結論テキスト
本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 2023300565 |
|---|---|
| 審判種別 | 記載はありません。 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理 由
本件登録第6278380号商標(以下「本件商標」という。)は、「ROG」の欧文字を標準文字で表してなり、令和元年9月25日に登録出願、第25類「子供服,Tシャツ,スウェットシャツ,パーカー,ジャケット(被服),コート,セーター類,ズボン,半ズボン,スカート,婦人服,下着,靴下,手袋,よだれかけ(紙製のものを除く。),帽子,その他の被服,ズボンつり,バンド,ベルト」を指定商品として、同2年8月7日に設定登録されたものである。
なお、本件審判の請求の登録日は、令和5年8月29日であり、本件審判の請求の登録前3年以内の令和2年(2020年)8月29日から令和5年(2023年)8月28日までを以下「要証期間」という。
請求人は、本件商標の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、審判請求書及び令和5年10月24日付け審判事件答弁書(以下「答弁書」という。)に対する同6年1月5日付け審判事件弁駁書(以下「弁駁書」という。)において、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証を提出した。
なお、以下、証拠の記載にあたっては、「甲(乙)第○号証」を「甲(乙)○」のように省略して記載し、また、枝番号を全て表記する場合は、枝番号を省略して記載する。
本件商標は、その指定商品について、継続して3年以上日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても使用をした事実が存しないから、その登録は、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきである。
(1)商標権者は「ベビーアパレルハヤシ」という屋号名で商品「子供服」等の製造販売を行っているとの主張について
被請求人は、商標権者が「ベビーアパレルハヤシ」という屋号名で、子供服等の製造販売を行っていると主張をしており、かかる事実を示す証拠を提出しているが、乙第1号証には、氏名の記載と「ベビーアパレルハヤシ」という名称の記載はあるものの、住所の記載がないことから、同号証に記載の人物が、商標権者の住所の人物と同一人であることの確認ができない。
また、乙第1号証には、昭和60年8月19日に当時の通商産業大臣の承認があったと記載されているものの、当該承認が現在も有効であることの確認ができず、さらに、「繊維製品」としか記載がなく、これが子供服等であることの確認ができないから、同号証をもって、商標権者が「ベビーアパレルハヤシ」という屋号名で、要証期間に、子供服等の製造販売を行っていることの立証がなされているとはいえない。
(2)「ベビーアパレルハヤシ」は自社ウェブサイトにおいて本件商標を使用しているとの主張について
被請求人は、乙第2号証を根拠に、自身が経営する「ベビーアパレルハヤシ」のウェブサイトにおいて、本件商標を使用していることを主張している。
しかしながら、乙第1号証によって、商標権者と「ベビーアパレルハヤシ」との関係性の立証がなされているとはいえず、「ベビーアパレルハヤシ」のウェブサイトの会社情報ページ(乙2の2)に商標権者の氏名の記載もないことから、これによっても、商標権者と「ベビーアパレルハヤシ」との関係性は立証されていない。
また、被請求人は、乙第2号証の3を根拠として、「ベビーアパレルハヤシ」のウェブサイトにおいて本件商標を使用している旨を主張しているが、当該ウェブサイトのコピーライト表示が「2009」となっていることから、乙第2号証の3に掲載されている商品が、要証期間に購入可能な状態であったことの確認ができず、要証期間にこれらの商品が販売されている事実を証明する証拠にはなり得ないものである。
(3)「ベビーアパレルハヤシ」はネームタグや子供服等のデザイン中において、本件商標を使用しているとの主張について
被請求人は、「ROG」の文字が記載されたネームタグの画像(乙3の1)を提出し、本件商標を使用していることを主張しているが、単にネームタグの画像だけでは、商標権者が当該ネームタグを子供服等について使用していることの確認ができず、当該ネームタグの使用時期も不明で、かつ、当該画像の撮影時期も不明あることから、かかる証拠に基づき、商標権者による本件商標の使用の事実を認定することはできない。
乙第4号証に関しても、商標権者と「ベビーアパレルハヤシ」との関係性が立証されていないことに加え、乙第4号証の画像の撮影時期も不明であることから、かかる証拠に基づき、商標権者による本件商標の使用の事実を認定することはできない。
乙第5号証についても、撮影された商品が、商標権者が製造・販売する商品であることの確認ができず、画像の撮影時期も不明であることから、かかる証拠に基づき、商標権者による本件商標の使用の事実を認定することはできない。
(4)「ベビーアパレルハヤシ」は本件商標を使用したカタログを小売業者・卸問屋に頒布していること及び当該カタログに掲載された商品について小売業者・卸問屋との間で取引があったとの主張について
ア 被請求人は、乙第6号証を根拠に、商標権者が経営する「ベビーアパレルハヤシ」のカタログにおいて、本件商標を使用し、当該カタログを小売業者・卸問屋に頒布したことを主張している。
しかしながら、商標権者と「ベビーアパレルハヤシ」との関係性が立証されていないことに加え、これらのカタログには「2022」又は「2023」との記載があるものの、実際に要証期間にこれらのカタログが印刷され、小売業者・卸問屋に頒布されたかどうかは不明であり、当該カタログが要証期間に作成・配布されていたことを示す客観的な証拠が提出されていない。
イ 被請求人は、乙第7号証を根拠に、「ベビーアパレルハヤシ」と「アドバンス ソトバヤシ ティアラ店」との間で、カタログ(乙6)に掲載された商品について取引があったことを主張しているが、商標権者と「ベビーアパレルハヤシ」との関係性が立証されていないことに加え、当該証拠のいずれにも本件商標「ROG」の文字の記載がないため、本件商標との関係性が不明である。
ウ 被請求人は、乙第8号証を根拠に、「ベビーアパレルハヤシ」と「クリッププラス」との間で、カタログ(乙6)に掲載された商品について取引があったことを主張しているが、商標権者と「ベビーアパレルハヤシ」との関係性が立証されていないことに加え、当該証拠のいずれにも本件商標「ROG」の文字の記載がないため、本件商標との関係性が不明である。
エ 被請求人は、乙第9号証を根拠に、「ベビーアパレルハヤシ」と「株式会社キッズマツヤTreehouse」(以下「キッズマツヤ社」という。)との間で、カタログ(乙6)に掲載された商品について取引があったことを主張しているが、商標権者と「ベビーアパレルハヤシ」との関係性が立証されていないことに加え、乙第9号証の2には本件商標「ROG」の文字の記載がないため、本件商標との関係性が不明である。
オ 被請求人は、乙第10号証を根拠に、「ベビーアパレルハヤシ」と「株式会社ゴッドバンク」(以下「ゴッドバンク社」という。)との間で、カタログ(乙6)に掲載された商品について取引があったことを主張しているが、商標権者と「ベビーアパレルハヤシ」との関係性が立証されていないことに加え、当該証拠のいずれにも本件商標「ROG」の文字の記載がないため、本件商標との関係性が不明である。
カ 被請求人は、乙第11号証を根拠に、「ベビーアパレルハヤシ」と「warawaトキハ別府店」(以下「warawaトキハ社」という。)との間で、カタログ(乙6)に掲載された商品について取引があったことを主張しているが、被請求人と「ベビーアパレルハヤシ」との関係性が立証されていないことに加え、当該証拠のいずれにも本件商標「ROG」の文字の記載がないため、本件商標との関係性が不明である。
キ 被請求人は、乙第12号証を根拠に、「ベビーアパレルハヤシ」と「CHILD CHARM」との間で、カタログ(乙6)に掲載された商品について取引があったことを主張しているが、被請求人と「ベビーアパレルハヤシ」との関係性が立証されていないことに加え、乙第12号証の1のウェブサイトのコピーライト表示が「2010」となっていることから、当該証拠に掲載されている商品が、要証期間にもいまだ購入可能な状態であったことの確認ができず、要証期間にこれらの商品が販売されている事実を証明する証拠にはなり得ないものであり、さらに、乙第12号証の1に掲載されている商品が「ベビーアパレルハヤシ」の商品であることの客観的な証拠が提出されていない。
また、乙第12号証の2には会社名の記載が全くないことから、「ベビーアパレルハヤシ」と「CHILD CHARM」との間の取引書類であることの確認ができない。
さらに、乙第12号証の3には本件商標「ROG」の文字の記載がないため、本件商標との関係性が不明である。
(5)商標権者が常務取締役を務める「光信産業株式会社」(以下「光信産業社」という。)が本件商標を使用したカタログに掲載された商品について「株式会社萬栄」(以下「萬栄社」という。)との間で取引を行ったとの主張について
被請求人は、乙第14号証の光信産業社の履歴事項全部証明書を根拠に、商標権者が光信産業社の常務取締役であることを主張しているが、上記履歴事項全部証明書の「役員に関する事項」欄に氏名の記載があるものの、住所の記載がないことから、乙第14号証に記載の人物が、商標権者の住所の人物と同一人であることの確認ができない。
また、被請求人は、乙第13号証を根拠に、光信産業社と萬栄社との間で、カタログ(乙6)に掲載された商品について取引があったことを主張しているが、商標権者と光信産業社との関係性が立証されていないことに加え、乙第13号証の2、乙第13号証の3及び乙第13号証の5には本件商標「ROG」の文字の記載がないため、本件商標との関係性が不明である。
(6)広告・宣伝活動として「ベビーアパレルハヤシ」は本件商標を使用したカタログを小売業者・卸問屋に頒布したほか地域のイベントに参加し本件商標を使用した商品を展示したとの主張について
被請求人は、乙第15号証を根拠に、「ベビーアパレルハヤシ」のカタログにおいて、本件商標を使用し、当該カタログを小売店に頒布したことを主張しているが、商標権者と「ベビーアパレルハヤシ」との関係性が立証されていないことに加え、これらのカタログには「2021」との記載があるものの、実際に要証期間にこれらのカタログが印刷され、小売店に頒布されたかどうかは不明であり、当該カタログが要証期間に作成・配布されていたことを示す客観的な証拠が提出されていない。
また、被請求人は、乙第16号証を根拠に、「ベビーアパレルハヤシ」が地域のイベントに参加し本件商標を使用した商品を展示したことを主張しているが、商標権者と「ベビーアパレルハヤシ」との関係性が立証されていないことに加え、乙第16号証の1及び乙第16号証の2には本件商標「ROG」の文字の記載がないため、本件商標との関係性が不明であり、乙第16号証の3には「ROG」の文字の記載はあるものの、商標権者との関係性が不明である。
(7)まとめ
以上のとおり、被請求人が提出した証拠によっては、本件商標が、要証期間に、日本国内で「子供服、Tシャツ、スウェットシャツ、パーカー、ジャケット(被服)、コート、セーター類、ズボン、半ズボン、帽子」に使用されていたことの立証はなされていない。
よって、本件商標の登録は商標法第50条第1項の規定に基づき、取り消されるべきものである。
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、答弁書、令和5年12月15日付け回答書(以下「回答書1」という。)及び同6年7月4日付け回答書(以下「回答書2」という。)において、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第23号証(枝番号を含む。)を提出した。
(1)商標権者は、要証期間に日本国内において、本件商標を指定商品「子供服,Tシャツ,スウェットシャツ,パーカー,ジャケット(被服),コート,セーター類,ズボン,半ズボン、帽子」について使用している。
(2)商標権者について
商標権者「林恵市」は、屋号名「ベビーアパレルハヤシ」で、繊維製品の企画・製造・検品(証明)・販売(譲渡)の業務を営んでいる。商標権者は、昭和60年8月19日に、屋号「ベビーアパレルハヤシ」をもって、繊維製品の品質表示を業務とすることについて、通商産業省から承認され、1985年から現在にいたるまでの40年近くにわたって、子供服等の被服の企画、製造、検品、販売を営んできた(乙1)。
乙第2号証は、ベビーアパレルハヤシのウェブサイトのプリントアウトであり、当該ウェブサイトのトップページ(乙2の1)の上欄の「COMPANY」のタブをクリックしたときに表示される画面(乙2の2)には、「ベビーアパレルハヤシ」が、1985年に創業し、ベビー子供服の製造卸を業務とすることが記載されている。
また、当該ウェブサイトのトップページ(乙2の1)には、商標権者(ベビーアパレルハヤシ)が所有するブランドのタブが表示されている。商標権者は、本件商標「ROG」のほか、「GARACH」(登録第5239450号商標)、「Bateau Bleue」(登録第581279号商標)といったブランドを所有しており、かかるタブをクリックすると、該当するブランドの服の季節に応じたコレクションを閲覧できるようになっている。
「ROG」のタブに掲載されている商品(モデル着用)一覧のプリントアウトを提出する(乙2の3)。
乙第2号証から、商標権者(ベビーアパレルハヤシ)が、幅広い年齢層(乳幼児から小学校高学年)の男児、女児の被服について、上記ブランドを所有し、ベビー子供服等の被服の製造卸販売を行っていることが理解できる。
(3)登録商標「ROG」の使用態様について
ア ネームタグ「ROG」を用いる使用
乙第3号証の1は、標章「ROG」を付したネームタグであり、通常、指定商品の被服の首の裏側に縫い付けて使用される。乙第3号証の2は、該当商品の使用素材、洗濯時の注意点、製造販売業者名を示す品質表示タグであり、商標権者の屋号「ベビーアパレルハヤシ」及び居所が表示され、通常、服の裏地の脇部分に縫い付けられる。
ネームタグ「ROG」が首の裏側に縫い付けられ、併せて品質表示タグ「ベビーアパレルハヤシ」が服の裏地の脇部分に縫い付けられた商品の一例(Tシャツ)を提出する(乙4)。
ズボン、半ズボンの場合には、「ROG」のネームタグが被服表面(ポケットの表面)に取り付けられることもあり、乙第5号証の1に示されている半ズボンでは、本件商標「ROG」を刺繍したワッペンがポケット表面に縫い付けられ、裏面には、本件商標「ROG」のネームタグ(乙3の1)とベビーアパレルハヤシの品質表示タグ(乙3の2)が、重ねて縫い付けられている(乙5の2、乙5の3)。
なお、乙第5号証の半ズボンは、乙第6号証の4に掲載されているデニムハーフパンツ(品番2382305)を撮影した写真である。
イ 標章「ROG」のデザイン的使用
ズボン以外の被服(Tシャツ、ジャケット、セーター等の上着)の表面にも、標章「ROG」を表示して使用することがある。
例えば、Tシャツ(乙4)や幾つかの商品例(乙6)では、「ROG」が被服表面に表示されている。
表面に表示する場合、標準文字「ROG」(横書き)の使用(乙4)のほか、縦書き、斜め書き、「ROG」の特殊なフォントや装飾文字の使用、「R.O.G」と表示するなどの態様があり、これらは、社会通念上同一の商標である「ROG」のデザイン的使用でもある。なお、かかるデザイン的使用がされている場合でも、通常、登録商標「ROG」のネームタグ(乙3の1)及び「ベビーアパレルハヤシ」の品質表示タグが、被服の裏面に取り付けられる(乙5)。
(4)本件商標の使用時期について
ア 商取引の態様
乙第6号証ないし乙第13号証は、本件商標「ROG」を付した商品(Tシャツ、ズボン、半ズボン、ジャケット等の被服)が、小売業者との間で取引されていたことを示すための証拠である。
ベビーアパレルハヤシは、取引先である小売業者、卸問屋に対して、商品注文用カタログを頒布している(乙6)。
乙第6号証の1は、ブランド「ROG」の2022年夏用の新作、乙第6号証の2は2022年秋・冬用の新作、乙第6号証の3は2023年の春用の新作、乙第6号証の4は2023年夏用の新作の商品カタログである。
これらのカタログには、「ROG」ブランドシリーズの被服(Tシャツ、ズボン、半ズボン、ジャケットなど)について、各種デザインの代表例の写真が商品の品番とともに掲載されている。
カタログからわかるように、ブランド「ROG」で、種々のデザイン、カラーバリエーションが展開されている。
購入を希望する取引先は、ベビーアパレルハヤシに対して、カタログに記載された被服を商品番号、カラーを特定した発注書をもって発注し、注文を受けたベビーアパレルハヤシは、納品書とともに該当商品を納品する。
なお、小売店からの発注は、商品番号を記載した発注書が、ベビーアパレルハヤシにファックスにて送信される、あるいはカタログに記載されているベビーアパレルハヤシのEメールアドレスに添付して送信される、あるいは、メール本文に品番が直接記載されて送信されてくる場合もある。
以上のようにして行われる商取引が、要証期間に、複数の小売業者との間で行われていた(乙7~乙13)。
イ 乙第7号証:アドバンス ソトバヤシ ティアラ店との商取引
ベビーアパレルハヤシは、令和5年6月17日に、アドバンス ソトバヤシ ティアラ店からの注文書を受けた(乙7の1)。乙第7号証の1は、令和5年6月17日に受信したファックスの写しであり、当該注文書に記載された、品番2381303、2281308、2281311、2282302は、頒布された2022年SUMMER(乙6の1)、2023年SUMMER(乙6の4)で取り扱っている「ROG」のビッグTシャツ及びクライミングパンツ(指定商品の半ズボンに該当)である。
ベビーアパレルハヤシは、かかる注文に基づき、2023年6月20日に、該当する商品ビッグTシャツ(2381303のIv(アイボリー)とBk(ブラック)、2281308Bk(ブラック))を、アドバンス ソトバヤシ ティアラ店に納品した(乙7の2)。
かかる商取引に基づき、ベビーアパレルハヤシは、2023年6月30日に、アドバンス ソトバヤシに対して、請求書を発行している(乙7の3)。
かかる商取引が行われたことは、「ベビーアパレルハヤシ 商標権者名」の銀行口座の入金(振込)が、2023年7月28日に行われたことから確認できる(乙7の4)。
ウ 乙第8号証:クリッププラスとの商取引
乙第8号証は、ベビーアパレルハヤシとクリッププラスとの間で、本件商標「ROG」を使用した商品Tシャツ、パンツ、ハーフパンツ(それぞれ指定商品のズボン、半ズボンに該当)の商取引が、要証期間に、行われたことを示す証拠である。
小売業者CLIP+(クリッププラス)は、ベビーアパレルハヤシから頒布された商品カタログ(2023年SUMMER:乙6の4)に掲載されているブランド「ROG」のビッグTシャツ(品番2381309、2381317、2381303)、Tシャツ(品番2381319、2381314)、パンツ(品番2382302)、ハーフパンツ(品番2382102)を、令和5年7月3日に発注し(乙8の1)、ベビーアパレルハヤシは同日に、注文品を納品した(乙8の2)。
エ 乙第9号証:キッズマツヤ社との商取引
乙第9号証は、ベビーアパレルハヤシとキッズマツヤ社との間で、本件商標「ROG」を使用した商品Tシャツが、要証期間に、行われたことを示す証拠である。
キッズマツヤ社は、ベビーアパレルハヤシから頒布された商品カタログ(2023年SUMMER:乙6の4)に掲載されているブランド「ROG」のビッグTシャツ(品番2381308)、Tシャツ(品番2381314)を令和5年7月5日に発注した(乙9の1)。かかる注文に対して、ベビーアパレルハヤシは同日に、注文品を納品した(乙9の2)。
なお、納品書の宛先は「チャイルドまつや」となっているところ、キッズマツヤ社は、「チャイルドまつや」「Treehouse」等の店舗名で子供服、幼児服を販売している会社であり、乙第9号証の1の注文は、店舗「チャイルドまつや」向けの注文であったことから、店舗「チャイルドまつや」に直接納品したためである。
オ 乙第10号証:ゴッドバンク社との商取引
乙第10号証は、ベビーアパレルハヤシとゴッドバンク社との間で、本件商標「ROG」を使用した商品Tシャツが、要証期間に、行われたことを示す証拠である。
ゴッドバンク社は、ベビーアパレルハヤシから頒布された商品カタログ(2022年SUMMER:乙6の1)に掲載されているブランド「ROG」のビッグTシャツ(品番2281304、2281311、2281314)、半ズボン(品番2282101、2282102、2282301)、シャツ(品番2281901)を、2022年6月22日に、発注書にて発注した。かかる注文の発注書(乙10の2)は、2022年6月22日に、ゴッドバンク社の担当者から、ベビーアパレルハヤシへのメールの添付書類として送付された(乙10の1)。
ベビーアパレルハヤシは、かかる注文を受けて、同日(2022年6月22日)に、注文品を納品した(乙10の3)。
カ 乙第11号証:warawaトキハ社との商取引
乙第11号証は、ベビーアパレルハヤシとwarawaトキハ社との間で、本件商標「ROG」を使用した商品(子供服)の取引が、要証期間に、行われたことを示す証拠である。
warawaトキハ社は、ベビーアパレルハヤシから頒布された商品カタログ(2022年SUMMER:乙6の1)に掲載されているブランド「ROG」のTシャツ(品番2281301、2281305、2281310、2281311、2281312、2281318、2281320)、半ズボン(品番2282101、2282301、2282302)を、2022年7月4日に発注した。かかる発注は、2022年7月4日のベビーアパレルハヤシあてメールの本文にて、品番を記載することにより行われた(乙11の1)。
ベビーアパレルハヤシは、かかる注文を受けて、同日に、注文品を納品した(乙11の2)。
キ 乙第12号証:CHILD CHARMとの商取引
乙第12号証は、ベビーアパレルハヤシとCHILD CHARMとの間で、本件商標「ROG」を使用した商品(半ズボン)の商取引が、要証期間に行われたことを示す証拠である。
CHILD CHARMは、インターネットを通じて商品を販売するネット店舗であり、主として、ベビーアパレルハヤシの子供服(ブランド「ROG」、「GARACH」「Bateau Bleue」等)や帽子、ソックスなどの子供・ベビー用被服をインターネットを介して販売している(乙12の1)。
CHILD CHARMのウェブサイトを通じて購入された注文が、ピッキングリストとしてまとめられて、ベビーアパレルハヤシに発注される。2023年6月19日付けでCHILD CHARMにて購入された注文のピッキングリストの写し(乙12の2)に記載されている品番2382302が、商品カタログ2023年SUMMER(乙6の4)に掲載されているブランド「ROG」のクライミングパンツ(半ズボン)である。かかる注文に基づき、ベビーアパレルハヤシは、CHILD CHARMに、対応商品を、同日に納品した。乙第12号証の3は、CHILD CHARMへの納品書であり、そこに品番2382302の半ズボンが記載されている。
(5)光信産業社を通じた商取引
上記(2)で説明したように、ベビーアパレルハヤシは、商標権者個人の屋号であるところ、取引先によっては、個人事業主との直接取引をためらい、会社間取引にこだわる場合がある。
光信産業社は、商標権者が役員(常務取締役)となっている会社であり、同社の履歴事項全部証明書に商標権者が役員として記載されている(乙14)。萬栄社のように、商品資材を会社からのみの購入に限定する取引先に対して、光信産業社は、ベビーアパレルハヤシの商品(被服)の受注、納品を、代理して行っている。換言すると、ベビーアパレルハヤシと萬栄社との商品取引については、光信産業社を介して行っている(乙13)。
萬栄社が光信産業社に発注した発注看板(2022年10月20日付け、看板番号1840792-2)の写し(乙13の1)に示されている注文品の男児用ジャケット及びコート(品番2291908、2291910)は、カタログ(乙6の2)に記載されているジャケット及びコートのことである。
ベビーアパレルハヤシは、光信産業社を介して受けた注文(看板番号1840792-2)の商品を、2022年11月2日に、萬栄社トドラー部門向けの商品として、光信産業社に納品し(乙13の2)、当該商品に対する対価として、2022年11月20日付け発行の請求書にて、光信産業社に対して、萬栄社分の請求をしている(乙13の3の請求書の第3頁に品番2291908、2291910が記載されている。)。
光信産業社を介した萬栄社との商品取引は、2022年11月20日以降、現在まで続いている(乙13の4、乙13の5)。
(6)広告・宣伝
上記(4)及び(5)(乙7~乙13)で説明したように、商標権者(ベビーアパレルハヤシ)は、子供服・ベビー服販売卸業者として、要証期間に、本件商標「ROG」を使用した商品(被服)を、北海道から九州の小売業者を通じて、日本全国で販売している。
既に述べたように、商標権者は個人事業主であり、ベビーアパレルハヤシの事業は、家族経営で行われているため、費用がかさむ全国展開の情報媒体(テレビ放映、雑誌、ネット動画)を通じた派手な宣伝・広告を行っていない。
しかしながら、ベビーアパレルハヤシの「ROG」ブランドの被服の販売拡大、最終消費者への周知のための広告・宣伝活動として、ベビーアパレルハヤシの取扱商品をまとめたカタログ(冊子)を作成し、主たる小売店に頒布している。ベビーアパレルハヤシが所有するブランド(ROG、GARACH、Bateau Bleue、ALAMOND BAR(ロゴ))の被服をモデルが着用した写真カタログ(2021年夏コレクション)(乙15)は、2021年夏コレクションを展示販売した小売店において、一般顧客へのアピールのために、一般顧客に適宜配布された。
また、本件商標「ROG」は、キッズからティーン対象の被服についての複数のブランドを一同に集めたローカルのファッションフェスティバルにも参加出展した。
乙第16号証は、「THE BLAND STYLE FESTIVAL実行委員会」が2022年8月7日に城東区民センターで催したファッションショー(THE BLAND STYLE FESTIVAL 2022AW)に、ブランド「ROG」の子供服をモデルが着用して参加したことを示す証拠である。
主催者であるBLAND STYLE FESTIVAL実行委員会から当該フェスティバルの衣装提供企業に送付されたショースケジュールを連絡する書面のコピー(乙16の1)には、ショーの開催場所が城東区民センターであること、ショーの前日である8月6日にブランド衣装提供者とモデルとのフィッティングが行われること、8月7日が本番であることが記載されている。
乙第16号証の2は、主催者であるBLAND STYLE FESTIVAL実行委員会の広報担当者から、協賛企業に、ショーのオンライン配信の閲覧用URLを連絡するメールのコピーであり、かかるファッションショーの参加者一覧を示すプログラムがインスタグラムに投稿されており(乙16の3)、ショーが実際に開催されたこと、ROGが出展されていたことが理解できる。
(1)ウェブサイト(乙2)の運営者及び商品カタログ(乙6)の発行者である「ベビーアパレルハヤシ」と商標権者との関係
ウェブサイトの運営者及び商品カタログの発行者である「ベビーアパレルハヤシ」は、乙第1号証に示されている「林恵市」の屋号であり、「林恵市」が、屋号「ベビーアパレルハヤシ」にて事業を行っている事業所の居所は、乙第2号証(ベビーアパレルハヤシのウェブサイト)の「COMPANY」のページ(乙2の2)の住所の欄、商品に取り付けるベビーアパレルハヤシの品質表示タグ(乙3の2)に記載されている住所である。
一方、商標権者「林恵市」の住所は、ベビーアパレルハヤシの住所とは一致していないが、これは、個人事業主である商標権者が、自然人として、住民票がある住所により特定されるので、当該自然人として、商標出願を行い、商標権者となったためである。
「大阪府堺市北区(略)」に居住している人物が、「大阪府大阪市阿倍野区(略)」を居所として、屋号「ベビーアパレルハヤシ」で業務を行っていることは、同人物の確定申告書の控え(乙17)から明らかである。
乙第17号証には、自宅の住所と事業所の居所が記載されている。
さらに、「堺市北区(略)」を住所とする人物がベビーアパレルハヤシとして事業を行っていることを示す証拠として、乙第18号証を提出する。
乙第18号証は、BABY APPAREL HAYASHIが中国の取引先に海外送金したことを示す海外送金の申込書(乙18の1)と実際に送金指定日(2021年11月22日)に送金が行われたことを示す海外送金計算書の写し(乙18の2)である。
商標権者は個人事業主であることから、銀行口座は、住民票が存在する自宅住所(堺市北区(略))で開設登録されている。一方、取引は、屋号名「BABY APPAREL HAYASHI」で行っていることから、「金融機関への連絡事項」(乙18の1)の欄に記載のように、送金人名は、「BABY APPAREL HAYASHI 商標権者名」で行っている。
以上のことから、商標権者は、ウェブサイト(乙2)の運営者及び商品カタログ(乙6)の発行者である「ベビーアパレルハヤシ」と同一人であることは明らかである。
(2)商品カタログが要証期間に存在した事実
ア 商品注文用カタログ(乙6)について
被請求人は、本件商標「ROG」が指定商品であるTシャツ等の子供服に使用されていたことを示す証拠として、ネームタグ(登録商標「ROG」を付したネームタグ)を使用した衣類商品の写真(乙3の1)と品番を掲載した商品注文用カタログ(乙6)を提出した。
この商品注文用カタログは、「ベビーアパレルハヤシ」が自身のパソコンでアプリケーション「Excel」を用いて作成され、Excelの表に、各品番の商品写真を貼り付けるという手法で作成しており、かかるカタログが、要証期間に作成されたことを示す証拠として、乙第19号証を提出する。
乙第19号証は、ベビーアパレルハヤシの商品注文用カタログ作成に使用したパソコン(サーバ)の商品カタログリストが保存されている場所を、エクスプローラーで開いた画面を、スクリーンショットで撮影し、プリントアウトしたものである。
乙第19号証の1は、2022年SUMMER(乙6の1)、2022年AUTUMN&WINTER(乙6の2)の商品カタログの作成日である最終更新日時を示す画面をスクリーンショットで撮影したものである。
乙第19号証の2は、2023年SPRING、2023年SUMMERの商品注文カタログ(乙6の3、乙6の4)となるExcelデータ及びそのpdfデータが格納されている部分をエクスプローラーで開いた画面のスクリーンショットである。名前「2023SP Rリスト」は2023年春用の商品注文カタログの「ROG」を用いた商品のデータであり、Excelデータの最終更新日時は2022年6月23日、それを変換したpdfデータの最終更新日時も同日(2022年6月23日)となっている。また、名前「2023SM Rリスト」は2023年夏用の商品(ROG)注文カタログデータであり、Excelデータの最終更新日時は2022年8月27日、それを変換したpdfデータの最終更新日時は2022年9月9日となっている。
いずれも、商品カタログが要証期間に作成されたことは明らかであり、このようにして作成されたデータをプリントアウトしたものが、乙第6号証として提出した商品注文用カタログであり、当該注文用カタログが顧客(小売業者)に頒布された。
顧客(小売業者)に向けての新作の展示会は、通常、市場への販売開始の半年~9か月前に行われる。具体的な注文数を集計した後で、販売見込み数を製造するためであるから、乙第6号証の頒布日は、該当商品の季節の半年~9か月前となっている。
以上のように、要証期間に作成された商品注文用カタログが、要証期間に顧客である小売店に頒布され、そのカタログに基づく取引事実が存在したことは、明らかである(乙7~乙11)。
例えば、乙第7号証により、アドバンス ソトバヤシ ティアラ店との間で、2022年SUMMER(乙6の1)及び2023年SUMMER(乙6の4)に掲載されていたビッグTシャツ、クライミングパンツについて、要証期間に商取引が行われた。
その他にも、乙第8号証(クリッププラスとの商取引)、乙第9号証(キッズマツヤ社との商取引)など、要証期間に作成及び頒布された商品注文用カタログ(乙6)に基づき、小売店との間で、要証期間に登録商標「ROG」を付したTシャツ等の衣類に関する商取引が行われた。
イ モデル着用写真カタログ(乙15)について
モデル着用写真のカタログ(乙15)が、要証期間に作成・頒布されたことを示す証拠として、乙第20号証を提出する。
乙第20号証の1は、乙第15号証の製作者(SHINGO)のサーバー共有フォルダに保存されている2021年モデル着用写真カタログ用の写真を保存したフォルダ内をエクスプローラーで開いた画面を撮影したスクリーンショットであり、名前には、製品品番に対応する写真のJPGファイルデータの一覧が列挙されていて、それらの更新日時は、2020年8月27日~8月29日である。
乙第20号証の2は、乙第20号証の1で列挙されていたJPGデータを画像表示(アイコン表示)させた画面をスクリーンショットで撮影したものであり、例えば、第3行目の左から3番目の「218130bk2.jpg」は、乙第15号証の25頁に掲載されている「ROG」のTシャツ(A:No.2181310Bk)を着用した女の子の写真である。
カタログ(乙15)を作成した後、顧客(小売業者)に商品注文用カタログとともに配布し、商取引が行われた。乙第15号証に基づく商取引に関する一連の証拠の提出に代えて、2023年SUMMERの商品注文用カタログ(乙6の4)に対応するモデル着用写真カタログ(乙21の1)、当該カタログ作成用のモデル着用写真を保存したフォルダ内をエクスプローラーで開いた画面(更新日時表示)を撮影したスクリーンショット(乙21の2)、及び当該写真画像を画像表示(アイコン表示)させた画面のスクリーンショット(乙21の3)を提出する。
モデル着用写真カタログ(乙21の1)が、2022年8月24日に作成されたこと(乙21の2の更新日時)は、写真データ(乙21の3)とカタログ(乙21の1)の写真とが一致していることから確認できる。
写真データ(乙21の3)とカタログ写真(乙21の1)との一致については、例えば、乙第2号証1の1の第24頁の右側の女児(No.2381303BkのビッグTシャツ、No.2382303Beのクライミングパンツを着用)の写真は、乙第21号証の3の一段目の左端から9番目の写真(2381303bk2382303be.jpg)と一致;乙第21号証の1の第25頁の左側の男児(No.2381305IvのビッグTシャツ、No.2382102Gnのハーフパンツを着用)の写真は、乙第21号証の3の一段目の右端から3番目の写真(2381305iv23822102gn.jpg)と一致;乙第21号証の1の第26頁の右側の男児(No.2381308IvのビッグTシャツ、No.2382302Bkのクライミングパンツを着用)の写真は、乙第21号証の3の二段目の左端から7番目の写真(2381308iv2382302bk.jpg)などから確認できる。
そして、2023年SUMMERの商品注文用カタログ(乙6の4)には、モデル着用カタログ(乙21の1)に掲載されている商品(子供服)を含む商品群が掲載されている。例えば、品番2381303のビッグTシャツ(乙21の1の第24頁において女児が着用)が、アドバンス ソトバヤシ ティアラ店に販売された取引事実が要証期間に存在したことは、注文表(乙7の1)、納品書(乙7の2)、請求書(乙7の3)にその品番が記載されていることから確認できる。
(3)ウェブサイト(乙2)が要証期間に存在していた事実
ア トップページ(乙2の1)及び固定ページについて
乙第2号証に対応するウェブサイトは、ホームページの固定ページとなる上端のバーと、随時更新される投稿部分とで構成されており、そして、固定ページの上端バーは、各ページ(乙2の1に対応するトップページ、乙第2号証の2に対応する「COMPANY」のページ、乙2の3に対応するブランド04のページ)が、クリックにより開くタブとなっている。
乙第22号証の1は、ブランド「Reboot」を「ROG」にリニューアルした際、固定ページのブランド04を変更したときに作成したトップページを、ホームページ作成者のパソコンに保存されたデータから、画面表示させてスクリーンショットで撮影したものである。投稿で構成されているトピックスには、2021年4月26日に、ブランド「Reboot」の後継として、「ROG」がリニューアルデビューしたことがアナウンスされている。
また、乙第22号証の2は、上端バーの04「R.O.G」のタブを開いたときに表示されるhtmlドキュメント(ホームページ作成者のパソコンに保存されたデータ)を画面表示させてスクリーンショットで撮影したものである。
乙第22号証の1のhtmlドキュメント、乙第22号証の2のhtmlドキュメントの作成日を示す証拠として、作成者のパソコンの該当データ格納場所をエクスプローラーで開いたときの画面のスクリーンショットを、乙第22号証の3、乙第22号証の4として提出する。乙第22号証の3には、乙第22号証の1の格納場所のアドレスが示されている。これは、ウェブサイトにアップされる乙第22号証の1のhtmlドキュメントのアドレスに対応する。乙第22号証の4には乙第22号証の2の格納場所のアドレスが示されている。これは、ウェブサイトにアップされる乙第22号証の2のhtmlドキュメントのアドレスに対応する。
乙第22号証の3及び乙第22号証の4の更新日時に示されているように、いずれも2021年4月26日、又は27日が最終更新日となっており、乙第22号証の1でアナウンスされた日時と一致する。
「ROG(R.O.G)」は、先のブランド「Reboot Of Graffiti」の頭文字をとったもので、ブランドデザイナー及び顧客の間においては、「ROG」と「R.O.G」とは、同一であるとの認識下で、区別なく使用していたが、固定ページの04のタブ表示を、ネームタグ(乙3の1)の表示商標と完全一致させるために、2023年9月8日に「ROG」に修正した。乙第2号証として提出したウェブページは、2023年9月27日にプリントアウトされたものであることから、修正後のものとなっている。
修正を行ったのは、要証期間後の2023年9月8日であるが、乙第22号証に示すように、ブランドデザイナー及び顧客の間において同一との認識で使用している「R.O.G」を掲載したウェブページ(乙22の4)は、要証期間に存在していて、そこには登録商標「ROG」を使用したTシャツ等が掲載されていた。
「ROG」と「R.O.G」とが要証期間において、ブランドデザイナー及び顧客の間において同一との認識で使用されていたことは、乙第6号証の商品注文カタログ、乙第15号証のモデル着用写真カタログ(2020年9月頒布)、乙第8号証の1のCLIP+からの発注書(品番(ROG)と記載されている。)、乙第13号証の1の(株)萬栄からの発注書(品名に「ROG*マウンテ JK」「ROG*モッズコート」と記載されている。)から確認できる。
イ 「ROG」のウェブページ(乙2の3)について
乙第2号証の3(ROGのウェブページ)に掲載されているモデル着用の写真の商品品番で示されている商品は、商品カタログ(乙6の4の商品注文用カタログ及び乙21の1のモデル着用写真)の品番の商品である。
商品一致について、例えば、乙第2号証の3の2023SUMMER COLLECTIONの上段右端の女児が着用しているビッグTシャツ(No.2381305)とクライミングパンツ(No.2382302)は、乙第21号証の3の最上段の右端から4番目の女の子が着用しているビッグTシャツ及びクライミングパンツ(2381305gn2382302or.jpg)であり、ビッグTシャツは乙第6号証の4のNo.1の右端の品番2381305のビッグTシャツと、クライミングパンツは乙第6号証の4のNo.3の右端から2番目の品番2382302のクライミングパンツである。
上記商品注文用カタログ(乙6の4)が要証期間に作成され(乙19の2、乙21の3)、頒布されて、実際に要証期間に取引事実が存在したことは、前記で説明した。
アパレル業界では、シーズン初期に商品が紹介されるという慣行(2023年夏物は、乙2の1のトピックス欄に「2023.07.01 夏物新作アップしました」と記載されている)に鑑みれば、乙6の4に掲載されている夏物新作を表示したウェブページ(乙2の3)が、遅くとも2023年8月26日以前(要証期間)に存在したことは容易に類推できる。
ウ インターネットアーカイブ「Wayback Machine」について
「Wayback Machine」により入手できるデータを被請求人が証拠として使用しなかった理由は、「Wayback Machine」で表示されるウェブページが事実とは異なっていたからであり、具体的には、「Wayback Machine」では、固定ページの「ROG」のタブが、リニューアル前の「Reboot」のままであり、更新されていない(乙23)。
Wayback Machineを利用して得られた表示が、事実を正確には反映していなかったため、被請求人は、ブランド「ROG」の表示があるウェブサイト(乙2)が、要証期間に存在していた事実を示す証拠として、ウェブサイトの作成者のパソコンのhtmlドキュメントの作成日を示すという手法を採用した。
(1)被請求人の提出した乙各号証によれば、以下の事実が確認できる。
ア 乙第2号証は、被請求人が「ベビーアパレルハヤシ」のウェブサイトと主張するものである。
(ア)乙第2号証の1は、「ベビーアパレルハヤシ」のウェブサイトのトップページであり、同号証の上部に、「ベビーアパレルハヤシ」の記載、その下に「ROG」「SHOP LIST」「COMPANY」などのタブの表示、その下に、「2023 SUMMeR」、中段に「トピックス」の見出しの下、「2023.07.01 夏物新作アップしました。」の記載があり、左下に、URLとして「https://bandah.jp/index.html」の記載がある。
なお、2023年7月1日は、要証期間である。
(イ)乙第2号証の2は、乙第2号証の1のウェブサイトのトップページの「COMPANY」のタブをクリックすると表示される画面であり、同号証の上部に、乙第2号証の1と一致する「ROG」「SHOP LIST」「COMPANY」などのタブの表示、「COMPANY」の見出しの下、「会社名」として「ベビーアパレルハヤシ」、同社の住所、電話番号及びFAX番号、「創業」欄に「1985年」、「業務内容」欄に「ベビー子供服製造卸」の各記載があり、左下に、URLとして「https://bandah.jp/company/index.html」の記載がある。
(ウ)乙第2号証の3は、乙第2号証の2の「ROG」のタブをクリックすると表示される画面であり、同号証の1葉目の上部に、乙第2号証の2及び乙第2号証の3と一致する、「ROG」「SHOP LIST」「COMPANY」などのタブの表示があり、当該タブの下部には、別掲のとおりの構成の「ROG」の文字が表示されており、その下に、「2023 SUMMER COLLECTION」の見出しの下、商品名、品番、サイズ及び色の記載とともに、Tシャツを着用した子供の写真が複数掲載され、上段の2つ目に、商品名「ビッグTシャツ」及び品番「No.2381303」の記載とともに、Tシャツを着用した子供の写真が掲載されており、左下に、URLとして「https://bandah.jp/gallery.index/html」の記載がある。
(エ)乙第2号証の各号証は、上部の「ROG」「SHOP LIST」「COMPANY」などのタブの表示、左下のURL中「https://bandah.jp」の部分などが一致している。
(オ)以上よりすれば、乙第2号証のウェブサイトは、いずれもベビーアパレルハヤシのものといえ、1985年に創業されたベビー子供服製造卸の業務を行っている企業であるベビーアパレルハヤシは、要証期間である2023年7月1日に存在していた同人のウェブサイトにおいて、「2023 SUMMER COLLECTION」の見出しの下、商品名「ビッグTシャツ」及び品番「2381303」の商品「Tシャツ」を掲載していたことを認めることができる。
イ 乙第7号証は、被請求人が、アドバンス ソトバヤシティアラ店との商取引を示す資料と主張するものである。
(ア)乙第7号証の1は、アドバンス ソトバヤシティアラ店からファックス送信された注文表であり、同号証の上段には、右上に「advance ソトバヤシ <ティアラ店>」、その下に「5.6.17」の記載、左上に「B&AH ベビーアパレルハヤシ 御中」の記載、その下に「2023 SUMMER 注文表」の記載がある。
そして、当該「2023 SUMMER 注文表」の標題の下、中段には、「品番/品名/上代」などと記載された列の一覧表があり、当該表中に、品番「2381303」、品名「ビッグTシャツ」、金額の各記載があり、下段には、「2023年 6月17日 17時42分 アドバンス ソトバヤシ パル21店」の各記載がある。
なお、2023年6月17日は、要証期間である。
(イ)乙第7号証の2は、ベビーアパレルハヤシからアドバンス ソトバヤシティアラ店への納品書であり、同号証には、「納品書」の標題の下、右側に、売上日付「2023/06/20」の記載、その下に「ベビーアパレルハヤシ」の記載及び同社の住所、電話番号、FAX番号、左側に「アドバンス ソトバヤシ ティアラ店 御中」の各記載があり、品番・品名欄に「2381303 ビッグTシャツ」、金額の各記載がある。
なお、2023年6月20日は、要証期間である。
(ウ)乙第7号証の3は、ベビーアパレルハヤシからアドバンス ソトバヤシへの請求書であり、同号証には、「請求書」の標題の下、右側に「2023年 06月 30日」の記載、その下に「ベビーアパレルハヤシ」の記載及び同社の住所、電話番号、FAX番号、振込先、左側に「アドバンス ソトバヤシ 御中」の各記載があり、品番・品名欄に「2381303 02ビッグTシャツ」、「2381303 04ビッグTシャツ」、金額の各記載がある。
なお、2023年6月30日は、要証期間である。
(エ)乙第7号証の2及び乙第7号証の3に記載されたベビーアパレルハヤシの住所、電話番号及びFAX番号は、乙第2号証の2のウェブサイトに記載されたベビーアパレルハヤシの住所、電話番号及びFAX番号と一致している。
(オ)乙第7号証の4は、アドバンス ソトバヤシからベビーアパレルハヤシ 商標権者名への振込みが表示されているが表示されている照会結果のプリントアウトであり、同号証には、「照会結果」の標題の下、「照会口座」として、「ベビーアパレルハヤシ 商標権者名」の記載、「照会期間」として、「2023.7.28~2023.7.28」、「操作日時」として「2023.7.28 15:02」、「取引日(指定日)」として、「2023.7.28」、「取引区分」として「振込1」、「摘要」として、「アドバンス ソトバヤシ」の各記載があり、乙第7号証の3の請求書の請求金額と一致する。
なお、2023年7月28日は、要証期間である。
(カ)以上の各取引書類よりすれば、ベビーアパレルハヤシのウェブサイト(乙2)に品番「2381303」、商品名「ビッグTシャツ」として掲載されていた商品「Tシャツ」は、顧客であるアドバンス ソトバヤシによって、品番「2381303」の商品名「ビッグTシャツ」として注文され(乙7の1)、当該商品がベビーアパレルハヤシによって納品され(乙7の2)、ベビーアパレルハヤシからの請求された金額に基づき(乙7の3)、アドバンス ソトバヤシによってその代金が入金された(乙7の4)ことが確認でき、要証期間である2023年6月17日ないし同年7月28日に、ベビーアパレルハヤシのウェブサイトに掲載されていた商品「Tシャツ」が、顧客に販売されたことが認められる。
ウ 乙第17号証は、被請求人が、商標権者の確定申告書の控えと主張するものであり、同号証には、令和02年分ないし令和05年分の所得税及び復興特別所得税の確定申告書Bの標題の下、令和3年1月1日ないし令和5年1月1日の住所として、事業所欄に、商標権者と一致する住所及び乙第2号証の2のウェブサイトに記載されているベビーアパレルハヤシの住所と一致する住所が記載されているとともに、「職業」欄に「ベビー子供服企画卸」、「屋号・雅号」欄に「ベビーアパレルハヤシ」、「世帯主の氏名」欄に「林恵市」(商標権者の氏名)、「世帯主との続柄」欄に「本人」の記載がある。
なお、令和3年1月1日ないし令和5年1月1日は、要証期間である。
そうすると、商標権者「林恵市」は、屋号「ベビーアパレルハヤシ」の個人事業主としてベビー子供服企画卸の業務を行っていることが認められるから、要証期間に商標権者とベビーアパレルハヤシは、実質的に同一人であったとみて差し支えない。
上記1の認定事実からすれば、次のとおり判断できる。
(1)本件商標の使用者、使用時期及び使用行為について
ベビーアパレルハヤシは、商標権者が事業主としてベビー子供服製造卸の業務を行っている企業であり、同人の運営する、要証期間の2023年7月1日に存在していたウェブサイトにおいて、品番「2381303」の商品名「ビッグTシャツ」の商品「Tシャツ」(以下「使用商品」という。)に関する広告を内容とする情報に、別掲のとおりの構成の「ROG」の文字からなる商標(以下「使用商標」という。)を表示して掲載したことが認められ、このことは、ベビーアパレルハヤシと顧客との取引書類により、要証期間に当該ベビーアパレルハヤシのウェブサイトに掲載されていた使用商品が実際に販売されたことからも裏付けられる。
そして、上記ウェブサイトの掲載行為は、商標法第2条第3項第8号にいう、「商品に関する広告を内容とする情報に標章を付して電磁的方法により提供する行為」に該当し、当該行為の時期は要証期間である。
また、商標権者とベビーアパレルハヤシは実質的に同一人といえるから、使用商標の使用者は商標権者である。
(2)使用商品について
使用商品は、「ビッグTシャツ」と称するTシャツであるから、本件商標の指定商品中「Tシャツ」に該当する商品である。
(3)本件商標と使用商標との社会通念上の同一性について
本件商標は、上記第1のとおり、「ROG」の文字を標準文字で表してなり、使用商標は、別掲に示すとおり、「ROG」の文字を一般的な書体で横書きしてなるところ、本件商標と使用商標とは、いずれも特徴のない書体で、同一のつづりよりなるものであるから、本件商標と使用商標とは、社会通念上同一の商標というべきである。
(4)小括
上記(1)ないし(3)によれば、商標権者は、要証期間に日本国内において、本件商標の指定商品中「Tシャツ」に関する商品の広告を内容とする情報に、本件商標と社会通念上同一と認められる使用商標を付して電磁的方法により提供する、商標法第2条第3項第8号に該当する行為を行ったことが認められる。
以上のとおり、被請求人は、要証期間に、日本国内において、商標権者が、本件商標の指定商品中「Tシャツ」について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を使用していたことを証明したというべきである。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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