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Trademark Appeal Case

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本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号2025000511
審判種別記載はありません。
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

結 論
本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

理 由

第1 手続の経緯

本願は、令和5年8月9日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。

令和6年 1月15日付け:拒絶理由通知書

令和6年 5月24日 :意見書の提出

令和6年10月 7日付け:拒絶査定

令和7年 1月15日 :審判請求書の提出

令和7年 7月17日付け:審尋

令和7年 8月29日 :回答書の提出

第2 本願商標

本願商標は、「汚れはがしコース」の文字を標準文字で表してなり、第7類「電気洗濯機,家庭用電気洗濯機」を指定商品として、登録出願されたものである。

第3 原査定の拒絶の理由(要旨)

原査定は、「本願商標は、「汚れはがしコース」の文字を標準文字で表してなるところ、構成中の「汚れ」の文字は「よごれること。よごれた痕。」(広辞苑 第七版 岩波書店)の意味を、「はがし」の文字は「はがすこと。はがすもの。」(原審の拒絶理由通知における引用情報1)の意味を、「コース」の文字は「経過。順序。」「課程。」(広辞苑)の意味を有する語である。そして、「洗濯機」の掃除においては、洗濯槽を定期的に洗浄することが推奨され、洗浄剤を使用して、洗濯槽にこびりついたカビや水アカなどの汚れをはがし落とすことが一般的に行われており(原審の拒絶理由通知における引用情報2ないし引用情報5)、洗濯槽を洗浄するためのコース(機能)を有する洗濯機が一般に流通している実情がある(原審の拒絶理由通知における引用情報6ないし引用情報8)。そうすると、本願商標を、その指定商品に使用した場合、これに接する需要者は、単に「(洗濯槽の)汚れをはがす機能を有する電気洗濯機・家庭用電気洗濯機」であることを容易に理解・認識するにすぎないことから、本願商標は、単に商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であるというのが相当である。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

第4 当審における審尋

当審において、審判長は、請求人に対し、令和7年7月17日付けで、別掲1ないし別掲3のとおりの事実を提示した上で、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当する旨の暫定的見解を示し、相当の期間を指定して、これに対する回答を求めた。

第5 審尋に対する請求人の回答(要旨)

請求人は、上記第4の審尋に対し、令和7年8月29日受付けの回答書(以下「回答書」という。)を提出し、当該回答書において、要旨、以下、1及び2のとおりの意見を述べた。

1 本願商標は、「何の」汚れをはがす(おとす)機能であるかの意味合いが一義的でなく、指定商品の品質等を具体的に示すものではない。

2 本願指定商品の分野において、洗濯で汚れを取り除く際、「汚れをはがす」という表現が取引上一般的に使用されている事実はなく、本願商標は一種の造語として認識されるものである。

第6 当審の判断

1 商標法第3条第1項第3号について

商標法第3条第1項第3号に掲げる商標が、商標登録の要件を欠くとされているのは、このような商標は、指定商品との関係で、その商品の品質、その他の特性を表示記述する標章であって、取引に際し必要適切な表示として何人もその使用を欲するものであるから、特定人によるその独占使用を認めるのを公益上適当としないものであるとともに、一般的に使用される標章であって、多くの場合自他商品の識別力を欠き、商標としての機能を果たし得ないものであることによるものと解される。

そうすると、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するというためには、本件審決時において、本願商標がその指定商品との関係で、商品の品質、その他の特性を表示記述するものとして取引に際し必要適切な表示であり、本願商標がその指定商品に使用された場合に、将来を含め、指定商品の取引者、需要者によって商品の上記特性を表示したものと一般に認識されるものであれば足り、それが一般に用いられていた実情があったことまでを必要とするものではないというべきであると解される(最高裁昭和53年(行ツ)第129号判決、平成27年(行ケ)第10107号判決、平成27年(行ケ)第10232号判決参照)。

以上を前提に、本願商標と、その指定商品との関係における同号該当性等について検討する。

2 商標法第3条第1項第3号該当性について

本願商標は、「汚れはがしコース」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「汚れ」の文字は、「よごれること。よごれた痕。」(広辞苑 第七版 岩波書店)を意味し、「はがし」の文字は、「はがすこと。はがすもの。」(原審の拒絶理由通知書の引用情報1)を意味し、「コース」の文字は、「たどるべき道すじ。経過。順序。課程。」(広辞苑 第七版 岩波書店)を意味する親しまれた語であることから、全体として、「汚れをはがすコース」ほどの意味合いが認識されるものである。

そして、本願の指定商品である「電気洗濯機,家庭用電気洗濯機」は、衣服を洗浄して汚れを落とすために使用するものであるところ、別掲1のとおり、洗濯機の脱水機能、もみ洗い機能又はたたく機能等の効果として、洗濯機で衣服の汚れを落とすことについて、「汚れを(引き)はがす」と称している事例が見受けられる。

また、別掲2のとおり、洗濯機に、時間の短縮や節水などのほか、洗濯物の汚れの程度に応じた洗濯コースが搭載されており、例えば、「標準コース」のように、「○○コース」と称されている実情が確認でき、さらに、別掲3のとおり、洗濯機のコース名やコースの説明に、「汚れ」の文字が使用されている事実が認められる。

さらに、原審説示のとおり、本願商標の指定商品である「洗濯機」の掃除においては、洗濯槽を定期的に洗浄することが推奨され、洗浄剤を使用して、洗濯槽にこびりついたカビや水アカなどの汚れをはがし落とすことが一般的に行われており(原審の拒絶理由通知書の引用情報2ないし引用情報5)、洗濯槽を洗浄するためのコース(機能)を有する洗濯機が一般に流通している実情が認められる(原審の拒絶理由通知書の引用情報6及び引用情報7)。

そうすると、本願商標は、その構成文字全体から、「汚れをはがす(落とす)コース」ほどの意味合いを認識、理解させるものであり、これを、その指定商品「電気洗濯機,家庭用電気洗濯機」に使用しても、これに接する取引者・需要者は、当該商品が「洗濯物の汚れをはがす(落とす)ことに適した洗濯コースを搭載した電気洗濯機・家庭用電気洗濯機」であるか、あるいは「(洗濯槽の)汚れをはがす(落とす)機能を有する電気洗濯機・家庭用電気洗濯機」であることを理解するにとどまるというのが相当である。

したがって、本願商標は、商品の品質、効能及び用途を普通に用いられる方法で表示してなる標章のみからなる商標であるから、商標法第3条第1項第3号に該当する。

3 請求人の主張について

(1)請求人は、本願商標は、「何の」汚れをはがす(おとす)機能であるか一義的でなく、指定商品の品質等を具体的に示すものではない旨主張している。

しかしながら、上記1のとおり、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するというためには、審決時において、本願商標が、その指定商品との関係で、その商品の品質を表示記述するものとして取引に際し必要適切な表示であり、本願商標の取引者、需要者によって、本願商標がその指定商品に使用された場合に、将来を含め、商品の品質を表示したものと一般に認識されるものであれば足りると解されるものである。

そうとすれば、上記2のとおり、本願商標は、その構成文字から生じる意味と、原審説示並びに、別掲1のとおり、洗濯機の脱水機能、もみ洗い機能又はたたく機能等の効果として、洗濯機で衣服の汚れを落とすことについて、「汚れを(引き)はがす」と称している事例が複数あること、別掲2のとおり、洗濯機に、時間の短縮や節水などのほか、洗濯物の汚れの程度に応じた洗濯コースが搭載されており、例えば、「標準コース」のように、「○○コース」と称されている実情があること、別掲3のとおり、洗濯機のコース名やコースの説明に、「汚れ」の文字が使用されている状況に照らせば、これに接する取引者、需要者をして、当該商品が「洗濯物の汚れをはがす(落とす)ことに適した洗濯コースを搭載した電気洗濯機・家庭用電気洗濯機」であるか、あるいは「(洗濯槽の)汚れをはがす(落とす)機能を有する電気洗濯機・家庭用電気洗濯機」であること、すなわち、商品の品質を表示するものと容易に理解、認識させるものであるといえることから、それ以上に具体的な商品の内容が特定されることまでは要しないというのが相当である。

(2)請求人は、本願指定商品の分野において、洗濯で汚れを取り除く際、「汚れをはがす」という表現が取引上一般的に使用されている事実はなく、本願商標は一種の造語として認識されるものである旨主張している。

しかしながら、商標法第3条第1項第3号の該当性を判断するにあたって、本願商標の現実の使用の事実が、同号の適用の要件となるものではないことは上記1のとおりであり、本願商標をその指定商品に使用したときは、取引者、需要者に、当該商品が「洗濯物の汚れをはがす(落とす)ことに適した洗濯コースを搭載した電気洗濯機・家庭用電気洗濯機」であるか、あるいは「(洗濯槽の)汚れをはがす(落とす)機能を有する電気洗濯機・家庭用電気洗濯機」であることを認識、理解させるものであるというのが相当であることは上記2のとおりである。

(3)小括

したがって、請求人の上記主張は、いずれも採用することができない。

(4)まとめ

以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであるから、登録することができない。

よって、結論のとおり審決する。

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