結論テキスト
本件審判の請求は、成り立たない。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 2024010412 |
|---|---|
| 審判種別 | 記載はありません。 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理 由
本願は、令和5年4月25日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和5年10月18日付け:拒絶理由通知書
令和5年11月17日 :意見書、手続補正書の提出
令和6年 3月 7日付け:拒絶査定
令和6年 6月 3日 :審判請求書の提出
令和7年 4月28日付け:審尋
令和7年 6月 4日 :回答書の提出
令和7年 7月30日付け:証拠調べ通知書
本願商標は、別掲1の構成よりなり、第9類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として登録出願されたものである。
その後、指定商品については、前記1の手続補正書により、第9類「手術映像情報システムをタッチパネルで操作するためのコンピュータソフトウェア」(以下、「本願指定商品」という。)に補正されたものである。
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第6732660号商標(以下「引用商標」という。)は、「JETTA」の文字を標準文字で表してなり、令和5年2月23日に登録出願、第9類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同年9月4日に設定登録され、その商標権は、現に有効に存続しているものである。
本願商標は、引用商標と同一又は類似の商標であって、引用商標の指定商品と同一又は類似の商品について使用をするものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
当審において、前記1の審尋により、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当する旨の暫定的見解を示し、相当の期間を指定して、請求人に対し、意見を求めた。
本願指定商品は、医療用機械器具用という極めて限定的な用途のものであって、生産者は「医療用ICTソリューションの提供事業者」に限定され、需要者は「手術室を有する大規模医療機関の関係者」に限定される。
他方、引用商標の指定商品中、「コンピュータハードウェア」の需要者は、特に限定のない広範かつ一般的な者である。
そうすると、本願商標をその指定商品に付して販売した場合に、それが引用商標に係る事業者によるものと需要者が誤認するものではないから、本願指定商品と引用商標の指定商品「コンピュータハードウェア」は、類似する商品に該当しない。
当審において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するか否かについて、前記6の意見も踏まえ、職権に基づく証拠調べをした結果、別掲4及び別掲5に示すとおりの事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、その結果を請求人に対し、前記1の証拠調べ通知書をもって通知し、期間を指定してこれに対する意見を求めた。
請求人は、当該証拠調べ通知に対し、指定した期間を経過するも、何ら回答していない。
(1)本願商標と引用商標の類否について
ア 本願商標について
本願商標は、別掲1のとおり、ややレタリングを施した書体で「Jetta」の欧文字を横書きしてなるところ、当該文字は辞書等に掲載のない語であり、特定の意味を認識させない一種の造語として認識されるというのが相当である。
そして、特定の語義を有しない欧文字からなる商標については、我が国において広く親しまれている英語風又はローマ字風の発音をもって称呼されるのが一般的といえるから、この文字部分よりは、その構成文字に相応して、「ジェッタ」の称呼が生じるとみるのが相当である。
そうすると、本願商標は、その構成文字に相応して「ジェッタ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
イ 引用商標について
引用商標は、前記3のとおり、「JETTA」の文字を標準文字で表してなるところ、当該文字は、上記アと同様に、辞書等に掲載のない語であり、特定の意味を認識させない一種の造語として認識されるというのが相当である。
そして、特定の語義を有しない欧文字からなる商標については、我が国において広く親しまれている英語風又はローマ字風の発音をもって称呼されるのが一般的といえるから、この文字部分よりは、その構成文字に相応して、「ジェッタ」の称呼が生じるとみるのが相当である。
そうとすると、引用商標は、その構成文字に相応して「ジェッタ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
ウ 本願商標と引用商標の類否について
本願商標と引用商標は、それぞれ上記ア及びイのとおりの構成よりなるところ、両商標は、文字のレタリングの有無及び小文字と大文字という差異を有するとしても、語頭から語尾までの「Jetta(JETTA)」の全てのつづりを共通にするものであるから、外観上近似した印象を与えるものである。
次に、称呼においては、本願商標の「Jetta」の文字から「ジェッタ」の称呼を生じ、引用商標の「JETTA」の文字から「ジェッタ」の称呼を生じることから、両者は、「ジェッタ」の称呼を共通にするものである。
そして、観念においては、本願商標の「Jetta」と引用商標の「JETTA」は、いずれも特定の観念を生じないものであるから、観念上、比較することができない。
以上からすると、本願商標と引用商標とは、観念において比較できないとしても、外観上近似した印象を与えるものであり、また、両者は称呼を共通にするものであるから、これらの外観、称呼及び観念によって、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、本願商標と引用商標は、相紛れるおそれのある、類似の商標というのが相当である。
(2)本願商標の指定商品と引用商標の指定商品の類否について
商標法第4条第1項第11号における商品の類否の判断は、取引の実情、すなわち、a)生産部門が一致するかどうか、b)販売部門が一致するかどうか、c)原材料及び品質が一致するかどうか、d)用途が一致するかどうか、e)需要者の範囲が一致するかどうか、f)完成品と部品との関係があるかどうか等を総合的に考慮して判断をすべきものであり、その類否は、2つの商品に同一又は類似の商標が使用された場合、これに接する取引者、需要者が商品の出所につき誤認混同を生ずるおそれがあるかどうかにより判断すべきものである。
そこで、これを踏まえて、本願の指定商品である第9類「手術映像情報システムをタッチパネルで操作するためのコンピュータソフトウェア」と、引用商標の指定商品中、第9類「コンピュータハードウェア」の類否について検討する。
本願指定商品は、「手術映像情報システムをタッチパネルで操作するためのコンピュータソフトウェア」であるところ、その用途が限定されているものの、「電子応用機械器具及びその部品」(「類似商品・役務審査基準」〔国際分類第11-2021版対応〕特許庁)の範ちゅうの商品として例示されている「コンピュータソフトウェア」に類するものであるといえるから、本願の指定商品は、「電子応用機械器具及びその部品」の範ちゅうの商品であると認められる。
また、「電子応用機械器具及びその部品」は、「この商品は、電子の作用を応用したもので、電子の作用をその機械器具の機能の本質的な要素としているものが該当します。」(「商品及び役務の区分解説」〔国際分類第11-2022版対応〕特許庁商標課編)とされている。
そして、引用商標の指定商品中、「コンピュータハードウェア」については、上記、「コンピュータソフトウェア」と同様に、「電子応用機械器具及びその部品」の範ちゅうの商品として例示されていることから(「類似商品・役務審査基準」〔国際分類第11-2021版対応〕特許庁)、これは、本願の指定商品と同じく、「電子応用機械器具及びその部品」の範ちゅうの商品であると認められる。
さらに、本願指定商品を取り扱う分野においては、近年、コンピュータソフトウェアとコンピュータハードウェアが同一事業者により製造・販売されている事実(別掲2)が見受けられることに加え、本願指定商品の属する医療分野のコンピュータソフトウェアやコンピュータハードウェアが同一営業主により製造、開発、販売されている事実(別掲3)が確認できる。
そうすると、本願指定商品である「手術映像情報システムをタッチパネルで操作するためのコンピュータソフトウェア」と、引用商標の指定商品中「コンピュータハードウェア」とは、ともに電子の作用を応用したもので、電子の作用をその機械器具の機能の本質的な要素としているものであって、その需要者の範囲、生産部門、販売部門及び業種を同じくすることがあるといえるものであり、これらの取引の実情に照らせば、両者は類似する商品と判断すべきものである。
したがって、本願の指定商品と、引用商標の指定商品中「コンピュータハードウェア」とは、互いに類似の商品であると判断するのが相当である。
(3)小括
以上のとおり、本願商標は、引用商標と類似する商標であり、かつ、その指定商品も引用商標の指定商品と類似のものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(4)請求人の主張について
ア 請求人は、本願商標及び引用商標は、顕著に外観上の差異を有しており、両者は混同されない程度の識別性を有するというべきである旨を主張する。
しかしながら、本願商標と引用商標は、文字のレタリングの有無及び小文字と大文字という差異を有するとしても、語頭から語尾までの「Jetta(JETTA)」の全てのつづりを共通にするものであり、外観上近似した印象を与えるものであることは、前記(1)のとおりである。
イ 請求人は、本願指定商品と引用商標の指定商品に関する取引の実情として、本願指定商品と引用商標の指定商品は、需要者、取引の目的、目的物の性質が大きく異なると述べ、このような取引の実情をあわせて考慮すれば、本願商標と引用商標とは、出所について誤認混同を生ずるおそれはない旨を主張する。
しかしながら、本願指定商品と引用商標の指定商品中「コンピュータハードウェア」は、その需要者の範囲、生産部門及び販売部門を同じくすることがあるといえるものであることは、前記(2)及び後述のとおりである。
ウ 請求人は、本願指定商品は、医療用機械器具用という極めて限定的な用途のものであって、その生産者は、医療用ICTソリューションの提供事業者に限定され、需要者は、手術室を有する大規模医療機関の関係者に限定されるものであって、これと、特に限定のない広範かつ一般的な者を需要者とする「コンピュータハードウェア」とは、類似する商品ではない旨を主張する。
しかしながら、別掲4及び別掲5によれば、医療機関においては、医療用機械器具の操作のために用いられるコンピュータソフトウェア以外にも、会計処理、勤怠管理、電子カルテの管理、文書作成等の多様な用途のコンピュータソフトウェアが、コンピュータハードウェアを通じて使用されている実情があり、かつ、医療用機械器具の操作のために用いられるコンピュータソフトウェアを製造・販売する者の中には、他の用途に用いられるコンピュータソフトウェアも取り扱う者が存在する実情があることからすれば、たとえ、本願指定商品の用途が医療用機械器具用に限定されたものであっても、その需要者及び生産者は、他の一般的なコンピュータソフトウェアと重なる場合が少なくないものといえる。そして、本願指定商品を取り扱う分野においては、近年、コンピュータソフトウェアとコンピュータハードウェアが同一事業者により製造・販売されている事実が見受けられることに加え、本願指定商品の属する医療分野のコンピュータソフトウェアやコンピュータハードウェアが同一営業主により製造、開発、販売されている事実が確認できることは前記(2)のとおりであることからすれば、本願指定商品と、引用商標の指定商品中「コンピュータハードウェア」とは、需要者の範囲、生産部門、販売部門及び業種を同じくすることがあるといえるものであって、これらの商品に同一又は類似の商標が使用された場合、これに接する取引者、需要者が商品の出所につき誤認混同を生ずるおそれがあるものというのが相当である。
エ したがって、請求人の上記主張は、いずれも採用することができない。
(5)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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