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Trademark Appeal Case

材料名結合の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号2024019789
審判種別記載はありません。
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

結 論
本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

理 由

1 本願商標及び手続の経緯

本願商標は、「ガリごぼう」の文字を標準文字で表してなり、第29類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、令和5年11月30日に登録出願されたものである。

本願は、令和6年4月19日付けで拒絶理由の通知がされ、同年6月7日に意見書及び手続補正書が提出され、指定商品については、第29類「ガリとごぼうを使用した漬物」と補正されたが、同年9月5日付けで拒絶査定がされたものである。

これに対して令和6年12月10日に拒絶査定不服審判の請求がなされたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定は、「本願商標は、「ガリごぼう」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「ガリ」の文字は、「握鮨・押鮨などで、口直しに添える甘酢ショウガの薄切り。」の意味を有し、「ごぼう」の文字は、「キク科の二年草。ヨーロッパ・ヒマラヤ・中国に分布し、日本では古くから栽培。根は食用。」の意味を有する。そして、食品を取り扱う業界において、「ガリごぼう」、「がりごぼう」、「ガリ牛蒡」の文字が、「ガリとごぼうを使用した漬物」ほどの意味合いを表す商品として取引され、また、作り方のレシピなども紹介されている実情がある。そうすると、本願商標を、その指定商品「ガリとごぼうを使用した漬物」に使用したとしても、これに接する取引者・需要者は、「ガリとごぼうを使用した漬物」ほどの意味合いを理解するにすぎず、本願商標は、単に商品の品質を普通に用いられる方法で表示したものにすぎないといわざるを得ない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。また、出願人が提出した証拠をもってしても、本願商標は、使用をされた結果、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができるに至っているものとはいえず、本願商標は商標法第3条第2項の要件を具備するものとは認められない。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

(1)商標法第3条第1項第3号について

本願商標は、「ガリごぼう」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中「ガリ」の文字は片仮名で、「ごぼう」の文字はひらがなで書かれていて書体が異なり、また、本願指定商品との関係において、「ガリ」の文字は「握鮨・押鮨などで、口直しに添える甘酢ショウガの薄切り。」を意味する「がり」を認識させるものであり、「ごぼう」の文字は「キク科の一年草または二年草」(前掲書)の根菜としてそれぞれ親しまれた語であから、「ガリ」と「ごぼう」の文字を組み合わせたものと容易に認識されるものである。

そして、例えば、「梅きゅうり」(「エスビー食品」のウェブサイト(https://www.sbfoods.co.jp/recipe/detail/09731.html))や「ぶり大根」(「農林水産省」のウェブサイト(https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/buridaikon_kagoshima.html))などのように、用いられる食材の名称を併記して一つの食品・料理名を表すものが一般に存在するところ、別掲1のとおり、ガリと他の食材、又はごぼうと他の食材を使用した食品及び料理が一般に存在し、それらを食材の名称を併記して、「がり(ガリ)○○」、「○○ごぼう」(○○は組み合わせた食材の名称)と称することが行われている。

さらに、別掲2のとおり、がり(ガリ)とごぼうを使用した漬物、食品又は料理を表す語として、「ガリ(がり)ごぼう(牛蒡)」の文字が広く使用されている実情がある。

以上の本願商標を構成する各語の意味合い及び取引の実情を踏まえると、用いられる食材である「ガリ」と「ごぼう」を組み合わせた「ガリごぼう」の文字からなる本願商標は、料理・食品の名称として独創性がある語とは言えず、その指定商品である「ガリとごぼうを使用した漬物」に使用するときは、これに接する取引者、需要者は、当該商品が「ガリとごぼうを使用したもの」程度の意味合い、すなわち単に商品の品質を表示したものと理解するに止まり、自他商品の識別標識としては認識しないというべきである。

したがって、本願商標は、商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標と判断するのが相当であるから、商標法第3条第1項第3号に該当する。

(2)商標法第3条第2項について

請求人は、証拠方法として甲第1号証ないし同第6号証(枝番号を含む。以下「甲○」と表記する。)を提出の上、「本願商標「ガリごぼう」が、本出願人が運営する周知著名な飲食店「金子半之助」の出所表示として、需要者の間で全国的に認識されていることは明らか」であるとして、本願商標は、商標法第3条第2項の要件を具備するものである旨を主張するので以下検討する。

ア 請求人の主張及び提出証拠によれば、以下のとおりである。

(ア)請求人が運営する飲食店「金子半之助」は、2010年11月15日創業で、グルメサイトにおいて、人気天丼店として紹介され、また「「がりごぼう」は、和食の職人だった創業者の父が独自に考案したもの。ごぼうとがりのさっぱりした酸味に合わせれば、天丼のような油っぽいもに合うと考えて考案した。口直しや箸休めに評判で、『金子半之介』創業当時から提供している。」との記載がある(甲2)。

(イ)「ガリごぼう」は、日本全国32店舗の「金子半之助」で付け合わせの漬物として提供されるとともに、大手百貨店である高島屋各店舗やオンラインストア、及び株式会社マクアケが運営するMakuake等を通じて、遅くとも2022年から、「ガリごぼう」を商品内容に含む天ぷら詰め合わせ等商品が全国販売されている(甲5)。

(ウ)日本放送協会のNHK総合テレビジョンの番組「あさイチ」において、2021年1月13日に、「金子半之助」の人気の付け合わせの漬物である「ガリごぼう」を再現するレシピが全国放送されたと複数のインターネット記事で取り上げられている。(甲3)。

(エ)日本全国で32店舗ある「金子半之助」のうち、東京都内4店舗における本願商標「ガリごぼう」を使用した商品の年間推定消費量(2023年11月から2024年10月まで)は、その材料の納品量の合計から、10トン146kgに上る。

(オ)検索エンジンGoogleにおいて、本願商標「ガリごぼう」を検索すると、「他の人はこちらも検索」には、「がりごぼう 金子半之助」、「金子半之助 がりごぼう 通販」、「金子半之助 がりごぼう レシピ」、及び「あさイチ がりごぼうレシピ」等が表示される(甲4)。

イ 以上を踏まえると、請求人は、本願商標の構成文字「ガリごぼう」又は「がりごぼう」を、2010年頃より付け合わせの漬物として請求人の天丼店「金子半之助」で提供を始め、日本全国32店舗で付け合わせの漬物として提供するとともに、大手百貨店等のオンラインストアでも遅くとも2022年から「ガリごぼう」を商品内容に含む天ぷら詰め合わせ等商品が全国販売されており、また、2021年にNHKの朝の情報番組で、そのレシピの作り方が紹介されたことがウェブサイト記事で取り上げられていることが確認できる。

しかしながら、請求人提出のインターネット記事においては、「ガリごぼう」の文字は、単独の漬物の商品名としての態様ではなく、天丼の付け合わせの漬物の名称又は料理名(レシピ名)として、がりとごぼうを使用したものである説明とともに用いられているから、上記(1)で示した取引の実情も併せみると、これらの、用いられる食材である「ガリ」と「ごぼう」を組み合わせた「ガリごぼう」の文字に接する需要者をして、商品の品質(料理名)を示す表示として通常は認識、理解すると考えられ、請求人に係る固有の商標として認識、記憶しているとは言い難いものである。

加えて、本願商標の指定商品に係る漬物の需要者は、広く一般の需要者であるところ、全国的な広告宣伝については請求人から言及がなくその実施も確認できず、また、付け合わせとして「ガリごぼう」を内容に含む天ぷら商品のオンラインでの販売数は明らかではないが、請求人の運営する飲食店の店舗数を考慮しても、本願商標の指定商品に係る我が国における一般需要者層に広く行き渡るほどの販売・提供実績があるとは評価し難い。さらに、一度NHKの番組で紹介された旨記載された複数のインターネット記事等の存在及びインターネットサイトGoogleの検索結果を考慮しても、前記のとおり、本願商標が商品の品質(料理名)を表示するものとして認識されるものであることを併せみると、本願商標の指定商品に係る全国の一般需要者の間で広く、請求人の「ガリごぼう」が請求人に係る固有の商標として知られているといえるとは評価し難いものである。

その他、本願商標について、一般の需要者の間における、請求人の自他商品の出所識別標識としての認知度や知名度の程度を直接的かつ客観的に裏付ける資料は何ら提出されていない。

以上を踏まえると、本願商標「ガリごぼう」は、請求人の提出した証拠を総合して勘案しても、請求人に係る固有の商標として、その指定商品に係る一般の需要者の間において、広く知られるに至っていると認めることはできない。

したがって、本願商標は、請求人によりその指定商品について使用された結果、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができるものになったとはいえず、商標法第3条第2項の要件を具備しない。

(3)まとめ

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、また、同法第3条第2項の要件を具備するものではないから、登録することができない。

よって、結論のとおり審決する。

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