結論テキスト
本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 2024300779 |
|---|---|
| 審判種別 | 記載はありません。 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理 由
本件登録第5422529号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成よりなり、平成22年12月22日に登録出願、第21類「なべ類,コーヒー沸かし(電気式のものを除く。),鉄瓶,やかん,食器類,携帯用アイスボックス,米びつ,食品保存用ガラス瓶,水筒,魔法瓶,アイスペール,泡立て器,こし器,こしょう入れ,砂糖入れ,塩振り出し容器,卵立て,ナプキンホルダー,ナプキンリング,盆,ようじ入れ,ざる,シェーカー,しゃもじ,手動式のコーヒー豆ひき器及びこしょうひき,じょうご,すりこぎ,すりばち,ぜん,栓抜,大根卸し,タルト取り分け用へら,なべ敷き,はし,はし箱,ひしゃく,ふるい,まな板,麺棒,焼き網,ようじ,レモン絞り器,ワッフル焼き型(電気式のものを除く。)」を含む、第4類、第16類、第20類、第21類、第27類、第34類、第35類、第37類、第42類及び第43類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同23年7月1日に設定登録され、その商標権は現に有効に存続しているものである。
そして、本件審判の請求の登録は、令和6年11月8日になされたものであり、この登録前3年以内の期間(令和3年11月8日~令和6年11月7日)を以下「要証期間」という。
請求人は、商標法第50条第1項の規定により、本件商標の指定商品及び指定役務中、第21類「なべ類,コーヒー沸かし(電気式のものを除く。),鉄瓶,やかん,食器類,携帯用アイスボックス,米びつ,食品保存用ガラス瓶,水筒,魔法瓶,アイスペール,泡立て器,こし器,こしょう入れ,砂糖入れ,塩振り出し容器,卵立て,ナプキンホルダー,ナプキンリング,盆,ようじ入れ,ざる,シェーカー,しゃもじ,手動式のコーヒー豆ひき器及びこしょうひき,じょうご,すりこぎ,すりばち,ぜん,栓抜,大根卸し,タルト取り分け用へら,なべ敷き,はし,はし箱,ひしゃく,ふるい,まな板,麺棒,焼き網,ようじ,レモン絞り器,ワッフル焼き型(電気式のものを除く。)」(以下「請求に係る指定商品」という。)についての登録を取り消す、審判費用は、被請求人の負担とするとの審決を求め、審判請求書にて、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出した。
本件商標は、その指定商品・役務中、請求に係る指定商品について、継続して3年以上日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
請求人は、令和6年12月23日付け審判事件答弁書(以下「答弁書」という。)に対して、何ら弁駁していない。
被請求人は、結論同旨の審決を求め、答弁書において、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第17号証(枝番号を含む。)を提出した。
なお、以下、証拠の表記に当たっては、乙第1号証を「乙1」のように省略して表示する場合があり、枝番号を含む号証で、枝番号の全てを引用するときは、枝番号を省略して記載する。
本件商標は、以下のとおり、要証期間に日本国内において、商標権者又は使用権者が請求に係る指定商品について使用しているものであり、使用している商品中、「食器類」について証明する。
(1)商標権者による対象商品
商標権者は、自身のオンラインストア(BAYCREW’S STORE)を有している(乙2)。当該オンラインストアのトップページ最下部の「企業情報」から、商標権者の会社情報が掲載されているところ、同社のオンラインストアであることが確認できる(乙3)。
本件商標は商標権者に係る商品ブランドの一つであり、当該オンラインストア上も商品写真の上部に本件商標が表示されている(乙4~乙7)。
商標権者は当該オンラインストアにおいて「マグカップ」を販売しており、裏面及び正面には本件商標が付されている(乙4)。
また、同オンラインストアにおいて、「褐色の伝統釉薬の「飴釉」を職人の手作業によりグラデーションにしたMADISONシリーズのテーブルウェア」として、「マグカップ」の他に、「ボウル」「プレート(皿)」も販売している(乙5~乙7)。
当該シリーズのテーブルウェアは大変な人気があり、自社ウェブサイトにおいて他の商品ブランド(JOURNAL STANDARD FURNITURE)に係るシリーズ商品とともに「シリーズで揃えたいオリジナルテーブルウェア」として再入荷した旨の記事が公開されているところ、当該記事が公開された2024年9月22日より以前から当該テーブルウェアシリーズが存在していたことが確認できる(乙8)。
乙第5号証ないし乙第8号証に係る商品画像では、商品自体に商標が付されていることは確認できないが、これは製作段階で細かいディテールを確認するために生産する少量の試作品(いわゆるサンプル品)であるためで、実際の商品には裏面に「ACME」の文字が付されている(乙9~乙11)。
(2)要証期間内の使用
乙第4号証のとおり、商標権者は「マグカップ」に使用商標1(審決注:別掲2の商標と同様の構成である。)を付している。
当該商品は要証期間内である2024年10月2日付の発注書(乙12)と、同年10月6日付の購入実績(乙13)に照らして、商標権者が要証期間内に商標を使用していたことが確認できる。
また、乙第9号証ないし乙第11号証の写真のとおり、商標権者は「マグカップ」、「ボウル」「プレート(皿)」に、その全体の輪郭における上側が山なりとされた「ACME」の欧文字からなる使用商標2を付し、それらの包装に使用商標3(審決注:別掲2の商標と同様の構成である。)を付している。
当該写真は、本件審判請求を受けて使用状況を確認するために撮影されたものであるところ、要証期間外に記録されたものであるが、乙第9号証ないし乙第11号証で確認できる商品に貼付された情報と、要証期間内である2024年1月29日及び同年5月16日付の当該商品に関する発注書の品番及び品名(乙14、乙15)、2024年4月15日及び同年9月3日付の納品書の品番及び品名(乙16、乙17)、そして、商標権者オンラインサイトのアイテム説明に記載された品番及び品名(乙5~乙7)に照らせば、商標権者が要証期間内に商標を使用していたことは明白である。
すなわち、上記の各商品に使用商標1ないし使用商標3を付す行為は「商品に標章を付す行為」であり(商標法第2条第3項第1号)、実店舗及びオンラインサイトにこれらの商品を置くことは「商品に標章を付したものを譲渡若しくは引き渡しのために展示する行為である(同法第2条第3項第2号)。
なお、「マグカップ(類似群コード:19A03)」は「食器類(類似群コード:19A03)」と類似群コードを共通にする商品であって、「ボウル」及び「プレート(皿)」は「食器類」の下位概念であるところ、いずれも「食器類」の範ちゅうに属する商品への使用である。
(3)本件商標と使用商標
本件商標と使用商標1及び使用商標3の態様を比較すると、「ACME」の文字書体や文字を囲む枠を含めたデザインが共通している。「Furniture」の文字が付加されているが、当該共通部分の自他商品識別標識としての機能に実質的な差異はなく、社会通念上同一と認められるものと考える。
また、本件商標と使用商標2の態様を比較すると、「ACME」の文字を囲む枠が使用商標2には存在しないが、下側がまっすぐに揃えられているのに対して上側が山なりになっているデザインや文字書体は本件商標の文字部分と同一であることは明白である。
文字を囲む枠がないため完全同一ではないが、この差異によって称呼に影響を与えるものではないし、上述のとおり、文字部分のデザインは同一であるから外観においても大きな影響を与えるものではない。
よって、使用商標2についても自他商品識別標識としての機能に実質的な差異はなく、社会通念上同一と認められるものと考える。
以上のとおり、本件商標は本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において被請求人である商標権者によって指定商品中「食器類」に使用されている(商標法第2条第3項第1号及び同項第2号)。
(1)被請求人の主張及び乙各号証によれば、以下の事実が確認できる。
ア 乙第3号証
乙第3号証は、被請求人が、商標権者のオンラインストアにおける企業情報のウェブページと主張するものであり、1葉目おいて、上部に、「COMPANY PROFILE-BAYCREW’S GROUP-baycrews.co.jp」の記載、その下に、「会社概要」の記載、その下に、「会社名」に対応して、商標権者の社名の記載、その下に、「本社住所」に対応して、商標権者のものと一致する住所の記載がある。
イ 乙第5号証
乙第5号証は、被請求人が、商標権者のオンラインストアにおける「MADISONシリーズのテーブルウェア」である「マグカップ」のウェブページと主張するものであり、1葉目おいて、左上に、「2024/12/09 11:11」の記載、その下に、別掲2に示すとおりの、上辺を上に湾曲させた四角枠内に、その全体の輪郭における上側が当該四角枠の上辺に沿って山なりとされた「ACME」の欧文字を配した図形(以下「ACME図形」という。)の下に、「Furniture」の欧文字(筆記体で表してなる。以下同じ。)を配した構成の商標の記載があり、その下に、マグカップを撮影した写真が掲載され、その右に、「MADISON MUG マディソン マグカップ」の記載、その下に、「¥2,750 税込」の記載、その下に、上記写真を縮小したものに相当する写真や種々の記載を挟んで、「《MADISONシリーズ》」の記載、その下に、「24014970000070:マグカップ」等の記載があり、さらに、1葉目の最も左下に、「https://baycrews.jp」の文字を含むURLの記載がある。
また、3葉目において、「○C BAYCREW’S CO.,LTD.All rights reserved.」(審決注:「○C」は「○」の中に「C」を表示した記号を表す。以下同じ。)の記載がある。
ウ 乙第8号証
乙第8号証は、被請求人が、商標権者のオンラインストア内のブログと主張するものであり、1葉目おいて、左上に、「HOME>ブログ>シリーズで揃えたいオリジナルテーブルウェア」の記載、その下に、「シリーズで揃えたいオリジナルテーブルウェア」の記載、その下に、「2024.09.22」の記載、その下に、マグカップ等を撮影した写真を挟んで、「人気のオリジナル食器シリーズが再入荷!・・・本日は再入荷した、オリジナル食器を紹介いたします。」の記載があり、最も左下に、「https://baycrews.jp」の文字を含むURLの記載がある。
また、本号証の6葉目において、左上に、乙第5号証における上記イの写真を縮小したものに相当する、マグカップを撮影した写真が掲載され、その右に、「ACME Furniture/MADISON MUG マディソン マグカップ/¥2,750(税込)」の記載、下部に、別掲2の商標の記載があり、7葉目において、「○C BAYCREW’S CO.,LTD.All rights reserved.」の記載がある。
エ 乙第14号証
乙第14号証は、被請求人が、発注書と主張するものであり、1葉目において、上部左上に、「ORDER SHEET」の記載、その下における「御中」の記載のある欄に、A社の社名の記載、上部中央に、「発注日:2024/01/29」の記載、上部右上に、「発注伝票No: 3700091020」の記載、その下に、商標権者の社名の記載、その下に、商標権者のものと一致する住所の記載があり、その下に、「ACME」の記載がある。
また、本号証の1葉目に提示された、1行目に「品番」、「品名」、「上代」、「TOTAL」及び「納期」等の見出しが設けられた表中、「品番」欄の記載が「24-014-970-0000-7-0」とされた行において、「品名」欄に「MADISON MUG」の記載、「上代」欄に「2,500」の記載、「TOTAL」欄に「81」の記載、「納期」欄に「24/04/15」の記載がある。
オ 乙第16号証
乙第16号証は、納品書であり、上部中央に、その表題の記載、その下に、「(納品日)2024/4/15」の記載、上部左上に、「BAYCREW’S GROUP」の記載、その右の「ブランド名」に対応する四角枠内に、「ACME」の記載、上部右上の四角枠内に、「NO.3700091020」の記載、その下の「商社名/お取引先名」に対応する四角枠内に、A社の社名の記載がある。
また、本号証に提示された、1行目に「品番」、「上代」、「品名」及び「数量」等の見出しが設けられた表中、「品番」欄の記載が「24014970000070」とされた行において、「上代」欄に「2,500」の記載、「品名」欄に「MADISON MUG」の記載、「数量」欄に「81」の記載がある。
(2)上記(1)アないしオによれば、次の事実を認めることができる。
ア オンラインストアにおいて、「MADISON MUG マディソン マグカップ」と称するマグカップの販売を目的として、別掲2の商標が表示され、「24014970000070:マグカップ」の記載を含むウェブページが公開されていた(乙5)。
ここで、乙第5号証におけるURLの記載中の「baycrews」及び「○C BAYCREW’S CO.,LTD.All rights reserved.」の記載中の「BAYCREW’S」の各文字と同じつづりが、乙第3号証における「COMPANY PROFILE-BAYCREW’S GROUP-baycrews.co.jp」の記載中にも存在すること、また、乙第3号証に商標権者の社名の記載、及び商標権者のものと一致する住所の記載があることからすれば、上記ウェブページは、商標権者によって公開されたものと認められる。
イ 「ACME Furniture/MADISON MUG マディソン マグカップ」と称するマグカップについて紹介する、2024年9月22日に投稿されたブログ記事がウェブページで公開されていた(乙8)。
ここで、当該マグカップと上記アのマグカップとは、名称が「MADISON MUG マディソン マグカップ」において一致しており、乙第8号証におけるマグカップを撮影した写真が乙第5号証における写真を縮小したものに相当するものであることから、同じ商品であることは明らかである。
また、乙第8号証におけるURL及び「○C BAYCREW’S CO.,LTD.All rights reserved.」の記載について、上記アと同様にいえることから、上記ウェブページも、商標権者によって公開されたものと認められる。
ウ 商標権者は、2024年4月15日に、「MADISON MUG」と称する商品を81個、A社に納品し、その取引についての納品書を発行した(乙16)。
ここで、乙第16号証における上記商品の品番の表記は「24014970000070」であるのに対して、乙第14号証における品番の表記は「24-014-970-0000-7-0」であるが、両者はハイフンの有無が異なるのみであり、乙第16号証における「発注伝票No」として記載されている「3700091020」の数字が乙第14号証にも記載されているから、乙第14号証は、上記納品書と同じ取引に係る発注書であるものと認められる。
また、上記品番は上記アのウェブページにおける「24014970000070:マグカップ」の記載中に含まれていることから、上記商品は当該ウェブページに記載された「MADISON MUG マディソン マグカップ」と称するマグカップであるものと認められる。
よって、商標権者は、2024年4月15日に、当該マグカップを81個、A社に販売したことが認められる。
エ 上記アのウェブページは、商標権者がインターネット上で公開したマグカップに関する広告といえるところ、当該マグカップについて、上記イのとおり、これを紹介する2024年9月22日に投稿されたブログ記事が掲載されたウェブページが商標権者によって公開されており、また、上記ウのとおり、それよりも前の2024年4月15日における商標権者による販売事実も認められることからすれば、上記アのウェブページは、少なくとも2024年9月22日の時点で公開されていたものと推認できる。
よって、商標権者は、2024年9月22日に、商品「マグカップ」(以下「使用商品」という。)に関する広告を、別掲2の商標(以下「使用商標」という。)を付して、インターネット上で公開したことが認められる。
上記1(2)エの行為について、次のとおり判断できる。
(1)使用商標について
使用商標の構成中「Furniture」の欧文字は、「家具」等を意味する英語であり、自他商品の識別機能を果たさないか、果たすとしてもその機能は弱いものである。
そうすると、使用商標においては、ACME図形が、特に自他商品識別力を有する要部として看者の注意を強くひく部分といえる。
そして、使用商標の要部であるACME図形は、上辺を上に湾曲させた四角枠内に、その全体の輪郭における上側が当該四角枠の上辺に沿って山なりとされた「ACME」の欧文字を配したものであって、本件商標と外観において同視されるものである。
よって、本件商標と使用商標とは、社会通念上同一の商標であると認められる。
(2)使用商品について
使用商品は、マグカップであって、請求に係る指定商品中、「食器類」の範ちゅうに属する商品といえる。
(3)使用者、使用時期及び使用行為について
使用商標の使用者は、本件商標権者であり、使用時期は、要証期間の2024年9月22日であり、また、本件商標権者は、使用商品に関する広告に使用商標を付して、日本国内においてインターネット上で公開したものであるから、当該行為は、商標法第2条第3項第8号にいう、商品に関する広告を内容とする情報に標章を付して電磁的方法により提供する行為に該当する。
(4)小括
上記(1)ないし(3)によれば、商標権者は、要証期間に日本国内において、請求に係る指定商品中の「食器類」の範ちゅうに属する商品に関する広告に、本件商標と社会通念上同一の商標を付して電磁的方法により提供する、商標法第2条第3項第8号に該当する行為を行ったことが認められる。
以上のとおりであるから、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者が、請求に係る指定商品中の「食器類」の範ちゅうに属する商品について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標の使用をしていたことを証明したということができる。
したがって、本件商標の登録は、請求に係る指定商品について、商標法第50条の規定により、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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