の1から6により明らかなとおり、本件商標は、その通常使用権者である浅草橋大勝軒によって、指定役務「中華料理の提供」について、要証期間内に、日本国で使用されている。
(1)出願及び管理の経緯について
1992年6月頃、被請求人は、商標法の改正による役務商標の新設により、「大勝軒」の名前が中華料理の提供について商標権を取得できるようになると知り、「大勝軒」という商標権を取得する必要性が高いと考えた。ただし、被請求人は、「大勝軒」という商標権は大勝軒の源流である総本店(乙3の1~3)に代表して取得してもらうのが、のれん分けを受けた側の被請求人が取得するよりも物事の筋に沿うのではないかと考えた。
そこで、1992年6月頃、被請求人の代表取締役(甲1、甲2)は、長女(被請求人の取締役、甲1、甲2)を自分の名代として総本店に訪問させ、法律改正により「大勝軒」の名前が商標権取得可能となることの説明、及び総本店に当該商標権を取得してもらいたいという相談を行った。
これに対して、総本店(人形町大勝軒 代表取締役)からは、当時すでに中華料理店から喫茶店に業態変更していたことを理由に、被請求人の方で中華料理の提供について「大勝軒」を商標出願し、商標権を取得・維持して構わない旨の回答があった(乙6、乙7)。
この回答に対し、被請求人は、「やはり総本店が出願すべきではないか」と食い下がったが総本店の意思は固かったため、「被請求人(横山町大勝軒)が総本店の代わりに系列店を代表するつもりで商標出願を行うこと」、及び「あくまで代わりとして出願するので、総本店からのれん分けを受けた他の系列店にはこれまでと同じように「大勝軒」の名前を自由に使ってもらう前提であること」を総本店に説明し、それで差し支えない旨の回答を受けた(乙6、乙7)。
以上の経緯により、被請求人は、総本店より承諾を受け、本件商標の出願及び管理をするに至った。
(2)業務関係について
被請求人と浅草橋大勝軒との間には、資本関係及び業務提携関係はない。また、被請求人の知る限りでは、総本店と他の系列店、並びに他の系列店同士の間のいずれにおいても資本関係及び業務提携関係はない。
少なくとも、被請求人やその系列店などの昔ながらの町の中華料理店では、数年間修行してのれん分けを受けるという形態により、独立に際して修行先の名前の使用許可をもらうことはあるが、それ以上の要求や法律的関係を形成するような習慣はない(乙8)。
(3)使用許諾契約について
ア 浅草橋大勝軒
(ア)使用許諾契約の存在
被請求人は、本件商標の設定登録当初から現在に至るまで、浅草橋大勝軒に、本件商標について通常使用権を許諾している(乙9)。
なお、乙2と今回提出する乙9とは、経緯の追加説明を除けば、立証趣旨において実質的な差はない。すなわち、乙2の「屋号」の使用許可という表現は、「商標」の使用許可を意味する一般的な表現にすぎないが(乙8)、請求人のように「屋号」の意味を法律上厳密なものと混同することもあるようなので、改めて乙9として提出する。
(イ)経緯の説明
上記許諾の経緯は、本件商標の設定登録直後の1996年1月頃に、被請求人が浅草橋大勝軒に電話連絡し、役務商標の制度が新設されたこと、被請求人が総本店の代わりに「大勝軒」の商標について商標権を取得したこと、系列店の浅草橋大勝軒には当然使用許諾をするのでこれまでどおり「大勝軒」の商標を自由に使用してもらって差し支えないことを説明し、浅草橋大勝軒から了解を得た、というものである(乙9)。
なお、商標の使用許諾契約は、意思と意思との合致で成立するものであって、契約書の存在を必要とする要式行為ではない。
また、同種の例として、被請求人は、総本店からのれん分けを受けて独立する際に、「大勝軒」という商標の使用許諾を総本店から口頭で得ているが、その許諾について総本店との間に契約書を作成したことはない(むしろ、総本店と被請求人との間にのれん分けに関する契約書は1つも存在しないし、総本店が他の系列店と契約書を交わしたという話も聞いたことがない。)。すなわち、最近は知らないが、少なくとも10年から20年前までの町の中華料理店では、商標の使用許諾は口頭にて行うのが一般的であり、別段、契約書を作成するという習慣は存在しなかった。
(ウ)使用許諾契約の仔細
通常使用権の許諾の内容は、「これまで通り「大勝軒」の商標を自由に使用」するというものである。つまり、役務商標制度が設立される前と同様に浅草橋大勝軒が特段の制限なく商標を使用することを許諾する趣旨であるため、使用許諾契約の内容として強いて列挙するのであれば、期間なし、対価なし、地域の限定なし、使用行為の制限なし、書体等の使用態様の制限なし等というものである(乙9)。
無制限というと一般的には商標権者にとって不利なようにも思えるが、上述したように、被請求人は総本店の代わりという趣旨で出願しているので、総本店が被請求人を含めた弟子(系列店)に何ら商標の使用制限をしていない以上(乙8)、被請求人も他の系列店に対して特別な使用制限をしないのは当然である。
イ 日本橋本町大勝軒
(ア)使用許諾契約の存在
被請求人は、本件商標の設定登録当初から2019年4月頃まで、日本橋本町大勝軒に、本件商標について通常使用権を許諾している(乙3の1~3、乙10、乙11)。
(イ)経緯の説明
許諾の経緯は、浅草橋大勝軒と同様である。すなわち、本件商標の設定登録直後の1996年1月頃に、被請求人が日本橋本町大勝軒に電話連絡し、役務商標の制度が新設されたこと、被請求人が総本店の代わりという趣旨で「大勝軒」の商標について商標権を取得したこと、系列店の日本橋本町大勝軒には当然使用許諾をするのでこれまでどおり「大勝軒」の商標を使用してもらって差し支えないことを説明し、日本橋本町大勝軒から了解を得たというものである。
(ウ)使用許諾契約の仔細
日本橋本町大勝軒に対する使用許諾契約の内容は、浅草橋大勝軒と同様に、期間なし、対価なし、地域の限定なし、使用行為の制限なし、書体等の使用態様の制限なし等というものである。
(エ)今回提出した理由
2019年4月頃、日本橋本町大勝軒は、地区開発及び建物の老朽化のため閉店した。
つまり、日本橋本町大勝軒自体は、被請求人と同様、3年以上、登録商標を指定役務に使用していないので、不使用審判に対する使用証拠とはならない。そのため、前回の答弁書では日本橋本町大勝軒については触れなかった。
しかしながら、同時期に他の系列店にも使用許諾をしていた事実は、浅草橋大勝軒に使用許諾をしていたことを裏付ける証拠になるため、今回提出する。
ウ 総本店(人形町大勝軒)
(ア)使用許諾契約の存在
1992年6月頃、総本店は中華料理店から喫茶店に業態変更していたが、被請求人は総本店に対して、総本店が中華料理店に業態を戻した際には、本件商標権について通常使用権を許諾することを約束している(乙3の1~3、乙6、乙7)。
(イ)経緯の説明
この予約は、上述した訪問の際に行われたものである。すなわち、1992年6月頃、被請求人の取締役が代表取締役の代理として総本店に訪問した際に、被請求人から総本店(人形町大勝軒代表取締役)に対して口頭で提案され、両者で同意に至ったものである(乙6、乙7)。
(ウ)今回提出した理由
1992年6月頃から現在まで、総本店は今のところは中華料理店に業態を戻していないので、総本店は登録商標を指定役務に使用しておらず、かつ、通常使用権の許諾も本契約には至っていないため、前回の答弁書では総本店の許諾予約については触れなかった。
しかしながら、他の系列店への使用許諾だけでなく、同時期に総本店にも使用許諾をしようとしていた事実は、浅草橋大勝軒に使用許諾をしていたことを裏付ける証拠になるため、今回提出する。
(4)請求人弁駁書に対する意見
ア 結論
被請求人は、本件商標の設定登録当初から現在に至るまで、浅草橋大勝軒に、本件商標について通常使用権を許諾している(乙2、乙9)。
乙2及び乙9の信ぴょう性が高いことは、被請求人の説明及び乙6から乙11から明らかである。
イ 請求人は、乙2の作成時期が係争開始後だから信ぴょう性が弱いなどと主張する。
しかしながら、上述のとおり、当該通常使用権の許諾は口頭で行われたものである。そのため、乙2及び乙9のような書類は、係争に巻き込まれてから必要に応じて作成するものなので、作成時期が係争開始後になるのは当然である。
よって、乙2の作成時期が係争開始後だから信ぴょう性が弱いという請求人の主張には理由がない。
ウ 請求人は、乙2の作成者が被請求人の仲間内の系列店だから信ぴょう性が極めて弱いなどと主張する。
しかしながら、通常使用権の許諾は、そもそも仲間に対してするものであって、利害関係のない第三者に対してするようなものではない。
そして、通常使用権の許諾は、商標権者と通常使用権者との当事者の合意で成立するものであることからすれば、商標権者(被請求人)及び通常使用権者(浅草橋大勝軒、被請求人の系列店)がその存在を立証しようとするのはむしろ当然である。
よって、乙2の作成者が被請求人の系列店だから信ぴょう性が極めて弱いという請求人の主張には、理由がない。
エ 請求人は、人形町大勝軒系列でも「大勝軒」の商標を使用するものは多数いるのに、浅草橋大勝軒のみに通常使用権を許諾していたというのは不自然であると主張する。
しかしながら、上述したとおり、被請求人は、浅草橋大勝軒と同時期に日本橋本町大勝軒にも通常使用権の許諾をしており(乙10、乙11)、総本店にも通常使用権の許諾をしようとしていた(乙6、乙7)。
よって、浅草橋大勝軒のみに通常使用権を許諾していたというのは不自然であるという請求人の主張には、理由がない。
オ 請求人は、会社法第481条によれば、解散決議後も4年近く、商標権の許諾という取引関係を放置し続けて現務の結了をしていないのは不自然であるため、被請求人の主張を認めるべきでないと主張する。
しかしながら、手続きの時期が会社法上望ましいか否かは、商標法上、通常使用権を許諾したか否かに影響を与えない。
よって、現務の結了が遅いから通常使用権は存在しないという請求人の主張には、理由がない。
カ 請求人は、通常使用権の契約書、使用料支払いを示す通帳などを証拠として提出するところ、このような証拠を提出していないため、被請求人の主張は、これを認める証拠がないと主張する。
しかしながら、通常使用権の許諾は口頭でも契約として成立するため、契約書が存在しないことは通常使用権の許諾が存在しないことの証明にはならない。また、被請求人の浅草橋大勝軒に対する通常使用権の許諾は無償であるため、使用料支払いを示す通帳は当然存在しない。
また、請求人は、商標権とその使用許諾者としての地位なるものも財産目録に記載すべき事項であるため、これを提出しない以上、通常使用権の存在は認められないと主張する。
しかしながら、当該商標権は、会計処理上、償却によって残存価額がゼロになったため今般の財産目録に記載されていない。つまり、商標権は財産目録に記載されないことも普通にあるので、商標権が記載された財産目録を提出しない限り、商標権(及び通常使用権)の存在は認められないというのは、論理飛躍である。
よって、通常使用権の契約書、使用料支払いを示す通帳などを提出していないため、通常使用権許諾の証拠がないという被請求人の主張には、理由がない。
キ(ア)請求人は、乙2は「屋号」の使用許諾だから商標権の通常使用権の許諾とまではいえない、と主張する。
しかしながら、そもそも後述するように請求人の主張には理由がないが、「被請求人は、本件商標の設定登録当初から現在に至るまで、浅草橋大勝軒に、本件商標権について通常使用権を許諾していること」を明らかにするために、被請求人は改めて乙9を提出する。
よって、請求人の主張には、理由がない。
(イ)請求人の主張に理由がないこと
a 「屋号」の意味合い
請求人は、乙2は「屋号」の使用許諾だから商標権の通常使用権の許諾とまではいえないと主張する。
しかしながら、上述したように、乙2の「屋号」の使用許可という表現は、のれん分けに際して「商標」の使用許可を意味する一般的な表現にすぎない(乙8)。つまり、乙2は、一般的な意味での「屋号」である「大勝軒」という商標の使用許可をもらっていると説明したにすぎない。
すなわち、請求人の主張は、「屋号」という文言を一般的な意味合いではなく、恣意的に法律上厳密な意味合いに曲解したものにすぎないため、理由がない。
b 商標法第26条の誤解
請求人は、屋号は「自己の名称」を意味するので、通常の方法で表示する限り商標権侵害にならない(商標法第26条)と主張する。
しかしながら、もし仮に請求人の主張どおり法律上厳密な意味合いとして解釈すれば、浅草橋大勝軒の屋号(自己の名称)を省略した「大勝軒」という商標は、自己の名称の「略称」にあたる。
そのため、「大勝軒」が浅草橋大勝軒の略称として著名でない限り、無許可で「大勝軒」を使用した場合には、たとえ普通に用いられる方法で表示するものであっても商標権侵害にあたる。
よって、「許諾を受けなくても商標侵害にならない商標(屋号)にわざわざ許諾を受けるのは不自然」という被請求人の主張は、法律要件の理解に遺漏があり、妥当ではない。
c 小括
以上、請求人の主張は、「屋号」という文言を一般的な意味合いではなく法律上厳密な意味合いに曲解しようとするものであるが、むしろ法律を厳密に理解しているとはいい難く、理由がない。
ク 請求人は、清算中の会社となった商標権者は商標を使用する権限を失うため、商標権から派生した通常使用権者も商標を使用する権限を失うなどと主張する。
しかしながら、この主張は個人的な見解の表明にすぎないため、被請求人は特に反論しない。
証拠(甲1~甲3、甲9、甲11、甲19~甲21、乙2、乙7、乙9ほか)によれば、下記(1)~(3)の事実が認められる。
(1)「人形町系大勝軒」の来歴
ア 人形町大勝軒は、前記第1の1(2)のとおり、大正2年に東京都中央区人形町において「大勝軒」の屋号で開店した中華料理店(いわゆる町中華)であるが、その後、被請求人や浅草橋大勝軒など、人形町大勝軒からのれん分けを受けて「大勝軒」を名乗る店舗が次々に誕生したことにより、いわゆる「人形町系大勝軒」の総本店となった。しかし、人形町大勝軒は、昭和61年に中華料理店を閉店し、その後、喫茶店に業態を変更したが、その喫茶店営業も令和2年2月末に終了した。
イ 横山町大勝軒は、人形町大勝軒からのれん分けを受けて大正13年頃に開店した中華料理店であり、被請求人が運営していたが、令和元年11月20日に株主総会の決議により被請求人が解散し、その頃、中華料理店も閉店に至った。ただし、いまだに清算結了登記はされていない。
ウ 浅草橋大勝軒は、被請求人と同様、人形町大勝軒からのれん分けを受けて昭和21年に開店した中華料理店であり、現在も「大勝軒」の屋号で中華料理店の営業を続けている。
エ 被請求人や浅草橋大勝軒と同様に人形町大勝軒(総本店)からのれん分けを受けて「大勝軒」の屋号を使用する中華料理店は、本件商標の登録出願時において十数店舗があった。少なくとも昭和の頃までは、これらの経営者が集まって寄合いを持ったり旅行会に行くようなこともあり、グループ店舗として一定のつながりを保っていた。
オ 他方、上記「人形町系大勝軒」とは全く別の来歴に基づいて「大勝軒」の屋号を使用する中華料理店、ラーメン店は、東京都内だけでも相当数あり、その代表的なものに、請求人の運営する「東池袋大勝軒」及びその系列店舗(後記(3)参照)、「永福町大勝軒」(昭和30年創業)などがある。
(2)本件商標登録出願前後の経緯
ア 平成4年頃、当時の被請求人代表者であったD(現代表者・Cの実母。以下、この項(2)において単に「被請求人代表者」という。)は、商標法の改正により、役務に関して使用される商標(いわゆるサービスマーク)の登録が可能になったという話を知り、総本店である人形町大勝軒において「大勝軒」の商標登録の上、人形町系大勝軒全体のために商標管理をしてもらいたいと考えた。そこで、Cは、平成4年6月頃、被請求人代表者(実母)の使いとして人形町大勝軒を訪れ、代表者のBと面談し、同人に上記の趣旨の依頼をした。しかし、当時、人形町大勝軒は既に中華料理店から喫茶店に業態変更していたため、Bは、商標権を取得することについて難色を示し、被請求人において商標登録出願をしたらよいのではないかと話した。そのようなやり取りを経て、被請求人代表者は、人形町大勝軒に代わって、被請求人が「大勝軒」の商標登録を出願することとしたが、被請求人による商標登録後も、人形町大勝軒からのれん分けされた他の系列店が「大勝軒」の屋号の使用を継続することは、当然の前提と考えていた。
イ 被請求人が本件商標について設定登録を受けた後の平成8年1月頃、Cは浅草橋大勝軒の代表者・Aに電話し、被請求人が「大勝軒」の商標権を取得したこと、しかし、浅草橋大勝軒が今後も「大勝軒」の屋号を使用することに差支えないことを口頭で伝えた。この話をするに当たって、 Cは、商標法上の通常使用権の設定契約を締結する必要性についても、そもそも通常使用権の意味についても、あまり理解しておらず、したがって、通常使用権設定に関する契約書面を作成しなかったことはもとより、「通常使用権」という用語も口にせず、有償・無償の別を含め、使用料の取決めが話題に上ることもなかった。Aは、上記のとおり口頭で聞いた限度で理解、了承したが、その法的な意味等について特段意識することはなかった。
なお、Cは、浅草橋大勝軒以外の系列店舗のうち、特に近しい関係にあった店舗(本町店、現在は廃業)に対しては、浅草橋大勝軒に対するのと同様の話をしたが、それ以外の系列店舗とは疎遠であり、被請求人代表者又はCにおいて、他の系列店舗に対し上記のような話をすることはなかった。
(3)請求人(東池袋大勝軒)の営業(甲17)
ア 請求人の創業者である E(以下「E」という。)は、昭和36年に東池袋において「大勝軒」の屋号のラーメン店(東池袋大勝軒)を開業し、平成19年5月15日に請求人を経営主体として法人化した。東池袋大勝軒は、「もりそば(つけ麺)」を看板メニューとして展開して有名となり、Eは、つけ麺の元祖、ラーメンの神様などと呼ばれるようになり、書籍、テレビ、劇場映画でも紹介されるようになった。上記店舗は、Eの健康問題と周辺の再開発のため一旦閉店したが、その後、現在の請求人代表者に代替わりして、創業店からほど近い立地で営業を再開し、「つけ麺」(特製もりそば)を中心とする営業を行っている。また、東池袋大勝軒からのれん分けを受けた系列店(「大勝軒のれん会」加盟店)も、東京都内とその近県を中心に多数ある。
イ 請求人は、「大勝軒」に関する商標について、他人が未取得の商品・役務について登録出願する一方で、平成29年頃以降、他人が取得済みの商品・役務について不使用取消審判請求を行うなどしている。
他方、請求人は、令和5年、「大勝軒」の文字を標準文字で表してなる商標について、指定役務を第43類「飲食物の提供、中華料理その他の東洋料理を主とする飲食物の提供」とする商標登録出願したが(商願2023-019806号)、同年9月12日付け拒絶理由通知を受けた。その理由は、同出願に係る商標は商標法第3条第1項第6号及び第4条第1項第11号(引用商標は被請求人が商標権を有する本件商標である。)に該当するというものである(甲18)。
(1)被請求人は、平成8年1月頃被請求人と浅草橋大勝軒が本件商標の通常使用権設定の合意をし、浅草橋大勝軒が本件要証期間中本件商標を使用していたと主張し、浅草橋大勝軒の代表者であるAは、これに沿う陳述書(甲9の2、甲9の9、乙2、乙9)を提出している。
(2)しかし、甲19(知的財産高等裁判所が作成した証人Aの証人調書)及び甲21(同裁判所が作成した被請求人代表者の本人調書)によれば、上記の主張を認めるに十分なものとは到底いえないものであった。
そして、平成8年1月頃、CとAとの間で、前記1(2)イのようなやり取りがあったことは認められるものの、このとき、Cは、商標法上の通常使用権の設定契約を締結する必要性についても、通常使用権の意味についても、あまり理解しておらず、したがって、「通常使用権」という用語も口にせず、有償・無償の別を含め、使用料の取決めについても一切話題に上らなかったのであり、Aにおいても、口頭で聞いた限度で理解、了承したが、その法的な意味等について特段意識することはなかったのである。
被請求人は、被請求人と浅草橋大勝軒との間の通常使用権設定の合意があったとする根拠として、被請求人がグループ店舗の本店(人形町大勝軒)に代わり本件商標の商標管理をする立場にあった旨主張しているが、「人形町系大勝軒」といわれるグループ店舗は十数店もある中で、被請求人(当時の代表者の使者であるC)が本件商標登録取得後、その旨の報告と「大勝軒」の屋号の継続使用に関する話をしたのは、特に近しい関係にあった浅草橋大勝軒と本町店の2店だけだったのであり、被請求人が「グループ店舗の本店(人形町大勝軒)に代わり本件商標の商標管理をする立場」にあったとは考え難い。
したがって、CとAの上記の口頭のやり取りをもって、本件商標の通常使用権の設定合意が成立したと考えることはできない。
(3)以上のとおり、浅草橋大勝軒が本件商標の通常使用権の設定を受けたと認めることはできない。そうすると、本件において、商標法第50条第2項に定める登録商標の使用の証明がないことになる。
以上のとおり、被請求人は、要証期間内に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、本件審判の請求に係る指定役務のいずれかについて,本件商標の使用をしていた事実を証明したものとは認められない。
また、被請求人は、本件審判の請求に係る指定役務について、本件商標の使用をしていないことについて正当な理由があることも明らかにしていない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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