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Trademark Appeal Case

略語と普通名称の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号2025005262
審判種別記載はありません。
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

結 論
原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。

理由テキスト

理 由

1 手続の経緯

本願は、令和6年5月4日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。

令和6年11月 1日付け:拒絶理由通知書

令和6年11月26日 :意見書の提出

令和7年 2月12日付け:拒絶査定

令和7年 4月 6日 :審判請求書の提出

2 本願商標

本願商標は、「カスハラデータベース」の文字を横書きしてなり、第35類及び第42類に属する別掲のとおりの役務を指定役務として登録出願されたものである。

3 原査定の拒絶の理由の要点

本願商標は、「カスハラデータベース」の文字を普通に用いられる方法で横書きしてなるところ、その構成中の「カスハラ」の文字は「消費者・顧客による悪質ないやがらせや迷惑行為。」の意味を有する語である「カスタマーハラスメント」の文字を略した語であり、「データベース」の文字は「コンピュータで、いくつかのデータのファイルを一つに統合し、データを構造化して、各データの検索や更新を効率化したもの。」の意味を有する語であるから、本願商標は、全体として「カスタマーハラスメントに関するデータベース」ほどの意味合いを認識させるものである。

そして、近年、カスタマーハラスメントに関するデータベースの開発が行われていたり、カスタマーハラスメント対策としてクレーム対応のデータベースへの記録やデータベースによる顧客情報の管理等が行われていたりする実情がある。

そうすると、本願商標を、その指定役務中、例えば、第35類「顧客情報の提供、コンピューターによる顧客情報の提供、ネットワークによる顧客情報の提供、電子計算機端末による通信を用いて行う顧客情報の提供、建築工事又は建築設計等の建築事業に係る顧客情報の提供、建物又は土地の賃貸に関する顧客情報の提供、顧客情報の提供に関する相談・指導・助言・コンサルティング、商品販売のためのデータベースによる顧客情報の提供及びこれに関する指導・助言、顧客情報の提供の媒介又は取次ぎ、オンラインデータベースによる商業に関する情報の提供、インターネットによりデータベースを利用させる事業の管理又は運営、データベースの構築、データベースへの情報構築、データベースへの情報編集、データベースへの情報構築・情報編集に関する相談・指導・助言・コンサルティング、データベースの管理、コンピュータによるデータベースの管理、コンピュータによるファイルの管理(電子計算機データベースに蓄積された電子データの管理を含む。)、コンピュータデータベースによるファイルの管理、コンピュータデータベースによる顧客データの管理並びにこれらに関する情報の提供、コンピュータデータベースへの情報収集、顧客に関するデータベースへの情報の構築、コンピュータデータベースへの情報構築及びこれに関する相談・指導・助言・コンサルティング、コンピュータデータベースへの情報編集及びこれに関する相談・指導・助言・コンサルティング、コンピュータを利用したデータベースの検索代行、コンピュータネットワーク又はインターネットを利用したデータベースの検索代行、人工知能プログラムを用いたコンピュータデータベースを使用した検索代行、コンピュータデータベースの管理及び編集並びに検索の代行、コンピュータデータベースの検索の代行、コンピュータデータベースへの情報構築の仲介、コンピュータデータベースへのデータ入力、コンピュータデータベース内のデータの更新及び保守、コンピュータデータベース内のデータの照合」、第42類の役務等に使用しても、これに接する需要者、取引者は、「カスタマーハラスメントに関するデータベースに関連する役務」又は「カスタマーハラスメントに関するデータベースを使用して行われる役務」であると認識するにすぎないから、本願商標は、役務の質を普通に用いられる方法で表示するものというのが相当である。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。

4 当審の判断

本願商標は、「カスハラデータベース」の文字を普通に用いられる方法で横書きしてなるところ、その構成中の「カスハラ」の文字は、「消費者・顧客による悪質ないやがらせや迷惑行為。」を意味する「カスタマーハラスメント」の略語であり(株式会社小学館「デジタル大辞泉」)、また、「データベース」の文字は、「系統的に整理・管理された情報の集まり。特にコンピューターで、さまざまな情報検索に高速に対応できるように大量のデータを統一的に管理したファイル。また、そのファイルを管理するシステム。」の意味を有する語であり(株式会社岩波書店「広辞苑第七版」)、いずれも我が国において親しまれている語である。

そして、両語は、これを結合して特定の意味を有する成語となるものではなく、また、各語の意味を踏まえれば、本願商標の構成全体として「カスタマーハラスメントに関するデータベース」ほどの意味合いが理解され得るものであるとしても、その意味合いは漠然としており、役務の質を具体的に表示、記述しているとはいい難いものである。

そして、当審において職権をもって調査するも、本願の指定役務を取り扱う業界において、「カスハラデータベース」又はこれに類する文字が、役務の具体的な質等を表示するものとして取引上一般に使用されている事実は発見できず、さらに、本願商標に接する取引者、需要者が、当該文字を役務の質等を表示するものと認識するというべき事情も発見できなかった。

そうすると、本願商標は、これをその指定役務に使用しても、役務の質を普通に用いられる方法で表示する標章とはいえず、自他役務の識別標識としての機能を果たし得るものである。

したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。

その他、本願について拒絶の理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

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