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Trademark Appeal Case

気分はずむの識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号2024017564
審判種別記載はありません。
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

結 論
本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

理 由

1 手続の経緯

本願は、令和5年5月2日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。

令和5年11月20日付け:拒絶理由通知書

令和6年 1月31日 :意見書の提出

令和6年 7月26日付け:拒絶査定

令和6年11月 1日 :審判請求書の提出

令和7年 8月12日付け:審尋

令和7年 9月24日 :意見書、手続補正書の提出

2 本願商標

本願商標は、「気分はずむ」の文字を標準文字で表してなり、第3類「家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用柔軟剤,洗濯用漂白剤,かつら装着用接着剤,洗濯用でん粉のり,洗濯用ふのり,つけまつ毛用接着剤,口臭用消臭剤,動物用防臭剤,塗料用剥離剤,靴クリーム,靴墨,つや出し剤,せっけん類,歯磨き,化粧品,入浴剤(医療用のものを除く),香料,薫料,研磨紙,研磨布,研磨用砂,人造軽石,つや出し紙,つけづめ,つけまつ毛」を指定商品として登録出願され、その後、当審における令和7年9月24日提出の手続補正書により、第3類「入浴剤(医療用のものを除く)」に補正されたものである。

3 原査定の拒絶の理由(要旨)

本願商標は、「気分はずむ」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中、「気分」の文字は、「きもち。心もち。恒常的でないが比較的弱くある期間持続する感情の状態。」の意味を、「はずむ」の文字は、「調子づく。形勢がよくなる。」の意味をそれぞれ有する語であるから、本願商標全体からは、「きもちが調子づく。」程の意味合いが理解できるものである。

そして、本願の指定商品を取り扱う業界において、「気分はずむ(気分弾む)」及び「気分が弾む」の文字が、商品の説明や宣伝広告において一般的に使用されている実情が見受けられる。

そうすると、本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する需要者は、自他商品の識別標識として認識するのではなく、商品の説明あるいは宣伝文句の一種であると理解するにとどまるから、本願商標は、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標と判断するのが相当である。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。

4 当審における審尋

当審において、令和7年8月12日付け審尋により、別掲に掲げる事実を提示した上で、本願商標が、その指定商品との関係において、商標法第3条第1項第6号に該当する旨の暫定的見解を示し、相当の期間を指定して、請求人に対し、意見を求めた。

5 審尋に対する請求人の意見(要旨)

請求人は、上記4の審尋に対し、令和7年9月24日に意見書を提出し、要旨以下の(1)ないし(4)のとおりの意見を述べ、証拠方法として第5号証ないし第21号証を提出した。

(1)格助詞を伴った「気分「が」はずむ」については、高揚した気分を表現する言い回しとして使用される例が存在するが、本願商標は「気分がはずむ」の表現から格助詞「が」を省略して構成されたものであって、辞書等に収録された既成の語ではなく、不自然に切り詰められた語であり、一般に用いられる日本語表現ではないことから、取引者・需要者においても造語としての印象を強く与えるものといえる。

(2)これまで原審及び当審において引用されたウェブサイトのうち、補正後の指定商品「入浴剤(医療用のものを除く)」に関連するものはわずか2例に限られるところ、1つは「気分「が」弾む」の使用例であって、文法的正しさを備えた日本語表現としての「気分「が」弾む」と、文法を無視した造語的表現としての「気分はずむ」とでは全く別の言葉であるため、これは「気分はずむ」が宣伝広告に使用されていることを示すものではない。そして、当該ウェブサイトの「アース製薬株式会社」とはグループ会社であり、完全統合を予定していることから請求人と同一人による使用である。また、もう1つの例は、「気分弾む」の使用例であって、「気分はずむ」ではなく、仮にこれらを同一視するとしても、当該記事はLUSH社による単発のPR記事にすぎず、唯一かつ一時的な使用にとどまるものであるから、業界全体で一般的に使われていることを裏付けるものではない。

(3)入浴剤分野に関連する2例は、いずれも「気分が弾む」又は「気分弾む」という表現が文章中に埋没するように現れるにすぎず、単独の宣伝文句として強調されているわけではないから、広告文中に埋もれる表現と、それ自体を宣伝文句として需要者に直接訴求する表現とを同列に扱うべきではない。

(4)近年の審決においても、造語性や使用例の限定性を理由として、商標法第3条第1項第6号該当性を否定した判断が示されていることから、本願商標も同様に判断されるべきである。

6 当審の判断

(1)商標法第3条第1項第6号該当性について

本願商標は、「気分はずむ」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中、「気分」の文字は、「その時々の漠然とした心・気持ちの状態。」の意味を、「はずむ」の文字は、「喜びや運動のため、呼吸や鼓動が激しくなる。また、うれしくて気持ちがうきうきする。」等の意味をそれぞれ有する語として知られるものであることよりすれば(以上、出典は、株式会社三省堂「大辞林 第四版」)、両語を組み合わせた本願商標からは、「気分(心、気持ち)がはずむ」程の意味合いを認識させるものといえる。

また、原審提示の情報に加え、別掲の参考情報にもあるように、本願の指定商品に関連する分野において、「気分はずむ(弾む)」又はこれに類する「気分がはずむ(弾む)」の文字が、例えば、香りや色彩等を特徴とする商品について、それらが「気分(心、気持ち)がはずむ」香りや色彩等を有する商品であることを表す宣伝広告の語句の一部として使用されている実情が見受けられる。

そうすると、本願商標は、これをその指定商品「入浴剤(医療用のものを除く)」に使用しても、これに接する取引者、需要者をして、その商品が、「気分(心、気持ち)がはずむ香りや色彩等を有する商品」であるという、商品の特徴を記述的に表示した宣伝広告の語句の一部であると理解、認識させるにとどまり、自他商品の識別標識としては認識されないものというべきである。

したがって、本願商標は、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標というべきであるから、商標法第3条第1項第6号に該当する。

(2)請求人の主張について

ア 請求人は、格助詞を伴った「気分「が」はずむ」については、高揚した気分を表現する言い回しとして使用される例が存在するが、本願商標は「気分がはずむ」の表現から格助詞「が」を省略して構成されたものであって、辞書等に収録された既成の語ではなく、不自然に切り詰められた語であり、一般に用いられる日本語表現ではないことから、取引者・需要者においても造語としての印象を強く与えるものといえる旨主張する。

しかしながら、上記(1)で述べたとおり、「気分」の文字と「はずむ」の文字を組み合わせた本願商標からは、「気分(心、気持ち)がはずむ」程の意味合いを認識させるものであり、格助詞の「が」の有無によって上記の意味合いが変わるものともいえず、実際に、本願の指定商品に関連する分野において、「気分はずむ(弾む)」の文字が、「気分(心、気持ち)がはずむ」の意味を表し、宣伝広告の語句の一部として使用されていることが確認できるものであるから、本願商標に接する取引者、需要者をして、商品の特徴を記述的に表示した宣伝広告の語句の一部であると理解、認識させるにとどまり、自他商品の識別標識としては認識されないものであるといわざるを得ない。

イ 請求人は、これまで原審及び当審において引用されたウェブサイトのうち、補正後の指定商品「入浴剤(医療用のものを除く)」に関連するものはわずか2例に限られると述べ、1つは「気分「が」弾む」の使用例であって、文法的正しさを備えた日本語表現としての「気分「が」弾む」と、文法を無視した造語的表現としての「気分はずむ」とでは全く別の言葉であるため、これは「気分はずむ」が宣伝広告に使用されていることを示すものではない旨、そして、当該ウェブサイトの「アース製薬株式会社」とはグループ会社であり、完全統合を予定していることから請求人と同一人による使用である旨主張する。また、もう1つの例は、「気分弾む」の使用例であって、「気分はずむ」ではなく、仮にこれらを同一視するとしても、当該記事はLUSH社による単発のPR記事にすぎず、唯一かつ一時的な使用にとどまるものであるから、業界全体で一般的に使われていることを裏付けるものではない旨主張する。

しかしながら、別掲において引用したウェブサイトは、人の身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌を変え又は皮膚若しくは毛髪を健やかに保つことを目的とする化粧品関連の商品に関するものであり、これらと本願の補正後の指定商品「入浴剤(医療用のものを除く)」とは、その目的を一部共通にするだけでなく、需要者の範囲も一定程度共通にすると考えられるものである。そして、別掲に挙げるだけでも「気分はずむ(気分弾む)」又は「気分がはずむ(気分が弾む)」の使用例が一定数確認できるものであり、これらの記載内容についても、格助詞「が」の有無や漢字と平仮名の相違はあっても、互いに語の意味合いが整合するものであるから、本願商標をその指定商品「入浴剤(医療用のものを除く)」に使用したときには、これに接する需要者は、その商品が、「気分(心、気持ち)がはずむ香りや色彩等を有する商品」であると理解、認識するものというのが相当である。また、仮に、請求人と「アース製薬株式会社」とが実質的に同一人とみなせるとしても、引用したウェブサイトは、「アース製薬株式会社」の取扱いに係る別の商品について使用されているものであるという点において、本願の指定商品分野における本願商標の使用例の1つとして勘案できるものというべきである。

ウ 請求人は、入浴剤分野に関連する2例は、いずれも「気分が弾む」又は「気分弾む」という表現が文章中に埋没するように現れるにすぎず、単独の宣伝文句として強調されているわけではないから、広告文中に埋もれる表現と、それ自体を宣伝文句として需要者に直接訴求する表現とを同列に扱うべきではない旨主張する。

しかしながら、本願の指定商品に関連する分野において、「気分はずむ(弾む)」又はこれに類する「気分がはずむ(弾む)」の文字が、例えば、香りや色彩等を特徴とする商品について、それらが「気分(心、気持ち)がはずむ」香りや色彩等を有する商品であることを表す宣伝広告の語句の一部として使用されていることが確認できることよりすれば、本願商標は、これのみで商品の特徴を記述的に表示した語句であると理解、認識させるものであり、自他商品の識別標識としては認識されないものというのが相当である。

エ 請求人は、近年の審決においても、造語性や使用例の限定性を理由として、商標法第3条第1項第6号該当性を否定した判断が示されていることから、本願商標も同様に判断されるべきである旨主張する。

しかしながら、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第6号に該当するものであるか否かの判断は、当該商標登録出願の査定時又は審決時において、当該商標の構成態様と指定商品・指定役務との関係や、その商品又は役務の分野における取引の実情をも踏まえて、個別具体的に判断されるべきものであるところ、請求人の挙げた審決例は、商標の構成態様及び指定商品が本願商標とは異なるものである点において、本願とは、事案を異にするものというべきであり、また、過去の審決例が存在することをもって、本件判断が左右されるものではない。

オ したがって、請求人の上記アないしエの主張は、採用することができない。

(3)まとめ

以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当するものであるから、登録することができない。

よって、結論のとおり審決する。

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