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Trademark Appeal Case

要部抽出と商標の類否

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号2024004185
審判種別記載はありません。
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

結 論
本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

理 由

1 手続の経緯

本願は、令和5年1月23日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。

令和5年 6月19日付け:拒絶理由通知書

令和5年 7月26日 :意見書の提出

令和5年12月19日付け:拒絶査定

令和6年 3月 8日 :審判請求書の提出

2 本願商標

本願商標は、「新世界ジーンズ」の文字を標準文字で表してなり、第25類「ジーンズ製被服」を指定商品として登録出願されたものである。

3 現査定の拒絶の理由の要点

原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第3097634号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成4年12月15日に登録出願、第25類「被服,履物」を指定商品として、同7年11月30日に設定登録され、その商標権は、現に有効に存続しているものである。

4 当審の判断

(1)商標法第4条第1項第11号の該当性について

ア 本願商標について

本願商標は、「新世界ジーンズ」の文字を標準文字で表してなるものである。

そして、その構成中の「ジーンズ」の文字は、「(1)細綾織のじょうぶな綿布。」「(1)で作ったズボンや服。特にズボン(ジーパン)をさすこともある。」の意味を有する語(「コトバンク 精選版 日本国語大辞典」株式会社小学館)であって我が国において広く親しまれたものであり、「新世界」の文字は、「新しい世界」ほどの意味合いを容易に想起させるものである。

また、「新世界」と「ジーンズ」の両語が結びついて一連として、何らか特定の意味合いを生じるものではない。

さらに、その構成中「ジーンズ」の文字は、本願指定商品「ジーンズ製被服」との関係においては、商品の品質等を表示するものとして一般に用いられているものであるから、当該「ジーンズ」の文字部分は、自他商品を識別する機能を果たし得ないか、又は極めて弱いということができる。

一方、「新世界」の文字は、その構成文字に照応して、「新しい世界」ほどの意味合いを想起させるところ、本願指定商品の属する被服の分野との関係において、例えば、商品の品質の産地、品質等との関連を直ちに想定できるものではない。

そうすると、本願商標は、その構成中の前半に位置する「新世界」の文字部分を要部として抽出し、他人の商標と比較することが許されるものというべきである。

してみれば、本願商標は、その要部である「新世界」の文字部分より、「シンセカイ」の称呼を生じ、「新しい世界」ほどの観念を生じるものといえる。

イ 引用商標について

引用商標は、別掲のとおり、やや図案化されているものの、普通に用いられる域を脱しない書体で表された「新世界」の文字を書してなるものであるから、その構成文字に相応して「シンセカイ」の称呼を生じ、「新しい世界」ほどの観念を生じるものといえる。

ウ 本願商標と引用商標との類否について

本願商標と引用商標は、それぞれ上記ア及びイのとおりの構成よりなるところ、両商標は、その全体の外観構成において相違するものの、本願商標の要部である「新世界」と、引用商標の「新世界」の文字部分とを比較すると、両者はいずれも「新世界」の文字を共通にするから、外観上、近似した印象を与える。

次に、称呼においては、本願商標の要部である「新世界」の文字から「シンセカイ」の称呼を生じ、引用商標の「新世界」の文字から「シンセカイ」の称呼を生じることから、両者は、「シンセカイ」の称呼を共通にするものである。

そして、観念においては、本願商標の要部と引用商標はいずれも「新しい世界」ほどの観念を生じるから、両者は、観念においても共通する。

以上からすると、本願商標と引用商標は、その要部について、外観において近似した印象を与え、「シンセカイ」の称呼及び「新しい世界」ほどの観念を共通にするものであるから、外観、観念、称呼等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両者は、相紛れるおそれのある類似の商標というのが相当である。

エ 本願商標の指定商品と引用商標の指定商品の類否について

本願の指定商品である第25類「ジーンズ製被服」は、引用商標の指定商品中の第25類「被服」とは、類似の商品である。

オ 小括

以上によれば、本願商標は、引用商標と類似する商標であって、かつ、その指定商品は引用商標の指定商品と同一又は類似する商品であるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。

(2)請求人の主張について

請求人は、「新世界」の文字を含む過去の登録例を挙げて、「本願商標「新世界ジーンズ」には、ジーンズ(デニム)の歴史を踏まえると、19世紀半ばにゴールドラッシュで沸く南北アメリカという「新世界」で誕生したワークウェアである「ジーンズ」を意味していることになる。そして、標準文字で一連一体に記載されたその態様からしても、全体として1つの商標ととらえるべきであり、「新世界」の部分だけを抽出するのではなく、「シンセカイジーンズ」の一連の称呼のみが生じると考えるべき。」旨主張する。

しかしながら、取引の実際においては、商標の各構成部分がそれを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものと認められない商標は、必ずしも常に構成全体によって称呼、観念されるとは限らず、その構成部分の一部だけによって称呼、観念されることがあることに鑑みると、「ジーンズ」の文字部分は、本願指定商品「ジーンズ製被服」との関係において商品の品質等として理解されるものであるから、自他商品を識別する機能を果たし得ないか、又は極めて弱いといえ、その構成中の「新世界」の文字部分を要部として抽出し、引用商標と比較して商標の類否を判断することも許されるというべきものであることは、上記(1)のとおりである。

また、請求人が挙げる登録例では、指定商品及び指定役務、商標の構成、各語の意味合いと各語の関連性等が異なり事案を異にするものであるから当該登録例によって、直ちに本願商標に係る判断が左右されるものではない。特に、「飲食物の提供」の役務の分野において、商標の構成態様から、「新世界」が「大阪府大阪市浪速区恵美須東に位置する繁華街」ほどを表すものと理解され、役務の提供の場所等を示すものとして、自他役務の識別機能を果たさないか弱いことがあるとしても、本願商標及び引用商標の構成態様及び指定商品において、同様に判断することはできない。一方、本願商標において「新世界」の文字部分を要部として抽出し、引用商標と比較して商標の類否を判断することも許されるというべきものであり、商標法第4条第1項第11号に該当する商標であることは、上記(1)のとおりである。

したがって、請求人の上記主張は、採用することができない。

(3)まとめ

以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。

よって、結論のとおり審決する。

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